【いまさら聞けない】クリーンルームの設備とクラスとは??
精密機器の製造でよく使われるクリーンルーム。
みなさんも、クリーンルームという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?
使っている企業によって、形も使い方も様々だと思います。
普段、言われたとおりに使っていても、実際どんな仕組みになっているのか知っている人は少ないでしょう。
ここではいまさら聞けない、クリーンルームについてご紹介します。
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クリーンルームはなんのために使う?
クリーンルームとは、空気中の浮遊微粒子・浮遊微生物が限定され、清浄度レベル以下に管理され、必要に応じて、温度・湿度・圧力などの環境条件も管理されている清浄空間です。
そもそもクリーンルームは何のために使われるのでしょうか?
簡単に言うと目に見えない、見えにくい塵埃をきわめて少なくして、製品などへの付着を防止するために使われます。
わずかなな塵ですら製品の性能に影響を与えてしまう可能性があるからです。
中には、クリーンルーム内の温度や湿度の管理なども行う必要がある製品もあります。
クリーンルームの対象は
- 半導体
- 精密機器
- 樹脂製品
- 液晶などの表示パネル
- 医療機器
- 食品
などの製造現場が多いです。
クリーンルームは設置・維持の費用が高価となりますし、大きさやクリーン度によってその価格も変わってきます。
あまり広い空間を必要としなければ、クリーンルームより小型で低価格なクリーンブースというのが使用されることもあります。
また、クリーンルームの気流方式は、比較的清浄度の低いクリーンルームの場合は乱流方式、清浄度の高いクリーンルームの場合は垂直層流方式が採用される傾向があります。
室内をクリーンに保つ設備の秘密とは
では、どのような技術によって室内を清浄化しているのでしょうか?
まず重要なことは、外から塵が入らないようにすることです。
そのために、空気の入り口に高性能フィルタ(HEPAフィルタなど)をつけて、侵入を防ぎます。
空気は隙間があれば室内に入ってしまうため、できるだけ隙間がないように作られています。
さらにクリーンルーム内は陽圧になっていて、隙間があれば空気は中に入らず外に出る仕組みです。
フィルタを通った空気が常に室内に入ってくるようになっています。
必要に応じて、ファンを使った定期的な空気の循環を作ることもあります。
人の出入り口は二重扉になっていて、エアシャワーがついているものからビニールシートなどの簡易的なものまで様々です。
またクリーンルームに人が入るときには、塵が入らないように専用の作業服を着るのが一般的です。
クリーンルームのクラスってどうやって決まってるの?
JIS規格・ISO規格では浮遊する塵埃で、クリーンルームのクラスというものが決められています。
どのくらいクリーンな環境なのかということが基準と考えて下さい。
作る製品や工程によって、必要とされる空気清浄度クラスが決まってきます。
ちなみに粒子の数は、パーティカルカウンタと呼ばれる測定器で測定されます。
以下にJISで定める規格を示します。
クラス100といった規格に、馴染みがある方も多いかと思いますが、JISのクラス5が米国連邦規格Fed. Std. 209Dのクラス100に相当します。
- クラス1:粒径0.1μmの粒子数10
- クラス2:粒径0.1μmの粒子数100
- クラス3:粒径0.1μmの粒子数1,000
- クラス4:粒径0.1μmの粒子数10,000
- クラス5:粒径0.1μmの粒子数100,000
- クラス6:粒径0.1μmの粒子数1,000,000
クリーンルームに塵埃を入れないのがルール
クリーンルームの利用については、入室退室の際にエアシャワーを浴びる、持ち込み出来るものが限られる、定期的なクリーン度の測定を行うなど、特殊な注意が必要な場合が多いです。
これは室内に塵埃を入れないための工夫ですから、使用者は社内の利用規約を守り、適切に使いましょう。