東急ハンズから生まれた「ハンズラボ」は、小売業特化型ITソリューション企業。数十万に上る膨大な商品情報を扱ってきたノウハウを元に、現場に最適なシステムを提案する中で、その中心で課題解決にまで導くのが「エンジニア」の存在です。
今回は、そんなIT分野において存在感を発揮する「ハンズラボ」のエンジニアサイドから見た、ソリューションの過程やそのテクノロジーをご紹介します。
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あの東急ハンズから生まれた、異色のITソリューション企業「ハンズラボ」とは?
おしゃれな雑貨から日常生活の便利グッズまでを販売する「東急ハンズ」から生まれたITソーシャル企業がハンズラボ株式会社。
業界の常識にとらわれない発想力で情報システム構築を担い、「エンタープライズIT業界」に革命を起こすと期待される注目の企業です。
▲ハンズラボ代表取締役社長「長谷川 秀樹」氏
写真提供:ハンズラボ株式会社
“ハンズラボ”の誕生は2013年4月。「東急ハンズ」の情報システム部門で働いていた長谷川氏を信頼した当時の社長の決断により、子会社として”ハンズラボ”が生まれました。
現在では業界を背負う企業へと成長を遂げ、もちろん「東急ハンズ」のITの全てを担っています。
“ハンズラボ”の本質が問われる!年1回のバーゲンセール「ハンズメッセ」
※画像は2015年8月時点の情報です。今後の開催を予定するものではありません。
“リアル店舗”と”ネットストア”にて開催される「ハンズメッセ」は、毎年開催されるバーゲンセール。
多くのお客さんが実店舗に詰めかけ、ネット通販サイトにも毎年アクセスが集中する大盛況のお祭りです。
アクセス負荷に負けるな!ネットストアを支える”エンジニアの努力”
ネットストアのセール対策
まずセール対策の事前準備として、2014年4月ごろからAWSクラウドを活用した負荷対策を推進していました。具体的には、アクセス集中時にサーバが自動でスケールアップするシステムを構築。
2014年はバックエンド部分のAPIサーバーまでの対応でしたが、2015年にはフロントエンド部分のwebアプリケーションサーバーをElasticBeanstalk MultiContainer Dockerでリプレイスし、全体がオートスケールするようになりました。詳しく下図をご参照ください。
ネットストアでは、アクセス増によるつながりにくさは機会損失に直結する大きな課題です。
特にセール開始時のアクセス急増は長い間悩みの種でしたが、AWSクラウドの活用と充分な負荷試験、対策により課題を解決しました。
2014年度には、アクセスの集中にサーバーが耐えられず、お客さんに迷惑をかける場面もあったとか。2015年度は同じことは繰り返さぬよう、万全な準備をして「ハンズメッセ」に備えました。
以下にその要点をまとめてみました。
画像:2015年ハンズメッセのアクセス解析
これらの努力に加え、セールの開始時刻を従来の0:00から18:00に変更するなど、お客さんがより快適に「ハンズメッセ」を楽しむことができる環境が整いました。消費者が心地よく買物を楽しめるのは、上の図からも分かる通りエンジニアの努力あってのものだということがわかりますね。
これから企業のリテール部門が抱える課題は、エンジニアの力で解決!
今回はハンズラボの事例を取り上げることで、売り場において最適なシステムを提案してきたエンジニアの活躍のようすがよく理解できたと思います。
このように東急ハンズのリテール部門の課題解決をし、IT分野においてもその存在感を発揮するエンジニアの存在にますます注目が集まっています。今回紹介した数々の施策は、これからもエンジニアの手によって向上していくと思います。今後もハンズラボのエンジニアの動向に目が離せません。