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一方で、
- 年収の相場はどのくらい?
- そもそもSREとは?
- 未経験からでもなれる?
目次
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
そもそもSREエンジニアとは?
SRE(Site Reliability Engineering)は、Googleが提唱したシステム管理とサービス運用の手法で、システムの信頼性を向上させることを主な目的としています。信頼性とは、一定の条件下においてシステムが正常に稼働し、サービスを安定的に提供しつづけられるかを測るための指標のことです。
ニーズの変化が激しい昨今では、開発スピードを重視した開発手法であるアジャイル開発を採用する企業が増えています。しかし、開発スピードの向上ばかり重視すると、ソフトウェアやサービスが利用者にとって使いづらく、サービスの価値低下にもつながってしまいます。
この問題を解決するために考えられたのがSREです。SREでは、サイトやサービスの信頼性を向上させるため、コードによって手作業や繰り返し行われる作業(トイル)を減らしたり、システムを自動化して作業量の増大に対応します。
SREエンジニアの年収
SRE(Site Reliability Engineer)の平均年収については、直接的なデータが少ないため、dodaの求人情報から平均提示年収を計算すると約685万円でした。一般的なSRE円エンジニアの年収の範囲は年収600万円から900万円ですが、特に知識が豊富で経験が深いSREエンジニアの場合、年収800万円から1200万円とかなり高収入を目指せる職種です。
実際の年収は、経験やスキル企業の規模などによって変動するため、興味のある企業の求人情報や公開している給与情報を確認することをお勧めします。
他のエンジニアとの年収比較
次に他のエンジニア職の年収と比較していきましょう。厚生労働省が公開しているデータをもとにまとめた結果は以下の表のとおりです。職種 | 年収 |
---|---|
SREエンジニア | 685.8万円 |
IT業界平均 | 530万円 |
データエンジニア | 534.6万円 |
システムエンジニア(Webサイト開発) | 550.2万円 |
システムエンジニア(基盤システム) | 660.2万円 |
他のエンジニアと比較しても、SREエンジニアの年収が高いことがわかります。その理由は、求められる業務レベルと需要の高さにあります。詳しくは次の章で解説します。
SREエンジニアの年収が高い理由
なぜSREエンジニアの年収は高いのでしょうか。その理由は、需要の高さにあります。SREエンジニアの需要が高い理由は以下の2つです。
- クラウド導入企業の増加
- 業務範囲の広さ
クラウド導入企業の増加
DX推進やクラウドの普及によって、信頼性の高いサービスの需要は高まっています。
令和5年版 情報通信白書によると、2022年の企業におけるクラウドサービスの利用状況は、72.2%となっています。2020年では68.7%、2021年では70.4%であるため、今後もクラウドサービスへの高い需要は継続するでしょう。
クラウドの運用では、信頼性の確保、セキュリティ対策、コスト管理などにおいて様々な課題が発生します。これらの課題を解決するために、SREエンジニアを採用する企業が増えているため需要が増加し、年収も高くなっています。
求められるスキルの多さ
業務範囲が広く、幅広いスキルを習得する必要があることも年収が高い理由の一つです。
SREエンジニアには、
・Webサービスの開発・運用スキル
・ネットワーク・データベースに関する知識
・セキュリティーに関する知識
・クラウドサーバーの構築・運用スキル
など、幅広いスキルの習得が求められます。
これらのスキルを持ったエンジニアは少なく、市場価値が高いため、他のエンジニアよりも年収が高くなっています。必要なスキルにについては後ほど詳しく解説します。
SREエンジニアに求められるスキル
ここでは、SREエンジニアに求められるスキルについて解説します。SREエンジニアに求められるスキルには以下の5つです。
- クラウドサーバの構築・運用に関するスキル
- Webサービスの開発・運用に関するスキル
- ネットワーク・データベースに関するスキル
- セキュリティに関するスキル
- コミュニケーションスキル
クラウドサーバの構築・運用に関するスキル
上述のように、クラウドサービスを利用する企業が増加しており、SREエンジニアにも関連する知識やスキルが求められます。クラウドサーバーを適切に使うことによって、Webサービスの品質を向上させることができます。
具体的には、
- AWS
- Microsoft Azure
- GCP
Webサービスの開発・運用に関するスキル
SREエンジニアには、Webサービスの開発・運用スキルが不可欠です。
SREの役割はシステムの信頼性を向上させることであり、そのためにはWebサービス開発に関する知識が求められます。
具体的には、
- Java、PHP、Rubyなどのプログラミング言語
- SQLなどのデータベース言語
- WindowsやLinuxといったOSに関するスキル
ネットワーク・データベースに関するスキル
SREエンジニアは、システムの基盤に関する業務が多く、ネットワークやデータベースなどのインフラ系の知識が求められます。
具体的には、
- ネットワークプロトコルに関する知識
- ミドルウェアの最適化に関する知識
- SQLやストアドプロシージャなどの知識
セキュリティに関するスキル
SREエンジニアの業務にはサービスの保守は含まれていませんが、ネットワークへの接続が必須であるため、セキュリティのリスクに対しては一定の理解が求められます。
セキュリティーの信頼性が高いシステム構築の方法を立案することもあり、ユーザーに安心してサービスを利用してもらうためにもセキュリティに関する正しい知識が必要です。
セキュリティに関するスキル
SREエンジニアの仕事は、チームを結成して行われることが多いため、日常的にコミュニケーションが発生します。チームでの仕事は、全員で話し合った上で方向性を決めることが重要です。
どんなにSREに関する知識があっても、コミュニケーションスキルが無ければ活躍は難しいでしょう。
おすすめ資格4選
SREエンジニアを目指したり、SREエンジニアとしてのスキルを証明したりする場合におすすめな資格をご紹介します。以下の4つが代表的な資格です。
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
- EXIN DevOps Professional 資格
- Cisco Certified DevNet Associate認定
基本情報技術者試験
- 受験料:7,500円
- 合格率:57.9%
- 受験形式:CBT / 選択
- 受験可能頻度:随時(年末年始を除く)
基本技術者試験とは行政法人情報処理推進機構が行っている国家試験で、ITエンジニアの登竜門と呼ばれている試験です。ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせる人にはオススメの資格になっており、エンジニアに必要な基本的知識・技能を身につけることができます。
応用情報技術者
- 受験料:7,500円
- 合格率:約20%
- 受験形式:対面 / 記述式
- 受験可能頻度:年2回
EXIN DevOps Professional 資格
- 受験料:176,000円
- 難易度:高
- 受験形式:対面 or オンライン
- 受験可能頻度:随時
Cisco Certified DevNet Associate認定
- 受験料:44,800円
- 難易度:高
- 受験形式:CBT方式
- 受験可能頻度:随時
試験の前提条件として、1年以上のPythonプログラミングを含むソフトウェア開発経験が推奨されています。この資格を取得することで、アプリ開発とインフラの両方の実力を証明できます。
未経験からSREエンジニアに転職できる?
結論から申し上げると、実務経験がない未経験者からSREエンジニアに転職するのは非常に難しいです。その理由は、SREエンジニアの業務が多岐にわたり、広範な知識と経験が必要だからです。
まずはエンジニアとして必要なスキルを身につけ、インフラエンジニアやWeb系エンジニアとして実務経験を積んだ上で、SREエンジニアに転職することがおすすめです。
必要なスキルを身につける
インフラエンジニアやWeb系エンジニアには、ネットワーク、データベースなどの知識、Webサービスの開発などスキルが求められます。そのため資格の取得などを通じて、スキルを身につける必要があります。
必要なスキルを身に着ける方法は、主に以下の3つがあります。
- 参考書などを用いた独学
- 学習サービスやスクールへの通学li>
- SNSの活用
【14選】データエンジニアにおすすめな資格は?勉強法やスキルセットまで解説
求人を探す
次に求人を探しましょう。経験者のみを募集対象としている企業も多いですが、人手不足や新たな視点を取り入れを図るために未経験者を積極的に採用する企業もあります。
主な会社選びのポイントは、以下の3つです。
- 継続的に研修を受けられるか
- 資格取得を支援してくれるか
- 社風や労働環境は適切か
キャリアパス
ここでは、SREのキャリアパスをご紹介します。以下の4つのキャリアパスが考えられます。
- ITコンサルタント
- ITアーキテクト
- CxO
- フリーランス
ITコンサルタント
ITコンサルタントの仕事は、企業のIT戦略の策定からシステムの見直し、新システム導入の提案、システムの最適化や動作検証まで多岐にわたります。
SREエンジニアは、システム開発スキルに関する幅広いスキルやコミュニケーションスキルを求められる職種であるため、その経験を活かしてITコンサルタントになることは十分に可能でしょう。
ITアーキテクト
ITアーキテクトとは、経営戦略やビジネスプロセスに基づき、システム全体を設計する職種です。ITとビジネスを結びつける「橋渡し」の役割を担い、システムの基盤や構築手順などの共通化から運用・保守要件の提示までを行います。
具体的には、ITシステム化の企画・構想やグランドデザイン、それを実現するためのシステム全体の構造設計を行い、開発効率や品質を高めることも役割の一つです。SREエンジニアもシステムの全体に携わるため、経験を生かしてキャリアアップを目指せるでしょう。
CxO
CxOとは、「Chief x Officer」の略で、企業の最高位の役員を指すビジネス用語です。CxOの役割は、企業の特定の業務領域における責任者として、専門性を活かした迅速な意思決定を行い、業務効率を向上させることです。
例えば、CEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)、CTO(最高技術責任者)などがあります。SREエンジニアとして培ったスキルに加えて、マネジメントスキルを身に着けることで、このような経営職への道も開けてきます。
フリーランス
専門知識や経験に自信がある場合、フリーランスとして独立するという選択肢もあります。会社勤務ではなく、業務委託や請負契約が主流で、>報酬は会社員時代よりも高くなることが多い フリーランスとして働く場合、SREエンジニアとしての求人は少ないため、多くの場合はマネジメントやコンサルタントとして活動することになります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は社SREエンジニアの年収から必要なスキルや資格まで幅広く紹介していきました。SREエンジニアは他のエンジニア職と比べても将来性があり、需要や平均年収も高い魅力的な職種です。ご自身のキャリアパスの候補として検討してみてはいかがでしょうか。