日本国内では、様々なインフラ整備やIoTを視野に入れたハードウェアの開発などで機械・電気系エンジニアの価値が上がり、需要が増えている昨今。
世界的にも日本と同じように、専門性の高いスキルを持ったエンジニアを獲得しようと、多くの都市で募集活動が繰り広げられています。
日本も暮らしやすく、多くの仕事がありますが、より自分の専門性を活かせるということを考えると、世界のエンジニア市場にも目を向けてみるとよいのかもしれません。
今回は、世界の中でエンジニアが働きやすい7つの都市を紹介します。
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2020年に最大の雇用チャンスあり!?緑が美しい都市、カナダ『トロント』
出典:Wikipedia
カナダが誇る大都市のトロント。カナダ経済でも重要な役割を持っている都市です。
金融や経済はもちろん、クライスラーやGMなどの自転車の大企業やシーメンス、ハネウェルといったガリバー起業が集積しているため、エンジニアの需要が高まっています。
エンジニアのための団体「Engineer’s Canada」によると、「2020年に10万人近くのエンジニアが一斉に退職する」と発表していることから、大規模なエンジニアの募集があると予想されています。
さらに、自然も豊かで交通の便もいいトロント。移民も多いため多文化で国際色豊かでありながら、犯罪発生率も低く、生活水準も高いことから「世界で住みやすい都市」にランクインするほど。
カナダの中でもトロントは、生活費が高い部類に入る都市ですがエンジニアにとって、仕事も生活も豊かに過ごせるのではないでしょうか。
産学連携で航空宇宙開発を行う、フランス『トゥールーズ』
出典:Wikipedia
フランスの南西部に位置するトゥールーズは航空宇宙産業が活発な都市です。
住民の10人に1人は航空宇宙分野で働いていると言われているほど。
また、トゥールーズはパリの次に学生が集まる街で、産学連携によって、優秀な学生エンジニアが多く、宇宙開発関係のエンジニアにとっては刺激を受けられる都市です。
宇宙開発以外にも、バイオテクノロジーや電子工学など、エンジニアにとって自身のスキルを発揮できる会社が多く存在しているのもトゥールーズの特徴です。
造船やエネルギー関係のエンジニアが集う都市、デンマーク『コペンハーゲン』
出典:Wikipedia
海の都市で「北欧のパリ」と呼ばれているデンマークの首都コペンハーゲンは、主産業は造船のため、造船エンジニアの街といわれています。
また、デンマークはエネルギー産業が盛んになっているので、コペンハーゲンには自然エネルギーに関する取り組みをしている会社や施設も多く存在しているため、エネルギー関係のエンジニアの需要が拡大しています。
COP21パリ協定が採択されたこともあり、今後は風力や水力発電の建設を行う土木系エンジニアも必要とされてくるはずです。
日系メーカーの生産も!先進気鋭な自動車の都市、インド『チェンナイ』
出典:Wikipedia
近年、高い経済成長率を誇っているインド。その中でも自動車産業が活発で、チェンナイは「インド版デトロイト」と呼ばれている世界の自動車ブランドの車をOEM生産しています。
日系メーカーでも日産や三菱などが生産されているため、自動車系のエンジニアはチェンナイに活動の場を移すということも視野に入れるといいかもしれません。
自動車産業だけでなく、携帯電話会社のノキアが工場を建設するなど、IT企業も進出してきているため、テクノロジー関係のエンジニアも今後は活躍できる都市になっていくはずです。
平均年収はなんと1,000万円以上!アメリカ『ハンツビル』
出典:Wikipedia
アメリカ国内で、最も多くのエンジニアが集まる都市ハンツビルは、NASAのマーシャル宇宙飛行センターや宇宙体験学習施設などがあり、観光名所でもある都市です。
いまでは、ハンツビルに住んでいるほとんどの市民が航空宇宙産業に携わっています。
かつては軍事産業で発達したハンツビル。NASAの施設も元は陸軍のミサイル開発施設だったこともあり、アメリカのロケット開発の中心的存在です。
そのため、ハンツビルには腕の立つエンジニアが集まり、互いに競い合っています。
また、仕事の内容は国家的なプロジェクトである場合もあることから、エンジニア達の年収は平均で1000万円オーバー(2014年度)のため、エンジニアが輝ける都市といえます。
重電エンジニア注目の国際都市、中国『上海』
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日本人にも馴染みのある中国の国際都市であるシャンハイは、世界中の大企業が拠点を設立しています。
40万人を超える外国人労働者が働くほど。
上海には大量の物資と人が集まるため、重工業も盛んで都市生産の7割以上が製鉄工場や発電施設が締めているほどです。
上海は今後の経済成長も期待できる都市であるため、重電系のエンジニアは特に注目したい都市です。
クリーンエネルギー生産に踏み切った!UAE『アブダビ』
出典:Wikipedia
石油やガスなどのイメージがあるUAEは、太陽光発電を中心としたクリーンエネルギーの開発に取り組んでいます。
太陽光発電を始めとした地球に優しいエネルギー生産に踏み切ったアブダビは、気候が1年を通して晴天となっているため太陽光発電での電力の生産はもちろん、R&D(研究開発)も盛んになっています。
エネルギー開発や研究などに興味のあるエンジニアはUAE勤務も検討するといいかもしれません。
UAEということで、報酬も高額である場合が多いというのも、アブダビで働くメリットと言えるかもしれません。
国内に飽きたら海外という選択も!? モノづくり系エンジニアは日本を飛び出しても活躍の場が豊富
もちろん日本国内でも、エンジニアは非常に重要度の高い仕事につくことも可能ですが、自身のスキルの向上はもとより、可能性を広げるということも考えて世界のエンジニア市場に目を向けることも必要になってくるかもしれません。
エンジニアは言語の壁を越えて、「技術」が自身のアイデンティティと成り得ます。
日本人エンジニアの技術力を世界にアピールするためにも、世界で働くことを考えてみてはいかがでしょうか。