※文中の会社名は、掲載当時の情報です。
スタッフの方がお仕事選びや今後のキャリアについて悩んだときに、本人の言葉にじっくりと耳を傾け、目指すキャリアの形成に向け進んでいくスタッフの方と伴走するパーソルテクノロジースタッフのキャリアアドバイザー。スタッフの方それぞれのキャリア形成をサポートするのが仕事ですが、実際のお仕事探しやキャリア相談は、どのような様子で行っているのでしょうか。
今回お話を伺ったのは、パーソルテクノロジースタッフを通じて、紹介予定派遣(※ 派遣先企業に直接雇用されることを前提とした就業形態のこと)で大手企業の正社員に登用された武井さんと、パーソルテクノロジースタッフのキャリアアドバイザーの森下さん。
当初は育児との両立を第一条件にして仕事探しをしていた武井さんが、どのようにして就業先を決め、将来に向けてのキャリアを見出し形成していったのか。その模様をお2人に聞きました。
パーソルテクノロジースタッフ株式会社 元・派遣スタッフ
IT内部監査として大手企業の正社員で勤務。
2018年パーソルテクノロジースタッフに登録、2021年4月に紹介予定派遣として、現在の職場に入社。派遣期間終了後に、同年10月に派遣先企業の正社員として登用。
パーソルテクノロジースタッフ株式会社 営業本部 人材開発部 キャリアサポート1G
無期雇用社員のキャリア支援を担当。
大切にしているのは、スタッフの方のお話をじっくりと聞き、誠実に向き合うこと。
退勤後の電車を待つホームで毎日電話し、相談を重ねた
——まずは、お2人が最初にお話された時の印象についてお聞きできますでしょうか?
武井さん(以下、敬称略) :パーソルテクノロジースタッフに登録したのが2018年。ちょうどいろんな派遣会社を通して仕事を探し始めた時期で、森下さんには、非常に話しやすい雰囲気の方、という印象でした。
森下 :それは良かったです。武井さんは、最初にお話ししたときは正社員としてお勤めでしたよね。「子育てのためにも、自宅から職場が近く、時短勤務ができる」という条件の仕事があれば、すぐにでも働きたいというご意向だったと思います。
武井 :たしかに、そうでした。
森下 :当時は私も時短勤務をしていて、武井さんと状況がそっくりでした。ですので、なんとかお力になりたいと思って、お話をお聞きしていました。
武井 :そうだったんですね。正社員でいるとどうしても帰宅が21時過ぎになってしまうので、そんな遅い時間までどこかに子どもを預けるのも嫌でした。時短で働ける可能性のある働き方に切り替えたいと考えていました。そんなときに、周囲のママ友から「派遣という働き方があるよ」と教えられて、「これだ!」と。
ただ、今だと新型コロナの影響などでリモートワークも増え、働き方も柔軟になってきていますが、3年前は「時短勤務可」の仕事が非常に少なかったです。だから、森下さんにも無理を言って、いろいろな仕事を探してもらいました。
森下 :おっしゃるように、当時「時短勤務ができる」求人件数はそれほど多くなかったかもしれません。でも、求人の中には、募集要項に「時短勤務可」と明記していなくてもできる企業があるので、「ちょっと聞いてみますね!」といって、社内の担当営業に問い合わせたりしました。結局、ご相談いただいてから最初の仕事が決まるまで、2カ月ほどだったと思います。
武井 :そうですね。その期間は森下さんと毎日電話でやりとりしていたのを覚えています。仕事が終わって乗り換え電車を待つ、ほんの15分程の時間でしか電話ができなかったので、その時にいろいろと相談しました。
こちらから応募しても、条件が合わずにうまく行かないこともあったのですが……そんな時でも「今回はダメでしたが、次、こんな案件はどうですか?」と、必ず2〜3社、新たな仕事を紹介してくださって。「またダメだった」と気落ちして電話を切るのではなく、「次に向かってがんばろう」と気持ちを切り替えられるようにしてくれたので、それが心の支えになりました。
相談を通して、キャリアを意識して仕事探しをするように
——最初の就業先が決まるまで、どのくらいの回数、お仕事を紹介されたのでしょうか?
武井 :元々「時短勤務可」な仕事が限られており、かつ、自分の経験が活かせる職種となるとぐっと少なくなるので、たくさん求人情報を探してもなかなかフィットするお仕事が見つかりませんでした。
最初に職場見学に行ったのはソフトウェアのテスターの仕事で、業務内容の説明を受けた帰り道では、「ここに決めよう」と思っていました。ただ、家に帰ってから、当時勤めていた会社の給料や仕事で得られるキャリアを考えたときにどうしても理想と乖離があって……。続けられるかどうか不安を感じたので、結局、私から申し出て辞退しました。森下さんには申し訳ないことをしたと思います。
森下 :いえいえ、大丈夫ですよ。
武井 :特にキャリアについて、「テスターの仕事はできるのは間違いないが、果たして自分の成長につながるのか?」というのは、何度も自問自答しました。結局、そこがイメージできなかったのが大きいと思います。
森下 :ご辞退の連絡を受けてから、武井さんは希望条件に合致するかどうかだけでなく、ご自身のキャリアにつながるかどうかで仕事内容を考えられる方なのだな、と思いました。ですから、次の仕事はそこも加味して、紹介するようにしました。
具体的には、「武井さんのご経歴が生かせる仕事かどうか」と、「ご経歴にプラスαになる仕事かどうか」の、2点です。
——武井さんは、森下さんとの面談などを通じて、今後のキャリア形成や仕事選びに向けて、新たに気づいたことはありますか?
武井 :自分がいかに、これまでキャリアを客観視してこなかったか、ということに気づきました。ニーズの高いプログラミング言語をマスターしたりして、徹底的に取り組んでおけばよかったと、求人一覧を見ながら反省していて……。資格も含めて、もっと可視化できるキャリアがあれば、時短勤務の案件も増えるでしょうし、もっと早く就業先を決められたと思います。
また、希望条件を「時短勤務と、職場の近さ」と言っておきながら、やはり「自分は将来につながるキャリアを築いていきたいんだ」ということも再確認できました。
——最終的に、1社目の就業先の企業では、どんな仕事に就いたのですか?
武井 :システム開発会社で、「PMO」というPM(プロジェクトマネージャー)をサポートする仕事に就きました。
決め手になったのは、就業先の社員さんから業務内容をご説明いただいたときに「私への期待」を感じたからです。具体的には、お話しした就業先の部長さんから「こういう問題が起きたと仮定したときに、何が原因だと思う?」といった質問を投げかけられました。
自分なりに思いつく答えを返したら、「なるほど、そういう考え方もあるよね」としっかり受け止めていただいて。このやりとりがあって、派遣社員の意見にも耳を傾けてくださる会社だと思ったからです。
森下 :そういってもらえて何よりです。
武井 :この会社で働ければ、自分のキャリアにもプラスにもなると感じましたね。
森下 :やはり、スタッフの方と企業とのマッチングを考えると、スタッフの方の経験やスキルだけでなく、素養も重要な要素になってきます。
今回の募集のあった仕事は未経験でも大丈夫だったのですが、論理的思考力なども求められていたものでした。論理的思考力は武井さんとお話していても強く感じた素養でしたので、それぞれ相性は良いのではと思っていました。ご就業いただけてよかったです。
紹介予定派遣で、初めてスペシャリストの仕事につけた
——武井さんは先日1社目の派遣の仕事が契約満了となり、次の就業先もパーソルテクノロジースタッフで見つけられたそうですね。
武井 :1社目の仕事は契約満了となる3年間勤めました。その後、再びパーソルテクノロジースタッフを通じて、別の会社で「IT内部監査」の仕事をはじめました。2021年4月から紹介予定派遣として働き、同年10月に派遣先企業の正社員となりました。この時キャリアアドバイザーとしてサポートして頂いたのも、ありがたいことに森下さんでしたね。
森下 :こちらこそ、お力になれてよかったです。
武井 :まさか、また森下さんに担当してもらえるとは思っていなかったので、パーソルテクノロジースタッフからのメールに「森下です」という名前を見た時は、嬉しかったですね。最初は「また仕事を探さないと……」という重たい気持ちだったのですが、「森下さんがいるから大丈夫」と取り組むことができました。
——IT内部監査とは、どんな仕事なのでしょうか?
武井 :社内のシステム開発・運用関連における内部監査や、情報セキュリテイの管理・運用状況の評価などを行っています。これまでとは異なる仕事のように感じるかもしれません。
実は私も最初はそう思っていたのですが……森下さんに仕事内容について聞いたり、自分で調べたりしていくうちに、実はPMOでやっていた品質管理の仕事もつながっていることがわかるようになって。
森下 :ご自身でも調べられたんですね。
武井 :そうなんです。PMOでは、プロジェクトやシステム開発・運用をより良くするために、取り組んでいましたが、IT内部監査は、その業務を評価する側になります。
立場は異なりますが、単に評価して終わりではなくて、システムの品質を高めるためにどうしていくのかを現場の人たちと一緒に考えていく。そういうスタンスではあれば、自分の力を発揮しながら、さらに新たなキャリアを築いていけると思い、IT内部監査の面談で、その想いを伝えました。
すると、今の上司となる部長が「我々もまったく同じことをやろうとしている」と、私の意見に賛同してくださり、「監査で良くない点を見つけて終わりではなく、その先の提案をすることにバリューがある」と目指すゴールについても話してくださいました。
森下 :新たなキャリアを築けるだけでなく、組織と同じ方向を向いて仕事ができることにも、やりがいを感じられたわけですね。
武井 :それに、IT内部監査は高い専門性が求められる仕事です。ですので、IT内部監査は私のキャリアの中で、初めてのスペシャリストの仕事となります。最低でも3年以上はここで監査人としてキャリアを積んでいくことになると思います。
——目指すべきキャリアが見出せたというイメージでしょうか。
武井 :まさにその通りです。しばらくは勉強の身ではありますが、将来を見越したキャリアを積んでいける仕事に就けた実感はあります。それが、今の私の喜びであり、大きなモチベーションになっています。仕事が決まった時には、喜びながら森下さんに「お世話になりました!」「ありがとうございました!」とメールしました。
森下 :あの言葉は、涙が出るくらい嬉しかったですね。
武井 :本当ですか!
森下 :就業後は、私たちキャリアアドバイザーはスタッフの方と接点を持つ機会が減ってしまいます。でも、晴れて正社員になられた時に、武井さんは私に対する感謝の言葉を担当営業にもお話くださったようで、営業もたいへん喜んでいました。私も、後にも先にもこんな経験はなかなかできないと思います。今後も、その会社の一員として活躍されることをご祈願しています。
武井 :こちらこそ、お世話になりました! 正社員になると、自分の会社で働くことになるので、今まで以上に、周りのメンバーと深く関わって会社や職場をより良くできるように頑張っていきたいと思います。
文=西谷忠和/編集=ノオト
本文中に記載の社名・部署名等は取材時点のものです(2022年3月1日時点)