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IT業界は将来性があるとして求職者から魅力的な業界だと考えられています。しかし、文系でもシステムエンジニアになれるのか、実際に活躍するのはやはり理系の人なのではないかなど、文系の人にとってIT業界に飛び込む場合は不安も付き物でしょう。そこで、本記事では文系からシステムエンジニアになる方法や強みや弱みなどを解説します。後悔のない選択をするためにぜひ参考にしてください。
目次
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
文系はシステムエンジニア(SE)として就職できるのか
結論から述べると、文系からシステムエンジニアになることは可能です。それにはいくつかの理由があります。まずは、IT人材が不足しているからです。経済産業省のデータによると、2030年までにIT人材の不足はどんどん拡大していきます。
エンジニア不足が生じている理由は、少子高齢化や、教育体制の課題があげられ、こうした日本の根底的な課題がエンジニア不足をもたらしています。 エンジニアが不足している今、文系であってもエンジニアに関心がある人材であれば、活躍する機会はあるといえます。
システムエンジニアとは
そもそも、システムエンジニアとはどのようなものか理解しているでしょうか。システムエンジニア(SE)とは、一言で説明するとソフトウェアの設計・開発を行うエンジニアのことを指します。
もう少し詳しく設計・開発の一連の流れを説明すると、クライアントに解決したい悩みや必要なシステムのヒアリングを行い、それを基にソフトウェアの仕様を決定、その後は開発の上流工程を担当し、最終的にテストまでSEが担当します。
システムエンジニアの仕事内容
IT業界には、セキュリティやインフラ、ネットワーク、アプリケーションなどさまざまな分野があり、それに対応するエンジニアが存在します。よって、システムエンジニア(SE)と言ってもどのような職域を指すのか明確な定義はありません。そのため、仕事内容も多岐にわたります。
その上で、分野で種類分けせずに働き方によって分割すると主に「社内SE」と「客先常駐SE」に分けることが可能です。 社内SEとは、そのまま一つの企業のシステムエンジニアとして正社員として契約し、社内のITに関わる仕事をします。 客先常駐SEは、技術者を求めている企業に派遣されシステムの開発などを行います。この場合の契約は正社員ではありません。
社内SEの仕事内容は、専門的な知識が必要とされるシステムの開発や運用、保守のほか、社内のシステムに関して社員の疑問に答えるなど簡単なこともあります。 客先常駐SEの仕事内容は社内SEよりもさらに専門的な知識を必要とされることが多く、要件定義、設計、開発、テストといった開発に関わる業務や、ネットワークやサーバーの設計・構築、運用などのインフラ業務に関わる内容まで多岐に渡ります。依頼された作業をこなすだけのものもあれば、提案やコンサルティング行うケースや、マネジメントを行うケースもあります。
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文系からシステムエンジニア(SE)になる際の強み
文系であることは、システムエンジニアを目指す上でデメリットにしかならないと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、文系であることがメリットになることもあります。
コミュニケーション能力が高い
文系の方の強みはコミュニケーション能力が高いということが挙げられます。システムエンジニアは、コミュニケーション能力が必要とされる場面が非常に多いです。例えば、社内SEの場合は他の社員の方の質問に対応するために専門的な知識よりも、コミュニケーション能力が重視されることがあります。また、大規模なシステム開発の場合でも、細かく分けられた工程でそれぞれ担当者の連携をとることが重要になるため、文系で培われたコミュニケーション能力がいかせる場合があるのです。
文章作成能力が高い
システムエンジニアは文章作成能力も必要とされます。先ほども述べたように、細かく分けられた工程で意思や情報の伝達が必要となるためです。直接会話するコミュニケーションのほかにも、メールやチャットでのやりとりはとても多いです。その上で、意外にも文章作成能力が足りていないシステムエンジニアは多いようです。例えば、専門用語を用いてしまっていたり、説明が足りていなかったりする点です。文章を作成するのには、読み手の視点に立つことが重要ですが、その配慮が足りていないことが多いといえます。
また、最近はインターネットの発達により長い文章を読むことが減りました。その影響で日本人全体の文章作成能力が下がっているという説もあります。文系の方は学習する分野的に、長い文章を目にする機会が多かったといえるため文章作成能力は高いと裏付けられます。
英語力
英語力については、文系の方の中でも差があるかもしれませんが、留学経験のある方などの多くは文系出身でしょう。システムエンジニアは、英語力をいかすことができる機会が多くあります。例えば、海外のクライアントや外国人エンジニアと会話する場合などです。大手企業では特に英語が公用語になることもあるため、英語力を強みにしている文系の方は有利です。また、ITの技術に国境はないため最新の技術の多くは英語で発表されています。いち早くその情報にアクセスすることができるため、英語力はシステムエンジニアにとっても重要です。
文系からシステムエンジニア(SE)になる際の弱み
文系の方がシステムエンジニアになる際の弱みを解説します。
ITに関する知識の少なさ
まずは、ITに関する知識の少なさが挙げられます。この点は多くの人が考えることでもあるでしょう。とくに、プログラミング言語やアプリの開発を専門分野として学んでいた理系の方との知識や経験の差はかなりあるでしょう。しかし、一概に理系といっても生物系を学んでいた方などとの差はつきにくいでしょう。専門的な知識の他にも、文系の方に足りないことが多い物事を論理的に考える力を付けられるようにしましょう。
周りの人と馴染みずらい場合がある
働く環境で、一緒に働く多くの方が理系の場合、馴染みずらい可能性があります。実害はなくても、疎外感を感じてしまうなどです。しかし、この場合は大抵文系の方の方が居心地の悪さを感じているだけの場合が多いです。文系だから、理系だからといって遠慮することなく打ち解けるようにしましょう。
文系がシステムエンジニア(SE)になって後悔する理由
実際に文系からシステムエンジニアになった方で、なかには後悔してしまう方もいらっしゃるようです。なぜそのように感じてしまうのでしょうか。
理系の人との知識や経験の差を感じるから
前述したように、文系の方が引け目を感じることの理由の多くが理系の方との知識や経験の差によるものです。一度その差を目の当たりにしてしまうと、「文系からシステムエンジニアにならなければ良かった」と考えてしまうようです。しかし、文系でもシステムエンジニアとして活躍している方や、逆に理系でもあまり活躍できていない方も存在します。確かに、キャリアを築き始めたばかりのころは理系のアドバンテージを感じるかもしれませんが、それだけの理由でシステムエンジニアを諦めるのは理にかなっていません。
残業が多いから
システムエンジニアは、突然起こるトラブルに対応しなければならないことがあります。例えば、多くの社員が使うネットワークのトラブルが起きた場合は、休日出社になるかもしれません。このようなトラブル対応の多さというものは、文系か理系かに関わらず、システムエンジニアになったことを後悔してしまうポイントになりえるでしょう。
地道な作業が長いから
システムエンジニアの仕事内容は地道な作業が多いといえます。例えば、文系の方がなることが多い営業職などと比べてしまうと、成功すれば一気にインセンティブがもらえる点などをうらやましく考える方もいるかもしれません。しかし、逆に営業などの部署が向いていないと感じる方にとっては働きやすい環境ともいえるでしょう。自分がどのように働きたいか、適性を考えることが重要です。
文系システムエンジニア(SE)の離職率
では、実際に文系でどのくらいの方がシステムエンジニアの職を離れているのでしょうか。しかし、残念ながらこの数字を表す明確なデータはありません。
参考までに、それぞれの離職率を紹介します。
新規学卒就職者(平成30年3月卒業者)の就職後3年以内の離職率
新規高卒就職者 約4割(36.9%)
新規大卒就職者 約3割(31.2%)
離職率が高い業界 | |
---|---|
1位 | 宿泊、飲食サービス業 |
2位 | 生活関連サービス業 |
3位 | 卸売、小売業 |
4位 | 医療、福祉 |
離職率が低い業界 | |
---|---|
1位 | 鉱業 |
2位 | 金融、保険業 |
3位 | 複合サービス事業 |
4位 | 情報通信業 |
システムエンジニアは、情報通信業にあたるためこのデータからは離職率が低いことがわかります。 また、データの出典を示すことはできませんが、文系のシステムエンジニアの離職率は5%だと述べている方もいます。
文系システムエンジニア(SE)が就職を後悔しないために
では、実際に文系の方がシステムエンジニアになる際に後悔しないようにするためにはどうしたら良いのでしょうか。
システムエンジニアについて理解を深めておく
まず一番大切なのはシステムエンジニアについて理解を深めておくことです。どのような仕事を行うのかは前述したとおりですが、詳細な仕事内容は企業によって全く異なるため、志望する企業についての理解を深めることが非常に重要になっています。どのような業務を行うのかがわかっていれば、実際に働き始めてから後悔することはないでしょう。
ある程度は勉強しておく
次には、ITについてある程度勉強しておくことが就職の後悔を防ぐことにつながります。働き始めてから周りとの差を感じすぎてしまうと挫折のきっかけにつながるからです。どのような勉強をしたらよいのかわからないという方は、資格取得を目指すことをおすすめします。
・ITパスポート ・基本情報技術者 ・情報セキュリティマネジメント この3つの資格は、IT未経験の方でも勉強すれば取得可能な資格です。ぜひ挑戦してみてください。
文系システムエンジニア(SE)におすすめの企業の特徴
では、どのような企業が文系におすすめなのか、特徴を紹介します。
システムエンジニアとしてチャレンジしたい方
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研修制度が充実している
経験や知識が少ない文系にとって重要なことは研修制度が充実しているかどうかという点です。とくに、エンジニア未経験で入社した企業の場合は規模が小さく研修制度がしっかりしていない可能性があります。未経験で大手企業に入ることは難しいですが、中小企業には業務経験を積めるというメリットもあるため、大手企業でなくとも諦めずに研修制度がしっかりしている企業を選ぶようにしましょう。なかには、勉強会やセミナーの参加費を負担する企業もあります。
幅広い大学群からの採用がある
理系の学生ばかりを採用している企業では、そもそもですが文系の学生は採用されにくい可能性があります。過去の採用情報などを確認し、学歴フィルターがない企業を選びましょう。
文系からシステムエンジニア(SE)を目指す際に勉強すべきこと
この記事を読んで、文系からシステムエンジニアになろうと考えてくださった方もいらっしゃるのではないでしょうか。では実際に、文系から優秀なシステムエンジニアになるために勉強すべきことを解説します。
ExcelやWord、PowerPoint
この知識はシステムエンジニアに関わらず、社会人としてマスターしておくと良いでしょう。これらが扱える証明であるMOS(Microsoft Office Specialist)という資格もありますが、システムエンジニアを目指す際にアピールポイントになることはほとんどありません。しかし、使い方を確認するためや自分に自信を持つために受験してみるのはよいといえます。
IT業界の基礎知識
システムエンジニアにとって、普遍的なITの知識は非常に重要です。なぜなら、業務中に専門的な用語を用いてミーティングを進めることがほとんどであるためです。例えば、ウォーターフォール型開発やアジャイル開発についてきちんと理解しているでしょうか。このような知識は例えば「ITパスポート」という資格試験で確認することができます。
自分の目指す職種に関係するプログラミング言語
次に、自分の目指す職種に関連するプログラミング言語に触れておくことも、システムエンジニアとしてのスタートをスムーズにすることにつながります。例えば、PythonやJavaScript、Ruby、Go言語、C++などです。どのような言語を用いるかはどのようなエンジニアを目指すかにより異なるため希望の職種に関係する言語を調べておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、文系からシステムエンジニアになることはできるのかどうかや文系がシステムエンジニアになって後悔する理由などを解説しました。文系の方がシステムエンジニアになることは不可能ではありません。しかし、知識や経験などの面において専門的に勉強してきた人や理系の方に劣ってしまうことは間違いありません。知識の差を勉強で埋めて、文系ならでは、自分ならではの強みをいかすことが重要です。