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コラム

2024.10.18

車の開発者になるには?必要なスキルや資格、なるためのルートを3つ紹介!

車の開発者になるには、何が必要かご存知ですか?自動車の開発には、エンジンやシャシー、デザイン、電装系などさまざまな分野の専門知識が求められます。車好きで、自分の手で未来の車を創りたいという夢を持つ方には、エンジニアとしてのスキルだけでなく、問題解決力や最新技術への探究心も欠かせません。この記事では、

  • 自動車の開発者になるには
  • 必要な知識
  • 必要な資格

などについて解説しています。車の開発者になりたい方はぜひ本記事を参考にしてください。

監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

車の開発者とは

一言で車の開発と言えど、その種類はシステムの開発、部品の開発、自動運転の開発などさまざまです。そのため、車の開発にはどのようなものがあるのか解説します。

まずは、ソフトウェアかハードウェアかという観点から種類分けします。

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自動車開発の仕事の流れとは?年収やソフトウェア開発も併せて解説

車のソフトウェア開発

まずは、ソフトウェア開発についてです。ハードウェアと違い、車のシステム部分を開発します。

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自動運転開発エンジニア

一般公道を走る自動車の自動運転に関する設計、開発、評価等を行います。自動運転車を開発する場合、最初の設計から最後のテスト走行まで仕事は多岐にわたります。

安全システム開発

エアバッグ、ブレーキ、衝突回避システムなどの安全機能を設計し、乗員保護のための性能を確保します。

コネクティッドカー開発

車両をインターネットに接続し、スマートフォンやクラウドサービスと連携させるシステム開発を担当します。

車のハードウェア開発

続いてはボディや部品などのハードウェア開発についてです。

インテリアデザイン開発

内装のレイアウトや素材、色、操作性を設計し、快適さと機能性を両立した空間を作ります。

エクステリアデザイン開発

車の外観デザインを作り上げ、ブランドイメージや美しさ、空力性能を考慮したスタイルを追求します。

環境対応技術開発

排ガス低減や軽量化、リサイクル可能な素材の採用など、環境負荷を減らす技術を研究・開発します。

エアロダイナミクス開発

空気抵抗を減らし、燃費や走行安定性を高めるための空力デザインやシミュレーションを行います。

パワートレイン開発

エンジンやモーター、トランスミッションなど動力系統の開発で、燃費や環境性能、パワーを高める設計を行います。

その他

そのほか、ハードウェアとソフトウェア両方の性質を兼ね備える開発領域もあります。

HV・EVシステム開発

ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)に必要なバッテリー、インバーター、充電システムなどの開発を行います。

HMI(ヒューマンマシンインターフェース)開発

運転者が操作するインターフェースやディスプレイ、スイッチなどを設計し、使いやすさや安全性を向上させます。

自動車業界の構造

続いて、自動車業界の構造について解説します。車の開発者になりたい方はこの理解が必要不可欠です。なぜならば、何の開発がしたいかにより何次サプライヤーに位置するかが変わるからです。

自動車産業の構造は完成車メーカーと直接取引する1次サプライヤー(ティア1サプライヤー:tier 1 supplier)、その下のサプライヤー(tier 2 supplier)、またその下のサプライヤー、等々とピラミッド構造です。その中で 自動車エンジニアは完成車メーカーとティア1サプライヤーで自動運転の開発を行っています。

自動車部品の開発を行うのであれば下のサプライヤーに位置します。

”自動車業界の構造”

車の開発者になるルート3選

車の開発者になるためには主に3つのルートがあります。自分が今、学生なのか社会人なのかによって今後歩むべき道が変わります。

専門学校を経て開発者になる

まずは、自動車を専門とした学校に入学しその後開発者としてキャリアアップしていくという方法が考えられます。

23.5%の人が専門学校卒業が多いと感じているようで、大卒者に並び2番目の数字となっています。

メリット

  • 実践的な知識を学べる
  • 自動車業界に就職できる可能性が一番高い

デメリット

  • 入学金がかかる
  • 自動車整備士になれる可能性は高いが開発に携われるとは限らない

大学を経て新卒で開発者になる

次に、大学院または大学を経て新卒で開発者になる方法があります。主に理工系の学部、特に機械、電気・電子、化学、物理、数学、情報工学を専攻している場合が多いです。

実際に、56.9%の人が大卒者が多いと感じているようで、これは一番大きい数字となっています。

メリット

  • 最新の知識を学術的に学べる
  • 分野を選べば自動車開発について一番学習できる

デメリット

  • 入学金がかかる
  • 自動車業界に採用されるとは限らない

中途採用で開発者になる

最後に、中途採用により自動車の開発者を目指す方法があります。中途採用は、自動車関連産業もしくは同業の自動車メーカーからの転職者が多いです。

メリット

  • 経験があれば一番開発部門に配属される可能性が高い
  • 諸費用がかからない

デメリット

  • 未経験から採用される可能性が低い

未経験から車の開発者になる方法

中途採用は、前述したように自動車関連産業もしくは同業の自動車メーカーからの転職者が多いです。そのため、未経験から車の開発者になる方法を解説します。

生かせる知識を探す

自動車業界以外で働いていたとしても、例えばエンジニアであれば採用される可能性は高いです。

生かせるハードスキルはこれらのものです。

  • C++、C#、Python、Oracleの知識
  • データ分析に関する知識・実務経験
  • チーム開発経験
  • リサーチに必要な基本的な英語力(主に読み書き)
  • 画像認識領域でのAIアルゴリズム開発経験
  • WEBシステム(フロントエンド、バックエンド)・クラウド・アプリ開発経験
  • 組み込みソフトウェアの開発経験
  • ITインフラ・セキュリティ業務経験

勉強する

エンジニアとしての職歴がなく、自動車業界にもいなかった方は勉強する必要があります。具体的な勉強方法はこれらのものです。

資格取得を目指す

まず、資格取得を目指す方法が挙げられます。実践的な知識を学ぶことは難しいですが、資格取得を目指すことは勉強の指針になり、知識の証明にもなるためおすすめです。具体的な資格については車の開発者になるために役立つ資格で紹介します。

自動車業界の中で就職しやすい職業に就職する

実践的なことを学ぶ方法として、とりあえず就職してしまうという方法もあります。例えば、自動車販売は比較的就職しやすい職業です。例え非正規雇用だったとしても、そこから正規雇用に登用される例もあります。自動車販売は、自動車整備と買取と一体化していることもあるため、幅広く経験を積むことができるかもしれません。

車の開発者が用いるハードスキル

つづいて、車の開発者が用いるハードスキルについて解説します。主なエンジニアを2種挙げたので参考にしてください。

自動運転開発エンジニアが用いるスキル

  • C++、C#、Python、Oracleの知識
  • データ分析に関する知識・実務
  • チーム開発経験
  • リサーチに必要な基本的な英語力(主に読み書き)
  • 画像認識領域でのAIアルゴリズム開発
  • WEBシステム(フロントエンド、バックエンド)・クラウド・アプリ開発

自動運転開発エンジニアに転職する際にはこれらのハードスキルを用いることがあります。

車載セキュリティエンジニアが用いるスキル

  • 組み込みソフトウェアの開発の知識
  • ITインフラ・セキュリティ
  • 自動車産業における基礎知識
  • 車載ECUソフト開発知識
  • 車載系の電気・電子システム部品開発の知識

セキュリティ関係のハードスキルはこれらのものです。

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車載セキュリティとは?UN-R155、ISO/SAE 21434の規格などをわかりやすく解説

車の開発者が用いるソフトスキル

技術や知識だけでなく、開発者にはソフトスキルも重要です。

プレゼンテーションスキル

開発を担当する人に必須なのが開発内容やアイデアを分かりやすく伝える力です。社内外のステークホルダーに対して、自分の考えを論理的に伝え、理解と支持を得るスキルが求められます。

創造力

続いて、創造力も開発者ならではの特徴的なスキルです。新しいアイデアや革新的なソリューションを考える創造力が、他の車と差別化するために重要です。特にデザインや新技術の開発においては、既存の枠にとらわれない発想が求められます。

コミュニケーション能力・チームワーク

自動車開発は多くの部門や専門家が関わるため、効果的に情報を共有し、意見を調整する能力が不可欠です。エンジニアやデザイナー、マーケティング担当者など、異なる分野の人々と円滑に連携する力が求められます。また、自分の役割を果たすだけでなく、他のメンバーをサポートし合いながらプロジェクトを進める姿勢が求められます。

問題解決能力

開発中には多くの予期せぬ問題が発生します。技術的な障害や設計の変更に柔軟に対応し、効率的に解決策を見つける能力が重要です。

車の開発者に関連する資格

車の開発に生かすことができる資格はいくつかあります。

3次元CAD利用技術者

CAD利用技術者試験は2次元と3次元の2種類があります。CADは工業や土木・建築の分野でコンピュータを活用して設計を支援するシステムです。3次元では自動車、機械メーカーの設計者もしくは設計補助、オペレーターなどに生かすことができる資格です。

種類 受験料 形態 合格率
1級 16,500円(税込)※準1級/1級保持者は11,000円(税込) 実技 30%
準1級 11,000円(税込) 実技 50%
2級 7,700円(税込) 筆記 60%

※1級と準1級の受験には2級以上の有資格者である必要があります。

自動車整備士

自動車整備士も車の開発に生かすことができる資格です。 自動車整備士になるためには、一定の受験資格を満たしたうえで、国土交通大臣の行う自動車整備士技能検定『学科試験(一級の場合は筆記及び口述試験)及び実技試験』を受け、合格しなければなりません。

AI関連資格

自動運転の開発者になるにはAI関連資格を取ることをおすすめします。

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セキュリティ資格

車のセキュリティ関連の開発者を目指す方はセキュリティ関連の資格もおすすめです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、車の開発者になるにはどうすべきかについて解説しました。現在の自分の知識や学歴によってどのようなルートをたどるかは異なります。自分が車の何の開発者になりたいのかをよく考え、行動に移すことが大切です。

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