プログラミング言語の中でもウェブ開発によく使われ、汎用性も高いPHP。この言語を操るPHPエンジニアは、安定した需要があります。
今回は、PHPエンジニアの仕事内容や必要なスキル、学ぶメリットのほか、年収アップに必要な経験などについて解説します。
PHPは、ウェブの開発でよく使われるプログラミング言語
PHPとは、ウェブサービスやウェブアプリケーションの開発によく使われるプログラミング言語です。主にサーバーサイドで動作するため、サーバーサイド言語とも呼ばれます。
サーバーサイド(またはバックエンド)とは、ウェブサービスやウェブアプリケーションでユーザーと直接やりとりする部分であるフロントエンドと対をなす言葉です。フロントエンドからの指示を受けて、サーバー側でデータの転送などの処理をする領域がサーバーサイドだと捉えればわかりやすいでしょう。
PHPはサーバーサイド言語の中でもMySQLやPostgreSQLなどのデータベースとの連携が容易で、HTMLの中に埋め込んで利用することができます。また、構文がシンプルで初心者にも理解しやすいことと、汎用性が高いという理由で人気を得ています。
PHPエンジニアの仕事内容
PHPは、2022年12月時点において、サーバーサイド言語の中でも最も高いシェアを占めており、PHPエンジニアの需要も安定したものとなっています。そのため、近年のPHPエンジニアの仕事内容は、ウェブ関連にとどまらず幅広いジャンルに広がっているようです。PHPエンジニアの代表的な仕事内容を、3つご紹介します。
出典:W3Techs.com「World Wide Web Technology Surveys」
ウェブ開発
PHPエンジニアが最も多く関わっているのはウェブ開発です。さまざまなウェブサービスやウェブアプリケーションが、PHPによって作り出されています。
ECサイトであれば、受注管理、在庫管理、顧客管理など、データベースとの連携が必要な部分をPHPエンジニアが開発することも多いでしょう。また、商品の検索システム、関連商品の表示、店舗の予約システムなどのサービス開発も対応する範囲となります。
ほかにも、SNSサービスやチャットサービス、CMS(WordPress)、CMSのカスタマイズなどにもPHPはよく使用されています。
業務システム開発
PHPエンジニアは、企業内で使用する業務システムの開発に携わるケースもあります。例えば、請求書、見積書、納品書などの各定型書類の作成アプリケーションのほか、在庫管理システム、経理システムなどが挙げられます。
ゲーム制作
オンラインゲームをはじめとするPC、スマートフォン向けのゲームアプリの開発にもPHPは使用されています。特に、サーバーサイドでの処理が必要な場合に、PHPが採用されるケースが多いです。
PHPエンジニアに必要な知識・スキル
PHPエンジニアとして活躍するためには、どのような知識やスキルが必要なのでしょうか。ここでは、PHPエンジニアに必要な知識・スキルを具体的に見ていきます。
サーバーやデータベースの知識
PHPで記述したプログラムはサーバーサイドで実行されるため、サーバーやデータベースに関する知識はPHPエンジニアにとって必須となります。
例えば、サーバーの環境構築をする上で欠かせないのが「LAMP環境」です。LAMPは、Linux、Apache、MySQL、PHP(またはPerl、Python)の頭文字を合わせた言葉です。ウェブアプリケーションを開発する環境として広く普及しているこの4つに関する知識は、PHPエンジニアにとっても不可欠といえます。
PHPのプログラミングスキル
PHPのプログラミングスキルも、PHPエンジニアには欠かせません。要件に従って必要かつ品質の高いコードを書く能力が求められます。PHP5以降はオブジェクト指向の言語としての特徴も備えているので、その基本概念についても理解しておく必要があるでしょう。
また、PHPには、ウェブアプリケーション開発などに活用できる各種フレームワークが用意されています。これらを上手に利用するスキルがあれば、コードの記述量を減らしてスピーディーな開発が可能になります。
PHP以外のプログラミングスキル
PHPと並行してよく使用されるプログラム言語についても習得していると、仕事の幅が広がります。PHPのみしか使えないようだと、ウェブ開発などの際に支障をきたすことがあるかもしれません。
具体的にはHTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ言語の習得が挙げられます。また、MySQL、PostgreSQL、Oracle Databaseなどのデータベース管理システムについてのスキルもあると良いでしょう。さらには、JavaScript、Ruby、Pythonといったプログラム言語も扱えると有利です。
ウェブサービスやアプリの開発スキル
ウェブ開発であれば、ウェブサービスやアプリの開発経験があるほど高い評価を得られるでしょう。これは、業務システム開発やゲーム制作の場合も同様です。
実際の開発経験によって知識を蓄積していくことが、PHPエンジニアとしてのスキルを向上させる最も効果的な方法といえます。
PHPを学ぶメリット
PHPを学ぶことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのポイントについてご説明します。
ニーズが高く、案件が豊富
PHPを使って開発されるウェブアプリケーションやウェブサービスは非常に数が多く、豊富な案件が存在します。人気の高いCMSであるWordPressにも、PHPが採用されています。多くのECサイトや企業サイト、オウンドメディアがPHPで作られている点は大きなメリットです。
それらの構築、カスタマイズ、管理、改修などにPHPエンジニアのスキルが必要とされるため、PHPを学ぶことが仕事の安定的な確保へとつながります。
習得の難度が低く、初心者でも学習しやすい
構文がシンプルなことで知られるPHPは、初心者でも比較的習得しやすいプログラミング言語です。すでにHTMLやCSSを理解しているなら、1日に3時間勉強したとして、トータル3ヵ月程度で簡単なプログラムを作成できるようになるでしょう。
解説サイトや学習スクールが充実している
PHPはメジャーな言語なので、何か疑問点などがあってもウェブで検索すればさまざまな解説サイトやエンジニアのブログを見つけられます。
また、eラーニングや書籍を活用すれば独学で学ぶことも可能であり、本格的な学習スクールも充実しています。こうした学習環境が整っているのも大きなメリットです。
PHPエンジニアが年収アップを目指す上で必要なこと
PHPは習得しているエンジニアも多いため、年収アップを目指すには他者にはないプラスアルファの経験が求められます。PHPエンジニアが年収をアップさせるには、下記のような経験を積むことが重要です。
フレームワークの利用経験
PHPを用いたウェブアプリケーション開発やシステム開発では、開発工数を減らすためにしばしばフレームワークが使われます。過去に各種フレームワークを利用した経験があれば、それだけプロジェクトに参加しやすくなります。求人の中には、特定のフレームワークの使用経験があることが条件に入っていることもあります。
仕様書、設計書の作成経験
コードを書くだけではなく、仕様書や設計書の作成経験もあれば、上流の作業にも対応できるという評価を得られます。幅広い作業を任せられる分、収入にも反映されるでしょう。
プロジェクトマネジメント経験
PHPエンジニアとしてのキャリアを積み重ねていくと、プロジェクトマネージャーとして進捗や人員、予算、納期、品質などの管理を担う立場になる道が開けます。こうしたマネジメント経験を持つPHPエンジニアは、どのような企業でも歓迎されるでしょう。
業界経験
開発経験だけではなく、システムを使用する側の業界の経験があれば、そのプロジェクトに参加する際に大きなアドバンテージとなります。例えば、動画配信サービスのシステムを作るなら、実際に動画配信サービスの業務に携わったことがあれば、ユーザーのニーズを把握できるため有利です。
大規模開発の経験
PHPは、一般的に大規模開発よりも中小規模の開発で用いられることの多い言語です。そんな中でも規模の大きいシステムの開発に参加した経験があれば、エンジニアとしての評価は上がりやすいでしょう。
PHPエンジニアの将来性と年収相場
PHPエンジニアの現在の需要や年収相場は、どのようになっているのでしょうか。需要や年収相場を押さえておくと、PHPエンジニアの将来性も見えてきます。
PHPエンジニアの現在の需要
PHPエンジニアの需要は高く、求人の案件数も安定しています。懸念があるとすれば、近年の需要が著しく増えているわけではないという点でしょう。しかし、それは市場が安定しているという側面でもあり、PHPエンジニアの供給バランスは程良く保たれているともいえます。
今後、需要が急激に減少するとも考えられず、安定状態は継続していくはずです。
PHPエンジニアの年収相場
日本での求人例を確認すると、PHPエンジニアの年収は、およそ400万~600万円の範囲が多いようです。ほかのプログラミング言語と比較するとやや低い傾向があるのは、PHPエンジニアの数の多さが関係していると考えられます。
PHPエンジニアの求人例
PHPエンジニアの求人例を、具体的に見ていきましょう。下記は、「パーソルクロステクノロジー」の派遣求人で過去に掲載された求人例です。
■パーソルクロステクノロジーでの求人例
職種:開発エンジニア |
仕事内容:社内業務システムの保守開発とデータ抽出 環境:ASP.NET(C#)、PHP、DB(Oracle、SQL Server)、Excel 年収:約460万円(※) |
職種:開発エンジニア |
仕事内容:自社/グループ会社のウェブアプリケーション企画、開発 環境:PHP、JavaScript、SQL、SCSS、Laravel、Vue.js、Bootstrap、PHPUnit、Jest 年収:約460万~500万円(※) |
職種:開発エンジニア |
仕事内容:社内からの新規機能の追加依頼や改修依頼に合わせたシステム開発 環境:PHP、JavaScript、jQuery 年収:約500万~540万円(※) |
※時給×8時間×20日×12ヵ月による概算
▼「パーソルクロステクノロジーのPHPの派遣求人」についてはこちら
PHPの派遣求人
PHPエンジニアをきっかけとして、ステップアップも目指してみよう
ウェブアプリケーションやウェブサービス、業務システムなどの開発に携わりたいと考えている人にとって、PHPはそのきっかけとして取り組みやすいプログラミング言語です。まずはPHPエンジニアとしてのスキルを身につけ、ほかの言語も視野に入れつつステップアップを目指してみてはいかがでしょうか。
エンジニアの自己実現をサポートするパーソルクロステクノロジーでは、PHPエンジニアをはじめ、さまざまなITエンジニア、クリエイティブ職、機電エンジニアの方々に向けた求人情報を掲載しています。
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キャリア支援について |IT・機電エンジニアの派遣求人ならパーソルクロステクノロジー
※記事に記載の内容は、2023年1月時点の情報です