「科学と学習」の付録を学研本社で見せてもらったら、懐かしすぎて泣きそうになった

 

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こんにちは。ヨッピーです。

満面の笑みで失礼します。

なぜこんなに笑顔なのかと言うと……、

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学研本社にお邪魔できることになったからでーす!

ヒュー! 最高!

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※カメラマン兼、編集担当には、平成生まれの播磨谷くん。

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「すみません。今回の企画、いまいちピンと来てないんですが、学研の本社に入れるのって何がそんなにうれしいんですか?」

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「あのね、学研が発行していた【科学と学習】っていうシリーズがあるんだけど、言うたら僕が小学生だったころの聖典みたいなものなんよ。『学研のおばちゃん』が毎月家に届けてくれるシステムなんやけど、それが届くのをそれはそれは楽しみにしてたんよね。『そろそろ届くかな?』っていう時期になったら学校から帰るなり母親に『学研届いてる?』って聞くんよ。『学研届いてる?』『まだ』『えーーーー!』みたいな」

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「なるほど。週刊少年ジャンプが届くようなものですか?」

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「うーん、確かにジャンプも楽しみやったけど、学研の良さと言えばやっぱり付録なんよね。ピンホールカメラとか顕微鏡とか、楽しく遊びながら理科の勉強ができるっていう最高の付録が毎月家に届くんやで? それで一週間くらいアレコレ遊んだりするんよ。僕が子どものころに理科が大好きやったのは確実に学研のおかげって言えるし、そのころに遊んでいたものが、まだ現存していて見せてもらえるって言われたらそりゃあテンション上がるやろ」

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「ふーん」

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「おい。もう少しリアクション取れや!」

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「だって、僕は平成生まれで世代が違うからピンと来ないんですよ……」

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「仕方ないやつだな……」

学研内部に潜入

そんなわけで学研内部に潜入すると……、

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出たーーーーーーーーー!

カブトエビ飼育セットだーーーーーーーー!

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「これこれ! これよ!」

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「なんですか、これ?」

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「カブトエビっていうちっちゃいカブトガニみたいなやつを、この小さい水槽で飼育できるセットなんよ。だいたい一週間くらいで飽きて全滅させるんだけど」

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「あとはこれも持ってたぁぁぁあああ! 光るけん玉! 組み立てて配線したり、電池入れたりするんよ! 僕の小学校は教育にけん玉を取り入れていたもんで、小学校にこれを持って意気揚々と登校したのは良いけど、結局普通のけん玉の方が全然やりやすいから2日で飽きたやつ!」

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「さっきから一週間で全滅させたとか2日で飽きたとか、良い話にはあんまり聞こえないんですけど」

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そんな懐かしの付録がこの量!

すげぇぇええ!

子どものころの記憶がありありと蘇りよるわぁぁああああああ!!

偉い人に話を聞いてみよう

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そんなわけで学研の偉い人たちにお話を聞いてみました!

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学研科学創造研究所 所長

湯本博文さん。

※学研の「科学」の付録を作っていたそうです。

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大人の科学統括編集長

西村俊之さん。

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「いやね、そもそも今日なんでお邪魔したかと言いますと、友だちと飲んでる時に『学研ってあったよねー』『科学と学習の付録、おもしろかったよね』みたいな話になったんですよ。で、思ったんですよ。あれって、モノづくり系エンジニアさんたちの思考の原点だったんじゃない?って子どものころから、実際にモノに触れることで発想が豊かになったんじゃないかと。けれど、調べてみたら2010年に休刊してて……! ぼくが将来、子どもできたら絶対学研取ろうって思ってたのに……!」

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「そうなんですよ。【科学と学習】は学研という会社が大きくなるもとを作った雑誌なので我々としてもすごく思い入れがあるんですが、やはり時代の流れと言いますか……」

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「やっぱり、子どもが減ったっていうのが大きいんですかね?」

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「そうですね。それは大きいですね。子どもの数は1979年くらいがピークなんですが、そこからどんどん減ってますからね」

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出典:「我が国のこどもの数 」(総務省)より

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「ピークのころの発行部数ってどれくらいだったんですか?」

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「ピークのころは小学1年生から6年生までの子どもの人口が約1000万人で、発行部数が670万部なので3人に2人のペースで普及していた計算になりますね」

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「670万部は異常」

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「とんでもない数字だな……」

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「なぜ学研がここまで普及したかと言いますと、そもそも戦後すぐのころって、教科書は数が全然足りてないし、あったとしてもGHQの検閲が入るんで『これはダメ』っていう部分には墨入れされていて、読めなくなっていたりするんですね」

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敗戦後、1946年に出版された「6年の学習」の創刊号。

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「そこで、学研の創業者が『このままではいかん! 教育をおろそかにすると国の未来がない!』と、新しい教育書を作ったのがスタートなんです。だから当時は学校の教科書を補完する役割を持っていまして、販売も学校でやるんですよ。先生が前に出て買う生徒の人数を集計するっていう」

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「へぇぇ! もともとは学校で売っていたんですね」

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「そうそう。なぜそれを学校でやるかと言いますと、例えばこれです」

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「これは付録の試験管セットなんですが、アルコールランプもついていたので、これさえあれば実験ができるんですね。当時の学校にはこういった実験の為の器材が不足していたんです。今ならアルコールランプも試験管も人体模型も全部理科室に揃っていますが、当時はそうじゃなかった。でも、生徒がこれを買えば学校として実験の授業ができる、と先生も喜んだんです」

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「なるほど……!」

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「とはいえ、最初から付録がついてたわけじゃないんですね。理科教育振興法というのができて、理科教育を国として推進しようと。それでも【科学】は発行部数が伸び悩んでいたんですよね。そこで、『どうにかして理科の楽しさを子ども達に教えることはできないか』とみんなで悩むんです。理科の楽しさって、なんだと思います?」

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「実験ですよね? 僕も小学生のころは実験の授業楽しかったですもん」

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「その通りです。やっぱり実験だ、と。見て触って、五感で感じるからこそ感動もするし記憶にも残る。だから実験ができる付録をつけよう、ってなったんですね。今でこそいろんな雑誌に付録がついていますが、紙製品以外の付録を本につけたのは学研が世界初ですね」

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「なるほど……! 歴史の重みがすごいな……!」

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「まさか学研に取材に来てGHQっていう単語を聞くとは思わなかった」

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僕も遊んだ記憶のある学習の付録。カニのハサミの間にニクロム線が繋がっていて、電流を通すことで発熱し、発泡スチロールが切れるようになる。生協の食材が入っている発泡スチロールを細切れにして母親に怒られた記憶が蘇る。

付録を作る苦労

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「湯本さんは実際に付録を作っていたんですよね?」

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「はい。めちゃくちゃ大変でしたよ。まず、1学年につき1人が担当になるんで、1年から6年まで6人の編集長がいるんですね。その6人がそれぞれ月に1つ、12カ月なので年間12個の付録を指導要領に沿って作るんです。この月は天体観測だからプラネタリウムをつけよう、とか」

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「1人でやるっていう時点で既に大変さが見えている気がします」

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「正直、年中追いまくられていましたね。月に3つくらい企画出す→会社から承認がおりる→試作品で実験してみる→上手くいったら工業デザイナーに発注かける→できあがった完成品を社内会議でお披露目→やっと付録にできる、みたいな流れですね。しかも指導要領に沿ってやらなきゃいけないので、遅れたから後回しにしよう、とかもできないんですよ」

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湯本さんが出した付録のアイデア。

アリの巣が観察できるセットだが、「アリも見られてるだけでは暇だろう」と思いアリ用の迷路やアスレチックをくっつけたら「アリにとって迷惑」という理由でボツになったらしい。

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「付録が実現するまでにいくつも壁があるんですが、まず最初はアイデアの壁ですね。おもしろくて、ためになる付録ってなんなんだろう、っていう部分。そして次に原価ですね。いくらおもしろくても値段が一定以内に収まっていないと出せない。そして最後に安全性。昔はさっきも言った通りアルコールランプなんかがついていた時代もありましたし、ポンポン船っていう火を扱うような付録もあったんですが、子ども向けには危ない、と」

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「確かにそういうものの方がオモチャとしてもおもしろいんですけど、例えば6年生向けの付録だから多少危ないものでも大丈夫かな、と思っても、その家庭には弟がいて飲み込んじゃったりするかも知れないじゃないですか。だから学研の付録についていた粉とか薬品のたぐいは、全部飲み込んでも問題ないものを使ってましたよ」

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「なるほど。制約がかなりキツいんですね」

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色鮮やかな結晶を作るような付録も、飲み込んでも問題無いように作られたそうだ。

時代の流れには逆らえない

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「でも、それほど隆盛を誇った科学と学習が、なんで休刊することになったんですか? 子どもが減ったっていう要因以外にもなにか原因が?」

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「ヨッピーさんもご存じの通り、科学と学習は『学研のおばちゃん』って呼ばれる人たちが流通を支えてくれていたんですね」

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「そうですね。『まだかなまだかなー、学研のおばちゃんまだかなー』ってCMにもありましたよね」

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「あのような対面販売が世の中に受け入れられなくなったんですよね。インターホンが普及して『学研です』って言っても『いりません』って、ドアも開けてくれなくて時代遅れになっちゃった」

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「なるほど」

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「あと大きいのが、子どもがみんな忙しくなったっていうことですね。みんな塾に行って、スイミング習ってっていう。雑誌を読んだり、付録で遊んだりする暇がないんですよね。そんななかで、科学と学習って、読めばテストの点が上がるっていう性質のものではないじゃないですか。遅効性といいますか」

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「それはそうですね。好奇心を養うとか、科学に対する興味を持つきっかけになるとかそういう具合のものですよね」

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「そうなんですよ。だから、親御さんからするとどうしても選択順位が下がっちゃうんでしょうね。目の前のテストの点数の方が重要視されちゃいますから、そっちに割く時間やお金が削られてしまう、と」

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「そうですよね。子どものころは読むものがなくて、百科事典とかも隅から隅まで読んでいましたよね。今の子どもは忙しくてそういう時間が取れないのかも知れません」

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「あー! でも確かにそうだわ! 思い返してみると、僕が科学とか学習とかを一生懸命読んでいたのって、ほかに読むものがなくて暇だったからな気がする! マンガを読んでると親が怒るんですけど、学研の本なら勉強の一環みたいな感じで大目に見られてたというか!」

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「さらには、理科の実験の授業時間も減ってるんです。子どもの理科離れなんて言われているのですが、田舎の子どもも山や川で遊ばなくなっていて、実験することも含めて五感で遊ぶような体験ができなくなっているのは、問題なんじゃないかって思うんですね」

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「え!? そうなの!? ダメじゃん!」

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人体模型のセット。これの暗闇で光るバージョンを持っていた気がする。

今後の理科教育をどうするのか?

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「今後の理系学習ってどうしたら良いんですかね? 僕が思うに、『理系っておもしろいなー!』ってなるのって絶対に実体験に基づいているからだと思うんですよね。教科書読んでいるだけだとなかなかしんどい気がしますし」

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「今はなんでもスマホで済ませちゃうんですかね……」

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「その内、YouTuberが実験してるのを授業で見るようになるかも知れませんね。ただ、まぁこれは僕の意見ですけど、なんでもかんでも『スマホは悪! デジタルは悪!』って言うのは違う気がするんですよ。あれも知的好奇心を刺激する素晴しい製品だと思っていて」

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「確かに。あれって常に百科事典を持ち歩いているようなものですからね」

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「そうそう。道を歩いていて花が咲いていて、それをスマホで写真に撮って花の名前を調べたりとかね。デジタルとアナログを上手く組み合わせることはできると思うんですよ。お互いの足りない部分を補完して長所を活かすようなものですね」

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「ちなみに今、学研さんが出してる製品ってどんなものがあるんですか?」

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大人の科学というのを出しているんですが、これはまさに『大人向けの科学』ですね」

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「例えばこれなんかはスターリングエンジンのミニチュアで、ちゃんと駆動するんですね。発電したり車として走らせたり扇風機として風を起こしたり。おもしろいのが、この大人の科学に付属してるアンケートの結果を見ると、1番回答を頂くのが40代の読者なんですが、2番目が10代なんですよ」

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「つまり、40代のお父さんが買って組み立てて、そのお父さんと一緒になって10代の子どもが遊んでいるんだろうなっていう背景が見えてくるんです」

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「おお、なるほど。親の背中を見て育つんですね」

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「そうです。子どもは親の真似をするんですよ。子どもを、理科好きにさせようと思ったらまずは自分が好きじゃなきゃいけないんじゃないかって思うんですね」

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「確かに、僕も本読むの好きでしたけど、あれって親が本好きで、家にいっぱい本があったからなんですよね」

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「そうですね。だからこそ、ぜひこういう大人の科学シリーズをお子さんとのコミュニケーションの道具として使っていただければと思うんです。ゲームだともう子どもには勝てませんが、こういう分野ならまだまだ『お父さんすごい!』って思わせられると思いますよ」

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「そしてその内、子どもが成長するにあたって、自分より上手く作るようになったりして。でもそれが親としての喜びじゃないかと思うんです」

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「子どものころの1年って、気が遠くなるくらい長かったじゃないですか。夏休みも永遠に続くんじゃなかっていうくらい。今の一日と、小学校の頃の一日じゃ濃度が全然違うんですよね。だからこそ子ども達には色んな体験をさせてあげたい」

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「まぁそうですよね。だからこそ、子どもにアレコレ言うだけじゃなくて自分でやって見せなくちゃ。でも良いなぁ……、大人の科学かぁ……。良いなぁこれ……(チラッ)子どもができた時に作れるようになっておくために、今から練習しとかないとなぁ……(チラッチラッ)」

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「………」

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やったー! そんなつもりは全然なかったのに、おみやげに「大人の科学」をもらったーーーー!

最高~~~~~~~!

科学実験教室

ちなみに、学研さんでは子どもに理科の楽しさを教えるために、実験教室を各所で開催しているそうです!

「子どもを立派なエンジニアにするぞー!」なんてな人は申し込んでみても良いかも知れない!

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更には学研の懐かしい付録が一覧で見られる、70周年記念サイトもあるぞー!

懐かしい付録でいっぱいじゃい!

理系の未来のためにも、頼むから「科学と学習」を復活させてくれぇ~~~!

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「今回の企画、ヨッピーさんが『見て懐かしがりたいから』っていう理由で学研まで来て、それで【大人の科学】まで強奪して帰るって公私混同すぎる」

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「うるさい」

というわけで、いかがでしたか! 世代によってはピンと来ていない人もいるかもしれませんが、僕らの世代には「科学と学習」の影響をもろにうけた人たちは多くいると思います。同書がきっかけで現在、モノづくり系エンジニアとして活躍している人もいるのではないでしょうか?

先述した通り、子どもの減少など厳しい現実はありますが、アナログとデジタルをうまく融合させ、実際にモノに触る機会を増やし、「なんで? どうして!?」という考え方を養えば、今後も国内から優秀なエンジニアが生まれるのではないでしょうか! 学研さん、今後も期待していますー!!

 

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