Shopifyとは?機能や使い方とメリット・デメリットを解説
新型コロナウィルスの影響を受けて世界的に経済活動が冷え込む中、ECサイト市場に注目が集まっています。
中でも注目株なのが、世界No.1シェアのECプラットフォームShopifyです。2017年に日本に参入後、国内でも着実にファンを増やしてきたShopifyですが、日本語に対応したタイミングでユーザー数が大幅に増加しています。また、2020年4月には楽天との販売チャネル連携を発表して、その勢いはとどまることがありません。
そこでこちらでは、D2Cビジネスの新たな場として注目されるShopifyについて紹介します。
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Shopifyとは
画像引用元:Shopify
Shopifyは、2004年にカナダで創業された世界No.1のシェアを誇るECプラットフォームです。2017年には日本法人を設立。国内での需要が高まっていることから、年々ローカライズが進んでいます。
また、ShopifyはD2Cビジネスへの対応力を強みとしてスタートアップ企業から大企業までさまざまなビジネスを実現させやすい環境にあります。
さらに、「ECサイトの構築が簡単なこと」「初期費用がかからないこと」「世界各国に向けたEC構築が可能 なこと」と、ビジネスを始めやすく拡大しやすい特性から、世界中から注目を浴びています。
月額の料金プラン
Shopifyは、月額(もしくは年額)制のサブスクリプション型サービスです。
月額でも支払いが可能ですが、年額にすると割引が適用されます。1年プランで10%、隔年プランで20%の割引を受けることができるので、長期で利用するのであれば、年額払いがお得です。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
月額料金 | $29(米ドル) 約3,000円 |
$79(米ドル) 約8,200円 |
$299(米ドル) 約31,000円 |
アカウント管理数 | 2人 | 5人 | 15人 |
機能 | 基本的なECサイト機能 | カスタムレポートを除く 12のレポート機能 |
13レポート機能 |
おすすめな方 |
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参照元:Shopify
プランの主な違いは「アカウントを管理できる人数」と「レポート機能」です。上位プランになるほど、アカウント管理数とレポート機能が増えていきます。そのため、ある程度の規模感で、データを活用して戦略的に販売していきたい場合は上位プランを選ぶ必要があるでしょう。
また、ECサイトを構築するのは面倒という方向けには、既存のWebサイトやSNSに「購入ボタン」を追加するShopify Lite(月額9ドル)プランもあります。一方で取引量が多い大企業向けプランとしてShopify Plus(月額2,000ドル~)も存在します。
「どのプランが合うか分からない」という場合は、14日間の無料のお試しプランからはじめてみましょう。サイト公開はできませんが、試用することで仕様感などの勝手を掴むことができるでしょう。
Shopifyの機能
- オムニチャネル対応が可能
- API連携が可能
- SEO対策にも対応
Shopifyはマルチチャネルプラットフォームですが、Shopify Posを利用すれば、実店舗でも販売ができるオムニチャネルにも対応しています。
API連携も可能であるため、独自アプリの作成やSNSアプリとの連携による業務効率化や集客も図れます。さらに4,100種類以上のとのShopifyアプリとの連携により、複雑なカスタマイズも可能です。
また、国内サイトであるBASEやSTORESに比べて、ShopifyではH1タグやメタタグの設定など、SEO対策も充実しています。
売り上げを立てなければECサイトの存在意義はありません。しかし、自社製品を見つけてもらえなければ売り上げも何も無いでしょう。そのため、SNSやSEO対策を施し、見込み客に見つかりやすい状況を作り出すことは不可欠です。
Shopifyの「オムニチャネル」「API連携」「SEO対策」機能を使いこなすことで、集客のできるECサイト構築の効率化を図れます。
Shopifyのメリット
- 低コスト
- 国外でも勝負できる
- 構築・更新が簡単
Shopifyの一番の魅力は「低コスト」であることです。初期費用をかけず、月額約3,000円から始めることができます。
一方、国内ECプラットフォームの多くでは初期費用や販売手数料がかかることに加えて、プランによっては商品数や画像の容量制限があります。しかし、Shopifyではすべてのプランでこうした制限がありません。追加したい商品を追加したいだけ登録できるので、売り上げを際限なく見込むこともできるでしょう。
また、世界中の決済方法や言語をカバーしているため、Shopifyを利用すれば越境ECの実現も難しくありません。新型コロナウィルスの影響で国内市場の縮小が懸念される今、ECサイトを開発するのであれば国外向けのネット販売も検討すると良いでしょう。
しかし、ECサイトの構築が難航しては意味がありません。その点、Shopifyはノーコードであり、プログラミング言語の知識やITスキルがない非エンジニアでも構築可能です。サイトデザインも、一流デザイナーが手がけた公式テンプレート100種類以上を使用可能。デザイナーに外注する手間なく、プロ並みのECサイトを作ることができます。
ノーコード(NoCode)開発とは?特徴とおすすめの開発ツール
Shopifyのデメリット
- 一次情報が英語
- 複雑な表現にはHTMLやCSSの知識が必要
- サポート体制に不安有り
Shopifyはカナダの会社であることから最新情報は英語で公開されます。そのため、英語が分からない人にとっては、最新情報を得るのは容易ではありません。
2017年より徐々に改善してきているとはいえ、まだまだ日本語のサポート体制に不安が残ります。問い合わせやサポート内容によっては、返答までに2~3日かかることもあるようです。
また、カスタマイズによっては、HTMLやCSSが必要な場合もあります。
カスタマイズできる幅が非常に広いため、基本的にはHTMLなどの知識が無くてもECサイトを構築できますが、他社との差別化を図るために「写真を目立たせたい」「文字の大きさや色の編集」などの改善改良にはHTMLやCSSなどを活用する必要性がでてきます。
Shopifyの使い方
- Shopifyストアの新規登録
- 販売したい商品の登録
- ストアデザインを変更
- サイトドメインを購入
- ストア情報の設定
- 決済方法・送料を設定
- Shopifyのプラン契約
Shopifyの使い方は非常にシンプル。お店を構えて、商品を棚に並べます。その後にお店のデザインや決済方法・送料などを決めてから、ストアをオープンするといったイメージです。
1.Shopifyストアの新規登録
まずはShopify公式HPを開いて無料体験を始めましょう。
画像引用元:Shopify
緑の「無料体験をはじめる」をクリックして登録を始めます。
必要な情報を入力して「ストアを開く」
画像引用元:Shopify
「パスワード」「ストア名」「ストアURL」を設定して「ストアを開く」をクリックします。
ストアURLは一度設定すると変更ができないので注意が必要です。とはいえ、独自ドメインを設定すれば、初期設定のストアURLが表にでることはありません。
またShopifyは、登録から14日間は無料で使用できます。無料期間中にサイト構築を終わらせておけば、月額料が発生するとともに運営をスタートできるため、「もったいない・・・」と感じる機会損失もありません。
なお、無料期間中は、ストアにパスワードがかかっているため、アクセスできる人はパスワードを知る人のみです。有料登録後にロックが解除されてからストアをオープンできます。
アンケートに回答および住所を設定する
画像引用元:Shopify
上記のアンケートについては、スキップも可能です。
画像引用元:Shopify
名前・住所などを入力したら「ストアに入る」をクリックします。
2.販売したい商品の登録
続いて、商品を登録していきます。
「商品管理」から「商品を追加」する
画像引用元:Shopify
ストア登録が終わると管理画面に入れるので、商品を登録していきましょう。
タイトルや説明など、商品情報を入力する
画像引用元:Shopify
「タイトル」「説明」「画像」など、商品の情報を入力していきます。また、SNSなどを連携すれば、「販売チャネルとアプリ」の欄に登録したSNSが出てきます。チェックを入れると、選択したチャネルやアプリでも販売が可能です。
「商品タイプ」は、そのままの意味です。商品がシャツの場合は「シャツ」、食品の場合は「食品」と入力します。
価格と在庫を設定
画像引用元:Shopify
「価格」=販売価格です。右隣の「割引前価格」に入力すると、元値として赤字で横線の引かれた価格が表示されます。
在庫ではSKU(Stock Keeping Unit=受発注や在庫の最小管理単位)、バーコードを入力。在庫を追跡するにチェックして在庫数を入力しておけば、商品が売れた際に自動的に在庫数が減っていきます。
配送や関税情報の設定
画像引用元:Shopify
配送が必要な商品である場合は「配送が必要な商品です」にチェックを入れます。重量によって送料が変わるため、正確な重量を入力してください。
国外向けにも展開する場合は、関税情報の入力も必要です。
バリエーションとSEOの設定後、「保存する」
画像引用元:Shopify
商品にバリエーション(色・サイズ)がある場合は、チェックを入れて情報を追加します。商品のタイトルやURLを変更・個別に設定してSEO対策を行うのであれば、「ウェブサイトのSEOを編集する」をクリックして編集を行います。
商品情報の入力後、「保存する」をクリックすれば、商品登録の完了です。
3.ストアデザインを変更
続いて、ECサイトの重要な要素であるストアのデザインを調整していきます。
「オンラインストア」→「カスタマイズ」
画像引用元:Shopify
「オンラインストア」画面から「カスタマイズ」をクリックします。
ストアをデザインする
画像引用元:Shopify
左側のセクションで変更を行います。セクションを上下に動かすことで、パーツの配置も自在に変更可能です。変更に沿ってすぐに右側のビジュアルも変わるため、直感的にサイトを構築できます。
編集が終わったら「保存する」をクリックします。細かいところまで作り込みができるため、まずはサイトデザインを考えてから取り組むと良いでしょう。
4.サイトドメインを購入
ECサイトの住所ともいえる、ドメインを取得します。
オンラインストア→ドメイン→新しいドメインを購入する
画像引用元:Shopify
ドメインを入力→購入を選択します。
画像引用元:Shopify
使用したいドメインを入力すると、入力窓の下に候補が出てきます。候補の中に気に入ったドメインがあれば、「購入する」をクリックします。
決済方法を追加する
画像引用元:Shopify
「決済方法を追加する」をクリックします。
画像引用元:Shopify
空欄を埋めて決済方法を追加してください。
画像引用元:Shopify
毎年、自動更新したい場合は、決済後の画面にでる「毎年このドメインを自動更新する」にチェックを入れましょう。問題なければ「ドメインを購入する」をクリックすれば購入完了です。
購入後は、Shopifyから購入確認のメールが届きます。新しいドメインが使用できるまでは、最大48時間かかることもあるようです。
5.ストア情報の設定
住所や電話番号などの基礎情報を入力します。
画像引用元:Shopify
ストア情報の設定は、設定→一般設定から行います。
画像引用元:Shopify
空欄を埋めて、問題なければ「保存する」をクリックして設定完了です。
6.決済方法・送料を設定
ECのプラットフォームのコア機能ともいえる、決済方法を設定していきます。
設定→決済で決済方法を選ぶ
画像引用元:Shopify
管理画面から設定→決済をクリックします。
決済方法を選択
画像引用元:Shopify
Shopify paymentを利用する場合は、「アカウントの設定を完了する」をクリックして、口座の設定を行います。
送料の設定をする
画像引用元:Shopify
設定画面から「配送と配達」をクリックします。
送料を管理する
画像引用元:Shopify
「・・・」からゾーンを編集する
画像引用元:Shopify
検索窓に「日本」と入力して、送料を決める都道府県を選びます。
送料の追加
画像引用元:Shopify
画像引用元:Shopify
赤枠を埋めます。重量によって変動させる場合は、「最大重量」に重量を入力。一律料金とする場合は、重量の入力は必要ありません。
一定料金以上を送料無料にする場合
画像引用元:Shopify
「送料を追加する」から、上記のように設定します。最低価格を1万円に設定すると、「1万円以上は送料無料」となります。
エリアの追加・海外は削除
画像引用元:Shopify
エリア別、県別で送料を設定するのであれば、「新しい配送エリアを作成する」から、同様の手順を踏みます。また、海外に配送しない場合は、海外配送欄の「・・・」から削除します。
7.Shopifyのプラン契約
最後に、Shopifyの契約プランを設定します。
「プランを選択する」から選択画面へ
画像引用元:Shopify
プランを選択
画像引用元:Shopify
請求サイクル→決済方法を選ぶ
画像引用元:Shopify
請求サイクルと決済方法を選択して、「プランを開始する」と契約完了です。
また、プランはいつでも変更可能。アップグレード・ダウングレード問わないので、事業規模に合わせて柔軟にプラン変更を行いましょう。
- Shopifyはカナダ発のECプラットフォームであり、世界NO.1のシェアを誇る
- 事業規模に合わせて3つのプランが選べる
- Shopify LiteやShopify Plusなどの小規模販売や大規模販売に対応したプランもある
- API連携、オムニチャネル対応で顧客との接点を増やしやすい
- 初期費用がなく低コストなうえ、専門知識不要でECサイトの構築が可能。越境ECにもチャレンジしやすい
- 日本語対応に懸念あり。カスタマイズによってはHTMLやCSSの知識が必要になる