下請け企業からの脱却!中小企業の新たな生き残り戦略とは?
モノづくり(ものづくり)業界には下請けと呼ばれる中小企業が多く存在します。
いわゆる大企業からの仕事をメインに行っている企業のことです。
しかし、長い不況の間、取引先である大企業から来る仕事はどんどん安くなり、多くの中小企業が大企業の下請けの仕事だけでは会社を成り立たせることができませんでした。
下請取引はどんどん下火になっています。
そんな中、大企業の下請けから脱却するべく、高い技術力を活かして自分達にしかできない事業を始める中小企業が増えてきているのです。
この記事では、そんな中小企業の新たな生き残り戦略についてご紹介しましょう。
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下請けの中小企業が抱える闇とは?
リーマンショック以降の不況で、下請けの中小企業経営は厳しい状況が続きました。
不況ですから、親会社も自社の製品やサービスの値下げをしたり、コストを出来る限り削減をしていかなければなりません。
するとそれに伴って大事な顧客である親会社から来る仕事の値段は、適正化されずどんどん安くなっていきます。
しかし、それを断りたくても、親会社からの仕事で会社の経営が成り立っている場合は、それを断ってしまえば仕事がなくなってしまうのです。
そのため、下請け中小企業は安い仕事でもやらなければいけなくなくなってしまい、経営状態がどんどん悪化するという厳しい状況が続いてきました。
頭を抱える経営者、小規模事業者も少なくありません。
日本の製造業は下請けの中小企業によって支えられている
今の日本のモノづくりは下請けの中小企業によって支えられていると言っても過言ではありません。
高い技術を持った下請けの中小企業が作った部品がなければ、親会社は自動車や家電などの製品を作ることができないのです。
しかし、そんなモノづくりにおいて必要とされているのにも関わらず、安い価格やタイトな納期で作業を請けなければならないので、中小企業の経営はなかなか良くなりません。
そのため、新しい人材の確保も難しくなってしまいます。
下請けからの脱却!中小企業の生き残り戦略
最近では、そんな親会社の下請け企業から脱却しようと中小企業の新たな生き残り戦略、生き残り事業計画が注目を集めています。
その生き残り戦略とは、BtoBでダメならBtoCへ、というものです。
下請けの仕事をやりながらも、加工など大手に引けを取らない中小製造業の高い技術を活かして何か新しい製品開発やサービスを開発していこう、という中小企業が最近増えて来ています。
メーカーによって異なりますが、細かい分野の技術は、大手よりも中小企業の方が上なのです。
例えば、オオアサ電子株式会社は今まで自動車インパネ部品の下請け会社でした。
しかし、リーマンショックの影響で大企業からの仕事がなくなってしまい倒産の危機に追いこまれます。
そのピンチからオオアサ電子を救ったのが、自分達が今まで培った技術を使っての新商品の開発でした。
2年の歳月をかけて開発した高性能スピーカー「エゾレッタ」や、強化ガラス切断の技術を用いたスマートフォン用の液晶画面保護ガラスなどが高い評価を受けたのです。
大量生産ではなく、高付加価値なものを必要最低限、少量生産する「マイクロモノづくり」。
大手企業に頼らずに、展示会の開催など自ら販路を獲得することで、急成長する中小企業が出てきているのです。
参照)オオアサ電子株式会社
強い中小企業が今後の日本のモノづくりを牽引していく!
このように、自分達の技術をもって自社商品を開発し、営業をかける挑戦。
そんな大企業からの仕事だけに依存しない、そんな新しい取り組みが中小企業の中で広がっているのです。
中小企業の人事制度を支援するサービスも日経ビジネスで報じられました。
381万もの中小企業を支え、助成金(補助金)システムや販路開拓相談など、適切な支援を行う独立行政法人中小機構。
その存在や連携も、日に日に大きくなっています。
他にも産業技術の製品化、事業化を手助けしてくれる支援の場所があるので、支援情報を検索してみてください。
今後は大企業というよりむしろ、こういった強い中小企業が日本のモノづくり業界を牽引していくことになるのかもしれません。