派遣就業ガイド

自分が活躍できる就業先の見つけ方 ポイントは「自己開示」と「事前の下調べ」

自分に合う就業先を見つけるためには、派遣元のキャリアアドバイザーへ、どのような情報提供をするかが大きなポイントになります。

スキルや経験を伝えるだけでなく、苦手なことや不安も一緒にキャリアアドバイザーへ伝えることで、より自分に合った就業先に出会いやすくなります。 派遣エンジニアのキャリア支援に携わる3名に、良い就業先に出会う方法を聞きました。

浅岡 明子

浅岡 明子

Staffing事業管掌 IT営業統括本部 IT営業本部 キャリア支援部 ハイキャリアG
前職ではSEアシスタント、テクニカルサポート業務を経験し、2001年 テンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)に入社。2002年テンプスタッフ・テクノロジー(現パーソルテクノロジースタッフ)設立に伴い、同社に転籍となる。これまでにキャリアアドバイザーとして、延べ3,000人以上のエンジニアのキャリア支援に携わる。

竹田 祥子

竹田 祥子

Staffing事業管掌 IT営業統括本部 IT営業本部 キャリア支援部 ハイキャリアG
前職では生命保険会社の営業として、最適な保険プランをご提案。「より深く人に寄り添い支援する仕事をしたい」という思いが強まり、人材派遣業界へ転職。現在は、経験豊富な派遣エンジニアの稼働を中心に、稼働中のサポートや定期面談を担当。満足いただけるサービスの提供を目指す。

冨士尾 有祐

冨士尾 有祐

Staffing事業管掌 エンジニアリング営業統括本部 キャリア支援部 西日本就業支援G
無期雇用社員のキャリアサポートとして、西日本エリアの機電エンジニアへのキャリア支援を担当。心がけていることは「エンジニアの皆さんに寄り添いつつ、自らも常に学び続けること」。国家資格キャリアコンサルタント所持。

本音を開示するほど、合う就業先と出会いやすくなる?

自分にあった就業先は、どのように探せばいいのでしょうか?

竹田:基本的に案件を探すのは派遣元のキャリアアドバイザーや営業担当者です。そのため派遣エンジニアの方は、それぞれの担当者へ、ご自身の希望や考えていることを率直に伝えるのがスタートになると思います。

伝えると良いのは、例えば「仕事で得意なこと」や「苦手に感じること」。「以前こんな職場で働いていたが、自分には合わなかった」といった経験や、失敗談でも構いません。そうした情報が増えるほど、ご本人への理解が深まり、よりご希望にあった案件を紹介しやすくなります。

浅岡:キャリアアドバイザーとしては、「どんなことでも話してほしい」と思っています。しかし派遣エンジニアの方には、「こんなことを話してもいいのかな?」と迷われる方もいらっしゃいますよね。

過去の職場の人間関係や仕事内容への不満など、負担に感じることの情報があったほうが、キャリアアドバイザーはその方の働き方をより具体的にイメージできるようになります。結果、よりよい提案ができるようになりますよね。

竹田その方にとっては大した事ないお話が、キャリアアドバイザーにとっては重要だったりするんですよね。

私たちが面談で十分にお伺いできていないケースもあるのですが、ある程度面談が進んでから「実は……」と大切なお話が出てくる方もいらっしゃいます。ご家庭やプライベートの都合なども、「これは話さなくていいか」と思わず、どんなことでもご開示いただきたいです。

竹田:お持ちのスキルやご経験も、「スキルシートに書いてあるので大丈夫だろう」と思われがちですが、あまりに端的に情報がまとめられすぎていて、どういったスキルをお持ちなのか具体的に判断できず、キャリアアドバイザーとして「もうちょっと情報が欲しいな」と思うこともあります。

例えば「設計、開発、テスト」など端的明瞭に記載するよりは、プロジェクト概要や役割、どの領域のシステムを何言語を使用して担当していたのか、などがわかると、業務内容のイメージがしやすく、その人の経験や強みをより正確に把握できます。

冨士尾:就業先に関するご要望は、「些細なことかな」と思われる内容も含めて、ぜひお話しいただきたいです。

例えば、私が担当している機電系の派遣エンジニアの方ですと、郊外に現場が多いこともあり、「車通勤での職場へのアクセス」を気にされる人が多いですね。「この場所だと朝は道が混むので、できれば別の勤務地のほうが良い」とご相談いただくこともあります。

私も、ご本人とお話する前に、案件とその職場への通勤ルートを調べるのですが、実際の道路の混み具合や通いやすさといった「生の声」は、現地の皆さんから伺わないとわからない部分が多々あります。改めていろいろな視点があるのだと気づかされていますし、ご提案時の参考にもなります。

自身の経験や就業先に関する要望が整理されていると、希望により近い就業先を見つけやすくなるはず。よかったら参考にしてみてください。

ポイント

  • 希望にあった就業先を見つけるには、派遣元へ要望を伝えることが第一歩。
  • スキルや経験だけでなく、要望は具体的に伝えてほしい。
  • 自分の「話さなくてもいいか」という情報が、とても大切な場合がある。

就業先を検討する時、エンジニアからできるアクションがあれば教えてください。

竹田:気になる案件を見つけたときには、説明を受けるだけでなく「自分から情報を取りに行く」姿勢を持つことでしょうか。案件について気になることがあったら、自分からキャリアアドバイザーに質問してみるのが良いかもしれません。

キャリアアドバイザーにとっては、派遣エンジニアの方による質問が、「その人が何を考えているのか」を理解するための手がかりになります。質問全てにはお答えできないこともありますが、より幅広い情報を得るためにも、自分から質問するのは大事なアクションですよね。

浅岡:そうですね。自分の意思を持って案件について知ろうとすると、自然と気になることや不明点が出てくるものですから。

浅岡:もちろん、案件についてご自身で調べてみることも大切だと思います。事前にWebサイトをチェックするなど、就業先となる企業を調べることで、自然と「自分で考えて、理解しようとする」意識が生まれます。結果として案件に対する理解が深まりますし、自分に合った就業先に出会いやすくなると感じています。

冨士尾:本来は私たちが十分な情報提供をすべきなのですが、確かに、「案件の分析をキャリアアドバイザー任せにしない」姿勢は大切かもしれません。

キャリアアドバイザーへ自己開示することの一番のメリットが、キャリアアドバイザーが「あなたに協力しやすくなる」ことです。キャリアアドバイザーへの情報共有は、まずスキルシートの内容をさらに充実させることから始めましょう。

「どのプロジェクトで、どのような役割を担い、どんな働きをしたのか」が、皆さんを知らない人が読んでも伝わるような書き方を意識してまとめていただき、キャリアアドバイザーに過去の取り組み、思いを伝えることで皆さんを知ってもらう良い機会になるでしょう。

ポイント

  • 案件を紹介されたら、就業先の情報を自分で調べることで理解がより深まる。
  • 理解を深めることが、「自分に合う案件か」の判断に役に立つことも。
  • スキルシートや会話を通して自己開示することが、案件獲得につながる。

エンジニアとCAの相互理解が、良い支援に繋がる

よりよい支援に向けて、皆さんがキャリアアドバイザーとして取り組んでいることを教えてください。

冨士尾:「私のことをきちんと理解してもらえているな」と相手に感じてもらえないと、良いご支援にはつながりにくいですよね。どれだけ相手に寄り添えるかは、私たちキャリアアドバイザー自身も、日々考え、頭を悩ませているポイントです。

冨士尾:私が大切にしているのは、派遣エンジニアの方とお会いする前に、その方を知るための時間をできる限り長く取ること。

メールでいただいたご希望に目を通したり、これまでの職歴情報を確認したりしながら、「この人はどのような志向をお持ちなのか」「どのようなお人柄なのか」を想像しています。そのほうが、実際にお会いしたときの対話がよりスムーズになりますから。

浅岡:限られた時間で行う面談をより有意義な時間にするには、キャリアアドバイザーも事前準備が欠かせないですよね。

加えて私は、面談の雰囲気も大切だと思っています。些細なことでも話していただけるように、こちらが一方的に聞くのではなく、まずは私たち自身のことを知ってもらいたい。そのほうが、きっと安心してお話しいただけますから。

プライベートのお話など、お仕事に直接的には関係しないやり取りを通して、その人の価値観や働き方のイメージが、より具体的に見えてくることも多いです。

竹田:派遣エンジニアの方々のご希望やお悩みを聞くことはもちろん、お話の中で共通点を見つけて、一緒に盛り上がってしまうこともありますよね。「こんなことを話してもいいのかな?」と思うようなことまで含めてお伝えいただけると、より良いご支援につながると感じています。

キャリアアドバイザーとしても、派遣エンジニアの方々とお互いに理解を深めながら、一緒により良い選択肢を探していきたいと思っています。気軽に、たくさんのことをお話しいただけたら嬉しいです。

ポイント

  • 派遣エンジニアとキャリアアドバイザーの相互理解が、良い支援に繋がる。
  • キャリアアドバイザーは、雑談から「その人の価値観」を知ることもある。
  • キャリアアドバイザーと気軽に情報交換ができる関係を築きたい。

文=スギモトアイ/写真=舛元清香/編集=伊藤 駿(ノオト)