近年、アメリカや中国では飲食店における事前注文決済(モバイルオーダーサービス)が急速に普及しています。
2012年に設立された株式会社Showcase Gigは、日本国内でのモバイルオーダーサービスの浸透を目指し、世界でも先駆けて「O:der(オーダー)」アプリをリリース。同時に店舗側に対しては、スマートフォンでの事前注文・決済機能の導入によるオペレーションの効率化やAIを活用したチャットボット接客サービスなどを提案しています。
今回は同社プロダクト開発部長の白鳥泰介さんとエンジニアの小菅達也さんに、開発にかける想いや日常を変えるエンジニアという仕事の魅力について伺いました。
スマホから注文決済完了!O:derプラットフォームが描く店舗オペレーションの未来
▲プラットフォーム開発部 部長の白鳥泰介さん
―まず、O:derプラットフォームはどのような機能を持ったサービスなのか教えてください。
白鳥さん
「O:der(オーダー)は、ユーザーがスマホアプリからの注文を実現するモバイルオーダーシステムです。ユーザーにとっては注文の待ち時間などを短縮でき、飲食店にとっては、注文や決済の手間がなくなり店舗運営がスムーズになるというメリットがあります。
店舗はO:derを導入する場合、O:derアプリ上のモールに掲載される『O:der Wallet』か、自社の公式アプリなどに組み込みたい場合に有効な『O:der Apps』のいずれかを選びます。
他にも、行列の解消に特化した順番待ちアプリ『O:der inTime』といったオプションサービスも展開しています。このモバイルオーダーの仕組みは、2017年の2月に特許も取得しています」
モバイルオーダーアプリ「O:der(オーダー)」コンセプトムービー from Showcase Gig on Vimeo.
▲モバイルオーダーアプリ「O:der(オーダー)」コンセプトムービー
―テクノロジーや技術的な特徴としてはどのようなものがありますか?
白鳥さん
「システムの面では、特に飲食チェーンのPOSシステムとネットワークで繋がる際にVPN接続を求められることが多いので、ネットワークまで考慮してアーキテクチャを組んでいます。インフラはすべてAWS(Amazon Web Services)を利用していますが、複数のVPC(Virtual Private Cloud)を立てたり、SQS(Simple Queue Service)を使ってデータの連携をするなどの工夫をしています」
▲東京・渋谷に店を構えるカフェ「LOCAL」
―O:derプラットフォームと連携した「LOCAL」というカフェも展開していますよね。
白鳥さん
「LOCAL は O:der の世界観を体現するカフェとして出店しました。モバイルオーダーだけでなく店頭注文も iPad で受けたり注文状況をデジタルサイネージで表示するなど、O:der のモデル店舗となっています。普通に営業していて一般の方も利用できますが、新規プロジェクトの導入や、営業がクライアントに導入後のオペレーションを説明するときの紹介用店舗としても活用させていただいています」
▲「O:der」によるモバイルオーダーの体験が可能
飲食店を中心に少しずつ普及しはじめているO:der。
店舗でのスムーズな商品の受け渡しを実現するこのプロダクトは、これからの店舗運営になくてはならないものになっていくはずです。
開発部長、エンジニアとしてO:derに携わることになった2人は、なぜShowcase Gigへの入社を決めたのでしょうか?次に、それぞれの入社理由とO:derに関わることになったきっかけについて伺いました。
異なるバックグラウンドを持つ2人がO:derに関わる理由とは?
▲プラットフォーム開発部 基盤開発グループ エンジニアの小菅達也さん
―お2人がShowcase Gigに入社した理由は何だったのでしょうか?
小菅さん
「僕は前職でソーシャルゲームのプラットフォーム開発に携わっていました。専門的なスキルを学ぶことはできましたが、自分自身の成長を考えると、今後はシステムからサーバー、データベース、ネットワークまですべての領域をカバーできるフルスタックエンジニアを目指したいと思うようになり、ちょうどそのときにこの会社と出会いました。
面接でCTOと2時間も話をさせていただき、その熱量に驚きました。『これほど熱い人が動かしている会社ならきっと面白いだろう』と入社を決めました。社長も気さくに話しかけてくれますし、チームも面白いメンバーが揃っているので、個人的に居心地がいいです」
白鳥さん
「前職ではネット広告の広告配信システムの開発・運用をおこなっていました。入社して10年が経ち、ずっと同じシステムを見ていたので違うことがしたくなったんです。また、採用にも関わっていたので自分の経歴が外からどう見えるのかについては常に意識していて、ちょうど売り時だと感じて転職活動をしていました。転職のときは『プロダクトの面白さ』を最重要視していました。Showcase Gigで面談を受けた後、LOCALでモバイルオーダーを体験してみたんです。実際にやってみると、無駄のないスムーズな注文の流れに魅了されました。その後私が好きなサンドイッチチェーン店に行ってみると、注文決済にとても時間がかかることに違和感を覚え、『このチェーン店にもモバイルオーダーを導入させたい』と思い入社を決意しました」
異なる想いを持ってShowcaseGigに入社し、現在O:derの開発に携わるお2人。
現在どのような目的や目標を持って開発を進めているのでしょうか?
続いてエンジニアとしてのやりがいやO:der開発にかける想いについて伺いました。
「消費」のすべてがキャッシュレス化する未来を目指して
―エンジニアとしてシステムをスケールさせる小菅さん、開発部長として、より大きな視点でプロダクトの全体像を眺めている白鳥さん、開発にかける想いはそれぞれ異なる部分があるではないでしょうか?まず小菅さんは今後、O:derをどのようなプロダクトにしたいとお考えでしょうか?
小菅さん
「当社は開発のメンバーが少ないため、モノリシックな構成でシステムを開発しています。ただ、モノリシックで開発効率を優先しているとどうしても独自性の強いシステムになってしまうんです。そうすると機能を拡張していく際に依存性が高くなり、僕らのシステムがガラパゴス化してしまいます。つまり、自分たち以外は扱えないシステムになってしまうんですよ。より多くの方々に利用してもらうためには、もっと外に開いた設計を意識し、できるだけ機能を分離して開発することが必要だと考えています。将来的にはO:derプラットフォームをAPIとして提供できるようにしたいです」
※API
アプリケーションプログラミングインタフェースの略。ソフトウェアの機能の一部を公開して、外部から誰でも利用できるようにすること。
―APIが提供され、さまざまなアプリやシステムにO:derプラットフォームが組み込まれたら、注文する・お金を払うという行為そのものがすべてオンラインに移行することになると感じました。そんな、O:derプラットフォームの開発に関わることのやりがいを小菅さんはどのように感じていますか?
小菅さん
「最近、自宅の近くにもO:derを導入した店舗ができました。お店で店員さんがiPadを使ってオペレーションしているところ見ると、すごくうれしいし誇らしくなりますね。前職でソーシャルゲームを開発していたときは、ユーザーがアプリの向こう側にいて反応がわかりませんでした。O:derの開発に携わり、利用者の姿を見れるようになったのはエンジニアとしてとてもうれしく感じています。今では自分もO:derを使ってよく注文しています(笑)」
―ありがとうございます。では白鳥さんはいかがでしょうか?開発部長という立場から、エンジニアの小菅さんとはまた少し違った視点があるのでは?と感じています。どのような部分を意識してプロダクト開発を進めていますか?
白鳥さん
「これは開発というよりも店舗設計に関わる話ですが、店舗にO:derを導入してもらうにあたって、実際のユーザーのオペレーションを想定して設計しなければなりません。例えば、既存店舗ですでにメニューのテイクアウトをおこなっている業態は、注文用のレーンとお渡し用のレーンが分かれていて、運用としてもO:derを取り入れやすいですが、レーンが1つしかない小さな店舗の場合、O:derを導入してもオペレーションとして無理が生じる可能性があります。開発という立場ですが、私たちはそこまで踏み込んでお店にとってベストな方法を一緒に考えるようにしています」
―消費という私たちにとって身近なものに関わる開発だからこそ、システムだけでなくプロダクトに関わる全体像を見据える必要があるのですね。ありがとうございました。最後に、白鳥さんが考えるO:derのこれからについて聞かせてください。
白鳥さん
「そうですね。今後は飲食店以外のお店にも展開できるようにサービスを成長させていきたいです。そして、最終的には、日常でおこなう消費のすべてがいつでもどこでもキャッシュレスにおこなる世界を目指していきたいですね。」
スマホを使った支払などが一般的になりつつある現代。すでに社会にはO:der受け入れる土壌ができているといえるでしょう。
Showcase Gigが目指す完全にキャッシュレスな未来は、もうすぐそこ。
あなたも一度カフェ「LOCAL」でO:der を体験してみてはいかがでしょうか?
「O:der」のダウンロードはこちら
・iOS 版: App Store
・Android 版: Google Play Store
THE LOCAL
東京都渋谷区渋谷2丁目10−15
営業時間/月〜金 8:00~19:00 土日 10:00~18:00
Showcase Gig
代表者:代表取締役社長 新田 剛史
住所:東京都港区南青山 4 丁目 1 番 6 号 セブン南青山ビル 4F
創業:2012 年 2 月
事業内容 :モバイル決済サービス及びデジタルメディアの運営、デジタルマーケティング支援など