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弊社インフラチームを牽引するベテランエンジニアが、敢えて過去の失敗談を語る「エンジニアの失敗学」シリーズ1回目。失敗は成功のもとと言いますが、皆さまの清く正しいエンジニアライフの為にも、教訓として是非ご一読くださいませ。
1.客先で予定していた作業
社会人経験20数年のおじさんが過去の失敗について語るあれこれ。
SIerで仕事を始めるようになって約半年、年齢は26になったばかりのこと。WindowsNT4.0サーバのHDD増設を行うための仕事に客先へ行くことに。作業としては大きく以下の3つ。
- HDD増設、RAID構成、OS側の設定
- データコピー
- 共有設定移行
データコピー以降は日を改めてバックアップテープを使って移行する予定になっていたのだが…。
2.先走って作業を実施、エンドユーザから掛かる催促
このあたりの状況を明確に覚えていないのだが、確か「やれるところまでやっておこう」という指示を曲解したのと、ここで結果を出せばと功を焦り安直にも作業を先走ってデータコピーに手を出してしまった。
データ量はそれほどでもなく、約10GB強。現在だと気軽にできるサイズだが、当時のサーバスペックだと計画的作業が求められた。
当然、この作業を始めるとサーバは利用できなくなる。作業予定時間をオーバーしてエンドユーザから催促がかかりだした。
この時、師匠はすでに以下を考えていた。(これは後日聞いた。)
- HDDの増設と基本設定だけなのに連絡が遅すぎる
- あいつ(=私)の技術力を考えると簡単な仕事
- 先走ってデータコピー作業を始めたな
- 夜残ってもらう要員を手配しよう
- 部長に報告入れて、顛末書の準備だ
3.やむ無く師匠へ電話
いよいよヤバくなり、師匠に電話するハメに。
当然だが、先走って作業を始めたなどと正直に言えるわけもなく、その場のネタで何とかごまかそうとするのだが……。
「つまらないウソをつくのはやめろ。口数が少ないのでもうバレバレだ。普段のお前が自信を持ってやっている内容ならもっと明確に言い切っている。」
「で、どこまでどうなっているか正直に言え、あとはこっちからリモートで対応してやる。これ以上残るとお客さんにも迷惑になるからお前は帰れ。」
状況を正直に報告、データコピーがどこまで終わっているのかなどを説明し、翌朝までに稼働させるということでエンドユーザのお説教を食らって帰宅。
幸いしたのはデータコピーだったのでデータ損失が一切なく、最終的には作業遅延に関する報告書で済んだことと、お説教を食らったもののエンドユーザが割と寛大だったこともあって、私自身は部長と師匠に顛末をメールするだけでそれ以上のおとがめはなかった。
4.作業から学んだこと
この作業で学んだことは以下の通り。
よく考えてみれば事前の報告、連絡、相談以外の何物でもなく、結局基本に立ち返ることが大事なのを改めて自覚。
人には失敗の歴史が必ずあるもの。このシリーズ、公開できるものに関して順次書いていく予定です。なかなか語られない失敗談を語ることで何か得るものがあればと考えています。