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2024.10.04

車載ネットワークとは?ECUやCAN規格などを初心者にもわかりやすく解説

現代の車は、エンジン制御、ブレーキシステム、エアバッグ、エンターテインメントシステム、空調、さらには運転支援機能など多数の機能を制御する必要があります。しかし、ハッキングなどそれに付随する問題も多くあるのが事実です。そこで、本記事では

  • 車載ネットワークとは
  • 通信技術
  • 規格

などについて初心者でもわかりやすく解説しています。自動車に興味がある方や、エンジニアになってみたい方などはぜひ本記事を参考にしてください。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

車載ネットワークとは

車載ネットワークとは、車内に搭載されたさまざまな電子制御ユニット(ECU)やセンサーなどが互いに通信するためのネットワークシステムです。これにより、車両内の各部品がリアルタイムでデータをやり取りし、エンジン制御、ブレーキ、エアバッグ、エンターテインメントシステムなどのさまざまな機能が統合的に動作します。

ECUとは

ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)とは、 車両内の特定の機能を電子的に制御・管理するためのコンピュータです。例えば、エンジンECUはエンジンの燃料噴射や点火タイミングを管理し、ブレーキECUはブレーキの動作を制御する役割を担います。 ”ECUとネットワーク”

車載ネットワークが注目さている背景

ただ走るだけの車から、ナビゲーションシステムや空調が搭載されたのは最近の話ではありません。ではなぜ今になってさらに車載ネットワークが重要視されているのでしょうか。

自動運転システムの発達

まずは、自動運転技術が挙げられます。自動運転のためにはセンサーやカメラ、LiDAR(レーザーセンサー)などが車内外の情報を収集し、それをリアルタイムで処理・判断するため、大量のデータを高速にやり取りする必要があります。このため、従来の技術だけではなく、 高速なネットワーク技術が不可欠となっています。

コネクテッドカーの普及

コネクテッドカーのコネクテッドとは 車の通信機能を指します。例えば事故時の自動通信システムや地図データの受信、混雑状況などがConnectedの機能です。

セキュリティの重要性の向上

車両のECU同士や外部との通信が増えることで、 ハッキングのリスクも高まっています。 これに対応するため、車内ネットワークのセキュリティ対策が不可欠です。車両のネットワーク設計は、データの暗号化やアクセス制御などを取り入れて、より強固なものになっています。

自動車の技術が発展すると同時にハッキングの技術も上がっているため、ネットワークに対するセキュリティ対策は常に必要です。

これら技術の発展の方向性の裏付け

車載ネットワークが注目されている背景としてこれら3つをあげましたが、自動車業界では数年前から囁かれています。

その裏付けとして、今後の自動車業界を示すものとしては 「CASE」が有名です。これは、メルセデスベンツ社が2016年に提唱した考えで、4つの注目されうる単語の頭文字をつなげたものです。

C Connected(コネクテッド)
A Autonomous(自動運転)
S Shared & Services(シェアリングとサービス)
E Electric(電動化)
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車載ネットワークの通信技術

ECUについては先ほど説明しましたが、そのほかにも車載ネットワークのために用いられている技術は多くあります。

CAN(Controller Area Network)

CANは最も一般的な車両内通信プロトコルで、 ECU同士がリアルタイムでデータをやり取りするためのもの です。CANは、1983年頃にドイツの自動車部品メーカーが開発しました。そのあと実際に量産車へ採用されたのは、1991年のベンツSクラスです。自動車以外にも産業用の設備や医療関係の機器など、多くの分野でも採用されています。

プロトコルとは

プロトコルとは「規約」、「議定書」といった意味があり、通信でいうところの「プロトコル」とは、信号やデータ、情報を互いに送受信できるようにするために、 あらかじめ決められた約束事や手順のこと を指します。例えば、インターネットプロトコルはIP、WebサイトのプロトコルはHypertext Transfer Protocolを略してhttpと呼ばれます。

Ethernet

高速通信を必要とする新しい機能(自動運転や高解像度センサーのデータ伝送など)には、イーサネット技術が使われ始めています。例えば、日産自動車が2019年に発売した「スカイライン」でも用いられています。

その他の通信

CANとEthernet以外にも低速度で低コストのLINやCXPIなどもあります。

規格について

自動車の規格は、安全性、環境性能、技術標準などを確保するために定められており、世界中でさまざまな規制や標準が存在します。これらの規格は、各国や地域の法律、国際機関、業界団体によって策定され、主に 安全規格、環境規格、技術企画 の3つに分けられます。

車載ネットワークのCAN規格などは技術規格の中の1つです。

CAN規格

CANプロトコルは、開発元であるBosch社が仕様書を定め、その後に国際標準化機構(ISO)が「ISO11898」「ISO11519」で規格化しました。ISO11898は、通信速度125Kbps~1Mpbsまでの高速CAN通信(CAN-C)の規格で、現在ではデータリンク層のみの規格「ISO11898-1」と物理層のみの規格「ISO11898-2」に分かれています。ISO11519は、通信速度が125Kbps以下の低速CAN通信の規格となります。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では車載ネットワークと規格などについて解説しました。現代は技術の発展スピードが上がっていて、その影響はもちろん自動車にもあります。一見複雑そうにも見えますが、車載ネットワークの技術を活用することで車の利便性の向上や安全性の向上に寄与しています。本記事で興味が出た方はぜひ自動車エンジニアを目指してみてください。

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