2022年下半期は、「アフターコロナ」として世の中の正常化が進むと同時に、コロナ禍が契機となり広まったテレワークや、AI・IoTなどのIT化・デジタル化が、引き続き多くの分野で進展しました。DX推進を進める企業もさらに増加し、人材採用は引き続き活発です。エンジニアのみなさまの今後のキャリアプラン検討の参考にしていただくため、2021年下半期と2022年下半期の求人状況を比較・調査しました。
※1 開発は、システム開発やアプリ開発が含まれます
※2 サポートは、テクニカルサポート、ヘルプデスクが含まれます
※3 Webクリエイティブは、デザイナー、コーダー、ディレクター、プランナー、マーケターが含まれます
※4 プロジェクト管理は、PM、PMO、SEアシスタントが含まれます
▲【グラフ1】職種別 2021年下半期・2022年下半期の求人数増減比
▲【グラフ2】職種別 2021年下半期・2022年下半期の平均時給と最低時給~最高時給
職種別の求人数では、2022年下半期は開発エンジニア・インフラエンジニアは高止まり、Webクリエイター・テクニカルサポート・ヘルプデスクは増加の推移でした。なかでも、2022年は各業界で具体的なDXの取り組みが進んだことを背景に、企業のDXを上流工程から支援できる人材の需要が高まっています。プロジェクト管理(PM・PMO)の求人が大幅に増加(185%)しており、各方面でPMO人材の採用を強化していることがうかがえます。
全体平均では横ばいの推移となった平均時給も、英語スキルが高い・要件定義やベンダーコントロール等の経験が豊富・など、上流工程を牽引できる人材の時給は引き続き上昇していくと思われます。
▲【グラフ1】言語別 2022年下半期の求人数
▲【グラフ2】言語別 2022年下半期の平均時給と最低時給~最高時給
開発言語別では、2022年下半期は各言語で120%~130%の求人数増加がみられ、DX、AI、ビッグデータ解析などの分野で伸びが顕著です。
Pythonは、SI企業やインターネットサービス企業だけでなく、自動車・輸送機器メーカーや精密機器メーカーのビッグデータ解析、画像認識、AI開発等の業務でもニーズが増えており、スキルアップを目指すエンジニアに人気の言語となっています。組込み分野では引き続きC、C++の需要も高くなっています。
今回の対象期間における言語別平均時給では横ばいの推移となったものの、Pytthon、SQL等のデータサイエンス・AI関連におけるハイスキル人材の需要は高く、高時給帯の求人は今後増えていくと予想されます。
▲2021年下半期・2022年下半期のフルリモートワーク求人数増減比
2020年以降、コロナ禍が発端となって、リモートワーク求人は増加を続けており、なかでも住む場所にとらわれない「出社不要」のフルリモートワーク求人数は引き続き増加傾向です。
開発エンジニア・ネットワーク・サーバーエンジニア・PMO・Webクリエイター職種が中心で、求人数は2021年度下半期との比較で22%増加しました。
業務内容は、チームメンバーと連携しながら、進行や外部ベンダーの調整、スクラムマスター、PM業務といった上流工程が中心で、リモート環境でもコミュニケーションを図りながらの業務進行が求められるシーンが増えています。