IoTエンジニアって何?仕事内容や必要な資格、やりがいについて解説

家電や住まい、自動車などの「モノ」をインターネットでつなぎ、遠隔操作や情報収集を可能にするIoT。この技術を支えているのが、IoTエンジニアです。
この記事では、IoTエンジニアの仕事内容や持っておきたい資格のほか、仕事のやりがいなどについてご紹介します。

IoTエンジニアとはIoTの企画設計からプログラミングまで行う専門職のこと

IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略で、さまざまなモノに通信機能を持たせて、相互に情報交換を行う仕組みです。例えば、家電をIoTで接続すれば、そのときの状況によって室内の照明や温度を調整したり、外出先からスマートフォンでロボット掃除機を動かしたりといったことが可能になります。

こうした仕組みを設計・構築するのがIoTエンジニアです。プログラミングやネットワークの構築といった実作業だけでなく、製品の企画設計から関わるなど、幅広い業務範囲をカバーする専門職であり、今後も高い需要が見込まれます。
この記事では、IoTエンジニアの仕事内容や必要なスキル・資格、やりがいについてご紹介します。

IoTエンジニアの仕事内容

IoTエンジニアの主な仕事は、プロジェクトの設計やプログラミングの実装とテスト、そしてシステムの運用や保守です。ここでは、詳しい業務内容について解説します。

プロジェクトの設計

プロジェクトの設計とは、どのようなサービスをどのような形で製品化するかを企画設計する、最上流の工程のこと。この初期段階の企画設計からIoTエンジニアが参加する場合もあります。

クライアントにヒアリングを行い、要件定義を行って、それを設計書に落とし込んでいきます。サービスや製品の内容を具体的に固め、作業の方向性を決定する重要なプロセスです。
企画設計では、エンジニアとしての知識や経験値はもちろん、製品化した際の使いやすさ、使い勝手の良さといった、ユーザー目線での発想も大切になります。

プログラミング実装・テスト

プログラミング実装とは、企画設計が固まった後、プログラミング言語を使ってプログラムを組むことをいいます。
IoTの場合、OSやネットワークといったソフトウェア面だけでなく、それを組み込む端末やデバイスなど、ハードウェアの知識も必要です。そのため、エンジニア1人ですべて対応することは少なく、大抵の場合は複数のエンジニアがそれぞれに担当を決めて、協力しながら業務を進めていきます。

実装が済むとテストを行い、デバッグや修正点を確認。IoTの場合、製品としてリリースしてしまうと、後から不具合を修正することが非常に困難な場合があります。そのため、念入りにテストを繰り返し、チェックを重ねていきます。

システム運用・保守

システム運用・保守とは、製品としてリリースした後に、運用や保守の面でのサポートを続け、サービスの安定的な提供に努めることを指します。必要に応じてメンテナンスやアップデートを行いますが、バグの対応やセキュリティ対策は特に重要な作業です。
こうした対応は安全性と使い勝手の向上につながり、それはユーザーと販売元、つまりクライアントへの信頼につながります。「あのメーカーの製品は、使いやすくて信頼できる」という評価は、販売元の評判のみならず、IoT製品全体の評価を高め、市場を拡大することにもつながっていきます。

IoTエンジニアに必要な知識・スキル

IoTエンジニアに必要な知識・スキル

IoTエンジニアの業務範囲は幅広く、複数の分野にわたる知識やスキルが求められます。そのため、実際の業務では、それぞれに得意分野を持つエンジニアが複数でチームを組み、作業にあたることが多いのですが、スキルの幅を広げておけば、キャリアの形成に寄与することにもつながります。
IoTエンジニアとして活躍したいと考えるなら、少なくともハードウェアとソフトウェア、それぞれの基礎的な知見は必須です。加えて、IoTエンジニアなら持っておきたい知識やスキルについてご紹介します。

IoTに関する知識

IoTの開発では、組み込み系システムのほか、Wi-FiやBluetoothなどのワイヤレスネットワーク、セキュリティシステムなど、各分野での知識が求められます。
また、IoTデバイスで取得したデータはクラウド上に集積され、ビッグデータとしてAIによる解析が行われることが多いため、この方面の知識も必要になります。
IoT家電は、一般的にスマートフォンで操作することになりますから、スマホアプリの開発経験があるとさらに有利です。

ハードウェア、デバイスの知識

IoT製品の開発では、ソフトウェアの知識だけでなく、デバイスと基板、各種センサーなど、ハードウェアに関する知識も不可欠となります。
また、IoTは家電だけでなく、自動車や建物、医療機器、さらに交通や物流など、さまざまな形で活用されています。単にソフトウェアを作るだけでなく、それがどんな分野で、どのように使われるのかというところまで理解しておく必要があるでしょう。

コミュニケーションスキル

クライアントとの打ち合わせやチームメンバーとのディスカッションでは、コミュニケーションスキルは必須です。これは、IoT開発に限らず、すべてのエンジニアに必要なものといえます。
特にクライアントは、担当者がエンジニアの場合を除き、必ずしもIoTに精通しているとは限りません。ですから、要件定義の段階では、どんなサービスを作りたいのか、重視したいポイントはどこかということを引き出しながら、ヒアリングを重ねる必要があります。
その後の仕様追加や修正を避け、製品のクオリティの向上や作業の効率化を果たすためにも、コミュニケーションスキルは重要といえるでしょう。

IoTエンジニアが取得したい資格

IoTエンジニアになるために必要な資格は、特にありません。しかし、持っていると有利という資格はあります。自分自身のスキルをアピールし、また自信をつけるためにも、これらの資格を取っておくことをおすすめします。

IoT検定

IoT検定は、IoT検定制度委員会が行う検定試験です。エンジニアに特化した検定ではないため、技術分野だけでなくマーケティングやサービスの提供、ユーザーから求められる要素などについても出題されます。ユーザーも含めて、IoTに関わるすべての人向けの内容であり、幅広い知識が試される検定です。

IoTシステム技術検定試験

IoTシステム技術検定試験は、IoTビジネスに関わる人を対象にした技術検定試験です。内容によって基礎、中級、上級の3つのレベルに分かれていて、IoTの基礎知識の理解、システムの提案から構築・運用のほか、ソリューションの開発や提案などの実力が試されます。
上級試験となると難度は高いですが、合格すれば転職でも自分のスキルの証明に役立つでしょう。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験

エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは、IoT開発で必要になる広範な知識の中でも、組み込みシステムに特化している試験。ハードウェアとソフトウェアの双方にわたって、要求仕様の策定、開発・実装・テストといった各プロセスで求められる、実務的な知識と技術が問われます。
試験は春と秋の年2回行われ、4択問題のほか、記述式・論述式試験も実施。IoT系のフルスタックエンジニアを目指す人には最適な試験といえます。

IoTエンジニアのやりがい

IoTは、それ自体がまだ新しい分野です。家電や建物、自動車といった人々の身近なものに組み込まれ、利用されていますが、その用途はこれからますます広がっていくものと考えられます。それに併せて、さまざまな技術が開発されていくことでしょう。

IoTエンジニアは、そうした最新のインターネット技術を常に意識しながら仕事をし、ITによって世の中を便利にしていくという役割があります。これは自分の仕事の成果を実感できるという点で、大きなやりがいにつながるはずです。
同時に新しい分野だからこそ、今後の需要の拡大と将来性に期待が持てます。実際に、IoTエンジニアは人材不足の状態が続き、慢性的な人手不足となっています。今から必要な知識とスキルを身につければ、さらに拡大する市場の中で大いに活躍できそうです。

やりがいがあり、需要が見込まれるIoTエンジニア

IoTは、ビッグデータを取得するためのデバイスという面がある一方で、その本質は「人の生活を便利に、より快適にするためのもの」です。近年になってスマート家電やスマートハウスが普及してきたところですが、これから多種多様な分野で活用が進み、IoTエンジニアの需要がますます期待できます。

エンジニアに特化した人材サービスを提供するパーソルクロステクノロジーでは、豊富な専門知識を備えたキャリアアドバイザーが、IoT分野を目指す人の経験やスキル、適性を踏まえ、IoTエンジニアとしてのキャリアを丁寧にサポートします。まずは、お気軽にご登録ください。

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※記事に記載の内容は、2023年2月時点の情報です

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