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バックエンドエンジニアは、ウェブアプリケーションやサービスの裏側で動作するシステムを設計し、開発する重要な役割を果たしています。近年、バックエンドエンジニアリングの領域では、さまざまなフレームワークがリリースされており、これらのフレームワークの活用がプロジェクトの成功に大きく影響を与えています。本記事では、バックエンドフレームワークの特徴やメリット、デメリットについて詳しく掘り下げていきます。
目次
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
バックエンドエンジニアの役割
バックエンドエンジニアは、ユーザーが直接見ることのできないウェブアプリケーションやサービスの裏側でデータの処理、サーバーとのコミュニケーション、セキュリティ構築などを担当します。
このように、バックエンドエンジニアの担当領域はUIやUXとは異なるため、一般的なユーザーがバックエンドエンジニアのことを意識することはないでしょう。
しかし、バックエンドエンジニアがいなければ、ウェブサイトやアプリケーションは機能しません。
フロントエンジニアとは?
フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接みたり触れたりするウェブアプリケーションやソフトウェアのフロントエンド、つまりユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を担当します。HTML、CSS、JavaScriptを使用して、ユーザーが見やすいデザインや機能を構築します。
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バックエンドエンジニアに必要なスキルセット
バックエンドエンジニアに求められるスキルは多岐にわたりますが、主なものとして以下の3つが挙げられます。
- プログラミング言語の習得
- 認証・セキュリティ
- コミュニケーション能力
プログラミング言語の習得
バックエンド開発にはさまざまなプログラミング言語が使用されます。
代表的なものとしてJava、Python、NodeJSなどがあり、エンジニアはいくつかの言語を習得しておくと良いでしょう。
複数の言語を習得することで開発の幅が広がり、仕事の幅が広がります。
上記以外では、Python、SQL、Rubyといった言語もあり、習得すれば転職にもかなり有利になるでしょう。
バックエンドエンジニアに必要なプログラミング言語は?学習方法まで詳しく解説!
認証・セキュリティ
Webアプリケーションを開発する上で必要不可欠な概念です。認証に不備があるとデータが流出したりアプリに障害が発生することがあります。個人情報の流出があると企業の信頼にも影響しかねません。
コミュニケーション能力
プログラマーは一人で黙々と作業をしているように思われがちですが、チームでプロジェクトに取り組むことも多いです。
また、チームだけでなく、クライアントとのコミュニケーションも必要になる場合があるため、チーム開発の経験があると、面接官へ良い印象を与えることができます。
フレームワークとは?
フレームワークとはプログラム開発に必要な機能をまとめた枠組みのことで、開発のプロセスの一部を自動化して、開発をより簡単にかつ迅速にするツールのことです。 似たようなシステムに「ライブラリ」がありますが、フレームワークがアプリケーションを効率的に開発できるよう機能や設計パターンをあらかじめ組み込んでいるのに対して、ライブラリはシステム内で頻繁に使用する特定の機能を集めたものを指しています。 フレームワークを使用するメリットは3つあります。
- ・保守性の向上
- ・開発効率の向上
- ・セキュリティの向上
保守性の向上
共通部分をフレームワークが担うことで、アプリケーションの回収や機能追加が用意になります。それによって保守にかかるコストが下がり、長期的な運用が可能となります。
開発効率の向上
フレームワークは共通のタスクや機能を抽象化した、再利用可能なコードや標準パターンを提供してくれるため、開発者は特定の機能や構造をゼロから実装する必要がなくなり、開発効率が向上します。
セキュリティの向上
多くのフレームワークにはセキュリティに関する機能が組み込まれています。これにより、開発者はセキュリティホールや脆弱性を最小限に抑えることができます。
おすすめのフレームワーク5選
フレームワークについて紹介してきましたが、どのフレームワークを使えば良いのかわからずに悩んでいるエンジニアも多いのではないでしょうか。
そこで今回はエンジニアのQ&Aサイトで有名なStackOverFlowの2022年の人気のフレームワークランキングからWebアプリ開発に絞った5つのフレームワークを選定しました。
フレームワーク | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Express | ・日本語の情報が多い ・必要最低限の機能のみ搭載 |
・学習コストが低い ・軽量 |
・大規模開発には向かない |
Django | ・大規模な開発向き ・フルスタックフレームワーク |
・セキュリティに強い | ・日本語の情報が少ない ・学習コストが非常に高い |
Flask |
・必要最低限の機能のみ搭載< ・小規模開発に向いたフレームワーク |
・軽量 | ・大規模開発に向かない ・日本語情報が少ない |
Laravel | ・日本語情報が多い | ・学習コストが低い ・スピード感のある開発が可能 |
・大規模開発に向かない |
Ruby on Rails | ・小規模開発向き | ・スピード感のある開発ができる | ・大規模開発には向かない |
【参考文献】「2022 Developer Survey」StackOverFlow
おすすめのフレームワーク①:Express
Expressは、Node用のウェブアプリケーションフレームワークとして広く使用されています。
日本語の情報が多いため、初心者にも使いやすく、必要最低限の機能のみ搭載しているため、軽量であるという特徴があります。
しかし、必要最低限の機能しか備えず、軽量であるがゆえに、大規模開発には向いていません。
基本的には、小規模なプロジェクトから中規模のアプリケーションで用います。
もし大規模開発に用いるのなら、認証機能などを自分で追加する必要があります。
おすすめのフレームワーク②:Django
Djangoは2005年にリリースされたフレームワークで、「Youtube」や「Instagram」などがこのフレームワークで制作されました。
言語Pythonのフレームワークであり、特に大規模な開発に向いています。
Djangoは、バックエンドからフロントエンド、データベースまでを包括するフルスタックフレームワークです。これにより、最初から様々な機能が揃っているため、先ほど紹介したフレームワークの「Express」のように足りない機能を追加する手間が省けます。
また、 Djangoはセキュリティに強いという特徴があり、デフォルトでクロスサイトスクリプティング(XSS)からの保護機能を備えています。
個人情報を多く保有する「Instagram」がこのフレームワークで開発されていることからも、セキュリティの強さがわかるでしょう。
このように、セキュリティが優先されるプロジェクトでは、Djangoを用いると良いでしょう。
しかし、Djangoを使う際に日本語の情報が少ないため、エラーに陥った時の解決方法に苦戦するというデメリットがあります。また、日本語の情報が少なく、フルスタックフレームワークであることから、覚えることが多く学習コストが非常に高いこともデメリットとして挙げられます。
おすすめのフレームワーク③:Flask
Flaskは2010年にリリースされたフレームワークです。
Flaskは、フルスタックフレームワークのDjangoと違い、Expressのように必要な機能だけを備えたフレームワークであるため、軽量であると言えます。
そのため、とてもシンプルで小規模開発に向いたフレームワークとなっています。ファイル構造もわかりやすく、Webサイトも簡単に作成することができます。
デメリットとしては、大規模開発に向いていないことや日本語の情報が少ないことが挙げられます。
また、比較的自由にコードを書くことができるため、コーディングのルールを設けないと開発者同士で書き方にずれが生じることがあります。しっかりとルールを決めてからコーディングをするようにしましょう。
おすすめのフレームワーク④:Laravel
Laravelは2011年にリリースされたフレームワークです。
このフレームワークを用いて開発されたサービスとしては、「ぐるなび」があります。
利点として、LaravelではComposerというパッケージ管理を使用しており、必要なライブラリをインストールした際に、他の必要なライブラリも同時にインストールしてくれるとても便利な機能を備えています。
また、日本語の情報が多く、学習コストが低い点もメリットとして挙げられます。
小規模開発に向いており、スピード感の必要な開発で役に立つフレームワークです。
しかし、同時に大規模開発に向いていないデメリットがあります。Flaskのように自由度も高いため、コーディングの際にはルールを決める必要があるでしょう。
おすすめのフレームワーク⑤:Ruby on Rails
Ruby on Railsは2004年にリリースされたRubyのフレームワークです。
Ruby on Railsで作られた有名なサービスとして「Twitter」や「クックパッド」などがあります。
Ruby on Railsの特徴は、少ないコード量で記述できることです。そのため、開発効率が高く、スピード感を持った小規模開発に向いているフレームワークです。
また、Rubyという言語は日本人によって開発された言語であるため、日本語の情報量が多く他のフレームワークと比べても学習コストが低いと言えるでしょう。
デメリットとしては、実行速度の遅さや柔軟性に欠けることが挙げられます。
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まとめ
今回はバックエンドのフレームワークの中でもおすすめのフレームワークを紹介していきました。
フレームワークの選択に失敗すると逆に手間がかかってしまうリスクがあります。プロジェクトの規模やスピード感、学習コストなどご自身の目的や状況を踏まえた上でフレームワークを選ぶようにしましょう。