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QAエンジニアのQAとは「Question Answer」ではなく「Quality Assurance」を指します。その名の通り「品質保証」にあたる業務を主に行うエンジニアであり、開発を行うエンジニアとは異なるため、必要とされるスキルや役立つ資格も特殊です。
本記事では、QAエンジニアにおすすめの資格5つをご紹介するだけでなく、なぜ資格取得がおすすめなのかや学習方法についてまで徹底解説します。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
QAエンジニアとは
QAエンジニアは、その名の通り品質保証を担当するエンジニアになります。では、品質保証とは何をどう保証することを指すのでしょうか? まずはQAエンジニアの基本について徹底解説していきます。
QA(Quality Assurance/品質保証)とは?
「品質保証」とは、ソフトウェアの成果物の品質を保証することを指します。品質管理に関連した規格にも精通する必要があります。
ここでいう「品質」とは企業や成果物によっても異なるため一概には言えませんが、ソフトウェアが仕様通りの動作をしていることをユーザー環境を構築するなどして確認し、開発者に問題点をフィードバックすることで品質を確保します。
QAエンジニアとは
QAエンジニア(品質保証エンジニア)は、ソフトウェアやシステムが規定された要件を満たし、欠陥がないことを保証するためのプロセスを担当する専門職です。
具体的には、QAエンジニアはテスト計画の作成、テストケースの設計・実行、テスト結果の分析、バグ報告、品質改善提案など、品質保証に関連する幅広いタスクを行います。また、QAエンジニアはソフトウェアのリリース前に問題を特定し、解決策を提案することで、製品の信頼性とパフォーマンスを向上させます。
QAエンジニアの仕事は、ソフトウェア開発全体にわたり、特にテストフェーズで重要な役割を果たします。手動テストと自動化テストの両方を実行することでソフトウェアがユーザーの期待を満たし、ビジネス要件に適合することを確認します。さらに、QAエンジニアは、品質基準とベストプラクティスに従って、継続的な改善を推進する役割も担っています。
具体的な仕事内容
QAエンジニアの具体的な仕事内容は4つに分けられます。
- テストの計画・実行
- テストのフィードバック
- 仕様・設計の評価
- テストの自動化
QAエンジニアの重要な役割の一つが、テスト計画の策定です。テスト計画は、テストの目的、範囲、アプローチ、リソース、スケジュールを明確にします。QAエンジニアは、プロジェクトの要件や仕様を理解し、それに基づいてテスト戦略を立てます。また、リスク分析を行い、重要な機能に優先順位をつけてテストを行います。テスト計画は、開発チーム、プロジェクトマネージャー、ステークホルダーと連携して策定され、プロジェクトの進行に応じて更新されます。
資格を取得すべき3つの理由
ここでは、QAエンジニアが資格を取得すべき理由を解説します。主な理由は以下の3点です。
- スキルの証明になる
- 体系的な知識を得られる
- 資格手当が支給される
スキルの証明になる
1つ目は、スキルをアピールできることです。
資格を持っていることで客観的なスキルの証明となり、どのくらいの知識や技術を知っているのかをアピールできます。
スキルを証明することで、以下のことに役立てることができます。
- 年収アップ
- 転職・就職
- キャリアアップ
年収アップ
QAエンジニアとしての専門性を証明する資格を持つことで、企業からの評価が向上し、年収アップのチャンスが増えるでしょう。また、転職エージェントからの評価が上がることで、今の会社よりも年収の高い企業への転職も目指せます。年収は企業によってかなり異なり、特に外資系企業では1000万円を超える求人もあります。 【参考文献】「QAエンジニア・テスター の転職・求人検索結果」doda
転職・就職
実務経験やスキルは重要ですが、資格は自分の専門知識や技術力を証明する手段として役立ちます。特に、国家資格や業界認定資格はその信頼性が高く、求人企業や採用担当者から高い評価を受けられます。
そのため、QAエンジニアとして資格を習得することが出来れば、転職・就職の際のスキルの明確なアピールとして利用することができます。
キャリアアップ
難易度や専門度の高い資格を取得して、より高いポジションの適性があることをアピールすることができ、キャリアアップにもつなげられます。
多くの知識を持つ需要の高い人材となれば、転職をせずとも給与アップが望める・仕事の幅が広がるなど選択肢が大幅に増加します。
体系的な知識を得られる
QAエンジニアは、未経験から目指せる職種ですが、完全に未経験の状態で就職・転職することは難しいため、必要なスキルを身につける必要があります。
未経験でQAエンジニアへの転職を目指している場合、資格取得に向けて勉強することで、プログラミングやデータベース、システム開発などの知識を体系的に学ぶことができます。
資格手当が支給される
厚生労働省によると、QAエンジニア関連の資格取得に対する資格手当が支給される企業が増えています。
資格手当は、企業が業務に活かせると判断した資格を持つ社員に向けて支給される福利厚生の一種であり、国家資格と民間資格で支給金額が異なる場合もあります。
ただし、すべての企業で資格手当が支給されるわけではないため、企業に確認することが重要です。資格手当が支給される場合は、収入アップやスキルアップの一助となることが期待できます。
【基本】おすすめの資格2選
ここでは、QAエンジニアを目指す方におすすめな資格を2つご紹介します。以下の二つです。
ITパスポート試験
- 受験料:7,500円
- 合格率:50.7%
- 受験形式:CBT方式 / 四肢択一
- 試験頻度:月に1~3回
「ITパスポート」は、情報技術(IT)に関する基本的な知識やスキルを評価し、証明するための資格試験の一つです。この試験は、情報技術に関連するさまざまなトピックについての理解をテストし、IT業界での初歩的な知識を持つ個人にとって有用な資格とされています。出題は、ストラテジ、マネジメント、テクノロジの3つの分野に分けられています。IT業界への最初のステップとしての受験がおすすめです。
基本情報技術者試験
- 受験料:7,500円
- 合格率:57.9%
- 受験形式:CBT / 選択
- 試験頻度:随時(年末年始を除く)
基本技術者試験とは行政法人情報処理推進機構が行っている国家試験で、ITエンジニアの登竜門と呼ばれている試験です。ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせる人にはオススメの資格になっており、エンジニアに必要な基本的知識・技能を身につけることができます。
【経験者向け】おすすめの資格3選
ITエンジニア、もしくは既にQAエンジニアとして働かれている方におすすめな資格をご紹介します。以下の3つです。
- ソフトウェア品質技術者資格認定
- JSTQB認定テスト技術者資格
- IT検証技術者認定試験(IVEC)
ソフトウェア品質技術者資格認定
- 受験料:20,900円
- 合格率:52.7%
- 受験形式:選択・記述式
- 試験頻度:年2回 (6月 11月)
ソフトウェア品質技術者資格認定(CSTE)は、ソフトウェア品質保証の専門知識を証明するための資格です。この資格は、ソフトウェアテストの基礎から高度なテスト技法まで幅広い知識をカバーしており、QAエンジニアとしてのスキルを向上させるのに役立ちます。CSTE資格を取得することで、品質保証に関する専門的な知識を持つことが証明され、キャリアアップに繋がります。詳細については、公式サイト(Software Certifications)をご覧ください。
JSTQB認定テスト技術者資格
- 受験料:22,000円
- 合格率:32.19%
- 受験形式:CBT / 選択式
- 試験頻度:随時
JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)は、国際的に認知されたソフトウェアテストの資格試験を提供しています。ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の日本支部であるJSTQBの認定テスト技術者資格は、基礎レベルから上級レベルまでの複数の認定を提供しており、QAエンジニアとしての専門知識を体系的に学ぶことができます。これらの資格は、グローバルな標準に基づいており、国際的な職場でも高く評価されます。詳細は、JSTQBの公式サイト(JSTQB)をご覧ください。
IT検証技術者認定試験(IVEC)
- 受験料:25,300円~19,800円
- 合格率:56.3%
- 受験形式: CBT / 記述式
- 試験頻度:年2回 (5月 11月)
IT検証技術者認定試験(IVEC)は、日本国内で広く認知されているソフトウェアテストの資格試験です。この資格は、ソフトウェア検証の基礎から応用まで幅広い知識を問われるため、QAエンジニアとしてのスキルを総合的に評価します。IVEC資格を取得することで、テスト計画の策定、テスト実行、結果分析、品質改善の提案など、実務に即したスキルを証明することができます。詳細については、IVECの公式サイト(IVEC)をご覧ください。
効果的な資格勉強方法
ここでは、QAエンジニアにおすすめの資格勉強法について解説します。
実務経験の積み方
実務経験を積むことは、QAエンジニアとしてのスキルを磨くために最も効果的な方法です。インターンシップやジュニアポジションとしての就業を通じて、実際のプロジェクトでのテスト作業を経験することが重要です。また、オープンソースプロジェクトに参加して、ボランティアとしてテストを行うことも、実務経験を積む良い方法です。これにより、現場での実践的なスキルを身につけることができます。
資格試験対策のコツ
資格試験に合格するためには、計画的な学習と実践が必要です。まず、試験の範囲と内容を把握し、各トピックに対して計画を立てて学習を進めます。公式ガイドブックや過去問を利用して、試験の形式や出題傾向を理解することが重要です。また、模擬試験を実施し、時間管理の練習をすることで、本番の試験に備えることができます。オンラインフォーラムやスタディグループに参加して、他の受験者と情報交換を行うことも有効です。
メンターやコミュニティの活用
メンターを見つけて指導を受けることは、QAエンジニアとして成長するために非常に有益です。メンターは、実務経験やキャリアアドバイスを提供し、専門的な知識を深める手助けをしてくれます。また、QAエンジニアのコミュニティに参加して、勉強会やディスカッションに参加することもおすすめです。コミュニティでは、最新のトレンドや技術に関する情報を得ることができ、同じ目標を持つ仲間とのネットワーキングが可能です。
さらに、オンラインプラットフォーム(LinkedInやSlackなど)を活用して、グローバルなQAエンジニアのネットワークを構築することも有効です。これにより、世界中のプロフェッショナルとつながり、最新の情報やベストプラクティスを共有することができます。
おすすめの学習リソース
おすすめな学習リソースには、オンラインコースと書籍の2つがあります。それぞれについて詳しく解説します。
オンラインコース
QAエンジニアになるためには、多くのオンラインコースが利用できます。これらのコースは、初心者から上級者まで幅広いレベルに対応しており、自分のペースで学習を進めることができます。Udemy、Coursera、edXなどのプラットフォームでは、ソフトウェアテスト、テスト自動化、品質管理などのコースが豊富に提供されています。これらのコースは、実際のプロジェクトで使える実践的なスキルを習得するのに役立ちます。
書籍と参考資料
書籍もQAエンジニアになるための重要な学習リソースです。ソフトウェアテストの基礎から高度なテスト技法まで、様々なトピックを網羅した書籍が多数出版されています。代表的な書籍には、「ソフトウェアテスト技法」や「実践ソフトウェアテスト」、「テスト自動化の教科書」などがあります。これらの書籍で、理論的な知識と実践的なアプローチが学べるため、QAエンジニアとしてのスキルを高めるのに役立ちます。
ワークショップとセミナー
ワークショップやセミナーは、実践的なスキルを習得し、最新の業界トレンドを学ぶための優れた機会です。これらのイベントでは、経験豊富なプロフェッショナルから直接学ぶことができ、ネットワーキングの機会も提供されます。国内外で開催されるテスト専門のカンファレンスや、オンラインで参加できるウェビナーも多数あります。これらのイベントに参加することで、実際の現場で使えるテクニックや知識を得ることができます。
また、QAエンジニアのコミュニティやユーザーグループに参加することもおすすめです。これらのグループでは、定期的に勉強会やディスカッションが行われ、同じ目標を持つ仲間と知識を共有することができます。これにより、自分のスキルを磨き、キャリアの発展に役立てることができます。
QAエンジニアに必要なスキル
QAエンジニアが求められるスキルは多岐に渡ります。
- 開発スキル
- テスト・品質故障に関する知識
- 分析と問題解決能力
- コミュニケーションスキル
開発スキル
QAエンジニアには、ソフトウェアテストの専門知識とともに、さまざまな技術的スキルが求められます。プログラミング言語(例えば、Java、Python、JavaScriptなど)の基本的な理解は不可欠です。また、テスト自動化ツール(Selenium、Jenkins、Appiumなど)の使用経験も重要です。これにより、手動テストだけでなく、自動化テストのスクリプトを作成し、テストの効率化を図ることができます。
さらに、データベースの知識(SQLなど)や、APIテストのスキルも必要です。これらのスキルは、バックエンドの動作確認やデータの整合性チェックに役立ちます。また、バージョン管理ツール(Gitなど)の使用経験も、開発チームと連携する上で非常に重要です。
テスト・品質故障に関する知識
QAエンジニアは、テスト計画の立案と実行、品質管理を主な業務として担当します。テスト計画を作成する際には開発内容に応じて適切なテスト手法を選択する判断が重要です。効果的な設計を行うため、テスト技法の特徴やメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
また、QAエンジニアはテストを行うだけでなく、ソフトウェアの品質管理や品質保証を担当することもあります。そのため、QAエンジニアは各工程での品質管理や保証のプロセスをマネジメントし、向上させることが求められます。また、開発内容によってはISOなどの品質保証規格の認証取得が必要な場合もあり、これらの制度に関する知識を持つことが重要です。
分析と問題解決能力
QAエンジニアは、テスト結果を分析し、問題を特定する能力が求められます。バグや不具合の原因を迅速に特定し、効果的な解決策を提案することが重要です。論理的思考と分析力を駆使して、システムやソフトウェアの動作を理解し、問題を解決するためのアプローチを設計します。
問題解決能力は、単にバグを見つけるだけでなく、その根本原因を解明し、再発防止策を講じることにも関わります。これにより、ソフトウェアの品質を継続的に向上させることが可能になります。
コミュニケーションスキル
QAエンジニアは、開発チームやステークホルダーと密接に連携する必要があるため、口頭および書面でのコミュニケーションが円滑に行えることが求められます。そのため、対人関係スキルも重要であり、チームメンバーとの信頼関係を築くことで、より良い協力体制を構築します。
また、テスト結果やバグの報告、品質改善の提案などを効果的に伝えることも重要です。具体的なフィードバックを行い、技術的な問題を分かりやすく説明することで、プロジェクトの成功に貢献します。他のエンジニアやプロジェクトマネージャーと協力して、テスト計画や戦略を調整し、共通の目標に向かって進むための調整能力も必要です。
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まとめ
いかがでしたか。本記事ではQAエンジニアの資格に関して、おすすめの資格や勉強方法などを解説してきました。QAエンジニアの方も、これから目指されるという方も、ぜひこちらの記事を参考に資格取得を考えてみてはいかがでしょうか。