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急速に進むIT化と少子高齢化により、エンジニア人材の需要はますます高まっています。「データ」を扱うことが増えてきた現代社会では、その保存先であるデータベースを扱うデータベースエンジニアが重要な役割を担います。そんなデータベースエンジニアを就職先や転職先として希望する方も少なくないのではないでしょうか?
一方、
- 具体的な仕事内容は?
- 向いている人の特徴は?
- 未経験からでもなれる?
本記事では、エンジニアの中でもデータベースエンジニアについて、その仕事内容やキャリアパス、未経験から目指す方法についてを詳しく解説していきます!
目次
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
データベースエンジニアとは
その名の通りデータベースエンジニアは、主にデータベースを扱うエンジニアになります。では、データベースとは何でしょうか?
まずはデータベースエンジニアの基本情報について、詳しく解説していきます。
そもそも「データベース」とは?
データベースとは、端的にいうと決まったデータ構造で整理されたデータの集まりのことになります。単に情報を集めるだけでなく、顧客情報を「氏名」や「年齢」などの項目ごとに分類したり、複数の商品情報を「商品番号」別に分類したりすることで、情報に辿りつきやすくしてあることがほとんどです。
分類型も「階層型」「ネットワーク型」「リレーショナル型」など種類があり、データの扱い方などに応じて使い分ける必要があります。
役割
主なデータベースエンジニアの役割は、データベースを故障なく円滑にそして便利に使えるように、設計・構築・管理・運用することになります。
最近では扱うデータ量も膨大になり、その分析・活用が経営戦略に大きく関わるケースが増加しています。そのため、データベースを運用することだけでなく、そのデータの分析・活用方法を模索することも求められるようになってきています。
基本的な仕事内容と流れ
データベースエンジニアの役割は、データベースを故障なく円滑にそして便利に使えるように、設計・構築・管理・運用することになります。
それぞれ詳しい業務内容や必要なスキルについても詳しく解説していきます。
設計・構築
設計・構築を行うデータベースエンジニアの主な業務は、「Oracle」や「Microsoft SQL Server」というデータベース製品を用いて、データベースを設計・開発することになります。
仕様書の条件をうまくデータベースに落とし込んでいく必要があり、「データの整合性優先」「処理速度優先」などシステムによって重視することが変わるので、仕様書を落とし込む際には選択肢を柔軟に持っておく必要のある仕事です。
管理・運用
管理・運用を行うデータベースエンジニアの場合、設計・開発したデータベースの中でデータを長期的に保存できるようサーバーの最適化や効率化を図る必要があります。
データベースへの不正侵入やデータ流出を防ぐためのセキュリティやデータベースへのアクセス権の管理、データのバックアップなど、稼働中のデータベースの運用に関する様々な事象を担当します。
いわゆる「バグ」や「サーバー落ち」などの不祥事への対処も担当する必要があり、その原因究明と解決も業務にあたります。
データベースエンジニアの年収
データベースエンジニアの各転職サイトに掲載されている平均年収は以下の通りです。
サイト名 | 平均年収 |
---|---|
doda | 412万円 |
求人ボックス | 547万円 |
転職会議 | 415万円 |
転職ステーション | 411万円 |
「きつい」「やめとけ」と言われる理由
データベースエンジニアは、企業活動における重要なデータベースを管理する責任を担うことから、やりがいを感じることができる職業です。しかし、その重要度が高いが故に、難しさも伴うと言われています。データベースエンジニアが難しいとされる理由は、以下の5つです。
- 責任の重大さ
- 地味な作業の多さ
- 限られた職場環境
- コミュニケーションが大変
- スケジュール通りにタスクが進まない
データベースエンジニアがやめとけと言われる理由は?向いている人や役立つ資格まで解説
やりがい・魅力
業務が比較的難しく、ネガティブな意見もあるデータベースエンジニアですが、やりがいや魅力もたくさんあります。そんなデータベースエンジニアの主に挙げられるやりがいは、以下の4つです。
- ITに関しての知識、スキルを習得できる
- 利便性向上に貢献できる
- 不可欠な人材になれる
- 重要な仕事に携われる
ITに関しての知識・スキルを習得できる
まず、現代社会の基礎であるIT分野についての知識、スキルがつくことが挙げられます。
データベースエンジニアの業務領域は、データベースの管理、運用を行う下流工程から、データベースの設計、開発の上流工程まで、多岐に渡ります。
業務領域が広いため、ITに関する幅広い知見を得ることができます。そしてこの知見はキャリアアップへと繋がり、幅広い職業への道が開けていくでしょう。
利便性向上に貢献できる
データベースエンジニアは、企業の持つ情報の管理、運用を行うことが職業です。
適切なデータベースは利用者が即座に必要な情報を引き出せることに繋がるため、企業の利便性向上に大きく貢献します。またこれは業務効率改善にも直結するため、>企業経営の観点からみた貢献度も高いといえるでしょう。
不可欠な人材になれる
データベースの専門家はそう多くはいないため、開発プロジェクトになくてはならない存在として、プロジェクトに深くかかわることができます。
また、企業から雇われて入社したデータベースエンジニアの場合、先ほど紹介した「利便性向上、企業経営への貢献」を自社の中で体感できるため、自分自身が組織にとって不可欠であることを身をもって感じられるでしょう。
重要な仕事に携われる
「きつい」「やめとけ」と言われる理由の一つとして、責任が重いことを挙げました。しかし、その捉え方によっては大きなやりがいや面白さに繋がります。
案件の内容や規模によっては、大企業の機密情報を保護するためのデータベース構築に携わることがあります。規模が大きくなるほど責任も重大になりますが、その分プロジェクトを成功させたときの達成感ややりがいも非常に大きなものとなります。
データエンジニアに必要なスキルや知識
優秀なデータベースエンジニアとして成功するために、必要とされる知識やスキルは多岐にわたります。その中でも代表的なものは以下の3つです。
- SQLやストアドプロシージャなどのデータベース知識・スキル
- 多角的な視点
- コミュニケーションスキル
SQLやストアドプロシージャなどのデータベース知識・スキル
まず第一に、SQLやストアドプロシージャなどのデータベースに関する知識とスキルが不可欠です。
データベースの設計や管理、クエリの最適化など、SQLを通じてデータの操作や管理が行われるため、これらの技術に精通していることが求められます。
多角的な視点
データベースエンジニアは、ビジネスのニーズを理解し、それをデータベースの設計や管理に反映させる必要があります。
顧客のビジネスの要件や目標を考慮しながら、データベースを構築し、運用する能力が求められます。
コミュニケーションスキル
どの職業についても言えますが、コミュニケーションスキルは重要なスキルになります。プロジェクトやチーム内での円滑なコミュニケーションは、業務の効率性や成果に直結します。
他部署やクライアントとの円滑なコミュニケーションを図ることができる能力は、データベースエンジニアとしての成功に不可欠です。
論理的思考能力
論理的思考力はエンジニアには必要不可欠なスキルになります。データベースの設計やクエリの最適化において、複雑な問題を解決するためには、論理的思考力が必要です。
データベースの構造や関係性を理解し、効果的な解決策を見出す能力が求められます。
データベースエンジニアに向いている人が持つ5つの特徴
エンジニア経験の有無に関わらず、データベースエンジニアに向いている人の主な特徴は、
- コミュニケーションスキルが高い
- 向上心がある
- 論理的思考力が強い
- 泥臭い作業ができる
- 物事に慎重に取り組むことが好き
また、エンジニアは論理に基づいてコードを記述していくのが基本業務であるため、論理的思考能力が必要不可欠になります。
データベースエンジニアの転職 キャリアアップから未経験からの転職まで紹介!
データベースエンジニアにおすすめの資格7選
データベースエンジニアとして働くためには、特定の資格が必須というわけではありません。データベースに関連する仕事では、高度で専門的な知識やスキルが不可欠であるため、データベースエンジニアを目指す人は、関連する分野での学習や実務経験を積むことが重要です。
しかしながら、資格の勉強で身につく知識は働く上でも重要なことが多いため、学習手段として資格取得を目指すのは有効です。また、資格は実力の証明にもなるため、転職や就職、フリーランスとして案件を取得する上で重要になります。
データベースエンジニアを目指す上で有効な資格は以下の7つになります。
【7選】データベースエンジニアにオススメの資格とは!仕事内容から将来性まで解説
未経験からデータエンジニアになれる?
データベースエンジニアは未経験からでも目指すことができます。しかしながら、未経験枠でデータベースエンジニアを一から雇用・教育している企業は少数です。
そこでおすすめなのが、データベースエンジニアの業務に近いエンジニア職で働きながら、資格を取得していくという方法になります。
スキルを習得する方法
エンジニアの仕事には、未経験者向けのデータの運用・保守業務があります。これはマニュアルに沿った作業が主であり、高度なITスキルは必要ありません。そのため、この仕事だけではスキル向上に限界があります。したがって、スキル習得のためには積極的に挑戦する姿勢が必要です。
また、一部の企業では社内研修制度を整備し、未経験者でもエンジニアとして採用・教育しています。
必要なスキルを身に着ける方法は、主に以下の4つがあります。
- 参考書などを用いた独学
- オンライン学習サービスの利用
- プログラミングスクールへの通学
- 勉強会やセミナーへの参加
【14選】データエンジニアにおすすめな資格は?勉強法やスキルセットまで解説
求人を探す
次に求人を探しましょう。経験者のみを募集対象としている企業も多いですが、人手不足や新たな視点を取り入れを図るために未経験者を積極的に採用する企業もあります。
主な会社選びのポイントは、以下の4つです。
- 継続的に研修を受けられるか
- 資格取得を支援してくれるか
- 社風や労働環境は適切か
- 自分が考えたキャリアプランを描けるか
データベースエンジニアとして求職活動をする上でのコツ
ここでは、求職活動をする上でおさえておくべきなコツをご紹介します。
こちらでは、データベースエンジニアとして求職活動を行う上でのコツについて、3つご紹介していきます。
実績を定量的に伝える
求職活動では、過去の経験や成果を数字でわかりやすく示すことが大切です。
「売り上げを伸ばした」「処理速度を上げた」ではなく、「売上を〇〇%向上させた」「処理速度を〇〇%改善した」といった具体的な数字で伝えると、面接官があなたの実力を理解しやすくなります。
特にエンジニアは論理を扱う職業であるため、転職活動の場合はコーディングやシステム開発に関する成果も、「処理速度を〇〇%短縮した」や「バグ発見率を〇〇%向上させた」といった数値で定量的に表現することが効果的です。
社外とのコネクションを作る
転職も視野に入れている場合、社外とのコネクションが重要になります。ITエンジニアは実力主義のイメージがありますが、実は「横のつながり」が強い業界です。
知り合いなどから採用するリファラル採用が多く、知人や友人の評価・紹介が重視されています。リファラルの割合は全体の14.8%に達し、一般的な求人メディアや転職エージェントによるものの約半分にも上ります。
今すぐの転職を考えていない場合であっても、社外とのコネクションを持っておくことが将来の安心にも繋がります。
キャリアアップの方向性を固めておく
求職活動を行う上では、キャリアアップのためには、自分の方向性やプランを明確にすることが大切です。有利に就職を進めることにもつながりますが、自身のキャリアをより良くするためにも必要な作業になります。
なんとなくで業務をこなすのではなく、自分の興味や長期的な目標を具体的にしておくことで、経験やスキルを目標を持って培うことができ、自己実現につながりやすくなります。
具体的な5つキャリアパス
データベースエンジニアとしての実務経験を積んだ人は、IT業界への幅広い知識だけでなく専門性も兼ね備えているため、キャリアパスも多様なものがあります。
中でも代表的なものが
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
- データアナリスト
- データサイエンティスト
- データベースエンジニアの技術を極める
計画的に経験や知識を積み上げるためにも、自身のキャリアプランについては早いうちから考えておくと良いでしょう。
データベースエンジニアの転職 キャリアアップから未経験からの転職まで紹介!
将来性・需要は?
データベースエンジニアに関するトピックとして、その求人数が減少しているという話をご存知でしょうか?
その理由と、データベースエンジニアの将来性について解説していきます。
データベースエンジニアの求人数は減少している
データベースエンジニアは、莫大なデータ管理を管理するのに必要不可欠な仕事です。しかしながら、データベースエンジニア専任の求人は減少傾向にあります。 主な理由は2つです。
クラウド化
近年、クラウドサービスの普及により、データベースの管理や処理がオンラインで行われることが一般的になっています。そのため、データベースエンジニアには、クラウド上でのデータベースの設計や運用に関するスキルがますます求められるようになってきています。
そのため、これまでデータベースエンジニアが保有していたスキルだけでは、求められる業務をこなせなくなってきています。
ソフトウェアの利便性向上
また、ソフトウェアの利便性向上によりデータベースの管理、運用難易度は下がってきました。これにより、データベースの基礎を抑えている人であれば、ある程度データベースを扱うことが可能になっています。
これら2つの理由により、データベースの取り扱いのみを専任とするデータベースエンジニアの求人は減少傾向にあります。
データベースエンジニアの将来性
データベースエンジニア名目での求人が少なくなっていることは事実ですが、データベースを扱うスキルは依然として需要があります。
データベースエンジニアがIT業界に精通した職業であることは変わらないため、データベースの扱いだけでなく、より活動範囲を広げることが、データベースエンジニアとしての将来性を高めていくと言えるでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、データベースエンジニアについて、基本的な情報から将来性・キャリアパス、実際になるためにはどうすれば良いのかについてまで、様々なことについて解説してきました。
「データベースエンジニアをこれから目指す」という方は、本記事を参考に資格やスキルを身につけていきましょう。また、将来的にエンジニアとしてどのように成長していきたいかまでを見据えた上で、まずは優秀なデータベースエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか?