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そもそもQAエンジニアとは？

そもそもQAエンジニアとはどのような職種であるのか解説します。
QA（Quality Assurance）エンジニアは、システム開発における品質担当者であり、ソフトウェアやアプリの品質を担保する役割を果たしています。システムの品質は、プログラムが正しく実装されていてバグがないだけでなく、ユーザーが使いやすいことまで含まれます。

主な仕事は、システムやアプリのテストとレビューを通じて品質を確認し、問題があれば開発チームにフィードバックします。これらの業務は、顧客満足度や製品品質の向上につながります。QAエンジニアは、企業や組織の信用を守る重要な役割を果たしています。

dodaによると、QAエンジニアの年収は600～800万円であることが多く、企業によっては1000万円を超える求人を出している場合もあり、他のエンジニアと比べて高いと言えます。

向いている人の特徴５選

QAエンジニアに向いている人はどのような特徴をもっているのでしょうか。向いている人の特徴を４つご紹介します。

注意力がある

注意深さは、QAエンジニアにとって重要なスキルです。
QAエンジニアの仕事には、細かい部分に注視し、設計ミスや隠れた不具合を見逃さないことが求められます。製品やサービスの品質を左右する役割を担っているため、入念なテストと精密なチェックを行う必要があります。製品の脆弱性や品質に関して細部までチェックできる注意深さと慎重さを兼ね備えている方は、適性があると言えます。

ユーザー視点を意識できる人

QAエンジニアには、ユーザー視点で物事を考えられる能力が求められます。完成した製品に対してユーザー目線でテストを行い、あらゆる角度から使いやすさを追求します。
ユーザーが求める品質や使いやすさを把握し、製品に反映することが求められるため、ユーザーの視点を持つことはQAエンジニアにとって非常に重要です。

マルチタスクが得意な人

QAエンジニアには、マルチタスクが得意な人も向いています。
QAはテストだけでなく、結果の分析や報告、開発工程の改善案の提案、顧客対応など幅広い業務を担当します。また、システムでは同時多発的に問題が発生することもあり、迅速な対応が求められます。テスト工程は設計から管理まで多岐にわたり、効率的に業務を行うためには各工程に平行して着手する必要があります。

不明点を放置しない人

不明点を放置しない人もQAエンジニアに向いています。
QAエンジニアはバグや不具合を見つけた際に、その再現方法を調査する必要があります。根気強く問題の原因を探る姿勢は、QAエンジニアにとって重要なスキルです。
また、常に新しい技術や手法が登場するため、柔軟に学び直す姿勢も求められます。自分で調べ、さまざまな知識を取り入れることが得意な人は、QAエンジニアとして活躍するための適性が高いと言えます。

コミュニケーション力がある

高いコミュニケーション力を持っている人も適性があります。
QAエンジニアは、開発者や関連部署とコミュニケーションを取る必要があります。そのため、高いコミュニケーションスキルを持つQAエンジニアは、スムーズに業務を行うことができます。
また、顧客の中にはあまりシステムに詳しくない方もいるため、わかりやすく説明するためにもコミュニケーション能力は必要です。

QAエンジニアのやりがい・魅力

仕事をする上でやりがいは重視するポイントの１つだと思います。QAエンジニアのやりがいには以下の４つがあげられます。

新しい技術に触れることができる

IT業界は日々変化しており、プロジェクトを通じて新しい技術に触れることができます。特に、システム開発の手法は進歩が目まぐるしく、これからも新しい技術が登場してくるでしょう。
成長意欲の高い方であれば、新しい技術に触れてスキルの幅が広がり、エンジニアとして成長することでやりがいを感じられます。

幅広い知識を身に着けられる

品質を保証する役割を担うQAエンジニアは、サービスをリリースする際の最後の砦として重要な役割を果たします。テスト業務だけでなく、テストツールに関する知識や自らテストツールを開発することもあります。そのため、QAエンジニア自身がプログラミングや開発スキルを持っている必要があります。
これらの多岐にわたる業務を通じて幅広い知識とスキルを身に着けることで成長できることも魅力の１つです。

感謝されることが多い

感謝されることが多いこともやりがいの１つです。
高品質なソフトウェアを提供することで、顧客から感謝の言葉を受けることがあります。また、開発者やプロジェクトマネージャーに対してバグや不具合についてフィードバックを提供することが多いため、社内で直接感謝される機会が多いのも特徴です。
顧客が安心して利用することができるようなバグやエラーのないソフトウェア製品を提供することで、レビューサイトなどでユーザーからのポジティブな反応が得られることもモチベーションにつながります。

達成感が大きい

QAの役割は製品だけでなく企業の信頼を守る重要な仕事です。製品の品質はQAの最終チェックによって決まると言っても過言ではありません。自分の行った業務で製品の品質が向上し、ユーザーから好評価をもらえることで、大きな達成感を得られるでしょう。
また他のエンジニアと比べてシステム開発により包括的に関わるため、システムが完成した際にはより大きな達成感を感じられます。

きつい・やめとけと言われる４つの理由

インターネット上では、「きつい」「やめとけ」という声も見受けられます。その理由は以下の４つです。

仕事の裁量が小さい

QAエンジニアの仕事は、テスト計画やテストケースの作成、実施などには比較的裁量があります。一方で、最終的には上司やクライアントの指示に従うことも多いです。そのため、仕事の裁量が小さくなり自己表現が制限される場面もあります。

責任が大きい

QAエンジニアは、責任が大きくプレッシャーを感じやすい仕事です。
その理由は、不具合や脆弱性を見逃すことができないからです。ITシステムの不具合や脆弱性は、企業や社会に大きな障害をもたらす可能性があります。この責任の重さから、仕事に圧迫感を感じる人もいます。プレッシャーに弱い人にとっては、この責任の重さが辛く感じられるかもしれませんが、余裕を持ったスケジュールや開発チームとの密な連携が重要となります。

納期に追われることが多い

システム構築やソフトウェア開発では納期が厳しく、十分なテスト時間を確保できないことが多いです。ソフトウェアの機能や仕様が頻繁に変更され、テスト計画やケースの作成が追いつかない場合もあります。
また、不具合や脆弱性が発見された場合、その原因特定や対策の検討にも時間がかかります。 急な要件変更やトラブルが発生することも珍しくありません。これらによって、労働時間が長くなったり残業をする場合も出てくることがあります。

単純作業が多い

QAエンジニアの仕事では、同じテストケースを繰り返し実行することがあり、これがルーティンワークに感じる人もいます。
しかし、QAエンジニアが担当するシステムやソフトウェアはIT技術の進歩と伴に日々変化しており、毎回完全に同じ手順や内容ではありません。そのため、単純作業が苦手な人でもそれほど心配する必要はありません。

QAエンジニアに求められるスキル

プログラミングスキル

QAエンジニアは、開発に使用されているプログラミング言語の構造や特徴に精通している必要があります。例えば、Python、Java、JavaScript、C#などが挙げられます。プログラミングスキルは、以下の業務を行う際に必要となります。

• プログラムの修正
• テスト自動化ツールの開発
• プログラムの評価と解析

テスト技法に関する知識

QAエンジニアは、テスト技法に基づいたテスト計画の立案と実行、品質管理を担当します。テスト計画を作成する際には、開発内容に応じて適切なテスト手法を選択する判断が重要です。
リソースの制約下で効果的な設計を行うため、テスト技法の特徴やメリット・デメリットを把握し、製品に適した手法を選択する能力が求められます。

品質保証・マネジメントの知識

QAエンジニアの重要な役割の１つに、ソフトウェアの品質管理や品質保証を担当することがあります。
品質保証には品質マネジメントの知識が必要であり、QAエンジニアは各工程での品質管理や保証のプロセスをマネジメントし、向上させることが求められます。また、開発内容によってはISOなどの品質保証規格の認証取得が必要な場合もあり、これらの制度に関する知識を持つことが重要です。

ソフトウェア開発の知識

QAテストエンジニアには、ソフトウェア開発に関する深い知識と理解も求められます。
テスト結果をもとに不具合の再発防止策を提案するためや、開発プロセス全体にフィードバックを行う際には、ソフトウェア開発に関する知識が不可欠です。
QAエンジニアはプログラマーやシステムエンジニアと協力して開発プロジェクトの品質管理や改善を行うため、開発工程の理解が十分でなければ、適切なテスト計画や改善策を提案することは難しくなります。

コミュニケーションスキル

QAエンジニアは単なるテスト作業だけでなく、他のエンジニアや関係者と綿密にやり取りするため、コミュニケーションスキルが重要です。
まず、システムの機能や要件を理解するために、開発者や関連部署とコミュニケーションを取ります。また、テスト結果や不具合を開発者に伝え、改善策や再発防止策を考案し、品質向上に向けて提案を行います。
相手の考えを理解し、論理的に説明できる力や交渉力を養うことが大切です。

キャリアパス５選

将来性の高いQAエンジニアですが、具体的にどのようなキャリアパスを描けるのか詳しくご説明します。

シニアQAエンジニア

シニアQAエンジニアは、深い知識と高度な技術力を持つQAエンジニアのスペシャリストであり、QAエンジニアとしての経験を積んだ上位のポジションです。
業務としてはテスト計画やテストケースの作成など、幅広い知識と高い技術力を活かしてチームを指導します。

QAマネージャー

QAマネージャーは、テストエンジニアなどの品質保証関連の従業員のマネジメント、品質向上などを行うリーダー的な役割を担います。
製品の動作確認や品質保証といったものは、業務システムやソフトウェアの開発現場ではとても重要な仕事です。そして、これらの仕事に直接関わるテストエンジニアを取りまとめ、彼らが行うテストなどの内容を決めるQAマネージャの需要は非常に高いと言えます。

QAコンサルタント

QAコンサルタントは、ソフトウェアやサービスの品質を保つ上で起こるかもしれないリスクについて現場にヒアリングをし、品質戦略を提案する職種です。
QAコンサルタントは、プログラミング力、ソフトウエア開発やテスト機能に関するより深い知識に加え、コミュニケーション力とプレゼンテーションスキルが必要となります。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、業務全体の監督役であり、プロジェクトの主要な責任者です。プロジェクト全体の計画を策定し、人員配置や予算、進捗管理を行います。
QAエンジニアは開発プロジェクトの全体に携わるため、その経験を生かしてプロジェクトマネージャーを目指すことも可能でしょう。マネジメント業務を行うシニアQAやQAマネージャーなどの職種を経験するとより目指しやすくなります。

テストアナリスト

テストの分析に特化したテストアナリストへのキャリアパスも考えられます。
テストアナリストはテストの設計書を作成したり、テスト結果を分析したりする職種です。 テストで不具合のあったソフトウェアの分析や対処方法などを請け負ったり、不適切なテストが実施されていないかどうかも確認します。

需要・将来性

現時点でQAエンジニアの将来性は非常に高く、需要は増えると考えられます。その理由は、IT技術の進化にあります。
IT業界やWeb業界、ゲーム業界など、あらゆる業界で品質保証が不可欠とされています。AI技術の進化による自動化やシステムの複雑化に伴い、ソフトウェアやシステムの品質管理はますます重要性を増しています。
将来的にはさらなる技術革新やシステムの発展に伴い、QAエンジニアのスキルや知識が求められる領域は拡大していくことが予想されます。そのため、エンジニアは今後も安定した需要が期待される職業です。