i:Engineerをご覧のみなさま。はじめましてアプリ開発者/デザイナーのシブタニエイジといいます。
「渋谷」と書いて「シブタニ」です。漢字で表記すると100%「シブヤ」と読まれるので基本カタカナ表記にしています。
さて、軽く自己紹介させていただきます。
4〜5年ほど前まで、関西でそこそこ有名なデザイン会社でデザイナー・アートディレクターとして勤務していました。
みなさんよくご存知のアパレル・インテリアショップや大手百貨店のグラフィックなどを担当。
しかし、リーマンショック以降業界が激変し、その変化に対応するため思い切って退職。
デザインという「受託業」から脱却し、クライアントに依存しない「発信業」の構築を開始しました。
現在は、デザインやwebサイトのコーディング業等を請け負う「受託業」と、ほぼ100%自社で開発したスマホ向けアプリをリリースする「発信業」の2本軸をメイン業務としています。
2014年秋に、iOS向けゲームアプリ『くまのプレイといにしえの大戦記』という本格的なシナリオとスマホ独特のフリック動作を駆使したJRPGゲームを1人で開発しました。
ウソです! 本当は友人にも手伝ってもらいましたが、シナリオ、デザイン、プログラミングの大部分は1人で行っています。
彼女はいません。最近、猫を飼いはじめました。
Index
ネット不要、ソシャゲ要素ゼロの王道JRPGゲームアプリ『くまプレ』を開発
『くまプレ』は、動物たちが暮らす平和な村に住むくまのプレイが主人公。
ある日、1匹のくまが村の外れにある「近寄ってはいけない」と言われていた洞窟の中に入り、お宝を見つけますが異変が発生!
不思議な力を身に付けたプレイと仲間たちは、迫り来る困難に立ち向かいながら謎を解き明かす旅に出るというストーリーです。
王道のRPGで、スマホ独特のフリック操作を活かしたUIで直感的に遊ぶことができます。
ネット接続も不要で、ソシャゲ要素もなくして、感動のエンディングも用意しています。
懐かしくも新しく、それでいてヒットするJRPGが作りたい! が開発のキッカケに
僕がゲームアプリをリリースし始めた頃は、「なめこ」のような放置型ゲームや、ワンタップで遊べる「カジュアルゲーム」が最も興隆していた頃でした。
スマホの普及とともに誰でも気軽にゲームに楽しむようになった時期でもあります。
そうしたユーザーの増加から、当初は僕もカジュアルゲームを量産していこうと考えていたのですが、いくつかリリースして構想を練っているうちに、今でいう「ブーストアプリ」がAppStoreのランキングに目立ち始めました。
そして段々と、資本力のない個人開発者がまっとうに闘うにはいささか厳しい市場へと変化していき「このままじゃダメだなぁ」と感じるようになりました。
その後、今でもAppStoreのトップセールスに君臨する「パズドラ」や「モンスト」などがリリースされます。
いわゆる「ハクスラ」系のパズドラ亜種ゲームが次々と生まれてきました。
もちろんパズドラは、めちゃめちゃおもしろいですし(僕もいまだに毎日プレイ中)、スマホゲームの革命だとも思うのですが、どこか物足りなさを感じていたんですよね。
プレイする目的がないというか。終わりがないじゃないですか?
かつて熱中したドラクエやFFなどのJRPGにあったワクワク感がないというか……
「よし! じゃあ、自分でそういうの作っちゃおう!」という感じで制作に着手。
「カジュアル」でもなく「ハクスラ」でもない、ストーリーがあって終わりがあって、かつて感じたワクワク感があって、さらに今までにないスマホに特化した斬新なシステムで「めちゃめちゃおもしろくて、みんなが熱中できるゲームをつくろう!」と思ったのが、『くまプレ』開発のキッカケです。
「ゲームがおもしろければ、ユーザーはついてくるはず!」という意味不明な自信がありましたし、おもしろければ絶対にに収益に繋がるだろうという考えもありました(笑)
ですが、制作では色々と苦労することに……
キャラは、感情移入しやすいように徹底的にこだわってデザイン
こんな感じで製作していくワケですが絶対にやりたくないことがいくつかあって、その1つが「勇者・魔王・ドラゴン」をモチーフにしたRPGを作るということです。
これらのモチーフは世界中に浸透し、誰にでも分かりやすく最短距離でユーザーに届くのですが、やはりその反面“やりつくされてる感”も同時に醸しだされます。
懐かしさを出しながらも、全く新しいゲームを作りたいと思っていたので“懐古的な物”に頼りたくなかったんですよね。
昔ながらのゲームファンだけじゃなくて、いままでゲームをしてこなかった女の子などの幅広い層に受け入れられるように考えながら、キャラクターのデザインをしていきました。
結果、くまのプレイが生まれます。
▲当初はこのように、様々な能力を加味できる汎用性の高いデザインでした
▲しかし、ストーリーに入り込んでもらうために、感情移入しやすいように現在のカタチに修正
なんていうか性格ですね。
細かい所でちょっとひねくれてるんです(しょうもないこだわりは捨てて素直にドット絵で勇者モチーフにしたらよかったかなぁと、今は思ってますが……)。
開発に難航! RPGのように仲間に頼って何とかリリース
『くまプレ』の開発は順調に進んだわけではなく、1年の歳月が掛かっています。
デザイン会社をやめるまでプログラミングは全くの初心者でしたし、没頭できる本格的なオリジナルストーリー制作や、今までになかったスマホに特化したゲームシステムの考案など、ほとんど初めての経験だったので苦労した点をあげればキリがありません……
中でも、モンスターデータ(HPなどのパラメータや、ステージに対する出現パターン)の管理がかなり大変でした。
さすがに自身の知識だけでコーディングするのは現実的じゃなかったので、同じ開発仲間の「ROADTO」の高浜さんに相談し、データベースでモンスター関連のデータを管理するシステムを構築していただきました。
とまぁ、正確には1人ではなく2人で制作しているのですが、ゲーム内で見られるスタッフクレジットにはかなり多数の人間が登場しています。
もちろん、これは僕と高浜さん以外は架空の人物です!
前述したような理由から、「カジュアルゲーム」の印象を少しでも払拭したかったんですよね。大作感を出したかったんです!
ただ、色んな方々から「1人で作ったことをアピールした方が絶対拡散されやすいし今後のためになる」的なことをいわれたので現在のバージョンではクレジットは2人だけになってます(笑)。
デザイン業やアプリ開発業と共に、大作ゲームに再チャレンジもしてみたい
『くまプレ』は、構想からリリースまで1年近くかかっているのでそれを考慮すると、ビジネス的には課題があったと言えます。
とは言っても僕の場合、アプリ開発と並行してデザイン受託も行っているので全体で見ればトントン。
ただ、アプリ開発単体で見ると改善の余地はある状態です。
今後は、カジュアルな放置系やクリッカー系のゲームを月1くらいでリリースしながら、同じようにデザイン業務を行っていくつもりでいます。
確実に売れる算段が立てられれば、大作ゲームにも再チャレンジしてみたいと思ってます。
プログラミング言語さえ習得できれば、誰でもAppStoreやGooglePlayといった新しい市場で発信業を構築できるので、少しでもゲームのアイデアがあるエンジニアの方は、とりあえずやってみることをオススメします!
シブタニ エイジ
デザイナー/アプリ開発者
10年間務めたデザイン会社を退職後、デザイン業とスマートフォンアプリ開発業で独立。
スマートフォンアプリの代表作に『【本格JRPG】くまのプレイといにしえの大戦記』『テリブルロード【上から落ちてくるやつに当たったら死亡】』などがある。
デザイン業でも、Web、グラフィックデザイン、アプリデザインをメインに行っている。クオリティだけでなく一味違った企画・デザインを提供している。
・お問い合わせ
サイト→http://age-d.com
アプリ→http://apps.age-d.com
メール→info@age-d.com
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