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コラム

2024.06.11

AIエンジニアはなくなる?不要と言われる理由、需要や将来性について徹底解説

近年、人々の生活のあらゆるシーンにAIが浸透しています。最近では生成AIの登場によってAIを活用する機会も増えています。このようなAIの進化を支えているAIエンジニアに対して興味を持たれる方もいらっしゃると思います。 一方、

  • AIエンジニアはなくなるって本当?
  • 将来性はある?
  • AI需要が増加している業界は?
など、疑問を持たれる方も多いと思います。この記事では、AIエンジニアが不要と言われる理由や年収、将来性などを詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

そもそもAIエンジニアとは

ここでは、そもそもAIエンジニアがどのような職種なのか解説します。
AIエンジニアは、ディープラーニングなどの手法により「アルゴリズム」と呼ばれる問題解決の手順を考え、システムやサービスを構築するエンジニアです。具体的には、以下のような業務を行います。

主な業務内容

  • 企画:AIシステムのコンセプトを考案し、問題解決の計画を立てます。
  • 開発:プログラミング言語を用いてAIシステムを構築します。
  • データ準備:AIの学習のためのデータを収集し、前処理を行います。
  • モデル構築:機械学習やディープラーニングを用いてAIモデルを構築します。
  • テスト&評価:開発したAIの性能のテストや評価を行います。
  • 最新技術の調査:AI技術の進化に合わせて、研究や技術の調査を行います。
これらの仕事は、データサイエンティスト、データアナリストなど、専門の職種と作業することもあります。

AIは、顔認証、疾病の画像診断、自動車の自動運転、カスタマーセンターの相談支援、異常や障害の検知等々、様々な分野で研究開発が進んでいます。これらの開発において重要な役割を担っているのがAIエンジニアです。

AI エンジニアが「なくなる」と言われる4つの理由

インターネット上には、AIエンジニアは「なくなる」「不要」といったネガティブな意見も散見されます。ここでは、そのように言われる理由を4つ紹介します。

  • AI に 仕事が奪われる可能性がある
  • AI技術自体は企業に必須ではない
  • 職業区分が曖昧である
  • 市場環境が変化するリスクがある

AI に 仕事が奪われる可能性がある

AI技術の進歩により、将来的には機械学習エンジニアの仕事がAIによって代替される という懸念があります。特に、プログラミングやパラメータの調整などの単純な作業はAIによる自動化が可能です。

しかし、データの分析やアルゴリズム設計など、創造性が必要な業務は引き続き人間が行う必要があります。それでも、いつの日かAIエンジニアだけでなく、多くのITエンジニアの職がAIに取って代わられる可能性が完全には否定できません。

AI技術自体は企業に必須ではない

Aiエンジニアの需要が減少すると言われる理由の一つに、AI技術がすべての企業にとって必須ではないという点があります。機械学習はデータを基に予測を行う際に使われますが、予測の正確性はデータに依存し、時には誤った予測をする可能性もあります。そのため、高い精度の予測が求められる場合は、機械学習以外の手法も考慮する必要があります

AIと機械学習への関心が薄れれば、機械学習は予測手法の中の一つとして位置づけられ、現在のような高い需要は見込めなくなるかもしれません。

職業区分が曖昧

AIエンジニアが不要になるとされる理由の一つに、その職種の定義が不明確であることがあります。
AIエンジニアはAI技術者の一分野を担っていますが、データサイエンティストやデータアナリストなど他のAI技術者との間で業務が重複しており、企業によっては異なる名称で呼ばれることもあります。将来的には、AI技術に関連するより幅広いスキルセットが求められるようになると考えられています。

市場環境が変化するリスクがある

どの職業にも言えることですが、市場環境変化に対するリスクも存在します。AI技術とそれに関連する市場は、非常にダイナミックに変化しているため、現在のAIブームがいつまで続くかはわかりません。AIよりも優れた技術の登場で、市場環境が変化してしまう可能性もあります。
新技術の流行によりAIが衰退し、それに伴ってAIエンジニアも不要になってしまう流れも考えられます。

AIエンジニアの現状 (需要/年収/市場規模)

「なくなる」とも言われるAIエンジニアですが、その将来性について考える前に現状を見て、置かれている環境を把握しておきましょう。以下の3つの視点から分析します。

  • 需要
  • 年収
  • 市場規模

需要

AIの活用範囲は、画像認識、自動運転、業務の自動化など、今後も広がると見込まれています。この進展により、AIエンジニアの市場価値は今後数年でさらに上昇することが予想されます。また「Society 5.0」においても、AIがその実現において重要な役割を担っています。
経済産業省のデータによると、2020年時点のAIエンジニアの需要数は3.8万人、2030年予測は24万人となっています。

年収

AIエンジニアの年収は、厚生労働省によると558.3万円です。エンジニアの平均年収約530万円であるため、エンジニアの中でも高収入であると言えます。経験やスキルによって変わるため、1000万円以上の高年収を目指せる職種です。

【関連記事】
■関連職種であるデータエンジニアの年収について、詳しく知りたいかたはこちらの記事をご覧ください。
データエンジニアの年収は?将来性や他職種との違い、必要なスキルを解説

市場規模

日本のAI市場は、総務省の調査によると、2019年の売上が約400億円から2025年には1,200億円を超えると予測されています。テレワークの普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める企業の増加に伴い、AI市場はさらに成長する見込みです。市場の拡大により、AI技術に関連する職種の需要が高まり、AIエンジニアの求人も増加すると考えられます。

AI エンジニアの需要・将来性は高い

ここまで、AIエンジニアの現状や将来性に対するネガティブな意見をご紹介してきましたが、AIエンジニアの需要・将来性は高いと言えます。その理由は以下の3つです。

  • AI関連技術への需要増加
  • DX推進人材の不足
  • 活躍の場の広がり

AI関連技術への需要増加

AI技術やIoT技術の需要が増加していることは、機械学習エンジニアの将来性が高い一因となっています。IoT(Internet of Things)とは「モノのインターネット」を意味し、家電製品・車・建物など、さまざまな「モノ」をインターネットと繋ぐ技術のことです。ChatGPTをはじめとした様々な生成AIの登場も大きな注目を浴びています。

AI技術を活用したシステムやサービスは増え続けており、その可能性と注目度から多くの企業が自社での導入を検討しています。その結果、AIが必要とされる場面が増え、高いスキルを持つAIエンジニアの需要が高まっています。

DX推進人材の不足

企業がデジタル化を進める必要性が高まる中で、その対応が可能なDX人材の不足は、AIエンジニアの将来的な需要を高める一因となっています。DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業が急速に変化するビジネス環境に適応するために、データやデジタル技術を駆使して業務や企業文化を変革し、競争力を確保することを意味します。

DX白書2023 によると、DXに取り組むに当たっての課題として、「DXに関わる人材の不足」を41.8%の企業が挙げています。このような状況の中で、AIなどの先端技術のスキルを持つAIエンジニアは、企業のデジタル変革を牽引する「DX人材」としての重要な役割を果たすことができます

DXは一度の取り組みで終わるものではなく、継続的な変革が求められます。そのため、デジタル技術が進化し続ける限り、AIエンジニアのDX人材としての需要は絶えることはないと考えられます。

活躍の場の広がり

AIエンジニアに求められるスキルは多岐にわたり、プログラミング、データサイエンス、機械学習、コンピュータビジョンまで含まれます。これらのスキルはAI分野だけでなく多くの分野でも利用可能なため、キャリアの幅が広がります。また、論理的思考力や問題解決能力などのスキルも向上するため、多種多様な職業で能力を発揮できます。

さらに、日本よりもAI技術が進んでいるアメリカや中国ではAI人材は求められる職種です。海外も視野に入れるとその需要や将来性は、非常に高いと言えるでしょう。

AI需要が増加している業界

前節でAIエンジニアの将来性が高い理由について解説しました。ここでは、今後特に高い需要が見込まれる業界とその活用例をご紹介します。以下の4つの業界です。

  • 製造
  • 医療・介護
  • 金融
  • 不動産

製造

製造業界では在庫の最適化にAIが利用されています。
工場内での在庫保有は、管理費や維持費などの観点から大きな負担となります。製造指示、製品構成、部品リスト、再注文の履歴などのデータをAIに学習させ、在庫管理にかかるコストを大幅に削減することできます。

AIの画像認識技術を利用して、倉庫内でカメラを搭載したドローンを飛ばし、在庫確認作業を無人化することで在庫管理にかかる労働時間の削減もできます。

医療・介護

医療・介護分野では、人手不足の問題を解決するための一策として、AIとロボットの利用が推進されています
介護分野の例として、内蔵されたカメラとセンサーを備えたAI搭載ロボットで、入居者の動きを検知しその観察を行います。この装置は、入居者の位置情報、体温、心拍数などを24時間監視します。また、起床やトイレへの移動、食事の量、転倒といった状況も把握し、施設スタッフの負担軽減が期待されています

金融

金融業では、クレジットカードの不正使用対策としてAIを使った詐欺検出が注目されています
AIを使った詐欺検出は、人間よりも多くの事例を発見でき、自己学習によりその精度を向上させることができます。さらに、AIを用いることで迅速に対応し、自動化することも可能です。AIを詐欺検出に導入することで、金融機関の詐欺被害を年間で数兆円以上抑制し、より安全な決済システムを実現しています

不動産

不動産業界では、土地・不動産の価格判断にAIを活用できます。
現在、不動産の売却価格や家賃の設定は、担当者の経験と直感に大きく依存しています。そのため、不動産を売りたい人や貸したい人は、複数の業者に見積もりを依頼・相談する必要があります。このような担当者による価格設定のばらつきを解消するために、AIが利用されています。

業務を通じて得られるやりがい

今後も高い需要が見込まれるAIエンジニアですが、業務を通じてどのようなやりがいを感じられるのでしょうか。例として以下の4つが挙げられます。

  • 最先端技術に触れられる
  • 新しい価値を生み出せる
  • 大規模なプロジェクトに携われる
  • 高収入を得られる

最先端技術に触れられる

AIエンジニアは、最新の技術に直接触れられるという大きなメリットがあります。
AIは近年、驚異的な速さで進化を遂げており、新たなアルゴリズムやツールが世界中で日々開発されています。これらの最新の技術を使用することで自身のスキルを磨くことが可能です。

また、Analytics VidhyaのようなAIエンジニアが活用するコンテストやセミナーに積極的に参加することで、世界中の最新の技術やデータを学ぶ機会も得られます

新しい価値を生み出せる

AI技術は、医療から自動運転、接客サービスに至るまで多岐にわたる分野での活用が期待されています。AIエンジニアは、新しいアルゴリズムやシステムを開発することで、このような新しい価値を生み出していくことができます

AIの活用により、人間の作業時間や労力を削減できるため、新たなサービスの開発が求められています。こうした新しい価値を生み出すことで、世界中の人々の生活に大きく貢献できることは、非常にやりがいを感じられるでしょう。

大規模なプロジェクトに携われる

AIエンジニアの魅力として、大規模なプロジェクトに参加し多くの人々が利用するシステムを作成できることも挙げられます。
自動運転技術や医療分野での社会的に重要な領域でAI技術が活用されています。これらの大きなプロジェクトに参加することで、自分が開発した技術が社会的な問題解決に寄与していると実感できます。

高収入を得られる

高い収入を得ることも大きなやりがいとなるでしょう。
AIエンジニアは、多数の企業や組織が業務効率を向上させるために必要とする技術を有しています。AI技術が注目を浴びている現在、AIエンジニアの市場価値はこれまで以上に高まっています。その結果、AIエンジニアのスキルと知識は高く評価され、その評価に見合った収入が期待できます。

向いている人の特徴8選

AIエンジニアに向いている人の特徴について詳しく解説します。

  • 論理的な思考能力がある人
  • 理数系が得意な人
  • プログラミングに苦手意識がない人
  • 課題解決能力が高い人
  • 最先端の技術に興味があり、学び続けられる人
  • 細かい作業が得意な人
  • 社会問題に興味がある人
  • チームワークをとるのがうまい人
これらの特徴に当てはまる人は、Aiエンジニアの適性があるといえます。次節以降でAIエンジニアになる方法を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】
■Aiエンジニアに向いている人の特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
AIエンジニアに向いている人の特徴8選!特性や必要なスキル、言語を解説

未経験からAIエンジニアになるには

ここでは、実際にAIエンジニアを目指す際はどのようなステップを踏むと良いのでしょうか。未経験者の方向けに詳しく解説します。

STEP 01基本知識の習得

エンジニアは基本知識がなければ仕事になりません。プログラミング言語、データベース基礎などのエンジニアとして必要最低限の知識を習得しましょう。基礎的な知識がインプットできたら、AIエンジニアに必要なAI関連の知識も取り入れましょう。具体的には、いかの5つのスキルを身に着ける必要があります。

  • 数学や統計学の知識
  • 機械学習やディープラーニングの知識
  • データベースに関するスキル
  • フレームワークやライブラリーに関する知識
すべてを完璧に理解するのは非常に難しいため、概要は最低限抑えておきましょう。

STEP 02オンラインリソースや教育プラットフォームの活用

IT知識が必須となった今、インターネット上にはスキル向上に役に立つ学習方法が沢山あります。また、独学でわからない部分があれば、教育プラットホームを利用して質問をすることができます

STEP 03個人プロジェクトの実施

学習したスキルを活かし、個人のプロジェクトを実施します。ウェブアプリケーションの開発などを試みましょう。開発したアプリなどの成果物をポートフォリオとしてまとめることで、自分の実力を証明することができます。ポートフォリオを作成することで就職活動を有利に進めることができます

STEP 04実際に就職活動を始める

実際に、未経験者でも応募できる求人を探しましょう。企業を選ぶ際には、研修制度やご自身の描いたキャリアプランを実現できるかどうかなどに留意しましょう。

初めからAIエンジニアを目指すのではなく、関連性のあるPythonエンジニア等へ就業し、キャリアチェンジする方法もあります。自分のスキルや資格を踏まえたうえで自分に合った求人を探すことが大切です。適切な経験を得てスキル習得や成長を目指しましょう。
そして一番大切なことが就業後も学習を続けることです。さまざまなエンジニア関連の資格やトレーニングを追求し、専門分野を深化させてキャリアを築いていきます。

このステップを順に進めることで、未経験からAIエンジニアとしての道を着実に歩むことができます。自己学習や実務経験を通じてスキルを磨きながら、業界での評価を高めていくことが大切です。

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■未経験からAIエンジニアを目指す方法について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
未経験からAIエンジニアになるには?転職で役立つ資格や必要なスキルも解説!

キャリアパス例

ここでは、Aiエンジニアになった後にどのようなキャリアパスが描けるのかについて解説します。以下の3つをご紹介します。
  • データサイエンティスト
  • ITコンサルタント
  • プロジェクトマネージャー
  • スペシャリスト

データサイエンティスト

AIエンジニアとしてのスキルを活かし、分析やモデリングなどの業務に携わることで、データサイエンティストに転身することも可能です。 データサイエンティストは、新たな商品やサービスを生み出したり、業務プロセスを革新するためにデータを分析します。

データサイエンティストは、データエンジニアが整理・加工したデータを分析することもあるAIエンジニアはビッグデータの解析や分析も行うため、データサイエンティストの業務に活かすことができます

ITコンサルタント

ITコンサルタントの仕事は、企業のIT戦略の策定からシステムの見直し、新システム導入の提案、システムの最適化や動作検証まで多岐にわたります。
AIエンジニアは、AIに関する幅広いスキルを求められる職種であるため、その経験を活かしてAI領域に強いITコンサルタントになることは十分に可能でしょう。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の計画を策定し、人員配置や予算、進捗管理を行います。
AIエンジニアはシステム開発の初期段階を担当しているため、プロジェクトの計画や提案などの管理業務に携わっていれば、将来的にプロジェクトマネージャーのポジションに挑戦することも可能です。

スペシャリスト

また、AIに関連するスペシャリストになるというキャリアもあります。AIで用いるスキルは開発、学習、分析です。さまざまな分野の中で一つの専門家になり、自身の市場価値をあげましょう。一例としては次のようなものがあります。

  • データ解析
  • 画像解析
  • 自然言語処理

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まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、AIエンジニアがなくなると言われる理由や現状、将来性などについて解説しました。

AIエンジニアに対する否定的意見も見受けられますが、将来性が高く魅力的な職種であると理解していただけたかと思います。この記事を参考にAIエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

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