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ゆるブラック企業とは?特徴や働くメリット・デメリットをわかりやすく解説

いわゆるブラック企業にもホワイト企業にも当てはまらない、「ゆるブラック企業」の言葉が、主に若手ビジネスパーソンの間でトレンドになっています。

ゆるブラック企業とは、「残業」「パワハラ」といった一昔前の働き方のモデルや遵法精神の欠如した労働環境とは一線を画し、「働きやすさ」を重視した組織を整備する一方で、働きがいへの物足りなさや、待遇面への不満が募るなど、賛否両論の声が上がっている言葉です。働き方改革の推進が、誕生のきっかけともされています。

本記事では、ゆるブラック企業の特徴やメリット・デメリットの両面から、これからのビジネスパーソンの働き方について考えていきます。

ゆるブラック企業とは

ゆるブラック企業とは、ブラック企業と見なされるような長時間労働やパワハラなどの法令違反とは明確に距離を置き、働きやすい環境づくりを志向する一方で、「仕事にやりがいがない」「スキルアップできる環境ではない」と、ある種の物足りなさが指摘されている企業のことです。

つまり、ゆるブラック企業は、ブラック企業とホワイト企業の中間に位置する存在です。労働環境自体には問題がないため、転職や離職をするモチベーションも起きづらく、なんとなく流されるように働き続ける人が多くいることも特徴になります。

黒の次に明度が低い紫色に由来して、「パープル企業」とも呼ばれることもあります。

 

ゆるブラック企業の特徴

ゆるブラック企業にありがちな特徴を、具体的に見ていきましょう。

  • ホワイトな労働環境
  • 居心地がよい職場
  • 昇給・昇進がしづらい
  • スキルが身につきづらい

このように、ゆるブラック企業は労働環境や職場の雰囲気においては、ポジティブな特徴が目立ちます。一方で、待遇や働きがい、自身のキャリア形成などの観点からは、負の側面も指摘されています。

 

ホワイトな労働環境

ゆるブラック企業の労働環境は、限りなくホワイト企業寄りと評価できます。残業は少なく、過剰な労働負荷も求められません。基本的に定時退社ができ、かつ厳しいノルマなども課されないため、ストレスの溜まりにくい環境です。

ゆるブラック企業での勤務は、労働環境についてはポジティブに捉えられます。

 

居心地がよい職場

ゆるブラック企業は、職場環境も良好な傾向です。人間関係のトラブルが少なく、社内の雰囲気も和気あいあいとしており、心理的安全性が担保された仕事をしやすい環境といえます。

いつの時代であっても、人間関係に由来する悩みや不安は、離職理由の上位にランクインする項目です。離職率の低さも、ゆるブラック企業の特徴のひとつに数えられます。

 

昇給・昇進がしづらい

労働環境に優れている反面、ゆるブラック企業では昇給や昇進には大きな期待ができないとされています。

そもそも残業が発生しづらい環境なので、当然ながら残業代での収入上乗せは期待できません。仕事内容も高度な水準は求められない傾向であるため、そもそもの給与ベースも低く抑えられがちであり、昇給も望み薄となります。

こうした、ある種「ぬるま湯」のような労働環境に慣れてしまうと、昇進へのモチベーションも沸きづらくなります。結果、入社当時と比較してあまり変わらない給与水準のままで働き続ける人も珍しくありません。

 

スキルが身に付きづらい

業務負荷が低い点は、ゆるブラック企業のメリットとも捉えられます。しかし、これは裏を返せば「誰にでもできる仕事」ともいえるかもしれません。

ゆるブラック企業での定型的な業務に慣れてくれば、スキルアップを目指さなくても、一定水準の業務クオリティを保てるようになります。それはスキルが身に付きづらい環境とも言い換えられ、たとえば転職を考えた際も、企業から求められるスキルに達しておらず採用を見送られるケースも大いに考えられます。

ゆるブラック企業では、会社主導でのキャリア形成を望むのは難しくなるため、スキルアップやキャリア形成に対しては能動的なアクションが必要になります。

 

ゆるブラック企業で働くメリット

上述した特徴からもうかがえる、ゆるブラック企業で働くメリットをあらためて確認します。

  • ワークライフバランスを確保しやすい
  • 体力的・精神的な負荷が比較的軽い

ゆるブラック企業は、人によっては優良企業といえる存在です。たとえばキャリア形成を強くは望んでおらず、生涯を通じて仕事に重きを置かずにプライベートを優先したい人などにとっては、ゆるブラック企業は働くうえでこの上ない環境でしょう。

 

ワークライフバランスを確保しやすい

ゆるブラック企業では残業が比較的少ないため、ワークライフバランスの取りやすさは大きなメリットです。就業後に家族と過ごす時間や、趣味に注ぐ時間なども確保しやすくなるため、プライベートの充実を優先する人にはぴったりの勤務先になります。

なお、これは空いた時間を副業や資格取得へのチャレンジに充てるなど、ビジネスキャリアにおける前向きな理由にもなりえます。「ゆるブラック企業のメリットを活かす=ただ楽に仕事をする」とはならないこともポイントです。

 

体力的・精神的な負荷が比較的軽い

ゆるブラック企業での仕事は、定型的なルーティンワークが多い傾向です。職場の人間関係も良好であるため、体力的にも精神的にも、ストレスは溜まりにくいでしょう。そのため、給与などの待遇面よりも、ストレスフリーな仕事を優先する人に適した勤務先といえます。

現代は、身を粉にしてガムシャラに働けば、そのまま昇給・昇進できる時代ではありません。働く目的を明確に定められていない人にとっては、体力や精神を過度に削ってまで仕事に取り組まないほうが賢明なのかもしれません。

 

ゆるブラック企業で働くデメリット

一方で、ゆるブラック企業で働くことに対し懸念されるデメリットにも目を向けてみましょう。

  • 仕事にやりがいを感じにくい
  • キャリアアップが見込みづらい
  • ゆるい環境に慣れて抜け出せない

ゆるブラック企業は、キャリア志向が強い人や、自立心が旺盛な人には向かない職場です。常にスキルのアップデートが求められるエンジニア領域においては、不利になることも考えられます。

しかし、残業が少なく体力的にも精神的にも余裕のある働き方ができるため、資格の勉強やスキルアップの時間を捻出しやすいともいえます。指摘されるデメリットを前向きに捉えることもできるでしょう。

 

仕事にやりがいを感じにくい

ゆるブラック企業で定型業務に終始している状況下において、仕事にやりがいを見出すことは簡単ではありません。職場全体に和やかな雰囲気が蔓延していたら、仕事に熱意を持って取り組んでいても、上長や会社から適切な評価を受けることも難しくなるでしょう。

逆に考えれば、単調な仕事をコツコツとこなすことに満足感を得られる人であれば、ゆるブラック企業での仕事は天職にもなります。

 

キャリアアップが見込みづらい

新たな学びが求められない仕事に終始していては、継続的なスキルアップは難しくなります。経験年数とスキルセットが比例しない状況に陥ってしまっては、自身の市場価値も高まらず、キャリアアップも見込みづらくなるでしょう。

同じ職種であっても、会社が変われば得られるスキルも給与水準も大きく異なります。ゆるブラック企業での在籍年数が長くなるほど、これらの差は広がっていくと考えられます。

 

ゆるい環境に慣れて抜け出せない

人は変化を嫌う生き物です。ゆるブラック企業の環境に慣れてしまうと、なかなか抜け出せなくなってしまいます。

ゆるブラック企業は、職場全体の雰囲気が和やかです。特に、まだ経験が浅い若手ビジネスパーソンでは、「会社とはこんなもの」と知らず知らずのうちに染まってしまうかもしれません。現状に疑問を持つどころか満足してしまい、危機感を抱いたときには抜け出すのが難しい状況になっているケースも少なくないでしょう。

常にスキルアップが求められるエンジニア職では、こうした茹でガエルのような環境には特に注意しなければいけません。

 

ゆるブラック企業に入りたい人は多い?

あくまで仮説の域を超えませんが、「ゆるブラック企業に入りたい」と考えている人は増えていると見受けられます。

少し前の調査結果になりますが、公益社団法人日本生産性本部が報告した調査では、新入社員が望む働き方として「人並みで十分」の回答割合は、平成24年以降急増しています。

対照的に、「人並み以上」に働きたいと考える新入社員は激減しており、ゆるブラック企業のような働き方を志向する人は相対的に増加傾向にあることが示唆されます。

※引用元:平成31年度 新入社員「働くことの意識」調査結果|公益社団法人日本生産

また、同調査における「働く目的」に関しても、「楽しい生活をしたい」は増加傾向にある一方で、「自分の能力をためす」は、平成9年あたりから右肩下がりになっています。

※引用元:平成31年度 新入社員「働くことの意識」調査結果|公益社団法人日本生産

これらの結果が、ゆるブラック企業を志望する直接的な動機を反映しているとは明言できませんが、「できるだけ楽に仕事をしたい」という傾向自体は見て取れます。

ゆるく働けてプライベートを充実させやすい、ゆるブラック企業で働きたいと考える人は増えていると推測できるでしょう。

 

ゆるブラック企業から抜け出すには?

「ゆるブラック企業で働きたい」のニーズの増加傾向が推察される一方で、現在の職場に対し「ゆるブラック企業かもしれない」と危機感を抱く人もいます。

自身の置かれた状況から目を背け、ぬるま湯に浸かり続けることは、望むキャリア形成におけるリスク要因となりかねません。社内での働き方をあらためるほか、転職も検討することになるでしょう。

しかし現状のスキルが乏しく、転職活動にて失敗が続いてしまうと、現状に甘んじたくなるものです。まずはスキルアップに向けて、能動的なアクションを講じましょう。

幸いなことに、ゆるブラック企業では就業後の時間確保は比較的容易です。資格を取得する、副業をはじめるなど、ポータブルスキルを高める努力は欠かせません。

いずれにせよ、ゆるブラック企業から抜け出すためには、現状に満足しない姿勢がなによりも大切です。

 

まとめ
  • ゆるブラック企業とは、ブラック企業と見なされるような長時間労働などからは一線を画し、働きやすい環境づくりを志向する一方で、「仕事にやりがいがない」「スキルアップできる環境ではない」と、ある種の物足りなさが指摘されている企業のこと
  • ゆるブラック企業は、労働環境や職場の雰囲気においては、ポジティブな特徴が目立つ
  • 一方で、待遇や働きがい、自身のキャリア形成などの観点からは、負の側面も指摘されている
  • 常にスキルのアップデートが求められるエンジニア領域においては、ゆるブラック企業で長く働くことは不利になることも考えられる
  • ゆるブラック企業から抜け出すためには、資格を取得する、副業をはじめるなど、ポータブルスキルを高める努力が必要

 

 

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