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エンジニア経験者の方、エンジニア未経験の方の中には、セキュリティエンジニアへの転職を検討している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、未経験からクラウドエンジニアに転職できるのか不安に感じている方は多いと思います。そこで、本記事では未経験からセキュリティエンジニアになれるのか検討し、セキュリティエンジニアになるためのロードマップを紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
未経験からセキュリティエンジニアになることは可能か?
結論、未経験からセキュリティエンジニアになることは誰でも可能であるといえます。セキュリティエンジニアは近年、サイバー攻撃の高度化とともに需要が急増している職種です。特に人材不足が深刻なIT業界において、未経験者を採用・育成しようとする企業も増えつつあります。ただし「未経験」といっても、エンジニア経験の有無によって難易度は異なると考えられます。
エンジニア経験者がセキュリティエンジニアを目指す場合
すでにインフラエンジニアやネットワークエンジニアとしての実務経験がある人材であれば、セキュリティエンジニアへの転身は現実的です。たとえば、ファイアウォールの設定やネットワーク監視の経験は、セキュリティ業務に直結するためです。
また、既存の業務で得た技術的な素養に加え、脆弱性診断やログ分析といったセキュリティ寄りの業務に関わった経験があれば、ポテンシャルだけでなく即戦力としての期待も高まります。
企業側としては、既存システムの知見がある分、育成コストを抑えられるため、「育てやすい未経験者」として採用するケースが少なくありません。
エンジニア未経験者がセキュリティエンジニアを目指す場合
エンジニア職自体が未経験の人材にとって、セキュリティエンジニアはハードルの高い職種です。理由は2つあります。
1つ目は学習量が膨大であるからです。ネットワーク、OS、プログラミングといった基礎技術の理解が必要不可欠なため、経験のある方と比べて学習量が多くなってしまいます。
2つ目はセキュリティ技術の変化が速いからです。そのため、単に技術を覚えるだけでなく「継続して学び続けられる人材かどうか」が重要視されます。これらの点から、未経験者が独学のみでセキュリティ分野に挑むのは難易度が高く、挫折するケースも少なくありません。
そもそもセキュリティエンジニアとは?
セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃や不正アクセスからシステムや情報を守るために活躍する専門職です。近年のIT化・クラウド化の進展により、サイバーリスクも年々増加しており、それに伴ってセキュリティエンジニアの需要も急速に高まっています。本章では、セキュリティエンジニアの仕事内容や他のエンジニア職との違い、内部向け・外部向けで求められる役割の違いなどを解説します。
業務範囲と主な役割
セキュリティエンジニアの業務は、企業や組織のシステムを安全に保つため多岐にわたります。具体的には、ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ機器を導入・設計し、ネットワークとシステムの安全性を高めます。また、ログやアクセス履歴を常に監視して異常を早期に検知・対応します。ソフトウェアやWebサイトの脆弱性を診断・評価し、発見された弱点を修正することも重要な業務です。サイバー攻撃や情報漏洩といった緊急時には、対応や原因調査を担当します。 セキュリティエンジニアには、「問題が起きるのを防ぐ力」と「問題発生時の被害を最小限に抑える力」の両方が求められます。
他のIT職種との違い
セキュリティエンジニアと他のIT職種との違いは、主に「視点」と「目的」にあります。
例えば、アプリケーションエンジニアは「動くプログラムを作ること」、インフラエンジニアは「安定して動く環境を作ること」が主な目的です。それに対して、セキュリティエンジニアは「壊されないように守ること」が最大のミッションです。
このように、防御・監視・対応といった一連のスキルセットを持つのが、他職種との大きな違いです。
セキュリティエンジニアとは?具体的な仕事内容や種類別年収、おすすめの資格を解説
年収
セキュリティエンジニアの基本情報は上図のようになります。平均年収は558万円であり、日本の平均年収と比較しても高水準となっています。このことから、セキュリティエンジニアの需要の高さが推察できます。
未経験からセキュリティエンジニアになるために必要なスキル
セキュリティエンジニアとして活躍するためには、ITの基礎知識と専門的なセキュリティ知識、そしてソフトスキルの3つの柱が不可欠です。
ITの基礎知識
セキュリティエンジニアに必要なIT基礎知識として、ネットワーク(TCP/IP、HTTP/S、DNSなどの基本原理)、サーバーOS(Linux、Windows Serverの基本操作と構造)、クラウド(AWS、Azure、GCPなどの主要サービスの基礎とセキュリティ概念)が挙げられます。これらは前述した通り、学習を進める際に必ず求められます。
セキュリティの専門知識
次に、セキュリティに関する専門知識を深めることが不可欠です。マルウェア、フィッシング、DDoS攻撃といった代表的なサイバー攻撃の手口やその概要を把握し、それらからシステムを守るためのファイアウォール、IDS/IPS(不正侵入検知/防御システム)、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)といったセキュリティ対策技術の役割や基本的な仕組みを理解する必要があります。また、システムに潜む弱点である脆弱性が何であり、なぜ危険なのかを理解することも大切です。さらに、個人情報保護法をはじめとするセキュリティ関連の法規やガイドラインの概要についても、コンプライアンスの観点から知っておくことが必要です。
ソフトスキル
そして最後に、技術力だけでなくソフトスキルも同様に重要です。複雑な事象を整理し、解決策を導き出すための論理的思考力や問題解決能力は、日々の業務で常に求められます。技術や脅威が絶えず変化するこの分野では、新しいことを積極的に学び続ける知的好奇心と学習意欲が欠かせません。機密情報を扱う立場としての高い倫理観や責任感、そして技術的な内容を分かりやすく伝えたりチームで連携したりするためのコミュニケーション能力も、セキュリティエンジニアとして信頼を得て活躍するために不可欠な素養と言えます。
未経験からセキュリティエンジニアになるために取るべき資格
資格は、自身の知識やスキルを客観的に示す手段となり、特に未経験者にとっては学習の道しるべや就職・転職活動での有効なアピール材料となります。以下で資格について難易度ごとに解説いたします。
情報セキュリティマネジメント試験(SG)
情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の一つで、「情報処理技術者試験」の区分の一つです。この試験は、組織の情報を守り、情報セキュリティを確保するための基本的な知識や技能を問うもので、特にISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の構築・運用に関する内容が中心となります。
対象者としては、ITを利用する企業の部門で情報管理を担当する方や、外部委託先に対する情報セキュリティ評価を行う方などが想定されています。技術的な詳細よりも、組織全体のセキュリティ意識の向上やルール作り、インシデント発生時の対応といったマネジメント面に焦点が当てられているのが特徴です。
未経験者にとっては、セキュリティの全体像を掴み、組織における情報管理の重要性を理解するための第一歩として適しています。ITパスポート試験の上位に位置づけられ、情報セキュリティの基礎固めや、マネジメント視点を養いたい方におすすめの資格です。
情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して、企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価、そして指導・助言を行う人材のための国家資格です。これもIPAが試験を実施し、合格後に登録手続きを行うことで「情報処理安全確保支援士」を名乗ることができます。
難易度は高く、セキュリティエンジニアとしての実務経験や深い理解が求められるため、未経験者がすぐに目指すのは難しいかもしれませんが、キャリアを積んでいく上での重要な目標となり得る資格です。
この資格を持つことで、国内において高度なサイバーセキュリティ専門家としての能力を客観的に証明でき、企業や組織におけるセキュリティリーダーとしての活躍が期待されます。資格は更新制であり、継続的な学習が求められる点も特徴です。
AWS認定セキュリティ
AWS環境におけるセキュリティの設計・実装・運用に特化した資格で、クラウドセキュリティ分野を目指すなら必須級です。クラウド化が進む現在、オンプレミスだけでなくAWSなどパブリッククラウドに強い人材への需要は急増しています。AWS利用企業が多いため、実務に直結しやすい資格として企業側の評価も高いです。
AWSソリューションアーキテクトとは?資格の制度とメリットについても解説
未経験からセキュリティエンジニアになるためのロードマップ
未経験からセキュリティエンジニアを目指すには、計画的に学習・実践を進めることが重要です。セキュリティ分野は幅広く奥が深いため、まずは基礎固めから始め、徐々に実践的スキルへとステップアップしていく必要があります。本章では、学習から実践までを3つのフェーズに分けて、ロードマップ形式で解説します。
IT基礎とセキュリティの基礎知識を学ぶ
まずは、IT全般の基礎を固めることが最優先です。 ネットワーク、OS、サーバーといった基本的な仕組みを理解していなければ、セキュリティの学習も進みません。YouTubeやUdemy、IPAの学習資料など、無料または低価格の教材が豊富にあるため、独学からでも十分に取り組むことができます。
仮想環境や演習で実践的に学ぶ
基礎知識を学んだ後は、手を動かして体験的にスキルを習得しましょう。仮想マシン(VirtualBoxやVMware)を使って演習を行えば、実際の業務を疑似的に体験できます。
特にKali Linuxを使った脆弱性診断や攻撃シミュレーションは、セキュリティの理解を深めるのに効果的です。さらに、TryHackMeやHack The Boxといった初心者向けのCTF(Capture The Flag)サービスを活用することで、ゲーム感覚で技術を習得できます。
学んだ内容を可視化してアウトプットする
学習した内容は「見える化」することで、理解が深まるだけでなく就職活動のアピール材料にもなります。
未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合、自作仮想環境の構築手順をブログにまとめたり、GitHubでログ監視スクリプトや診断レポートを公開したり、学習記録をSNSやQiitaで発信したりといったアウトプットは、面接において「努力してきた」という何よりの証拠となります。履歴書だけでは伝わりにくい熱意を示す有効な手段となるため、積極的にこれらの活動に取り組むことを強く推奨します。
セキュリティエンジニアのキャリアパス
セキュリティエンジニアは、専門性の高さと業務領域の広さから、キャリアの選択肢が豊富です。 未経験からスタートしても、実務経験を積み重ねることでより高度なポジションやマネジメントへの道が開けていきます。
SOCアナリスト
キャリアの入口として最も多いのが「SOC(Security Operation Center)アナリスト」です。ログ監視やアラートの分析、一次対応などを通じてセキュリティの実務感覚を養います。ネットワーク基礎、セキュリティイベントの理解、OS操作などの知識が求められます。
セキュリティコンサルタント
一定の実務経験を積んだ後は、企業向けに対策を提案する「セキュリティコンサルタント」へ進む道があります。技術的な知識だけでなく、経営や業務プロセスへの理解も求められます。 また、セキュリティポリシー策定、体制構築支援、監査対応のスキルが求められます。
まとめ
セキュリティエンジニアは未経験からでも目指すことは可能です。一方で、本記事で解説したように、セキュリティエンジニアに必要なスキルや知識は多くあるため、未経験から目指すことは難易度が高いです。そのため、本記事で紹介した方法で自己研鑽を行っていく必要があるでしょう。理想のキャリアを歩むためにもぜひお役立てください。
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