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コラム

2024.05.17

QAエンジニアとは?仕事内容やキャリアパス、将来性についても徹底解説!

「QAエンジニア」と聞いて、どんなエンジニアを思い浮かべますか?初めてQAエンジニアという名前を知った時に「Q&A?お問い合わせ窓口?」と思われた方も少なくないのではないでしょうか。

実は、QAとは「Question Answer」ではなく「Quality Assurance」を指します。直訳すると「品質保証」にあたるのですが、具体的にはどのような業務を行うのでしょうか。そこで本記事では、QAエンジニアについてその仕事内容やキャリアパス、将来性、向いている人の特徴について徹底解説していきます。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

QAエンジニアとは

QA(Quality Assurance)エンジニアは「品質保証エンジニア」とも呼ばれ、主にソフトウェアサービスの品質保証を担います。

まずは「品質保証」が何を指すのか、どんな役割を担うのかなどQAエンジニアの基本について詳しく解説していきます。

QA(Quality Assurance/品質保証)とは?

「品質保証」とは、ソフトウェアの成果物の品質を保証することを指します。品質管理に関連した規格にも精通し、プロダクトに高い品質を保証することが必要となります。

ここでいう「品質」とは企業や成果物によっても異なるため一概には言えませんが、ソフトウェアが仕様通りの動作をしていることをユーザー環境を構築するなどして確認し、開発者に問題点をフィードバックすることで品質を確保します。

QAエンジニアの役割

QAエンジニアの基本的な役割は、名前の通りソフトウェアの品質を保証することになります。同様に品質に関わるエンジニアに「QCエンジニア」や「テスター(テストエンジニア)」が存在します。

QCエンジニアやテスターとの比較を交えながらQAエンジニアの役割をよりわかりやすく解説します。

QCエンジニアとの違い

QC(Quality Control)エンジニアとは、生産された製品の品質をチェックする仕事です。製品の品質検証や問題の発見や分析、不合格品の管理などを通じて不良品の流出を防ぎ、顧客からのクレームをゼロに近づけることを目指します。QAエンジニアとの違いは、以下の表のとおりです。

QAエンジニア QCエンジニア
役割 製品やシステムの改善 不良品の防止
業務範囲 テスト計画から品質改善まで 提供前の品質確認・検査
責任の範囲 製品提供後まで 製品の提供前

テストエンジニア(テスター)との違い

テストエンジニアとは、ソフトウェアや製品が正しく動くようにテストや、動作検証を行う職種です。QAエンジニアとの違いは、その役割やテスト対象、業務範囲などにあります。以下の表のとおりです。

QAエンジニア テストエンジニア
役割 品質保証・品質管理 テスト実施・バグ発見
テスト対象 ソフトウェア全体 モジュールやコンポーネント単位
業務範囲 テスト計画から品質改善まで テストの実施に特化
テストのタイミング 製品完成後 開発途中

QAエンジニアの仕事内容

QAエンジニアの役割は、ソフトウェアの品質を保証することになります。そんなQAエンジニアの具体的な仕事内容について詳しく解説していきます。

テストの計画・実行

QAエンジニアの主な仕事は、テストの計画と実行になります。プロジェクトのシステムに沿ってポイントや確認内容を洗い出し、テスト計画を作成します。

多くの場合QAエンジニアがテストを実行するのはプロジェクトの最終段階になるため、テストのための下準備も早くから行う必要があります。

テストのフィードバック

QAエンジニアはテストの実行だけでなく、その結果の分析や改善ポイントの抽出までを行う場合があります。

そういった意味では、テストを行う技術力だけでなく、その結果を分析する分析力やまとめる言語力もQAエンジニアに必要なスキルになります。

仕様・設計の評価

QAエンジニアの本業は、完成したソフトウェアの動作を実際にユーザー環境を構築して検証することになります。

しかしながら、「品質保証」を行うことが根幹に存在するため設計時点での品質チェックも行います。そのため、仕様や設計の抜けや漏れをQAエンジニアが確認することもあります。

テストの自動化

テストの速度と確実性を向上するために、QAエンジニアが品質テストの自動化ツールを作成する場合も存在します。

厳密には、テストの自動化ツールの作成はSET(Software in test)と呼ばれるエンジニアが行うことも多いのですが、テスト計画において品質・効率・コストを考慮し自動化ツールを導入するかを検討するのはテストエンジニアの業務になります。

QAエンジニアの年収

厚生労働省の職業情報提供サイト 「job tag」によると、QAエンジニアの国内平均年収は550.2万円になります。

国税庁による「平均給与」によると国内の平均給与は461万円です。国内の平均年収の約1.2倍の給与水準であることから、比較的高給な職種であると言えるでしょう。

QAエンジニアの将来性

人材の流動性や技術革新の進行速度が高まっている現代社会では、業種による将来性も就職を決める上で重要な要素になります。

そこで、こちらでQAエンジニアの将来性について、現状分析を含めて詳しく解説していきます。

QAエンジニア市場の現状

様々な業種でDX化が進行し、IT技術の用途も多様化していることから、ソフトウェアの品質管理を司るQAエンジニアの需要は高まりを見せています。

また、IT人材が不足していることからエンジニア人材全体の需要が高く、転職や独立などのキャリアプランを考えている場合においても、QAエンジニア個人の需要としても高い水準にあると言えるでしょう。

QAエンジニアの将来性

品質管理は全てのソフトウェア開発における重要なフェーズであるため、今後も需要が続く職業であると考えられます。しかしながら、AI技術の発展により品質管理の自動化技術がより発展し、代替されていく可能性も否定できません。

しかしながら、ユーザー視点での検証やテスト設計などヒトにしかできない業務もあるため、優秀なQAエンジニアであれば早いうちに淘汰されることはないでしょう。また、先端技術を用いた開発が増加していることから、知識をアップデートし続けているQAエンジニアであれば今後も重宝される人材であり続けることができると考えられます。

QAエンジニアのキャリアパス

QAエンジニアとしてスキルを積んだ後のキャリアパスも、QAエンジニアを目指す上で重要な情報です。

  • テストアナリスト
  • QAコンサルタント
  • QAマネージャー
こちらでは上記の3つのキャリアパスについて詳しく解説していきます。

テストアナリスト

テストアナリストは、デバッグテスト結果の分析に焦点を当てた職業です。プログラミングや品質管理に関する知識だけでなく、高い分析能力もスキルとして持ち合わせている必要があります。

幅広い知識を必要とするだけでなく、分析力などの思考力もスキルとして要するため、貴重な人材として重宝される職業になります。

QAコンサルタント

QAコンサルタントは、品質管理戦略を立案するQAエンジニアの上流工程にあたる職業になります。プログラミングや品質管理の知識はより高いレベルで要求され、発想力や洞察力も必要とされるため、QAエンジニアのキャリアパスとして人気のある職業になります。

QAマネージャー

QAマネージャーはテストの計画から実施まで、全体を統括する職種になります。QAエンジニアのリーダー的役割を担い、プロジェクトのテストに関するマネジメント業務を行います。

QAマネージャーも当然プログラミングや品質管理の知識を必要とするほか、マネジメントやコミュニケーション能力も必要とするため、QAエンジニアのキャリアパスとして多く選ばれています。

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■エンジニアのキャリアアップについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
エンジニアがキャリアアップする方法とは -20のキャリアプラン事例を解説-

QAエンジニアにおすすめの資格

QAエンジニアとしてのキャリアを向上させるためには、専門的な資格を取得することが非常に有効になります。

  • ソフトウェア品質技術者資格認定
  • JSTQB認定テスト技術者資格
  • IT検証技術者認定試験(IVEC)
特におすすめな上記の3つの資格について解説していきます。

ソフトウェア品質技術者資格認定

ソフトウェア品質技術者資格認定(Certified Software Quality Engineer, CSQE)は、品質保証の専門知識を証明するための資格です。プロセス改善、テスト、品質監査、プロジェクト管理など、品質保証の多岐にわたる分野での知識をカバーしています。

CSQEを取得することで、ソフトウェアの品質管理に関する高度なスキルを持っていることを証明することができるため、非常におすすめです。 ソフトウェア品質技術者資格認定

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストの専門知識を認定する国際的な資格です。

レベルは、基礎レベルから上級レベルまであり、テストプロセス、テスト管理、テスト技術などの分野での知識を評価します。JSTQBを取得することで、ソフトウェアテストのベストプラクティスを理解し、実践できる能力を証明することができます。 JSTQB認定テスト技術者資格

IT検証技術者認定試験(IVEC)

IT検証技術者認定試験(IVEC)は、IT分野の検証技術者としての能力を評価する資格です。テスト手法、テスト計画、テスト実行、欠陥管理など、IT検証に必要な知識とスキルを評価します。

IVEC資格を取得することで、ITプロジェクトにおける品質保証の専門家としての信頼性を高めることができます。 IT検証技術者認定試験(IVEC)

QAエンジニアに求められるスキル

QAエンジニアが求められるスキルは多岐に渡ります。

  • プログラミングスキル
  • テスト・品質保証に関する知識
  • ソフトウェア開発の知識
  • コミュニケーションスキル

基本的な知識・スキルだけでも以上の4つは身につけておきたいので、これらについて詳しく解説していきます。

プログラミングスキル

QAエンジニアは、開発に使用されているプログラミング言語の構造や特徴に精通している必要があります。

プログラミングスキルは、以下の業務を行う際に必要となります。

  • プログラムの修正
  • テスト自動化ツールの開発
  • プログラムの評価と解析
QAエンジニアは膨大なデータを扱うため、場合によってはテスト自動化ツールをプログラミングして作成する必要があります。また、開発資料やソースコードを読み解き、ソフトウェアの品質を評価するためにプログラミングスキルが必要です。機能仕様や設計内容を確認し、問題を特定する能力が求められます。

テスト・品質故障に関する知識

QAエンジニアは、テスト計画の立案と実行、品質管理を主な業務として担当します。テスト計画を作成する際には開発内容に応じて適切なテスト手法を選択する判断が重要です。効果的な設計を行うため、テスト技法の特徴やメリット・デメリットを把握しておく必要があります。

また、QAエンジニアはテストを行うだけでなく、ソフトウェアの品質管理や品質保証を担当することもあります。そのため、QAエンジニアは各工程での品質管理や保証のプロセスをマネジメントし向上させることが求められます。また、開発内容によってはISOなどの品質保証規格の認証取得が必要な場合もあり、これらの制度に関する知識を持つことが重要です。

ソフトウェア開発の知識

QAテストエンジニアには、ソフトウェア開発に関しても、深い知識と理解が求められます。 テスト結果をもとに提案する際や開発プロセス全体にフィードバックを行う際には、ソフトウェア開発に関する知識が不可欠です。

QAエンジニアはプログラマーやシステムエンジニアと協力して開発プロジェクトの品質管理や改善を行うため、開発工程の理解が十分でなければ、適切なテスト計画や改善策を提案することは難しくなります。

コミュニケーションスキル

QAエンジニアは他のエンジニアに比べ、関係者と綿密にやり取りするため、コミュニケーションスキルが重要です。

まず、システムの機能や要件を理解するために、開発者や関連部署とコミュニケーションを取ります。また、テスト結果や不具合を開発者に伝え、改善策や再発防止策を考案し、品質向上に向けて提案を行います。

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エンジニアがスキルアップする方法!磨くべきスキルや必要な理由を解説!

QAエンジニアとしてやっていくのはきつい?

インターネット上では、「きつい」「やめとけ」という声も見受けられます。その理由は以下の4つです。

  • 仕事の裁量が小さい
  • 責任が大きい
  • 納期に追われることが多い
  • 単純作業が多い

仕事の裁量が小さい

QAエンジニアの仕事は、テスト計画やテストケースの作成、実施などには比較的裁量があります。一方で、最終的には上司やクライアントの指示に従うことも多いです。

そのため、仕事の裁量が小さくなり自己表現が制限されることをストレスに感じる方もいらっしゃいます。

責任が大きい

QAエンジニアは、責任が大きくプレッシャーを感じやすい仕事です。
業務がプロジェクトの中でも最終工程にあたり、不具合や脆弱性を見逃すことができないからです。ITシステムの不具合や脆弱性は、企業や社会に大きな障害をもたらす可能性があります。この責任の重さから、仕事に圧迫感を感じる人もいます。

プレッシャーに弱い人にとっては、この責任の重さが辛く感じられるかもしれません。そのため、余裕を持ったスケジュールや開発チームとの密な連携が重要となります。

納期に追われることが多い

システム構築やソフトウェア開発では納期が厳しく、十分なテスト時間を確保できないことが多いです。ソフトウェアの機能や仕様が頻繁に変更され、テスト計画やケースの作成が追いつかない場合もあります。

また、不具合や脆弱性が発見された場合、その原因特定や対策の検討にも時間がかかります。 急な要件変更やトラブルが発生することも珍しくありません。これらによって、労働時間が長くなったり残業をする場合も出てくることがあります。

単純・繰り返し作業が多い

QAエンジニアの仕事では、同じテストケースを繰り返し実行することがあり、創造性のないルーティンワークに感じる人もいます。

しかし、QAエンジニアが担当するシステムやソフトウェアはIT技術の進歩と伴に日々変化しており、毎回完全に同じ手順や内容ではありません。そのため、単純作業が苦手な人でもそれほど心配する必要はありません。

QAエンジニア向いてる人の特徴

QAエンジニアに向いている人はどんな人なのかについても気になっている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

  • 注意深い
  • マルチタスクが得意
  • 論理的思考能力がある
そこで、QAエンジニアに向いている人に共通する上記の3つの特徴について解説していきます。

注意深い

注意深い人はQAエンジニアに向いていると言えます。

QAエンジニアはバグや不具合を見つける際に、その動作や流れを見落としなく確認していく必要があります。注意深く問題の有無や原因を探る姿勢は、QAエンジニアにとって重要なスキルです。

また、常に新しい技術や手法が登場するため、柔軟に穴無く学び直す姿勢も求められます。自分で調べ、必要な知識を網羅的に身につけることのできる注意深さを持つ人はQAエンジニアに向いていると言えるでしょう。

マルチタスクが得意

QAエンジニアには、マルチタスクが得意な人も向いていると言われています。

テストだけでなく、結果の分析や報告、開発工程の改善案の提案、顧客対応など幅広い業務を担当します。また、システムでは同時多発的に問題が発生することもあり、迅速な対応が求められます。

テスト工程は設計から管理まで多岐にわたり、効率的に業務を行うためには各工程に平行して着手する必要があるため、マルチタスクが得意な方はQAエンジニアに向いていると言えるでしょう。

論理的思考能力がある

これはエンジニア職全般に共通して言えることなのですが、論理的思考が得意な人ほどQAエンジニアに向いていると言えるでしょう。漏れなく重複なく条件を考えることが苦手だと、初歩の段階でつまづくことになってしまう可能性が高まります。

また、考えをうまく言語化し相手に伝える必要もあるため、論理的に考えそれを相手に伝えることが得意な人はQAエンジニアに向いていると言えるでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事では、QAエンジニアについてその役割や仕事内容だけでなく、キャリアパスや将来性、必要なスキルなど幅広く解説してきました。QAエンジニアは今後も需要が続いていく職業であることがお分かりいただけたと思います。

本記事を参考に、優秀なQAエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

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