Microsoftのビル・ゲイツ、Googleのラリー・ペイジ、Facebookのマーク・ザッカーバーグ。彼らに共通することは何でしょうか?
巨大IT企業の代表でもある彼らは、プログラマー出身の人たちです。
いま、世界中でプログラマー上がりの人たちが注目を集め、ビジネスシーンをリードし続けています。
彼らは、プログラマー的な考えやテクニックを持っているからこそ、効率的に仕事を片付けていき、最も注力すべきことに神経を注いでいたからこそ、輝かしい成功を掴んできたのかもしれません。
プログラマーが実践している仕事の方法は、エンジニアだけでなく多くのビジネスパーソンにも役に立つはずです!
Index
プログラマーが実践している7つの仕事術
普段、なかなか知ることができないプログラマーの仕事術。
仕事の効率化をはかるためのヒントが詰まっています。
そんなプログラマーが実践している仕事術を、国家認定天才プログラマーの清水亮さんの著書『最速の仕事術はプログラマーが知っている』から、いくつか紹介します。
1.自分だけのテンプレート集を持つ
プログラミングの世界にはDRY原則という言葉がある。
Don’t Repeat Yourself
同じ事を繰り返すな、という意味だ。 P16
プログラマーは、同じ作業を繰り返すのを嫌います。
その為、同じ内容の文章を書く場合は、辞書に登録するなどしてテンプレートを作成しています。
仕事の効率性をあげるために、簡単な操作でメールでよく使う文章を呼び出せるようにすれば、数秒でメールを書けるようになるので、仕事の効率は格段に上がります。
1日に何度も打つメールのほとんどは、似たような文章になるので、あらかじめテンプレートを登録しておくといいでしょう。
2.ローマ字入力をやめて、かな入力をする
プログラマーがプログラムだけを書くのであれば、英語キーボードの扱いに習熟するだけでたいていは問題ない。
しかしあなたがプログラマーでないか、プログラムよりもむしろビジネス文書を書く機会が多いなら、絶対にかな入力をマスターした方が得である。 P25
ほとんどの人がキーボードで文章を打つ時にローマ字入力を使っているのではないでしょうか。しかし、日本語の文章を打つ場合はローマ字入力は非常に非効率です。
「おせわになっております」という文章を書く場合、ローマ字だと「osewaninatteorimasu」と19回キーボードをタイプする必要がありますが、かな入力だと12回のタイプだけで済みます。
長文になってくると、タイプ数の差は歴然。
ローマ字入力の速度を上げたとしても、かな入力よりもタイプする数が多く疲れやすくなるので、圧倒的にかな入力の方がタイプできる文字数は多くなります。
先に紹介した辞書登録のテクニックを併用すれば、文章を書く速度は格段に上昇することになるので、ローマ字入力からの脱却を進めてみてはいかがでしょうか。
i:Engineerでも、かな入力の快適さを紹介していますので、併せてご覧下さい。
なぜITエンジニアは「かな入力」を使って仕事効率を図るのか?
3.情報は頭の中ではなく、外部にメモとして保存しておく
Webを見ているとき、スマートフォンでSNSを見ているとき、道端を歩いているとき、とにかくあらゆるタイミングでピンと来たらとりあえず情報を捕まえて(キャプチャして)おく、というのがその習慣である。 P53〜54
現代社会は、インターネットの発達で情報が氾濫しています。
全ての情報を頭の中で把握したり、活用するのは不可能です。なので、自分が気になった情報や今後仕事で使えそうなアイデアなどは、頭の中ではなく、外部にメモを残しておくようにしましょう。
筆者は、クラウドサービスのEvernoteを薦めています。
Evernoteなら、世界中のどこからでもアクセスが可能で、自分が保存しておいた情報を瞬時に入手することが可能です。
多くの情報を集め、活用することで、新しい仕事を創り上げることに繋がります。日々、気になったWebの記事や思いついたアイデアはメモをする習慣をつけてみてはいかがでしょうか。
4.タスク管理は仕事に集中するために管理する
集中するためにこそタスクは機械に覚えてもらう P109
仕事をする上で、多くの人がタスク管理をするためにリストを作っているのではないでしょうか。
もし、頭の中だけで管理をしているという場合は、タスクをスマートフォンのリマインダーアプリなどに登録して管理するようにしましょう。
いくら記憶力がいいからといっても、次にやるタスクが頭の中にあると、そのタスクが気になってしまい目の前の仕事に集中できなくなります。
「次はあれをやって、これもやらないと」という具合にちょっとしたパニック状態になってしまっては仕事の精度は上がりません。
忘れないようにタスク管理をするのではなく、仕事に集中するためにタスクをWebサービスやスマートフォンアプリを使って管理してみてはいかがでしょうか。
「目の前の仕事に集中しすぎて、他の仕事に向き合う時間がなくなってしまう」という場合は、一定の時間になったり、任意の場所に行ったときにタスクをリマインドするようにアプリの設定をするといいかもしれません。
5.匿名のチャットで会議をして、優れたアイデアを汲み取る
まだ海のものとも山のものともつかないアイデアを検証するためには、多角的な意見が必要だ。
ポジティブな意見もネガティブな意見も、両方が出揃ったところで総合的な判断をしなければならない。
筆者はそのための仕組みとして、匿名チャットシステムを開発した。 P118
会議やミーティングなどで、上司の意見やアイデアに疑問があったとしても「それには反対です」と声を上げづらいもの……
いくら「自由に意見を聞かせて欲しい」と言われていても躊躇ってしまいます。
そこで、導入したいのが匿名のチャットを使ったミーティング。
全員が匿名だと、意見が出しやすくフラットな視点でアイデアなどを見ることができるので、正しい判断がしやすくなります。
著者は、匿名チャットシステムを開発したようですが、既存のチャットツールでも匿名でアカウントを作成し、同じように運用することも可能なので取り入れてみるといいかもしれません。
6.想定外のことを考えて、不測の事態に備える
プログラムは、設定した値やケースの範囲を超えると途端に動作を止めることがある。そうならないよう、起き得ないように思える範囲外の処理も、あらかじめ組み込んでおくのだ。 P127
プログラマーやエンジニアは、新しいシステムや仕組みを作ることを仕事にしています。しかし、反対にトラブルなどの不測の事態がおこらないよう、徹底的に対策をする「例外処理」も行っています。
「こんな使い方はしないだろう」と思っていても、念のため実践しあらかじめトラブルが発生しないようにするなど、事前に対処しています。
通常の仕事でも、思っても見なかったトラブルに遭遇することがあります。「例外処理」を行うことで、被害を押さえるどころか、未然に防ぐことも可能になります。
「時間の無駄」「取り越し苦労になる」こともありますが、プログラマーの考えを参考に「例外処理」をして不測の事態に備えておくべきです。
7.未来のイノベーションを感じる能力を身に付ける
プログラマーは特殊な職能だ。
理想と現実、未来と現実、理論と実践、その境界線上に常に身を置いて深い思索にふけるのが仕事である。
ある新技術が話題にのぼったとき、それが本当に流行るのか、それともそでないか知りたければ、プログラマーに聞くのが早道である。 P208
電話やパソコン、インターネットの登場でビジネスは大きく姿形を変えていきました。
イノベーションは、新しい仕事を創り出し、仕事を加速していきます。
今後、メジャーになりそうな新しい技術に目を向けておいて、仕事に取り入れると飛躍的な成長を遂げるかもしれません。
技術革新が一般に普及するのは、10年以上の時間が掛かってしまうこともありますが、著者はこのように言っています。
プログラマーが今日勝負するビジネスは、10年前から密かに準備してきたネタなのだ。
だから常に勉強が欠かせないし、実際に手を動かし続けなくてはならない。 P215
プログラマーの仕事術で、ビジネスは何倍にも加速する
「プログラマーの視点に立つと、多くの人は非効率な仕事の仕方をしている」と言います。
プログラマーの仕事術を参考にすれば、あなたのビジネス速度は何倍も速くなるはずです。
世界のビジネスシーンを見渡しても、プログラマー出身の人たちが増加しています。単に「IT系の企業が増えたから」というわけでなく、彼らの仕事のやり方が、効率的で時代にマッチしていたからなのかもしれません。