ITエンジニアには朗報? 2016年問題とは
数年前より、IT分野の2016年(2015年)問題が話題になっています。そのため実際に耳にした人も多いのではなでしょうか。それからしばらくたち、有効な解決策の見つからないまま、その年となりました。まさに現在進行形である2016年問題とは何か、IT派遣エンジニアにとってどんな意味を持つかをご紹介します。
IT業界を悩ます2016年問題とは
IT分野では2015~2017年ごろからITの大規模開発が多く予定されています。具体的には、マイナンバー制度、みずほ銀行、かんぽ生命保険などのシステム刷新、電力自由化などです。そのためITエンジニアが足りなくなることが2015年、または2016年問題と呼ばれています。
人が足りなければ増やせば良い、というふうに考えられるかもしれませんがそう単純にはいきません。技術者を育てるには時間がかかる上に、現在は人が足りませんがプロジェクトが終わった後に今度は人が余ることになり、将来余剰人員が企業の経営を圧迫しかねません。
この人材不足はIT企業には頭の痛い問題で、実際現在は全国的にITエンジニアの数が足りていないと言われています。
ITエンジニアの人材不足の原因
何年も前からこのようなプロジェクトがあると分かっており、さらに日本全体で見ればどちらかというと労働力が足りている状況で、そもそもどうして人材不足になるのかには以下のような理由が考えられています。
まず、IT技術者は誰でも良いというわけではなく、ある程度能力のある人を育成しなければ実際の業務にはあたれません。つまり企業の人材の採用、育成などが追いついていないのが第一の理由です。
次に、ブラック企業や多重下請けなどの問題が特にIT企業に多く、せっかくの人材が流出してしまっていることがあげられます。
さらに、業務自体もソフトウェアのパッケージ化などの開発効率化が進んでおらず、未だ開発に多くの人手が必要なことも理由の一つです。
IT派遣エンジニアにとっての2016年問題
IT業界全体にとって頭の痛いこの2015~2017年にかけての人材不足は、即戦力とみなされているIT派遣エンジニアにとってはむしろチャンスといえます。つまり選べる仕事が多く、実績が上げやすいのです。
しかし、喜んでばかりもいられません。2017年以降については、東京オリンピック効果も期待できますが、まだ状況は不透明です。場合によっては人材過多ともなりえます。余裕のある今のうちに、その後のキャリアにプラスになる事を考えていかなければならないでしょう。
2016年問題はIT派遣エンジニアにはチャンス
人材不足に陥る2016年(2015年)問題はIT業界にとっては悩ましいことです。しかしIT派遣エンジニアには仕事が選びやすく自分を売り込むチャンスとも言えます。一方で2017年以降の状況はまだ分からないため、今のうちに将来に向けたスキルを身につけておきましょう。