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ITの代表的な職業であるシステムエンジニアは、普段関わりのない人でも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、「実際に何をしているのか」「どうやったらなれるのか」までは知らないという方も多いのではないでしょうか。 本記事では、そんなシステムエンジニアについて特徴や適性、「そもそも未経験からでもなれるのか」といった疑問の答えまで詳しく解説していきます!
目次
- システムエンジニア(SE)とは
- 未経験からシステムエンジニア(SE)になることは可能なのか
- 未経験でシステムエンジニア(SE)を目指す上でやめるべき志望動機
- 未経験でもシステムエンジニア(SE)に向いている人の特徴
- システムエンジニア(SE)を未経験から目指せる年齢
- 未経験からシステムエンジニア(SE)になってきついと感じるポイント
- 未経験からのシステムエンジニア(SE)での後悔パターン
- 未経験からシステムエンジニア(SE)になって良かったと感じるポイント
- 未経験からシステムエンジニア(SE)を目指す上でおすすめプログラミング言語3選
- 未経験からシステムエンジニア(SE)になる上で有利な資格
- 実際に未経験からシステムエンジニア(SE)になる方法4選
- まとめ
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
システムエンジニア(SE)とは
ITの職種の代表的な存在でもあるシステムエンジニアですが、名前は聞いたことがあっても具体的に何をしているのか説明できる人は少ないのではないでしょうか。まずはシステムエンジニア(SE)とはどういう職業なのか詳しく解説していきます。
システムエンジニアの役割
システムエンジニア(SE)は、情報技術を活用してシステムを設計・構築・運用する専門家です。
主な役割は、クライアントやユーザーの要望を理解し、それに応じて適切な解決方法を提案し、システム全体を
・計画
・設計
・構築
することです。プロジェクトの進行管理やテスト、トラブルシューティング、改善・拡張案の検討なども行います。システムエンジニアは、要件を満たす高品質なシステムを実現するために、要件定義から運用・保守までの一連のプロセスに深く関与します。
プログラムを書くだけでなく、プロジェクトの管理など様々な業務を行うエンジニアということになります。
システムエンジニアの業務内容
システムエンジニアの業務内容は多岐にわたりますが、主な業務には以下のようなものがあります。
クライアントやユーザーとのコミュニケーション
・システムの設計・コーディング
・ソフトウェアやシステムのテスト
・マニュアルなどの作成
・プロジェクト管理
システムエンジニアの年収
システムエンジニアの年収は、比較的高いものであると言えるでしょう。初級のシステムエンジニアの年収は約300万円から500万円程度でスタートし、中級のエンジニアでは500万円から800万円程度、上級のエンジニアやリーダークラスでは1000万円を超えることもあります。
もちろん、これらの数字はあくまで目安であり、実際の給与は企業の給与体系によっても大きく変動します。
未経験からシステムエンジニア(SE)になることは可能なのか
それでは、実際に未経験からシステムエンジニアになることはできるのでしょうか?
結論から言うと、「なれます」。なぜそう言い切れるのか、その理由を解説していきます。
システムエンジニアは不足しているから
現代では、情報技術の進化とデジタル化が進んでおり、システムエンジニアの需要が非常に高まっています。しかしながら、少子高齢化の影響もあり、業界として人材が不足しているのが現状です。
そのために、企業や組織が未経験者に対しても積極的に採用や教育が行われているのです。
システムエンジニア(SE)に将来性はあるのか?現状と今後について解説します。
教育を行う機関や企業は増加しているから
未経験者を対象にしたシステムエンジニア養成のプログラムを提供する企業や専門学校、教育機関は年々増加しています。これらのプログラムを通して、基礎から学ぶことができ、実践的なトレーニングを受けることで実務に近いスキルを身につけることができるのです。
技術以外の能力もを磨き続ける覚悟は必須
未経験者でも意欲的に学び、実践を積むことでシステムエンジニアになることは十分に可能です。
しかし、システムエンジニアになってからも自己学習や実務経験を通じてスキルを向上させることはもちろん重要であり、養成プログラムでは学ぶことができないコミュニケーション能力や問題解決力など、技術以外の能力も磨くことが大切です。
エンジニアの成長曲線とは?必要な理由と活用法を紹介!
未経験でシステムエンジニア(SE)を目指す上でやめるべき志望動機
未経験でも十分に目指すことができるシステムエンジニアですが、目指す上で挫折しやすい・なってから苦労しやすい志望動機がいくつか存在します。「こんな志望動機なら目指すのをやめておけ!」というわけではありませんが、一度見つめ直してみても良いのではないでしょうか。
楽そう
ここまで読んでくださった方はお分かりかもしれませんが、システムエンジニアは業務内容が多岐に渡り、要求されるスキルも多いです。断じて楽な仕事とは言えないため、「楽そうだな」という印象でシステムエンジニアを目指すのは、よくないと言えるでしょう。
なんかかっこいい
名前を聞いたことがあり、なんか横文字でかっこいいからと言った志望動機も挫折を生みやすいです。響きのかっこよさのために、スキルをしっかりと身につけて激務をこなすことができるのであれば良いですが、モチベーションの維持に後々苦労することになるかもしれません。
給料が良さそう
先述の通り、システムエンジニアの給与は比較的高い方ではあるのですが、基本的にスキルに応じた給与体系になっています。また、企業によってもその基準が異なるため、一概に高給取りであるとは言えません。
未経験でもシステムエンジニア(SE)に向いている人の特徴
システムエンジニアは業務が多岐に渡り、必要とするスキルも多いため、人により向き不向きがあります。「これらに当てはまらなければ目指してはいけない!」というわけではないので、参考程度に見ていきましょう。
論理的である
システムエンジニアは、効率的なシステムを設計する役割を担います。そのため、論理的に物事を考えて問題を分析することが得意な、論理的思考能力が高い人に向いています。
データや情報を組み合わせて妥当な結論を導き出すのはシステムエンジニアに必須のスキルと言えるでしょう。
情報収集能力がある
情報技術は日々進化しており、新しい技術やツールが次々と登場します。システムエンジニアは常に最新の情報を追いかけ、新しい知識を習得する能力が必要です。専門書や技術記事、研修などから効率的に知識を吸収し、その知識を実務に活かすことのできる人は優秀なシステムエンジニアであると言えるでしょう
向上心がある
システムエンジニアは技術的な仕事であり、常に新しい課題や技術への対応が求められます。自分のスキルを高めることに意欲を持ち、新しいことに挑戦するのをためらわない向上心も大切です。
コミュニケーション能力がある
システムエンジニアは、チームメンバーやクライアントとコミュニケーションを取りながら仕事を進めることが多いです。相手の意図を理解し、自分の考えを適切に伝えることができれば、クライアントの要望に沿うことや、チーム内での仕事の割り振りも円滑に行えます。
技術職でありながらも、システムエンジニアにコミュニケーション能力は必須のスキルです。
システムエンジニア(SE)を未経験から目指せる年齢
先述の通り、システムエンジニアに未経験からなることは可能です。しかし、個人の特性として向き不向きがあるように、未経験から目指すには年齢的な向き不向きも存在します。
結論として、未経験からシステムエンジニアを目指すのはできれば30代前半までが良いでしょう。その理由を解説していきます。
キャリア的な問題がある
30代後半を超えて未経験からシステムエンジニアを志すには、学習期間を確保しにくいという問題があります。
また、システムエンジニアになるためには多くのスキルを身につけなくてはなりません。定年まで働くとしても、全て1から学び直し、そこからシステムエンジニアとしてのキャリアをスタートするというのは少し大変でしょう。
残業など体力が必須
システムエンジニアはプロジェクトの管理も業務の一環であるため、新人であれば激務や残業に追われることも珍しくありません。また、働きながら吸収しなければいけないことも多いので体力勝負のような一面もあります。
体力は歳とともにどうしても衰えてしまうものであるため、未経験からシステムエンジニアを目指すのであれば、若い方が良いと言えるでしょう。
システムエンジニア(SE)は本当にきついのか?なぜやめとけと言われるのか具体的な理由を解説
求められるスキルも高くなる
20代前半の求職者は、スキルが不足していても成長や体力を考慮して「ポテンシャル採用」されやすい傾向があります。逆に30代後半以降になってくると即戦力として「キャリア採用」されるケースが多いです。
そのため、未経験として企業から教育を受けてシステムエンジニアになるといった方法は、30代後半を超えると難しくなってきてしまいます。
未経験からシステムエンジニア(SE)になってきついと感じるポイント
システムエンジニアはきつい職業だと言われがちです。これからシステムエンジニアを目指すにあたって、そのような話を聞いたことがある人も少なくないのではないでしょうか?
ここでは、なぜそのように言われているのかを詳しく解説していきます。
残業が多い
経験・未経験にかかわらずシステムエンジニアに残業はつきものです。クライアントの要望に応えるにあたって、想定外の要件にも対処していかなければなりません。
必要とされるスキルが多い
先述の通り、システムエンジニアに必要なスキルはプログラミング言語以外にも多くあります。基本的なものだけでも、その習得には約3年かかると言われています。新しいことを身につけるのが苦手な人にはきついと感じられるのかもしれません。
プレッシャーが重い
システムエンジニアは、クライアントの要望を形にするシステムを設計しなければいけません。それと同時に仕事の割り振りや不具合の解決など、チーム内の問題にも対処しなければいけません。場合によってはクライアントとチームの間で板挟みになることもあります。
このような責任感やプレッシャーをきついと感じることが多くあるそうです。
未経験からのシステムエンジニア(SE)での後悔パターン
きつさももちろんですが、他の理由でもシステムエンジニアになったことを後悔してしまうパターンがいくつか存在します。せっかくシステムエンジニアになったのに後悔してしまう、なんてことがないよう今のうちに目を通しておきましょう。
体力勝負である
先ほども紹介しましたが、システムエンジニアは基本的に激務で体力勝負なところがあります。そのため年齢を重ねれば重ねるほど続けるのが難しくなっていきます。
システムエンジニアとしてキャリアをはじめるのが遅かった人ほど、寿命の短さに後悔をすることが多いようです。
業務を選べなかった
システムエンジニアと一言で言っても、その業務の多様さゆえに、業界や企業によってメインとする業務内容が様々です。コーディングがメインであったり、逆にマネジメントがメインで技術職的な業務がなかったりと、想定していたものとは違う業務内容に後悔するパターンも多く存在します。
就職する前にしっかりとそのあたりを確認することも大切です。
経験や学習が不十分だった
未経験採用を行なっている企業の場合、社内研修を行っている企業はほとんどですが、中途採用であったりすると研修が存在しないこともあります。そう言った場合は自力で学ぶ必要があり、そこが不十分だと業務の遂行にかなり手間取ってしまいます。
研修の有無やその手厚さなどのリサーチをしっかりと行わないと、後悔の一因となってしまうかもしれません。
独学でエンジニアになる方法とは?必要なスキル・勉強法を解説!
未経験からシステムエンジニア(SE)になって良かったと感じるポイント
ここまでシステムエンジニアになってきつかったと思う点や後悔ポイントなどを紹介してきましたが、もちろん良かったと思う点も多数存在します。ここでは良かったと思う点やその理由について解説していきます!
需要がある
少子高齢化・急速に進むIT化により、システムエンジニアをはじめとしたIT人材は常に不足しています。AIの台頭によりエンジニア職の仕事の現象は危惧されていますが、その管理・メンテナンスを担当するシステムエンジニアは今後も需要が高まっていくでしょう。
今後のキャリアの幅が広がる
IT業界はキャリアパスが豊富に存在します。システムエンジニアをやめても、そこで身につけたスキルを活かして様々な職種に従事することができます。
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超ホワイト企業だった
システムエンジニアは業種として残業が多いほうではあるものの、その人材不足と需要ゆえに実力さえあれば手厚い待遇を受けることも珍しくありません。
もちろん実績や実力は必須ですが、逆に実力次第で高待遇を望める業種と言えるでしょう
未経験からシステムエンジニア(SE)を目指す上でおすすめプログラミング言語3選
プログラムのコーディングは主にプログラマーの仕事ではあるものの、プログラミング言語への理解は必須です。また、業種によって使う言語も異なるためどの言語を優先して学ぶかを知っておくことは大切です。
そこで、ここでは主要な言語をいくつか紹介していきます。
Java
希望する業種などが定まっていない方におすすめなのがJavaです。Javaは言語の中でも王道で、多くの現場で使われています。汎用性がありOSに依存せずに動作が可能です。またセキュリティ重視の言語でもあるので安全性について学ぶこともできます。
Python
Pythonはデータサイエンス、人工知能、Web開発など、さまざまな分野で広く使用されているため、幅広い分野で使用することができます。また、文法がシンプルであるため初心者でも学びやすくなっています。
HTML
HTMLはその学習を通して、ウェブページの構造を記述する基本的構造を学ぶことができます。また、シンプルな構文でありながら、Webページの見た目を自由にカスタマイズできるため、クリエイティブな要素も持っており、多くの場面で使用されています。
他にもCSSやJavaScriptなど色々な言語が存在するため、自分の希望業種に合わせて言語を選んでいくことが大切です。
未経験からシステムエンジニア(SE)になる上で有利な資格
システムエンジニアとしてやっていく上で使える資格がいくつか存在します。システムエンジニアとして必須ではないものの、就活や採用において有利になることは間違いありません。また、毎月の基本給に上乗せされる「資格手当」を導入している企業も少なくないため、取得しておいて間違いはないでしょう。「
ここではそんな資格をいくつか紹介します。
ITパスポート
ITパスポートはコンピュータの基本的な用語やハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど、IT全般に関する基礎的な知識が試験範囲となっています。ITを初めて学ぶ人に最適で、学習コストや難易度が比較的低く、短期間で取得できるため初学者がまず取るべき資格と言えるでしょう。
基本情報技術者試験
ITパスポートよりは難易度の高い試験になります。プログラミング、データベース、ネットワーク、セキュリティなど、幅広いIT知識が試験範囲です。情報処理技術者試験やベンダー試験などの上位資格取得のための基礎にもなるので複数の資格取得を目指す人はまず基本情報技術者試験を取ると良いでしょう。
ベンダー試験
資格としては上位のものになります。IT関連のベンダー(メーカーやプロバイダ)が提供する資格試験で、特定のベンダーの技術や製品に特化しています。主要なベンダー試験としては、MicrosoftのMCPやCiscoのCCNA、OracleのOCPなどがあります。ベンダーが認める公式資格なので就活に有利になり、先ほど述べた資格手当も場合によっては望めるでしょう。
資格名 | 難易度 | 合格者数/合格率 |
---|---|---|
ITパスポート | 初級 | 119,495名/51.6% |
基本情報技術者試験 | 中級 | 34,689名/40.8% |
ベンダー試験 | 上級 | 試験による |
もちろん当たり前ですが、システムエンジニアは資格を持っていればなんとかなる職種ではありません。実践的なスキルや経験を積み重ねることも重要です。学習と経験を組み合わせて、自身のキャリアに合ったスキルセットを構築することがシステムエンジニアとしての成長への鍵となります。
実際に未経験からシステムエンジニア(SE)になる方法4選
これまで、未経験からシステムエンジニアになる適性や利点・欠点、有利な資格などを紹介してきました。ここでは実際に未経験からシステムエンジニアを目指すにあたってどのような方法があるのかを紹介していきます。
独学で学ぶ
独学でもスキルさえ修得してしまえば、業務未経験でもシステムエンジニアとして働き始めることはできます。最低限のスキルと知識を手を動かしながら自分で学び、「未経験OK」の企業で働き始めるのもありでしょう。
資格を取得する
独学の場合ももちろんですが、資格取得は業務未経験での就活を有利にしてくれます。IT関連の資格は多くありますが、先ほど紹介した基本情報技術者試験などの国家資格をまず取得するのが良いでしょう。
研修付きの求人を探す
業界としてシステムエンジニアは不足しているため、企業によっては研修付きの求人もあります。
しかし、研修が不十分な企業を選んでしまうと、勤務後に自習に追われることになってしまいます。業務の種類も豊富なので「研修期間が一ヶ月以上」「社員によるサポートが一年以上つく」などの条件は注意して見た方が良いでしょう。
プログラミングスクールに通う
システムエンジニアとしてのスキルの取得に最も効率的なのはスクールに通うことです。IT関連の初学者にありがちなのが「何がわからないのかわからない」という状態です。そう言った意味でもスクールに通ってスキルを短期間で身につけるのは効率的と言えるでしょう。
もちろん一つの方法にこだわる必要はありません。「自学で資格を取得しつつ、スクールでプログラミングスキルを身につける」など、自分に合った方法で学んでいくのが良いでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。向き不向きなどはあるものの、未経験からシステムエンジニアを目指すことは可能だということを本記事を通してわかっていただけたと思います。キャリアを通して学び続ける気持ちがあるのであれば、未経験であることなどは気にせずに、ぜひシステムエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。