【Windows10】Cortanaを完全無効化・非表示にする方法とは
Windows10のパソコンに搭載されている、デジタルエージェント「Cortana」(コルタナ)。マイクを使って「コルタナさん」と話しかけると、音声の命令で検索結果を表示したり、アプリケーションを操作したり、メールを送ったりできるパーソナルアシスタントです。
便利な機能ですが、「パソコンに話しかけるのは抵抗がある」といった違和感や、
- 「Cortanaが重い」
- 「Cortanaが勝手に起動してうるさい」
- 「アンインストールしても大丈夫なのか?」
などの声も聞かれ、動作の邪魔になるので無効化する、あるいは非表示にしてパソコンの高速化を図りたいと考える人も多いです。
この記事では、コルタナを無効化する方法、非表示にする方法を解説していきます。
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Windows10に搭載「Cortana」とは
「Cortana」は、マイクロソフトによって開発されたAIアシスタントです。
この名前は、マイクロソフトのファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)のシリーズ「HALO」に登場する人工知能の名前から付けられています。
ここでは、Cortanaの主な機能と使い方について解説していきます。
手助けしてくれる機能
コルタナの主な機能は以下の通りです。
天気や予定を確認する
システム内のアプリケーションを開く
アラームをセットする
おしゃべりやゲームをする
コルタナは、ユーザーの声でパソコンを操作できる、新しい時代のアシスタントです。
パソコンのマイクに向かって、「こんにちは」と話しかければ、「こんにちは。何かお手伝いできることはありますか?」と答えてくれます。
その具体的な使用例をご紹介しましょう。
【例】
「今日の天気は?」と話しかければ、設定されている現在地の天気を表示し、天気と気温を音声で読み上げてくれます。
「電卓起動」と話しかければ、「了解しました。電卓を起動します」と返事をして、電卓のアプリケーションを起動してくれます。
「30分後に起こして」と話しかければ、30分後にアラームが設定され、30分後にアラームが鳴ります。
また、コルタナは実用的なことだけではなく、「好きな色は?」という簡単な質問にも答えてくれたり、おみくじやじゃんけんなどのゲームの相手もしてくれます。
使い方
コルタナの主な使い方は3つです。
Microsoft Edgeで使用する
マイクで話しかけて検索や操作をする
まずは、初期設定の方法から説明します。
初期設定
パソコンによってはすでに設定されていることもありますが、タスクバーの検索ボックスに、「Cortanaに何か聞いてみてください。」と表示されている場合は、まだ初期設定がされていません。
初期設定は、以下の手順で行います。
STEP1.
タスクバーの検索ボックスをクリックして、コルタナのホーム画面を開きます。
STEP2.
コルタナの簡単な紹介が表示されます。
「次へ」のボタンをクリックします。
STEP3.
情報の提供を求めるメッセージが表示されます。
コルタナを使うには、いくつかの個人情報をマイクロソフトに提供する必要があります。
内容を確認して、「Cortanaを使う」のボタンをクリックします。
STEP4.
「お使いになる前に、Microsoftアカウントでサインインする必要があります。」
とメッセージが出るので、サインインします。
STEP5.
「準備が完了しました。」と表示されます。
「了解です」のボタンをクリックします。
これで初期設定が完了します。
初期設定が終わると、タスクバーの検索ボックスに「何でも聞いてください」と表示されるようになるので確認しましょう。
マイクの設定
初期設定が終わったら、以下の手順でマイクの設定を行いましょう。
STEP1.
Windowsのスタートボタンの右側にある、マイクのアイコンをクリックします。
STEP2.
マイクのセットアップの画面が表示された場合、「次へ」のボタンをクリックしてセットアップを行います。
表示されない場合は、マイクが正常に設定されていますので、この先の設定は必要ありません。
STEP3.
※マイクのセットアップが必要な場合
「マイクのセットアップを完了するには、次の文章を読み上げてください」と表示されるので、画面に表示される太字のテキストを読み上げます。
STEP4.
「マイクのセットアップが完了しました。」という表示がされたら、マイクの設定は完了です。
「完了」ボタンをクリックして、セットアップ画面を終了します。
音声認識の設定方法
コルタナに話しかけて答えてもらうようにするには、音声認識の設定が必要です。
コルタナの音声認識の設定方法を解説します。
STEP1.
タスクバーの検索ボックスをクリックして、コルタナのホーム画面を開きます。
STEP2.
コルタナのホーム画面から、歯車の設定アイコンをクリックして、『「コルタナさん」と言ったらCortanaが応答する』をオンにします。
これで音声認識の設定が完了し、コルタナがあなたの声を聞き取って応答してくれるようになります。
あとは、Windowsのスタートボタンの右側にある、マイクのアイコンをクリックし、「聞き取り中・・・」と表示されたら、パソコンに向かって話しかけてみましょう。
例えば、「カルボナーラのレシピを教えて」と話しかけると、コルタナがMicrosoft Edgeを立ち上げ、検索結果を表示してくれます。
Cortanaの画期的な活用方法
コルタナには、画期的な3つの活用方法があります。
カレンダーの管理
メールやメッセージを送信する
これらの活用方法を特徴と合わせて紹介しましょう。
リマインダー
人と会う予定や会議のスケジュールに対してリマインダーを登録しておくと、コルタナがリマインドしてくれます。
コルタナのホーム画面から、ノートブックのアイコン→リマインダーと選ぶと、下の方の+アイコンからリマインダーを登録することができます。
リマインダーは、「連絡先」「場所」「時刻」のいずれかを指定して作成します。
「リマインダーの内容は何ですか?」という表示の下の入力欄に内容を入力して、その下の「連絡先」「場所」「時刻」のいずれかをクリックし、詳細を設定して「リマインダー」ボタンで登録完了です。
例えば、内容は「会議に参加」として、「時刻」を選ぶと、日時を選ぶウインドウが表示されます。
「毎週月曜日」などの繰り返しの予定の場合は、「一度だけ」と表示されているボックスから、任意の項目を選択しましょう。
「リマインダー」ボタンをクリックすると登録されます。
カレンダー
コルタナに話しかけて、カレンダーアプリにスケジュールを登録することもできます。
例えば、「コルタナさん、9月10日の12時に田中さんとランチ」と話しかけると、確認内容を表示して、「カレンダーに追加しますか?」と聞いてきます。
ここで「追加」ボタンをクリックすれば、Microsoftのカレンダーアプリに内容を登録してくれます。
メール送信
コルタナに「山田さんにメールを送信して」などと話しかけて、メールを送信してもらうこともできます。
コルタナは、Microsoftアカウントに関連付けて情報を収集し、「関心事」や「位置情報」「好み」などを学習していきます。
使えば使うほど、あなたにとって使い勝手の良いアシスタントに成長していくでしょう。
Cortanaは無効化できる?
色々と便利な最新機能を持つコルタナですが、常駐しているだけでかなりのバッテリーを消費します。
音声入力では声を上手く聞き取ってくれなかったり、聞き間違いによる誤作動も起こります。
使わない方にとっては、いたずらにバッテリーを消費してしまうだけの機能になってしまい兼ねません。
そこで、コルタナを無効にする方法をいくつか調べてみました。
以前は標準機能でコルタナをオフにすることができたのですが、Windows10 Anniversary Update以降、仕様が変わり、これまでのように簡単にコルタナを無効化することができなくなりました。
コルタナを非表示にする
「ひとまずは見えなくなっていればいい」という方には、この方法をおすすめします。
STEP1.
タスクバーの上で右クリックし、メニューから「Cortana」を選びます。
STEP2.
サブメニューから「表示しない」を選択します。
この場合、タスクバーに検索ボックスが表示されなくなりますので、ご注意ください。
バージョン別・cortanaを無効化する方法と影響
セキュリティ上で必要不可欠なWindowsUpdateですが、コルタナの挙動は特にUpdateの影響を受けることが多いので、ここでは無効化の方法をWindows10のバージョン別に説明します。
Windows 10 Anniversary Update以降の方法は、システムに関わる部分に変更を加えるため、パソコンの動作に悪影響を与える恐れがあります。
大切なファイルのバックアップと、復元ポイントの作成などをして備えた上で、自己責任でお願いいたします。
Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)以前
このバージョンでは、設定からコルタナを無効にすることが可能です。
STEP1.
スタートボタンから「Cortana」を選択し、コルタナのホーム画面を表示させます。
STEP2.
コルタナのホーム画面から歯車のアイコンをクリックし、設定画面を開きます。
STEP3.
「Cortanaは、おすすめの最新機能の表示、リマインダーや通知を設定、その他さまざまなことができます」と書いてある部分の下のチェックをオフにします。
Windows 10 Anniversary Update(バージョン1607)
Windows10のエディションが ProかEnterprise、またはEducationの場合は、「ローカルコンピューターポリシー(Gpedit.msc)」や「グループポリシー」で以下のポリシーを無効にすることで、コルタナをオフにできます。
STEP1.
タスクバーの検索ボックスに「gpedit.msc」と入力します。
STEP2.
「gpedit.msc(Microsoft Common Console Document)」が表示されるので、それをクリックします。
STEP3.
ローカルグループポリシーエディターが起動します。
左側のフォルダツリーから、以下のように進み、コルタナのポリシーを無効にします。
コンピューターの構成→管理用テンプレート→Windowsコンポーネント→検索→Cortana を許可する:無効
Windows 10 Creators Update(バージョン1703)・Windows 10 April 2018 Update(バージョン1803)
Windows10 Homeなどのエディションでは、グループポリシーエディタが使えません。
ここでは、レジストリエディタを使用してコルタナを無効化する方法を説明します。
ただし、レジストリを変更する方法はコルタナを停止して無効化するだけのもので、コルタナを完全に削除するものではありません。
完全に削除するには、マイクロソフト非公認のソフト(「Uninstall Cortana for Windows 10」など)を使う必要があります。
完全に削除してしまった場合、Windowsを再インストールしないと復活できませんので、よく考えてから決断してください。
STEP1.
Windowsマークを右クリックして「ファイル名を検索して実行」を選択し、検索欄に「regedit」と入力してOKをクリックします。
STEP2.
レジストリエディターが起動します。
左側のフォルダツリーから、
HKEY_LOCAL_MACHINE→SOFTWARE→Policies→Microsoft→Windows→Windows Searchと進みます。
STEP3.
Windows Searchという名前のキーを右クリックして、DWORD(32bit)値を追加します。(Windows Searchキーが存在しない場合は作成します)
STEP4
値の名前を「AllowCortana」に、値のデータを0に変更します。
STEP5
パソコンを再起動して、検索ボックスからマイクのアイコンがなくなっていれば、コルタナの無効化が完了したことになります。
また、タスクマネージャーからコルタナのプロセスを探して、設定ファイルのあるフォルダのフォルダ名を変更する方法などもありますが、少々強引な方法のためシステムに悪影響の出る可能性もあり、おすすめできません。
フリーソフトを活用する
フリーソフトのWindows設定変更ツールを使用して、コルタナを無効にする方法もあります。
『Windows設定変更ツール』
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/winupdateset/
使い方は簡単です。
わかりやすいインターフェイスで、「Cortanaを無効にする」のラジオボタンにチェックを入れ、「設定を変更する」のボタンを押すだけでOKです。
あとはパソコンを再起動すれば、コルタナが無効になります。
このソフトは、前述したグループポリシーやレジストリの変更をボタンひとつで行ってくれるので、システム周りの設定を変更する自信がない方におすすめです。
問題山積み!誰でもロック解除できる?
また、コルタナには背筋が凍るような脆弱性も示唆されています。
コルタナは、「質問された内容に最も合致する情報」をユーザーに提供しているため、入力された内容の危険性を認識することができません。
例えばパソコンをロックした状態でも、コルタナに話しかけると検索窓が開き、操作できてしまいます。
これを悪用されると、パソコンの個人情報を抜き取られたり、パスワードを改ざんされてしまったりする危険性があります。
こちらは、2018年6月12日に公開されたセキュリティーパッチ「Patch Tuesday」で対策されているので、お持ちのWindows10デバイスは必ず最新版に更新しておきましょう。
Windows10のリリース情報は、こちらのリンクから確認できます。
参考サイト「Microsoft 」:https://www.microsoft.com/ja-jp/itpro/windows-10/release-information
また、カフェなど公共の場でパソコンを使っている場合、席を立つ際はくれぐれも油断しないよう、十分な注意が必要です。
個人情報の流出はしっかり防ぐべき
コルタナに限らず、Windows10は新機能も増えてより便利になってきました。
しかしパソコンの性能が上がり、使い勝手が良く便利になっていくほど、人は油断しやすくなるものです。
ネット社会には個人情報を悪用しようと、常日頃から狙っている人たちがいることを忘れないでください。
マイクロソフトが相手でも、意図しない情報を収集されるのはあまり気分の良いものではありませんね。
Windowsのプライバシーの設定や、位置情報のオン・オフの設定をこまめに見直して、対策を行いましょう。
開発元も、セキュリティーパッチを配布するなどの対策をしていますが、過信せず自己管理をすることも必要です。
公共の場所に長時間放置しない、パスワードはしっかり管理するなど、パソコンを使う一人ひとりのセキュリティ意識の向上が大切です。
- コルタナを非表示にするのはタスクバー右クリックの設定で可能
- 個人情報の漏洩を防ぐため、Windows10デバイスは必ず最新版にアップデートする
- WindowsUpdateの度にコルタナの無効方法が変わる可能性があるので、常に最新情報をチェックすること