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コラム

2025.03.31

アナリティクスエンジニアとは?概要やメリット、デメリットを解説!

データドリブン経営が重要視される現代、多くの企業がデータ活用の推進に力を入れています。しかしながら、データの整備や分析基盤の構築が十分に行き届かず、データ品質の低下や効率的な分析が難しいと感じている企業も少なくありません。データを活かした意思決定が求められる中、アナリティクスエンジニアの役割が注目されています。そのため、「アナリティクスエンジニアとはどのような職種なのか?」や「実際に企業にとってどのようなメリットがあるのか?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、アナリティクスエンジニアの役割や必要なスキル、活躍の場面について解説し、企業における効果や導入のメリットを詳しくご紹介します。アナリティクスエンジニアの存在がどのようにデータ活用を加速させるのか、その重要性を理解していただければ幸いです。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

アナリティクスエンジニアとは?

アナリティクスエンジニアとは、データを収集・整備し、ビジネスインサイトを引き出すための役割を担う専門職です。データ分析とエンジニアリングのスキルを融合させ、データのパイプライン構築や品質管理、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールとの連携を通じて、経営層や分析担当者が意思決定を行うための基盤を提供します。 アナリティクスエンジニアが注目されている背景には、企業がデータドリブン経営を推進する中で、データの信頼性確保や効率的なデータ利用が不可欠となっている点が挙げられます。データサイエンティストやデータエンジニアと密接に連携しながら、データの価値を最大化するための橋渡し役として活躍することが求められます。

定義と役割

アナリティクスエンジニアは、データ基盤を整備し、データの品質管理やデータパイプラインの構築を担当する専門家です。ビジネス意思決定に必要なデータを収集、整理し、分析に適した形式に変換する役割を担います。SQLやPythonを駆使し、データベースやクラウド環境でのデータ処理を最適化することで、データ活用の効率を高めます。 また、データの整合性や一貫性を確保しつつ、データのクレンジングや前処理を通じて、ビジネスユーザーが容易にデータを利用できる環境を整える点も重要です。

必要なスキルセット

アナリティクスエンジニアに求められるスキルセットは多岐にわたります。代表的なスキルには以下のものが含まれます。

  • データ処理言語(SQL、Python、Rなど)の習熟
  • データパイプラインやETLツール(Apache Airflow、dbtなど)の活用
  • データベース管理(PostgreSQL、MySQL、Redshiftなど)の知識
  • データ品質管理とクレンジング手法の理解
  • ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの利用経験(Tableau、Power BIなど)

これらのスキルを活用し、データが適切に蓄積され、必要に応じて迅速にアクセスできる環境を構築します。データアナリストやデータサイエンティストと連携し、分析基盤の整備やレポーティングを支援する役割が求められます。

データアナリスト・データエンジニアとの違い

アナリティクスエンジニアはデータアナリストやデータエンジニアと密接に関係していますが、その役割には明確な違いがあります。データアナリストはデータの分析と可視化を担当し、ビジネスインサイトを導き出す役割を担います。一方、データエンジニアはデータ基盤そのものを構築し、大規模データの収集・保存を効率化します。 アナリティクスエンジニアは、これら両者の中間的な立ち位置にあり、データの整備と品質管理を通じて、データアナリストが活用しやすい環境を整えることがミッションです。データの流れを管理しながら、ビジネスに直結する活用を支援するため、分析業務と基盤整備の両面を担います。

アナリティクスエンジニアがいるメリットとは

アナリティクスエンジニアを配置することで、企業がデータを最大限に活用できる環境が整います。特にデータ品質の向上や効率的なデータ分析が実現され、ビジネス意思決定が迅速かつ正確になります。さらに、ROI(投資対効果)の向上を図るために重要な役割を果たします。以下で、アナリティクスエンジニアがいることで得られる具体的なメリットを解説します。

データ品質の担保

ビジネスにおけるデータ活用が進む中で、データ品質の担保は不可欠です。アナリティクスエンジニアはデータクレンジングやデータ統合を実施し、不整合や欠損値を適切に処理します。これにより、信頼性の高いデータ基盤が構築され、意思決定の根拠となるデータが正確であることを保証します。
また、データパイプラインの整備により、リアルタイムデータの活用が可能になり、データ更新や整合性チェックが自動化されるため、手作業によるミスが減少します。品質管理が徹底されることで、ビジネスアクションがデータに基づいて迅速に行えるようになります。

分析/レポーティングの効率化

データ分析やレポーティングのプロセスが煩雑であれば、その分だけ時間とコストがかかります。アナリティクスエンジニアがETL/ELTパイプラインを最適化し、データが自動的に整備されることで、分析担当者はデータ収集に時間を割くことなく分析に集中できます。

さらに、BIツールとの連携を強化することで、ダッシュボードやレポートが自動生成され、リアルタイムでビジネス指標をモニタリング可能です。これにより、データ活用にかかる負荷が軽減され、迅速な意思決定が促進されます。

【関連記事】
■BIエンジニアについてはこちらの記事をご覧ください。
BIエンジニアとは?ビジネスインテリジェンスの意味やツールを簡単に解説!

ビジネス意思決定への貢献

アナリティクスエンジニアが整備したデータ基盤により、正確で一貫性のあるデータが手に入ります。これにより、経営層やマネージャーはデータドリブンの意思決定を行うことができ、ビジネスの方向性をより確実に見定められます。特に、過去データからのトレンド分析やリアルタイムでのパフォーマンスモニタリングが容易になるため、戦略策定において欠かせない役割を果たします。

ROI(投資対効果)の向上

データ活用によるビジネスインパクトを最大化するためには、ROIの向上が重要です。アナリティクスエンジニアが効率的なデータ処理環境を整備し、分析プロセスを最適化することで、意思決定のスピードが向上します。これにより、ビジネスチャンスを逃さず、迅速なアクションが可能となります。また、正確なデータに基づく戦略立案が行われることで、無駄な投資を避けられ、効果的なリソース配分が実現します。ビジネス成長に直結する意思決定が迅速かつ適切に行えることで、企業全体のパフォーマンスが向上するのです。

アナリティクスエンジニアがいないデメリットとは

アナリティクスエンジニアが不在の場合、データ活用におけるさまざまな問題が発生します。データの品質が担保されないことで誤った分析結果が導かれたり、分析作業が非効率になったりするリスクが高まります。さらに、データ基盤がスケーラブルでないために運用コストが膨れ上がるケースも少なくありません。以下で、アナリティクスエンジニアがいないことによる具体的な問題点を解説します。

データサイロ・非効率なワークフロー

部門ごとにデータが分散し、相互に連携していない「データサイロ」状態が発生すると、全社的なデータ活用が難しくなります。アナリティクスエンジニアがいない場合、このようなデータサイロが放置され、各部門が独自にデータ管理を行うことで、データの整合性が失われやすくなります。また、ワークフローが自動化されていないため、データ収集やクリーニング作業が手作業に依存し、担当者の負担が増大します。これにより、データを活用した意思決定のスピードが低下し、ビジネスの俊敏性が損なわれるのです。

誤った意思決定リスク

データ品質が確保されていないと、不正確なデータに基づいた意思決定が行われるリスクが生じます。例えば、異なる基準で集計されたデータや重複データをそのまま使用すると、分析結果が大きく歪んでしまいます。
アナリティクスエンジニアがいれば、データ品質管理やデータクレンジングを徹底し、正確なデータを提供するため、こうしたリスクを未然に防げます。しかし、不在の状態が続くと、ビジネスの意思決定そのものがデータに基づかない感覚的なものになり、パフォーマンスが低下する可能性が高まります。

分析コストの増大

データの整備が十分でない環境では、分析を行うたびに手作業でデータを集めたり、整形したりする必要があります。このため、分析にかかるコストが著しく増大し、効率が悪化します。また、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを導入しても、データが適切に管理されていないために活用しきれないケースも多発します。

アナリティクスエンジニアが整備したデータ基盤があれば、データパイプラインが自動化され、必要なデータが常に最新の状態で保たれます。これにより、分析作業に余計なコストがかからず、リソースの有効活用が実現します。

スケールしないデータ基盤

ビジネスが拡大しデータ量が増加すると、従来のデータ基盤では対応しきれなくなります。アナリティクスエンジニアが不在の場合、データ処理速度が低下し、パフォーマンスボトルネックが発生するリスクが高まります。特に、クラウド環境を活用したデータストレージやリアルタイム分析を導入しないと、大量データ処理が困難となり、結果としてデータを使ったビジネス戦略が停滞します。アナリティクスエンジニアはスケーラビリティを考慮した基盤整備を行うため、将来的なデータ量の増加にも柔軟に対応できます。

アナリティクスエンジニアの業務内容とは

アナリティクスエンジニアは、データ基盤の構築からデータガバナンス、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの活用支援まで、多岐にわたる業務を担当します。業務の中心は、データ活用を促進し、意思決定を支えるデータ環境を整備することです。クロスファンクショナルチームと連携し、データの活用を組織全体に浸透させる役割も担います。以下で、具体的な業務内容を4つに分けて解説します。

ETL/ELTパイプラインの設計・実装

アナリティクスエンジニアがまず取り組むのは、データを収集し、加工し、格納するパイプラインの構築です。ETL(Extract, Transform, Load)やELT(Extract, Load, Transform)パイプラインを整備することで、異なるデータソースから効率的にデータを集約し、分析基盤に供給します。

特に、Apache Airflowやdbt(Data Build Tool)といった自動化ツールを活用し、パイプラインの運用を自動化することで、データの収集から保存までの一連のプロセスが迅速かつ確実に実施されます。これにより、データアナリストやデータサイエンティストが分析に集中できる環境が整います。

データガバナンス・ドキュメンテーション

データの一貫性や信頼性を保つためには、データガバナンスが不可欠です。アナリティクスエンジニアはデータ基盤を構築するだけでなく、その利用ガイドラインやメタデータ管理を徹底します。データスキーマやパイプライン構成、データ更新プロセスなどをドキュメント化し、誰が見ても理解できる状態を維持します。

BIツールとの連携とセルフサービス分析支援

BIツール(例:Tableau、Power BI、Looker)とデータ基盤を連携させ、リアルタイムでデータが反映されるダッシュボードを構築することも重要な業務の一つです。これにより、各部門が自らデータを参照し、分析するセルフサービス環境が整います。
また、データモデルや計算ロジックの整備を行い、誰でも容易にデータを利用できるように支援します。ビジネスユーザーが自身の手でデータを引き出し、分析できる仕組みを提供することで、データ活用の民主化が進み、迅速な意思決定が可能となります。

クロスファンクショナルチームとの協業

アナリティクスエンジニアはデータチームだけでなく、マーケティング、営業、人事といったさまざまな部門とも連携しながら、データ戦略を支えます。ビジネスニーズを的確に把握し、その要件に基づいてデータ基盤やダッシュボードを整備するため、コミュニケーションスキルも重要です。

また、プロジェクトマネージャーやデータサイエンティストと協力して、データドリブン施策を立案・実行する役割も担います。チーム全体のデータリテラシーを高めるためのトレーニングやワークショップを開催することもあり、組織全体のデータ活用力を引き上げます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事では、アナリティクスエンジニアの役割や必要なスキル、活躍の場面について詳しく解説しました。アナリティクスエンジニアがいることで、データ品質の向上や分析効率の改善、ビジネス意思決定の支援が可能となり、ROIの向上にも寄与します。一方で、不在であることで発生するリスクについても理解が深まったのではないでしょうか。ぜひ本記事を参考に、アナリティクスエンジニアの重要性を再認識し、データ活用の推進に役立ててください。

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