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昨今、プロジェクトマネージャーのメンタルヘルス問題が注目を集めています。本記事では、現場で奮闘するプロジェクトマネージャーの方々が直面する精神的な課題と、その具体的な解決策について詳しく解説します。
目次

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
プロジェクトマネージャーのメンタルヘルスに関する現状
プロジェクトマネージャーは納期を守るために激務であることが多く、健康を損なったり、メンタルを病んだりすることが多いです。
また、プロジェクトマネージャーがメンタルヘルスを損なう原因は主に以下の5要因です。
- マルチタスクによる認知負荷の増大
- 常に意思決定を求められる立場にあること
- 人間関係の摩擦
- スキル不足
- 仕様変更が多い
さらに、クライアントとの調整による精神的負担や、長時間労働によるワークライフバランスの崩れも、メンタルヘルスを損なうリスクを高める理由になっています。
出典:)「令和4年度 過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究」厚生労働省
プロジェクトマネージャーの5つのストレス要因
プロジェクトマネージャーは激務なうえに、調整業務を行わなければならないことが多く、生活習慣の観点でも人間関係の観点でもストレスがたまりやすい仕事です。以下で主なストレス要因を解説していきます。
納期に追われる
プロジェクトの遅延は直接的に業績につながるため、プロジェクトマネージャーは常にプレッシャーにさらされています。厳格な納期遵守に加え、予期せぬ問題が発生した際の即座の対応も求められます。 さらに、複数の利害関係者の予定を調整する必要があり、スケジュール管理の複雑さも大きなストレス要因となっています。
相反する要求に対応しなければならない
プロジェクトマネージャーは自社とクライアントの相反する要求の調整を求められます。品質向上とコスト削減の両立、スピード重視と慎重な判断の両立など、相反する要素のバランスを取ることが常に求められます。
チームマネジメントとコミュニケーションの課題
メンバー間の対立調整や、リモートワーク環境でのチーム統率など、人的な課題も大きなストレス要因です。さらに、異なる部門間の利害調整も、プロジェクトマネージャーの重要な役割となっています。これらのコミュニケーション課題は、特にリモートワークが一般化した現代において、より一層複雑化しています。
要件定義が定まらない
要件定義に関するストレスもあります。たとえば、クライアントが要件定義のヒアリングに非協力的だったり、要求が頻繁に変わったりするケースが挙げられます。 また、要件が明確に固まらないまま開発を進めてしまう場合もあります。このような場合、無理な要求に対しては、プロジェクトマネージャーが適切な代替案を提案し、双方が納得できるよう調整することが求められます。
人材不足やスキル不足のまま開発に着手する
開発メンバーの人材確保は、プロジェクトマネージャーの代表的な仕事の一つです。しかし、期待通りのスキルを持つメンバーを集められるとは限りません。 チームメンバーのスキルにばらつきがあり、仕事の分担に時間を要することもあります。スキル不足のまま開発に着手することもあり、実務のなかで人材が成長することを期待するしかない場面もあるでしょう。
プロジェクトマネージャーのうつ病のリスクは高い?
プロジェクトマネージャーのうつ病リスクは、一般的な職種に比べてかなり高いことが分かっています。というのも、プロジェクトマネージャーは他の職種に比べて精神的なストレスが日常的に蓄積されやすい環境にあるためです。
また、具体的な数値を見てみましょう。厚生労働省は、労働安全衛生調査(実態調査)で、メンタルヘルス不調により連続1ヵ月以上の休業をした労働者または退職者がいた事業所の割合を調べています。
それによると、2022年に連続1ヵ月以上の休業をした労働者の全事業所平均は10.6%でしたが業種別に見ると、IT業界が圧倒的に高く約32%となっています。
IT業界の中でも人間関係の折衝が多く、ストレスのたまりやすいプロジェクトマネージャーはうつ病のリスクが高いと考えてよいでしょう。
出典:)「令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)」厚生労働省
プロジェクトマネージャーのメンタルヘルスを守るための対策5選
上記の通り、プロジェクトマネージャーの仕事はさまざまなタスクを同時に進める必要があるため、過剰な負担がかかりやすい職種です。以下で、プロジェクトマネージャーが自身のメンタルヘルスを守るための実践的な対策について解説します。
業務の効率化とタイムマネジメント
プロジェクトマネージャーは、多くの責任を抱える立場ゆえに業務量が膨大になりがちです。そのため、業務効率化とタイムマネジメントが重要です。具体的には、タスクを優先順位に基づいて整理し、チームメンバーへ適切に業務を割り振ることが重要です。
サポート体制の構築
精神的な負担を軽減するためには、信頼できるサポート体制を整えることも欠かせません。職場内での適切なコミュニケーションを通じて、困ったときに相談したり仕事を任せたりできる環境を構築することが重要です。
十分な休息
忙しい業務の中でも、適度に休息を取ることは心身の健康を守るうえで非常に重要です。長時間働き続けることで、集中力や判断力が低下し、生活習慣も崩れ、ストレスも蓄積しやすくなります。そのため、定期的に休憩を挟むことや、仕事から完全に離れる時間を確保するよう心がけましょう。
健康的な生活習慣の維持
規則正しい生活習慣を維持することは、メンタルヘルスの安定に大きく寄与します。特に、睡眠不足は注意力を下げるため、忙しいときほど睡眠時間を確保することが大切です。また、繁忙期には摂取しがちなアルコールやカフェインの過剰摂取を控えることも、心身の健康維持には有効です。
別のIT職に転職する
プロジェクトマネージャーの負担が大きすぎる場合には、ほかのIT職に転職することも選択肢に入れましょう。
技術職への転向
プログラマーやエンジニアなど、技術に集中できるポジションでは、顧客折衝やチーム管理の負担を減らすことができます。特に、PMとしての経験を活かしてシステムアーキテクトやテックリードにキャリアチェンジする選択肢もあります。支援的な役割への転向
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)のように、プロジェクトを補佐する役割に移ることで、直接の責任を軽減しつつ、これまでの経験を活用できます。SE(システムエンジニア)になるには?方法4選!必要な言語・向いている人の特徴など詳しく解説
プロジェクトマネージャーのやりがい2選
このように、プロジェクトマネージャーには多くの責任が伴いますが、その分やりがいも非常に大きいです。
特に、大規模なプロジェクトを無事に完了させたときや、チームと協力して困難を乗り越えたときには、達成感や充実感を深く味わうことができます。以下で詳しく解説していきます。
スキルアップとキャリア形成
プロジェクトマネージャーとしての経験は、多様なスキルを育むきっかけになります。リーダーシップやチームマネジメント、問題解決能力など、実務を通じて磨かれる能力は、どの業界でも高く評価されます。
プロジェクトマネージャー(PM)のキャリアパス一覧!なる方法や必須スキル、勉強方法も解説
大きな達成感
プロジェクトマネージャーは、チームをまとめ、プロジェクトの成功に向かって全員を導く立場にあります。メンバーとともに努力し、困難を乗り越えた時、達成感を強く感じるでしょう。
さらに、クライアントや他部署から感謝の言葉を直接受け取る機会があるのも魅力の一つです。こうしたフィードバックを通じて、自分の努力が組織やプロジェクトに大きく貢献していると実感できるでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事では、プロジェクトマネージャーのメンタルヘルスの課題と、その具体的な対策やプロジェクトマネージャーのやりがいについて紹介してきました。このようにプレッシャーや利害関係者との調整などのストレス要因の多いプロジェクトマネージャーですが、やりがいも多く、なりたい方も多いと思います。この記事がプロジェクトマネージャーの方やプロジェクトマネージャーになりたい方の参考になれば幸いです。