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コラム

2024.10.28

車業界の今後とは?10年後の将来性、日本と世界のこれからについて解説

車業界は、今大きな変革期を迎えています。電気自動車(EV)の普及、コネクテッドカーや自動運転技術の進展、さらにはカーボンニュートラルに向けた規制強化など、技術革新と環境対応が急速に進んでいます。従来の自動車メーカーだけでなく、テクノロジー企業もこの分野に参入し、新しい競争環境が生まれつつあります。

そこで、本記事では

  • 自動車業界の構造
  • 業界の最近の動向
  • 注目されている技術

などについて詳しく解説します。車業界への転職を考えている方はぜひご覧ください。

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監修:大畑 健一(おおはた けんいち)

パーソルクロステクノロジー株式会社
採用・教育統括本部 ICT採用本部 キャリア採用部 2G
メーカーや教育、キャリア系を中心にネットワークエンジニアの経験を持つ。
2020年10月にパーソルクロステクノロジー(旧パーソルテクノロジースタッフ)に入社。
2022年4月から現在の部署にて中途採用エンジニア向けの広報を担当。

今後の車業界を示す「CASE」

今後の自動車業界を示すものとしては 「CASE」が有名です。これは、メルセデスベンツ社が2016年に提唱した考えで、4つの注目されうる単語の頭文字をつなげたものです。

C Connected(コネクテッド)
A Autonomous(自動運転)
S Shared & Services(シェアリングとサービス)
E Electric(電動化)

Connected(コネクテッド)

これは 車の通信機能を指します。例えば事故時の自動通信システムや地図データの受信、混雑状況などがConnectedの機能です。
このように、以前よりもさらに車内外とのシステムの連携やセキュリティが重視されるようになりソフトウェアを担当する自動車エンジニアの需要も高くなりました。

Autonomous(自動運転)

自動運転については、車について知識がない方もご存じだと思います。もうすでに簡単な自動運転技術が搭載されている車も多くありますが、さらに高度な運転技術も一般化できるように研究、開発が進んでいます。

自動運転は、国際的に「レベル0」から「レベル5」までの段階に分けられており、完全な自動運転であるレベル5の実現にはまだ時間がかかるとされています。それまでに、 技術、インフラ、法整備が急速に進んでいくでしょう。

Shared & Services(シェアリングとサービス)

これは、個人が車両を所有する代わりに、必要なときだけ車を利用できるカーシェアリングやライドシェアリングサービスを指します。シェアリングモデルは、車両の利用効率を向上させ、所有コストを削減するため、最近では多くの都市で普及してきました。

このサービスは、一家に一台車を所有する価値観が一新されたことに特徴があります。また、シェアリングサービスのために生産台数は減っていくとも考えられます。

Electric(電動化)

これは自動車の動力源を従来のガソリンやディーゼルエンジンから電気モーターに置き換える動きです。環境問題への対策として電動化が進みました。しかし、充電する場所の確保などまだ課題も多くあります。そのため各国でも電気自動車優遇の政策がとられつつあり、一気に電気自動車へのシフトが進む可能性があります。

自動車業界の構造

まず、自動車業界の構造について解説します。自動車業界へ興味がある方はこの理解が必要不可欠です。なぜならば、何次サプライヤーに位置するかによって開発するものが変わるからです。

自動車産業の構造は完成車メーカーと直接取引する1次サプライヤー(ティア1サプライヤー:tier 1 supplier)、その下のサプライヤー(tier 2 supplier)、またその下のサプライヤー、等々とピラミッド構造です。その中で 自動車エンジニアは完成車メーカーとティア1サプライヤーで自動運転の開発を行っています。

自動車部品の開発を行うのであれば下のサプライヤーに位置します。

”自動車業界の構造”

その上、従来のガソリンエンジン自動車は、約3万点の部品を効率的に組み立てるため、自動車メーカーを頂点とした「系列」、いわゆる「垂直統合型」の産業構造です。特に高度成長期には、自動車メーカー毎に、それぞれ独立した「系列」を持っていました。

車業界の構造の今後

自動車業界はこのように、長らくピラミッド構造で発展してきましたが、その構造さえも今後変化していく可能性があります。

海外展開

まずは海外展開が進む中で、メーカーごとの結束が緩み、さらに調達改革を進めたことにより経営を立て直したことを背景に、「系列」自体が徐々に緩やかなものになっていきました。

高度な技術の利用

また、従来のガソリンエンジン自動車は、主に機械工学の範囲の技術でしたが、技術の発達とともに、自動車の電子化が進んでいます。その結果、電気・電子部品やソフトウェアの技術が必要になり、それらを従来の系列内部で調達できない場合は、系列外部から調達するようになっていきました。 このように、今までの「系列」内の技術では十分対応できないことが増えた自動車メーカーは、系列の内部調達の比重を下げ、外部調達の比重が増えています。結果として、現在、自動車メーカーを中心とする垂直統合型の産業構造が水平分業型に変化していくと言われているのです。

”自動車業界の構造の変化”

自動車シェア率の今後

まずは、現在の国別、ブランド別の自動車シェア率です。

国別シェア率

国名 シェア率
中国 31.5%
アメリカ 18.4%
日本 5.3%
インド 4.5%

ブランド別シェア率

 
ブランド名 シェア率
トヨタ 12.4%
VW 9.8%
日産・ルノー・三菱 8.0%
ヒュンダイ 7.7%
ステランティス 7.6%

このように、現在は中国が先導していますが、日本はブランドの強さがあるということがわかります。

今後

中国メーカーが存在感を増しているのは何と言っても電気自動車(EV)市場です。 EVの世界販売台数は1000万台を超えました。一時的な停滞は見られなくはないものの、今後もEVシフトが進んでいくと考えて良いでしょう。

日本はEV関して遅れをとっていると言えます。そのためEVで有名な中国のBYDなどがブランドイメージを向上させシェア率を伸ばしていく可能性があります。

販売経路の今後

現在はディーラーを経由して車を購入するのが一般的ですが、多くの自動車メーカーがオンライン販売に参入してきています。自動車以外でもこの傾向は顕著なので今後、さらに広まっていくと考えられるでしょう。浮いたコストを商品力に回せるなど、多くの利点があります。

車業界への転職の将来性

車業界の変革により求められる人材が変化してきています。

求められる人材

まず、これから求められるのはエンジニア関係の人材だと言えます。なぜならば、前述したように、CASEの車時代においてエンジニアは必要不可欠だからです。

その中で有名なのは車のソフトウェア部分を担当するソフトウェアエンジニアです。ハードウェアと違い、車のシステム部分を開発します。

【関連記事】
■自動車エンジニアについてはこちらの記事をご覧ください。
自動車開発エンジニアの仕事内容とは?セキュリティ関係やAI、転職にいかせる経験を解説

車載セキュリティエンジニア

車載セキュリティエンジニアとは、次世代モビリティを中心に、車両に関連したサイバーセキュリティシステムに関するコンサルティング・リスクアセスメント・構築運用に携わります。次世代モビリティ産業の発展の基盤を担う形で、社会的意義を果たしていくことを目指すことができます。

自動運転開発エンジニア

一般公道を走る自動車の自動運転に関する設計、開発、評価等を行います。自動運転車を開発する場合、最初の設計から最後のテスト走行まで仕事は多岐にわたります。

安全システム開発

エアバッグ、ブレーキ、衝突回避システムなどの安全機能を設計し、乗員保護のための性能を確保します。

コネクティッドカー開発

車両をインターネットに接続し、スマートフォンやクラウドサービスと連携させるシステム開発を担当します。

注意が必要な職種

一方で、注意が必要な職種もあります。

一例としてはこれらのものです。

  • ディーラー
  • 整備士
  • 運転手

例として3つの職種を挙げましたが、すぐになくなるわけではありません。加えて、工夫して自分の長所をアピールすることで変化していく自動車業界で活躍することができます。

例えば、ディーラーは販路の変化により注意が必要ですが、オンライン販売では提供できない価値を提供することで求められるようになるでしょう。

整備士については、なくなるわけではありませんが元来とは違い、ソフトウェアの知識がより求められるという点において注意が必要です。

運転手は、今までよりもさらにレベルの高い自動運転技術が導入されれば需要が減る可能性があります。しかし完全無人のタクシーが市場に出るのにはまだ時間がかかるでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、車業界の今後についてわかりやすく解説しました。自動車業界は現在大きな変革期にあると言えます。この流れをうまくつかんでさまざまな業界から重宝される人材になれるようにスキルや知識を磨いていきましょう。

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