アメリカのカリフォルニア州に多くの有名なIT系企業が本社を構えるように、北海道の札幌市も日本を代表するITやエンジニアが活躍する企業が複数あります。
サッポロバレーと呼ばれるほど、急成長している北海道のIT産業。
次々と事業が生まれる中で1つのキーワードとなっているのが「コンテンツ×IT」。
札幌には、なぜ優秀な人材が集結するのか? なぜ多くのIT系ベンチャー企業が集まるような刺激的な都市となったのか?
サッポロバレーの歴史と併せて、日本を代表するほど急成長を遂げた数々企業を紹介します。
もしかすると、エンジニアの腕を最大限に活かすことができる街は「札幌市」なのかもしれません!
Index
「コンテンツ×IT」魅惑のサッポロバレー
サッポロバレーは、文字通り札幌駅から北海道大学にかけてIT企業の工業団地造成のために造られた「札幌テクノパーク」。総じて、北海道版シリコンバレーとして機能しています。
サッポロバレーの歴史は古く、1976年に北海道大学が「北大マイコン(マイクロコンピュータ)研究会」を設立したことを発端に、全国から優秀な学生や教授などが集まるようになります。
結果、IT企業が集積することになり、サッポロバレーが形成されました。
大学卒業後、「札幌で仕事をしたくても技術を活かせる会社や仕事が少ない」ということから、自ら起業する人も多いのが、札幌にITベンチャー企業が増えた理由の1つです。
また、サッポロバレーは2003年8月に「さっぽろベンチャー創出特区」として認定され、行政の支援も行われているため、都市全体がベンチャー企業の育ちやすい環境が整っていることもIT系企業が集まっている要因となっています。
サッポロバレーの特徴として、アプリケーションの開発に長けており、比較的自由で企業間の人脈など横の繋がりが強いという点が上げられます。
いくつかの企業は、日本を代表するほどの会社に成長しています。中でも、特徴的であり知名度の高い会社が3社あります。
1.ビー・ユー・ジーDMG森精機株式会社
特に、世界初の全編CGアニメ『ビット・ザ・キューピッド』では主に彩色部分に注力。3次元でモデリングしたキャラクターや背景にもCGを使用するといった技術を施し、彩色したあとに輪郭線を無くしているのもこの作品の特色です。
▲ビット・ザ・キューピッドの映像は「00:00〜00:13」までです。
また、現在のBUG社はハードの開発からソフトウェアの開発までを行うシステムハウスとして業務を行っています。
2.株式会社ハドソン
『ロードランナー』『桃太郎電鉄』『ボンバーマン』などのヒット作はもちろん、高橋名人など当時の若者を熱狂させた株式会社ハドソン。
パソコンソフト、家庭用ゲームソフト・ハードの開発をしますが、2012年にコナミの子会社となり、2013末年にはコナミブランドに統一されハドソンブランドはなくなってしまいましたが、間違いなくサッポロバレー発の世界に誇る企業と言えます。
3.クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
VOCALOIDの初音ミクで世界に注目されるようになったクリプトン・フューチャー・メディア株式会社。
初音ミクなどの音楽製作ソフトの開発・販売はもちろん、モバイルコンテンツやキャラクタービジネスなどを展開し、北海道を代表する企業に成長しました。
まさに、「コンテンツ」と「IT」を融合させ、サッポロバレーを大いに盛り上げている会社です。
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が作る新しい風
これが、雪ミク電車ってやつですか? pic.twitter.com/WK2j1e7dCV
— [ZEXA Founder]a.x (@ax0110axj) 2015, 11月 30
サッポロバレーのエンジニア・クリエイター達が生みだしてきた製品やサービスの中でも、特徴的なのがITを組み合わせたコンテンツ。コラボ事例の中でも「初音ミク」はあまりにも有名です。
特に、毎年11月頃に札幌市を走る市電車両をフルラッピングする期間限定の「雪ミク電車」などは、札幌市広報部の公式Twitterでも取り上げられているほどです。
【雪ミク電車2016】あえたらラッキー。雪ミク電車、来年3月27日(日)まで運行中です。
https://t.co/htYyRGrNL5 pic.twitter.com/Q4MFhydCmy
— 札幌市広報部 (@Sapporo_PRD) 2015, 11月 24
さらに「初音ミク」は、世界に向けた日本のシンボルにもなっており、「HATSUNE MIKU EXPO」は、これまでにインドネシア・ロサンゼルス・ニューヨーク・上海でも開催。2016年は、5都市を巡る日本ツアーと、7都市・3カ国を縦断する北米ツアーが決定しております。
▲メキシコで開催される「MIKU EXPO」
ぽんぽこバレー
クリプトンも参加する「ぽんぽこバレー」は、不定期で狸小路のIT企業を中心に集まり、情報交換や交流を行っています。
過去には、ゲストを招いた講演会や最新テクノロジーについての勉強会を開催。
サッポロバレーの発展に一役買っています。
出典:ぽんぽこバレー
北海道オープンデータハッカソン
日本各地でエンジニやプログラマをはじめとする人達で「ハッカソン」や「アイディアソン」といったイベントが開催されています。
サッポロバレーでも、クリプトン社にて、地域のデータを活用した「オープンデータハッカソン」を開催。
北海道のIT業界を盛り上げることはもちろん、オープンデータを活用して地域活動全般を支えるために動いています。
出典:クリプトン・フューチャー・メディア[ニュースリリース]
ACT NOW
北海道と札幌に限定したプロジェクトを支援しているクラウドファンディングの「ACT NOW」。
過去の達成プロジェクトには、障害を持つ人達の社会参加と就労支援をするプロジェクトやチャリティイベントなど、地域の活動に根ざした活動を通して、北海道や札幌全体の活性化を促しています。
純粋に「北海道をおもしろくしたい」「札幌をもっと良くしたい」というマインドで活動を続けられるのは、サッポロバレーに会社があるクリプトンらしさなのかもしれません。
出典:ACT NOW
【まとめ】エンジニアにとって聖地といえるサッポロバレーについて、スライドシェアでおさらい
サッポロバレーは、北海道を代表するベンチャー企業にとっては、聖地のような場所です。
世界的に有名な企業が複数あるということや、仕事のしやすさやコミュニティの形成、クリプトン社などの「コンテンツ×IT」分野で盛り上がっているというのも、ハングリー精神あふれるエンジニアを惹きつけるのかもしれません。
エンジニアとしてコンテンツとIT、もしくは地域への貢献などに興味があるなら、北海道やサッポロバレーという選択肢もあります。
今後、北海道はエンジニアにとって、よりおもしろい街へとなっていくはずです。