altJS(代替JavaScript言語)とは?選び方と注意点を徹底比較!
altJSとは、JavaScriptでの効率的な開発に役立つ「JavaScriptの代替言語」のことです。
この記事では最適なaltJSを選ぶためのポイントや注意点、代表的な5つのaltJSをご紹介します。
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開発を効率化するaltJS(代替JavaScript言語)
altJSとは「alternative JavaScript」の略で、代替JavaScript言語のことです。
altJSで書かれたプログラムは、コンパイルすることで最終的にJavaScriptコードを生成することができます。
altJSを使用するメリットは、JavaScriptで記述するよりも少ないコード量にできるため、コードの読みやすさや保守性が高まることです。
一方で、ほとんどの場合JavaScriptへコンパイルする必要があるため、コンパイルの知識が必要になることや、コストが増えるなどのデメリットもあります。
altJSが必要とされる理由
最近ではブラウザの性能が上がり、JavaScriptで大規模開発をする機会が増えてきました。
JavaScriptは言語として十分な機能がありますが、様々な問題点もあります。
それらを解決し、効率的な開発を実現するのがaltJSなのです。
Javascriptについて
Javascriptは汎用性が高く、フロントエンドエンジニアからWebデザイナーまで、幅広いIT業界の開発者に利用されているプログラミング言語です。
ウェブブラウザ上で動作し、動的なウェブサイトの構築やWebアプリの開発に用いられています。
開発環境を構築する必要がなく、ブラウザとテキストエディタがあればすぐに開発をはじめられるというメリットがあります。
その使い勝手のよさゆえに、Javascriptにはライブラリやフレームワークが数多く存在し、日々新しいものが開発されています。
そんなJavascriptですが、いくつかの問題点があり、苦手な人が多いのも事実です。
JavaScriptの問題点
問題点として挙げられるのは、主に以下の5点です。
- クラスの概念がない
- 名前空間の概念がない
- 型チェック機能がない
- 動的型付けのため、バグが発生しやすい
- もともと小規模のスクリプト言語として作られため、大規模開発などでは使いにくい
altJSの選び方のポイントと注意点
上記の問題点を解決できる特徴を持つaltJSをご紹介します。
TypeScript(タイプスクリプト)
TypeScriptは「静的型付け」や「名前空間」「クラスベースオブジェクト指向」を取り入れた言語です。
これらの機能は、Javascriptの大規模開発における欠点を補います。
【静的型付け】
TypeScriptでは、変数にデータ型を付与することができるので、Javascriptという動的型付け言語を静的型付けとして扱うことができます。
【名前空間】
Javascriptには名前空間という機能はありませんが、オブジェクトリテラル等を使用すれば名前空間を生成することができます。
【クラスベースオブジェクト指向】
Javascriptにはクラスの概念がありませんが、即時関数でカプセル化を行うことでクラスのような扱いをすることができます。
代表的な5つのaltJS
現在数百種類以上のaltJSが存在しています。その中でも代表的なものをご紹介します。
altJSツールの比較
言語 | 設計・開発元 | 影響を受けている言語 | 型付け |
---|---|---|---|
TypeScript (タイプスクリプト) |
Microsoft | JavaScript, Java, C# | 静的 |
CoffeeScript (コーヒースクリプト) |
Jeremy Ashkenas | JavaScript, Python, Ruby, Haskell |
動的 |
Haxe (ヘックス) |
Haxe Foundation, Nicolas Cannasse |
ActionScript, OCaml | 静的 |
JSX | DeNA | JavaScript, ActionScript | 静的 |
Dart (ダーツ、ダート) |
Java, C++, JavaScript, CoffeeScript, Go |
動的 (静的型も使用可能) |
■ TypeScript(タイプスクリプト)
マイクロソフトが開発した言語で、JavaScriptと文法はほぼ同じなので、JavaScriptを理解しているの技術者には習得しやすいのが特徴です。
日本語情報が整っている点でも学習しやすい言語といえます。
また静的型付け言語であり、大人数・大規模な開発に向いています。
注意しなければならないのは、型チェックなどの機能があるため、コンパイルに時間がかかってしまうことです。
■ CoffeeScript(コーヒースクリプト)
Rubyなどに影響を受けたシンタックスシュガーにより、JavaScriptよりもコンパクトに開発や可読性の高いコードを書くことができるのが特徴です。
また動的型付け言語であるため、少人数・小規模な開発に向いています。
採用実績も多く、Ruby on Railsで採用されています。
■ Haxe(ヘックス)
AcrionScriptやC#に似た文法を持つオブジェクト指向言語。
汎用性が高くJavaScript以外にもActionScript、C++、C#、Java、PHP、Pythonへ変換することが可能です。
またコンパイルが高速かつ静的型付け言語であるため、大人数・大規模な開発に向いています。
■ JSX
DeNAが開発したオブジェクト指向言語です。
文法がJavaScriptとよく似ているため、学習コストが低く導入しやすいのが特徴です。
静的型付け言語であり、大人数・大規模な開発に向いています。
■ Dart(ダーツ、ダート)
Googleによって開発された、大規模なウェブ・アプリーケーションの開発に対応できるオブジェクト指向言語です。
標準仕様としては動的型付けですが、オプションとして静的型付けもできることが特徴です。
まとめ
JavaScriptでの開発を効率化するaltJSは、実に多くの種類があります。
導入する場合は、型付けの種類や学習のしやすさを比較してみるのがポイントです。
altJSそれぞれの特徴を理解し、自社のプロジェクトの規模などに適応したものを選ぶようにしましょう。