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CAE解析に必要な「有限要素法」について

機電派遣コラム

CAE(英: Computer A ided Engineering)とは、コンピュータ技術を活用して製品設計、製造や工程設計の解析を行う技術のことです。

CAEは今や産業界になくてはならないツールの一つとなっており、その解析を支える「有限要素法」にも技術者・研究者は着目しなければなりません。

今回の記事はその有限要素法についてご紹介します。

 

CAE解析に必要な「有限要素法」とは何か?

有限要素法(英:Finite Element Method、略してFEM)とは、微分方程式を近似的に解くための数値解析方法の1つです。

複雑な構造物を「小さな要素」の集合体として、個々の要素ごとに方程式を作った上で、全体の方程式を組み立てて解く手法のことを指します。

 

弾性体の変形問題、熱伝導の問題、流れの問題など、いわゆる連続体の問題は数学的に記述すれば偏微分方程式の問題になるので、それを解くことは容易ではありません。

特に構造物が複雑な場合は、極めて困難な計算になります。

しかしながら、物体を細かく分割し個々の小部分だけについて考えるならば、その特性を比較的簡単な式で近似解を得られます。

これが有限要素法の基本的な発想です。

※ 有限要素法の利点:コンピューター処理に適している任意の形状を容易に扱うことが可能詳しい応力分布を解析が可能

 

有限要素法の「歴史」と関係する「解析学」

有限要素法が開発された時期は1950年代の後半ごろで、弾性力学に応用したものが最初だとされています。

今日の有限要素法の直接の起源となったのは、航空機の強度解析のためのマトリックス構造解析法」という手法です。

マトリックスの形で定式化すると、コンピューター処理にも適するということが分かったので、この解析手法の発展がCAEの技術として現在に繋がっています。

 

※有限要素法に関係する解析学・変分法有限要素法にはベースとなる数学があり、それは17世紀にジャン・ベルヌーイによって始められた「変分法」があります。

変分法は微分法に大変似ています。

 

重み付け残差法:1960年代後半から1970年代前半にかけて、数学者から「重み付け残差法(Weighted Resdual Method)」が提案されました。

この方法は変分法の副産物で、線形・非線形微分方程式に関係なく、簡単に有限要素式を導き出せます。

 

誤った理解でCAE解析作業を行わないためにも

CAEの解析手法には「有限要素法」「有限差分法」「境界要素法」があります。

この中で最も有名なのが有限要素法です。

CAEの基本的な工程は

CADデータ(構造物)を読込み

メッシュ作成(要素の作成)

荷重や拘束の設定(境界条件の設定)

となります。

PCによる入力作業がほとんどなので、ある程度の知識があれば結果を導き出すことが可能です。

 

しかしながら、扱う技術者が誤った理解と認識でソフトを利用すると、設計変更の繰り返しの原因となり、結果的にCAEは設計に使えないツールとなってしまう危険性があります。

解析結果のデータを考察できる技術と、業者に説明できる知識は必要なので、解析の基礎となる有限要素法は覚えておきたいところです。

 

今、求められる「設計者CAE」

設計者CAEとは、設計検討の段階でCAE解析専任者に依頼するほどではない簡単な解析を設計者自らが行うことを指します。

また、設計者CAEによって、製品開発サイクルを早め試作や設計変更の手戻りを減らすことで、コストと開発機関の短縮が期待できます。

従来の専任者CAEと設計者CAEが上手く調和することで、問題の早期発見や設計の最適化が進むわけです。

CAEフロントローディングの効果が上げるためには、設計者CAEの存在が必要不可欠と言えます。

 

CAEを学ぶ

産業界になくてはならないCAEは、基礎となる「有限要素法」から学ぶ必要があります。

しかし、CAE技術者になるのは容易ではありません。

効率的な方法として、材料力学や流体力学などの分野・コースが選べ基礎から学べるCAEユニバーシティ」などの教育システムを活用したり、線形解析から非線形解析まで学べる構造解析基礎セミナー」などの解析セミナーを受講する方法があります。

 

応用が多い構造強度設計についての講習会に参加することも有意義な方法です。

構造強度設計を例に、CAEを使った設計結果の検証・妥当性の確認やモデリングを学習することができます。

 

ある程度の知識を得たら、ワークショップに参加することも有効です。

設計者向けCAEソフトウェア「SOLIDWORKS」を使った「パスタを使って、強い橋を作ってみてください」というワークショップでは、設計・解析・製造・実験・コンペのプロセスを体験できます。

設計者CAEのメリットや製造を意識した設計のあり方を身を持って学ぶことができるのです。

 

「難しい」と考える前にまず使ってみることが大切

CAEによる問題解決の寄与はごく僅かですが、実験データとの比較により無駄な工程や危険を予測する知識が身につきます。

CAEはPCでの作業がほとんどなので、難しく考える前にまず自分でやってみることが大切です。

そしてCAEの原理を知りたい時に、初めて有限要素法の必要性が理解できると思います。

 

 

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