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近年DX化により世界ではIT人口不足が進み、ネットワークエンジニアの需要が高まりつつあります。経験未経験問わずネットワークエンジニアを目指す人も多いのではないでしょうか。そこで今回はネットワークエンジニアに必要なスキルを解説していきます。
目次
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
ネットワークエンジニアとは
ネットワークエンジニアは、コンピュータネットワークを設計、構築、運用、保守する専門家です。
ネットワークエンジニアは、データや情報を効率的に送受信し、システムが円滑に動作するようにするために、さまざまなネットワーク技術やプロトコルを活用してインフラストラクチャを管理します。
ネットワークエンジニアは、企業や組織が情報を共有し、ビジネスプロセスを支えるために不可欠な存在です。高度な専門知識と技術スキルを持ち、ネットワークの安定性、セキュリティ、パフォーマンスを確保する役割を果たします。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ここではネットワークエンジニアの仕事内容を紹介します。
ネットワーク設定とプランニング
ネットワークエンジニアは、組織のニーズに合わせてネットワークのアーキテクチャを設計します。これには、ネットワークの拡張計画、ハードウェアとソフトウェアの選定、帯域幅の割り当て、冗長性の確保などが含まれます。将来の成長や変化に対応するための計画を立て、ネットワークの効率的な設計を実現します。
ネットワーク構築
設計されたネットワークを実際に構築するのがネットワークエンジニアの重要な役割です。ルーターやスイッチ、アクセスポイントなどのネットワーク機器の設置と接続を行います。適切な配線、機器の設置場所、物理的なセキュリティ対策などを考慮しながら、ネットワークの基盤を構築します。
ネットワーク設定と管理
ネットワークエンジニアは、ネットワーク機器の設定と管理を行います。これには、IPアドレスの割り当て、ルーティングテーブルの設定、VLANの構成などが含まれます。ネットワークの正常な運用を確保するために、トラフィックの監視、障害の解析、パフォーマンスの最適化なども行います。
ネットワークセキュリティの管理
ネットワークエンジニアは、セキュリティ対策を実施してネットワークを保護します。ファイアウォールの設定、侵入検知・防御システム(IDS/IPS)の導入、暗号化の実装などを行い、機密情報やシステムを外部からの攻撃や不正アクセスから守ります。また、セキュリティポリシーの策定や社内教育も担当することがあります。
トラブルシューティング
ネットワークの障害や問題が発生した際に、迅速に原因を特定し解決する能力が求められます。ネットワークエンジニアはトラブルシューティングのスキルを駆使して、ハードウェアの故障、接続エラー、ネットワーク遅延などの問題を修復します。
ネットワークエンジニアに求められるスキル
ここではネットワークエンジニアに求められるスキルを4つご紹介します。
コミュニケーション能力
ネットワークエンジニアの業務は、単独で黙々と作業するだけではなく、チームで連携して対応することが多いです。そのため、チームメンバーとの円滑なコミュニケーションが不可欠です。仕事の効率を高めるために情報共有や連携を図り、顧客に対しても適切にコミュニケーションをとる能力が求められます。
特に、ネットワークエンジニアは、ネットワーク設計や運用において大人数のチームで作業を進めることが一般的です。チームメンバーとのスムーズなコミュニケーションによって、情報の共有や課題の解決が円滑に行われ、プロジェクトの成功に貢献できるでしょう。
また、ヒアリング力も重要です。顧客のニーズを正確に理解し、要件定義を行う際には、細心の注意が必要です。顧客の要望を的確に引き出し、最適なネットワークシステムを提案するために、素早く適切な質問を行い、情報を収集する能力が求められます。
さらに、提案力も必要です。顧客に適切なネットワークシステムを提案する際には、要件を満たすだけでなく、将来的な拡張性や改善点を提案する能力が重要です。提案の際には、プレゼンテーションスキルも活かして、顧客を説得する力を発揮することが求められます。
文章作成スキルも必要です。報告書やメール、チャットを通じて仕事の進捗やトラブルの報告を行う際には、正確かつ適切な表現が求められます。ビジネス文書としての意識を持ち、効果的なコミュニケーションを実現するための文章力を養うことが重要です。
ITに対する学習能力
ネットワークエンジニアには、IT分野の常に進化する知識と技術を追いかける学習能力が求められます。好奇心旺盛で、新しい知識を吸収し、自身のスキルを向上させる姿勢が重要です。現在の知識だけで満足せず、新しい技術やトレンドに興味を持ち、積極的に情報収集を行うことが必要です。
ネットワークエンジニアは、常に新しい技術やネットワークの進化に対応するために学び続ける必要があります。自分のスキルを更新し続ける意欲と、新しい知識に対する興味がなければ、業界の変化に取り残される可能性があります。
新しい知識や技術に対する好奇心を持ち、その情報を効果的に収集し、自分のスキルに転化する能力が、ネットワークエンジニアとしての成長を支えるでしょう。
継続力
ネットワークエンジニアの職務は、しばしばコツコツとした作業が要求されるため、長期間にわたる忍耐力と、プロジェクトを最後まで遂行する責任感が求められる仕事です。地道に取り組み、最終目標を達成するための意欲を持つ人にとって適した職業です。
ネットワークエンジニアは、ルーチンな運用や監視業務だけでなく、ネットワークトラブルへの対応なども担当します。特に大規模な障害の解決では、繰り返しの作業や長時間の対応が必要な場合もあります。冷静さを持って作業を行い、何日もかけて問題を追求し解決に導く能力が求められます。
このような状況下での忍耐力は重要です。ネットワークエンジニアの業務は、正確性と丁寧さが要求される一方で、目立つインパクトや派手な成果はあまり見られません。しかし、粘り強く作業を進め、結果を出すことに充実感を感じる人に向いています。
また、ネットワークエンジニアの運用や保守、監視業務では、繰り返しの作業が多く、正確な対応が求められます。このような状況での最後までやり抜く責任感を持つことは重要です。
論理的思考力
ネットワークエンジニアはさまざまな業務において、論理的な思考が要求される場面が多いです。そのため、論理的思考力に優れた人はネットワークエンジニアとしての適性が高いと言えます。
例えば、ネットワークシステムの設計においては、すべての要件を的確に把握し漏れがないようにするために、論理的思考力が必要です。トラブル発生時にも、問題の原因や解決策を論理的に考え抜く必要があります。
特に未経験のトラブルに対処する際には、異なるアプローチや視点を持つことが求められます。柔軟な思考力を駆使し、問題解決のためのアイディアを出し合う能力が重要です。
課題特定においても、論理的思考力は欠かせません。業務の中で感じる違和感や潜在的な課題を早期に発見し、積極的に提案する姿勢が重要です。問題点を明確に特定し、解決策に向けて論理的なアプローチを取ることで、ネットワークエンジニアとしての能力を発揮できるでしょう。
想像力も大切です。特に未知のトラブルに直面した際には、通常のケースとは異なる視点から原因を推察し、解決策を模索する能力が必要です。問題の根本原因を論理的に分析するだけでなく、柔軟な発想で新たな解決方法を考えることが求められます。
ネットワークエンジニアに求められる資格
ここではネットワークエンジニアになるための資格を4つご紹介します。
情報セキュリティスペシャリスト(JISSE)
情報セキュリティスペシャリストは、日本国内で広く認知されている情報セキュリティ分野の資格です。ネットワークセキュリティやシステムセキュリティに関する知識を証明するための試験です。ネットワークエンジニアとしてのスキルを高めつつ、セキュリティ面でも専門性を示すことができます。
情報処理技術者試験(基本情報技術者等)
情報処理技術者試験は、日本国内で広く知られている情報技術分野の試験です。基本情報技術者、応用情報技術者などの試験があり、ネットワークエンジニアとしての基本的な知識やスキルを幅広くカバーします。
Cisco Certified Network Associate (CCNA)
CCNAは、シスコシステムズが提供する国際的に認知されるネットワーク関連の資格です。ネットワークの基本概念からルーティング・スイッチング技術、セキュリティまで幅広い領域をカバーしています。国際的な企業での就業やキャリアのステップアップに役立ちます。
CompTIA Network+
CompTIA Network+は、国際的なネットワーク関連の資格で、ネットワークの基本的な概念やトラブルシューティングに関するスキルを評価します。ネットワークエンジニアとしてのスキル向上に役立つ資格であり、国際的なネットワークジョブに関心がある方に適しています。
これらの資格は、ネットワークエンジニアとしてのスキルを向上させるために役立ちます。選択する際には、自身のキャリア目標や専門的な興味に合わせて資格を選ぶことが重要です。
ネットワークエンジニアに必要な資格とは?選ぶ際の基準や注意点も併せて解説
ネットワークエンジニアに向いている人の特徴
前述したネットワークエンジニアに求められるスキルを踏まえてネットワークエンジニアに向いている人の特徴を5つ挙げます。
協調性とコミュニケーション能力が高い
ネットワークエンジニアの仕事はチームでの協力が不可欠です。ネットワークの設計やトラブル解決など多くの業務は複数人で行われます。そのため、協調性とコミュニケーション能力が高い人が向いています。他のメンバーと円滑にコミュニケーションを取り、意見交換や問題解決を行うことで、効果的な成果を上げることができます。
継続力と責任感がある
ネットワークの運用や保守には継続的な作業が求められます。正確性や安定性が重要なため、コツコツと地道に作業を行い続ける継続力が必要です。また、プロジェクトやトラブルの最後まで責任を持ち、解決策を見つけ出す責任感がある人が求められます。
論理的思考力と想像力を持っている
ネットワークエンジニアは複雑な問題に論理的なアプローチを用いて対処する必要があります。トラブルの原因分析やネットワーク設計の際に、論理的な思考力を活用して効果的な解決策を導き出す能力が求められます。また、未知の状況や新技術に対して柔軟な発想と想像力を持つことで、創造的な解決方法を提案できます。
ITに対する学習能力と好奇心がある
IT分野は常に進化しており、新しい技術やトレンドが続々と登場します。ネットワークエンジニアは常に学び続ける姿勢が求められます。新しい知識やスキルを習得し、自身の専門性を高めていくためには、学習能力と好奇心が重要です。新しい情報を追求し、変化する環境に対応する意欲がある人が適しています。
ヒアリング力と提案力がある
ネットワークエンジニアは顧客の要望やニーズを正確に理解し、最適なネットワークソリューションを提供する役割を果たします。ヒアリング力が高い人は、顧客の要求を適切に引き出し、それに基づいて提案を行う能力を発揮できます。顧客との良好な関係を築きながら、適切な提案を行うことが重要です。
ネットワークエンジニアの将来性
では、ネットワークエンジニアの将来性はどうでしょうか。ネットワークエンジニアはこれからも求められ続ける職業となっています。
これらの理由を4つの観点から解説していきます。
クラウド化
近年、クラウドコンピューティングの普及が急速に進んでいます。クラウドプロバイダーが提供するサービスは、高い可用性やスケーラビリティを実現するため、多くの企業や組織がクラウドを利用するようになっています。ネットワークエンジニアは、これらのクラウドサービスの設計や導入、運用に関わる重要な役割を果たします。クラウド化の進展に伴い、ネットワークエンジニアの需要は高まるでしょう。
デジタルトランスフォーメーション
企業や組織はデジタルトランスフォーメーションを推進し、ITを活用した効率化や新たなビジネスモデルの構築を進めています。DXにおいては、ネットワークインフラが基盤となります。ネットワークエンジニアは、DXを支えるネットワーク環境の設計や運用、セキュリティ対策を担当し、ビジネスの変革を支援する重要な役割を果たします。
IT人材不足
技術の進化やデジタル化の加速に伴い、ネットワークエンジニアの需要は増加していますが、適切なスキルを持つ人材の不足が課題となっています。特に高度なネットワーク設計やセキュリティ対策の専門家は貴重であり、求められています。そのため、適切な教育やスキル習得を行ったネットワークエンジニアは、市場価値が高まり、将来的なキャリア展望が期待されます。
5Gの普及
第5世代移動通信システム(5G)の普及が進んでいます。5Gは高速・低遅延通信を実現し、IoTデバイスやスマートシティの構築など、多岐にわたる分野で活用されています。ネットワークエンジニアは、5Gの基盤となるネットワーク設計や運用、セキュリティ確保に関与し、新たなテクノロジーを支える役割を果たします。
これらの観点から見ると、ネットワークエンジニアはクラウド化やDX、人材不足、5Gの普及といったテクノロジーの進化や社会の変化に対応するために重要な役割を果たし、将来性が非常に高い職種の一つと言えるでしょう。
ネットワークエンジニアの将来性とは?将来性の有無について詳しく検討します。
未経験からネットワークエンジニアになるには
未経験からネットワークエンジニアになるには5つのステップがあります。
ステップ1:基礎知識の習得
ネットワークエンジニアになるためには、まず基本的なネットワークの知識を習得する必要があります。TCP/IPプロトコル、LAN、WAN、サブネットting、ルーティング、スイッチングなどの基本的なネットワーク概念を学びます。オンラインコースや書籍、無料の教材などを利用して、自己学習を進めましょう。
ステップ2:資格の習得
ネットワークエンジニアとしての専門的なスキルを証明するために、関連する資格を取得することが重要です。例えば、CiscoのCCNAやCCNP、CompTIA Network+などの資格があります。これらの資格は業界で認知度が高く、求人の際にも有利になります。資格試験の学習を進め、合格を目指しましょう。
ステップ3:実践と実習
理論だけでなく、実際のネットワーク機器を触って操作する経験が重要です。自宅や専門学校でネットワーク機器を使った環境を整え、実際に設定やトラブルシューティングを行いましょう。この段階での実践経験は、理解を深めるだけでなく、自信をつけるのに役立ちます。
ステップ4:インターンシップやオープンソースプロジェクトに参加
実務経験を積むために、インターンシップやオープンソースプロジェクトに参加することを検討しましょう。これによって、実際のプロジェクトに関わりながら学ぶことができます。また、仕事仲間とのコミュニケーションや協力のスキルも養えます。経験を通じて、実際の業務に近い状況を体験し、スキルを磨きましょう。
ステップ5:就職活動とキャリアのスタート
資格取得や実務経験を積んだら、就職活動を開始します。ネットワークエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるために、技術面だけでなく、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルなども磨いておくと良いです。適切な企業に応募し、面接を受けてキャリアをスタートさせましょう。
これらのステップを進んでいくことで、未経験からネットワークエンジニアとしての道を切り拓くことができます。自己学習と実践を重ねながら、着実にスキルを身に付けていくことが大切です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。ネットワークエンジニアには様々なスキルが求められる上に、就業後の自己研磨も必須です。
大変なことが多いですが、その分やりがいも多い職種だといえます。