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「サーバーエンジニアは将来性がない」「サーバーはクラウドに代替される」というような噂を一度は耳にしたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか?また未経験の人でしたらサーバーエンジニアの現状や将来性について知りたい方はいらっしゃると思います。本記事ではそこでサーバーエンジニアの将来性やクラウド時代に求められる知識、スキルについて解説していきます。
目次
監修:大畑 健一(おおはた けんいち)
パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。
サーバーエンジニアは将来性がないのか?
結論、サーバーエンジニアの将来性のある職種と考えられています。理由を3つに分けて解説します。
そもそもサーバーエンジニアを含めたIT人材が今後不足する
IT人材需給に関する調査(概要)(経済産業省) によると2030年までに最大約79万人のIT人材が不足すると予測しています。不足するIT人材にはもちろんサーバーエンジニアも含まれます。IT技術が発達し、需要が高まっている一方で人手不足が課題となっています。
クラウドに移行してもサーバーエンジニアは不要にならない
現在企業のインフラはオンプレミスからクラウドサーバーへ移行が徐々に進んでいます。しかし依然としてオンプレミスサーバーを運用している企業が多いです。膨大な予算をかけてまでクラウド化をするメリットがない企業も多いため、現在のサーバーエンジニアの仕事はすぐにはなくならないでしょう。またたとえ、クラウドで運用・監視業務が自動化したとしても設計・構築業務は人の手で行う必要があるためサーバーエンジニアの仕事自体はなくならないでしょう。
DXが推進されている
現在、多くの企業がITの利活用によりDX推進をすすめ、生産性向上を図っています。このように企業はIT
IT化を進めているため、システムの土台になっているサーバーとなっているサーバーにはまだまだ需要があります。そのため、サーバーエンジニアの需要はなくらないと言えるでしょう。
サーバーエンジニアがどのような仕事を行うかについて解説します。サーバーエンジニアはITシステムのインフラであるサーバーを扱う職種です。主な仕事内容は構築と保守の二つに分けられます。
運用に必要になってくるサーバーの選定、設計、OSのインストールなどを行います。またサーバーをラックに設置するラッキングやケーブルの配線、サーバーにOSを設定するのもサーバーエンジニアが行います。サーバーのOSはWindows・Unix・Linuxなど多くの種類が存在するため幅広い知識が必要になってきます。
運用・保守業務はセキュリティチェックやバックアップ、サーバーの監視などを行い正常に運用できるように調整する仕事です。実際にサーバーを運用しながらサーバーダウン、エラー、ハッキングといった障害に対応し、再び問題なく運用できるように復旧作業を行います。担当しているサーバーに障害が発生してしまったら、解決するまで夜通しで復旧作業を行うこともあります。
サーバーエンジニアはインターネットできつい、やめとけなどマイナスなことを言われることが多々あります。
それは実際本当なのでしょうか?
サーバーエンジニアがきつい、やめとけと言われる理由は以下の通りです。
サーバーエンジニアの仕事の中で1番きついと言われている業務はサーバーの監視業務です。サーバーを24時間365日監視している必要があり、非常に退屈です。トラブルがない限りほぼ特別な仕事がありません。監視業務を専門のオペレーターに任せることもありますが、ほとんどの場合サーバーエンジニアが交代で監視します。
サーバーは24時間365日監視し、常時安全に稼働しているようにしておかなければなりません。トラブルが発生した場合夜間・休日関係なくトラブルに対応しなければなりません。夜間休日とメリハリがつかなくなるのもサーバーエンジニアがきつい・やめとけと言われる理由の1つです。また暦通りに休みが取れないというのもきついです。
ITの発展スピードは速く、サーバーエンジニアに限らず、常に最新情報に追いついておかなければなりません。最新の情報に追いついていないと仕事に支障をきたしてしまうため常に情報をアップデートする必要があります。そのため、勉強する時間を確保し、トレンド技術といった知識の勉強が好きでない人はサーバーエンジニアの仕事はきついと感じてしまうかもしれません。
サーバールームでの業務は特にきついです。常に放熱するサーバーを冷却するためサーバールームは常に寒いです。さらに空気が乾燥しているため風邪をひきやすく体調を崩すこともあります。寒く、乾燥した環境で監視をしているため体質的に合わない人はきついでしょう。
ここまでサーバーエンジニアのきつい、やめとけと言われる理由について解説しました。ここからはやりがいを感じるポイントを解説します。
サーバーエンジニアの魅力はやはりトラブル解決した時の達成感ではないでしょうか?サーバー内ではサイトの急激な利用者上昇によるサーバーダウンなどが起きることが予想されます。
サーバーエンジニアはこのようなトラブルを解決したり、未然に防止するために、設計や構築を行っています。こういったトラブルをうまく解決できれば非常にやりがいを感じるのではないでしょうか?
「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」dodaによるとサーバーエンジニアの年収は454万円と民間企業平均と比べると少し高いです。サーバーエンジニアの年収は経験やスキルによって大幅に変わります。資格習得も可能でスキルアップ、転職がしやすく年収もアップしやすい仕事と言えるでしょう。
サーバーエンジニアは比較的キャリアの選択肢が多い職種と言われています。実績を積んだあとマネージャーやスペシャリストとしてキャリアアップするのも一般的ですし、サーバーエンジニアの経験を活かしキャリアチェンジも行うこともできます。ネットワークエンジニア、データベースエンジニア 、セキュリティエンジニアなどの職種はサーバーエンジニアの知識、経験を活かしてジョブチェンジしやすい職種と言えます。
ここでは今後来ると予想されるクラウド時代に求められるサーバーエンジニアの知識・スキルについて解説します。
現在サーバーの構築方法と構築先はクラウドに移行しています。そのため、クラウドに関する知識、スキルは必須となるでしょう。まだまだ企業によってはクラウドが導入されていない企業もありますが、今後クラウドに移行する企業も増えると予想されています。したがってAWSやMicrosoft Azureなどクラウドサービスなどのクラウドサーバーを扱えるエンジニアは高いニーズがあるでしょう。
サーバーには個人情報や顧客情報など社外秘の情報が格納されています。そのためサーバー攻撃や内部不正を防ぐセキュリティサービスに関するスキルも必要です。さらにセキュリティに配慮したサーバー設計・構築をできればさらに活躍の範囲が広まり評価が高まることでしょう。したがってセキュリティに関する知識も自身で身につけておくと良いでしょう。
前述の通り、クラウド導入が進行していますが、全てのサーバーがクラウドに移行しているわけではありません。そのためサーバーOSの知識とスキルは習得しておきたいスキルです。またOS上でアプリケーションやソフトウェアを動かすためのミドルウェアに関する知見も併せて身につけておきたいスキルです。 OSにはWindows、Unix、LinuxといったサーバーOSがあります。各企業で採用しているOSが異なるため、入社する企業に合わせて知識習得が必要です。また単にサーバーの知識があればいいと言うわけではなく、Cisco Certified Network Associate など技術者として基礎的な知識も同時に必要になります。
サーバーのOSはWindows・Unix・Linuxなど多くの種類が存在するため幅広い知識が必要になってきます。なかでも今後はやはりサーバーがクラウドに移行していくことからクラウド関連の資格が必要になっていくことでしょう。以下におすすめの資格をまとめたので是非ご覧ください。
MCP(Microsoft認定資格)とはマイクロソフト製品の知識や技術を認定する資格の総称です。Windowサーバーの知識、技術が問われる試験に合格した人に認定が与えられます。いくつかあるMCPの資格の中でもサーバーエンジニアにオススメの資格は「Azure Administrator Associate」
や「Azure Fundamentals」です。
サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーの構築
サーバーの保守・運用
サーバーエンジニアの仕事内容とは?未経験者にわかりやすく資格やキャリアパスを解説
サーバーエンジニアはきつい・やめとけは本当か?
サーバーの監視業務がきつい
夜間・休日を問わないトラブル対応がきつい
知識・スキルの勉強がきつい
サーバールームでの業務がきつい
サーバーエンジニアはきつい?やめとけは本当?仕事内容、スキルを解説
サーバーエンジニアのきつくない点・やりがい
トラブルを解決する達成感がある
年収が高い
キャリアの選択肢が多い
クラウド時代に求められるサーバーエンジニアの知識・スキル
クラウドサービスに関するスキル
セキュリティサービスに関するスキル
サーバーに関するスキル
サーバーエンジニアが今後持っておくべき資格
Microsoft認定資格
LinuC(Linux技術者認定) LinuC(Linux技術者認定)はLinuxオペレーティングシステム(OS)に関するスキルと知識を証明するための資格です。この資格は、Linuxシステムの管理や運用、トラブルシューティングなどの実践的なスキルを持つ技術者にとって、市場価値の高い資格として扱われています。
LinucCには下記の3つのレベルが用意されています。
●Level 1
Linuxの基本的なコンセプト、コマンド、ファイルシステム、ネットワークに関する知識を持っていること証明できます。
●Level 2
Linuxの管理、セキュリティ、ネットワーク、サービスの設定、トラブルシューティングなどのスキルを持っていることを証明できます。
●Level 3
Linuxの高度な設計、デプロイメント、管理、トラブルシューティング、セキュリティなどのスキルを持っていることを証明できます。
Cisco Certified Network Associate
「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」はシスコ認定資格であり、アメリカのコンピューターネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズが実施している試験です。ネットワークに関する広い知識が求められ、ネットワークの基本概念からルーティング・スイッチング技術、セキュリティまで幅広い領域をカバーしています。国際的な企業での就業やキャリアのステップアップに役立ちます。
Cisco Certified Network Professional
CCNPはCisco技術者認定試験の一つです。 Cisco技術者認定試験には、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・アーキテクトの5つのグレードがあり、本資格はプロフェッショナルに該当します。 CCNPは先ほど紹介したCCNAの上位資格にあたるため、段階を踏んで取得を目指すといいでしょう。
サーバーエンジニアのキャリアパス
前述したようにサーバーエンジニアのキャリアは非常に選択肢が多いのが特徴です。実際どのようなキャリアパス があるのかを以下で解説していきます!
スペシャリストを目指すキャリアパス
サーバーエンジニアキャリアパスとして最も一般的なものは、サーバーのスペシャリストになることです。スペシャリストはサーバーに関する高度な知識とスキルを有し、サーバーの構築、保守運用を担います。サーバーのOSはWindows・Unix・Linuxなど多くの種類が存在するためすべてのOSに対応できるエンジニアは重宝されることでしょう。またクラウドサーバーにも対応もできるようになっておくと良いでしょう。
マネージャーを目指すキャリアパス
サーバーエンジニアのマネージャーは他業種、他職種と同様にチームを束ねるリーダー的な存在です。サーバーエンジニアの場合プロジェクトの統括や予算の立案や予算管理などを行います。サーバーに関する知識、スキルはもちろん必要ですがそれに加えて財務諸表の基礎知識など管理職として一般的に必要となってくる知識が必要となります。
サーバーエンジニアからジョブチェンジを目指すキャリアパス
サーバーエンジニアはネットワークエンジニアへジョブチェンジがしやすい職種です。 サーバーエンジニアは開発を行う際にネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアに関する知識を得ることができます。 サーバーエンジニアから代用的なジョブチェンジとしてはネットワークエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティエンジニア、ITアーキテクトなどがります。
サーバーエンジニアの平均年収は高い?
サーバーエンジニア | 技術系(IT/通信)全体 | 日本全体 |
---|---|---|
約454万円 | 約452万円 | 約443万円 |
「平均年収ランキング(職種・職業別)【最新版】」dodaによるとサーバーエンジニアの年収は454万円と日本全体と比べると少し高いです。ただサーバーエンジニアの年収は経験やスキルによって大幅に変わるため、場合によっては高年収を目指せる職種です。例えばサーバーエンジニアからプロジェクトマネージャーへ昇進していった場合、大手企業であれば1000万円以上の年収となります。もちろんプロジェクトマネージャーは相当なスキルや知識が必要なため、かなり勉強が必要です。
総じてサーバーエンジニアは年収が高く、高年収を目指せる職種のため非常にオススメの職種です。
まとめ
いかがだったしょうか?サーバーエンジニアはIT人材不足やDX推進の影響で非常に需要が高く、将来性のある職種です。これからの時代はサーバーエンジニアでも特にクラウドの知識は必須となっていくので注意しましょう。
サーバーエンジニアは高年収が狙えて、将来性がある職種のためぜひこの記事を参考に目指してみてはいかがでしょうか?