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ゲームエンジニアとは|仕事内容や必要なスキルと資格・未経験から目指す方法を紹介

IT/Web派遣コラム

日本が世界に誇る文化である「ゲーム」。そのゲームの開発を行うのが、ゲームエンジニア(ゲームアプリエンジニア)という職業です。

2020年12月に高校生を対象にベネッセが実施した「なりたい職業ランキング」では、ゲームクリエイターが10位にランクインしており、「ゲームに関する職業に就きたい」と考えている人の多さがうかがえます。

しかし多くの人が「具体的な業務内容」や「なるためにはどうすればよいのか」を知りません。本記事では、ゲームエンジニアについての基本的な知識から必要なスキル、年収や将来性などを解説します。

ゲームエンジニアとは?どんな種類がある?

ゲームエンジニア、ゲームアプリエンジニアには、担当する分野・業務に応じたさまざまな種類があります。

  • ゲームプログラマー
  • サウンドプログラマー
  • グラフィックプログラマー
  • ネットワークプログラマー

ゲームエンジニアは「動き」「音」「ビジュアル」「通信環境」に役割分担し、一つのゲームを作りあげます。それぞれのプログラマーに求められる知識や技術が異なることを、理解しておきましょう。

ゲームプログラマー

ゲーム上の「動き」や「流れ」の制作を担うのがゲームプログラマーです。ディレクターやデザイナーが用意したシナリオや演出に沿って動作できるように、ゲームをプログラミングすることが主な仕事内容です。

「ゲームクリエイターになりたい」と考える人が一般的に想像する業務内容が、このゲームプログラマーの仕事に該当するでしょう。

サウンドプログラマー

サウンドプログラマーは、ゲーム中に聞こえてくる効果音やBGMなどを制作するのがメインの仕事です。

臨場感や没入感のあるゲームを実現するためには、サウンドの質や動きとの連動性が非常に重要となります。そのため、状況に合わせてよりリアリティのある音を出すためにはどうすれば良いのか、音の「研究開発」を行うことも仕事の内です。

グラフィックプログラマー

ゲームに登場するキャラクターをはじめ、背景やエフェクト、画面のレイアウトといった、グラフィックに関係すること全般を制作するプログラマーです。

近年では平面構成だけでなく、よりリアルな世界観を表現できる3Dやアニメーションが主流となっていることもあり、高い想像力とそれを実現する技術力が求められます。

ネットワークプログラマー

オンライン・オフラインを問わず、複数人で遊ぶ「通信」ゲームで必要となるネットワークの構築を行うのが、ネットワークプログラマーです。

使用環境や使用するデバイスはユーザー間で異なるため、リリース後に問題が起きやすい分野でもあります。そのため、どういった問題が起こるのかを予測しながら制作できる能力が求められる仕事です。

ゲームエンジニアに向いている人

ゲームエンジニアに向いている人は、なんといっても「ゲームが好きであること」が大前提です。

さらに、プログラミングに求められる適性である論理的な思考力や、数学や物理に関する知識のほか、英語で発表される最新のゲームエンジンや開発技術の情報にリーチできる英語力もあると望ましいでしょう。

ゲームエンジニアは技術の進化が速い分野です。常に新しいトレンドや技術を学ぶ姿勢が欠かせません。

ゲームエンジニアの仕事内容は楽しい?

ゲームエンジニアの仕事は、コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)やスマホゲーム、ソーシャルゲームなど、さまざまなゲームの開発がメインです。ゲームが大好きな人にとって楽しい仕事になるでしょう。

具体的には、以下のような仕事の流れが想定されます。

  1. 企画を立案するゲームクリエイターとの打ち合わせ
  2. ゲームの内容や仕組み、仕様の方向性を固める
  3. 定まった内容や仕様に沿ってゲームを制作し、実際に動かしていく
  4. 実際に動かしてみて出てきた不具合を調整(デバッグ)する

ただし、開発するゲームによって使用する言語やプロダクトの特徴は異なります。

たとえばソーシャルゲームの場合は、リリースの時点では完璧なプロダクトでなくても問題ないことがほとんどです。のちのちバグが発生したとしても、アップデートで改善できる特徴があるためです。

一方、インターネットを介さないコンシューマーゲームは、アップデートができません。リリース時点で完璧な状態が求められるため、制作には時間がかかる傾向です。

ゲームエンジニアに必要なスキル

ゲームエンジニアに必要なスキルには以下のようなものが挙げられます。

  • プログラミングスキル
  • ゲームエンジンのスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 数学や物理に関する知識
  • 英語力

ゲームエンジニアは「プログラミング言語を習得すればなれる」わけではありません。ゲーム開発に関するスキルだけではなく、チームで仕事をするうえで欠かせないコミュニケーション能力なども求められます。

プログラミングスキル

ゲームを制作するのに必須となるスキルがプログラミング言語です。開発するゲームの種類によって必要な言語は異なりますが、「C++」と「C#」などは全種類に共通して使用される言語として挙げられます。

ゲームの種類 必要なプログラミング言語
スマートフォン向けゲーム Java・JavaScript・Ruby・Swift・C++・C#・Objective-c
家庭用(コンシューマー)ゲーム C++・C・C#
ブラウザゲーム・PCゲーム JavaScript・C++・C#・Ruby・Swift
VR・AR等の最先端ゲーム JavaScript・C++・C#

「ゲームエンジニアになりたい」と思っている人は、やみくもにプログラミング言語を習得するのではなく、自身が携わりたいゲームの種類を考慮したうえで、習得言語を選択すると良いでしょう。また技術は常に進化していくので、プログラミング言語も習得して終わりではなく、時代の流れに合わせてアップデートをしていく必要があります。

ゲームエンジンのスキル

ゲームエンジンとは、簡単にいうと「ゲーム開発に必要な機能が備わった統合開発環境」のことです。

10年以上前までは、各ゲームに合わせて基礎的な部分から開発をして、技術力を示していたこともありました。しかし昨今ではゲームをプレイできる端末が増えたため、各端末に合わせて環境を開発するのは難しくなっています。

そうした背景を受け、自社で開発したゲームエンジンを他社にライセンス販売する会社が出てきています。その一つが世界でもトップシェアを誇るゲームエンジン「Unity」です。

ユニティ・テクノロジーズ社が提供するUnityは、モバイルやデスクトップ、家庭用ゲームなど、多種多様なプラットフォームに対応。2Dや3Dもカバーしており、簡単な3Dゲームであればノンプログラミングでの制作も可能です。

一般的に「ゲームエンジンといえばUnity」と連想されるほどのスタンダードであるため、Unityを扱えるスキルは持っておくことが望ましいです。

コミュニケーションスキル

ゲーム開発は“制作”だけではありません。制作に入る前段階の企画の打ち合わせから参加して、どのような方向性でゲームを制作するのか、といったディスカッションを行います。制作においても一人ひとり担当業務は決まっていますが、それぞれの領域につながりがあるので、その関係性を無視して制作するわけにはいきません。

一般的には一人で黙々と取り組むイメージが強いゲームエンジニアの仕事ですが、企画からリリースまで全ての工程においてチームで動くことになるため、円滑に作業を進めるうえでもコミュニケーションスキルは不可欠です。

数学や物理に関する知識

ゲーム内でのキャラクターの動きは、物理演算や座標計算などの計算を元にプログラムされているので、ゲーム制作には数学や物理の知識も関わってきます。特に3Dアニメーションを制作する場合には、リアルさの追求のために奥行きやコントラストなどの緻密な表現が求められるため、数学や物理に対する知識は必須となるものです。

これらに対する知識が不足していると、動きのぎこちなさが目立つゲームとなるため、ユーザーからは「反応が悪いゲーム」と認識されてしまいかねません。

英語力

最新のゲームエンジンや開発技術は、英語で発表されることがほとんどです。英語力があれば、そうした情報をいち早くキャッチアップでき、トレンドを押さえたゲーム開発が可能になります。

また日本のゲームは海外でも高い需要があるため、海外進出や外国人スタッフの登用などグローバル化が顕著です。そうした場面でも、英語力を持ったゲームエンジニアはスムーズにコミュニケーションを取れるため重宝されます。目安としてはTOEIC600点以上の獲得を目指すと良いでしょう。

ゲームエンジニアに必要な資格

ゲームエンジニアには「なるために必要な資格」はありません。

ただし、下記のような資格を取得しておくと、スキルの証明に役立ち、就業に有利に働く可能性があります。

【ゲームエンジニアにおすすめの資格】

  • 基本情報技術者
  • Unity認定技術者
  • TOEIC600点以上
  • C言語プログラミング能力検定試験1級
  • CGエンジニア検定

基本情報技術者

情報処理の基礎的な仕組みから、開発の流れなどを学習できる国家資格です。情報処理推進機構ではこの資格を「ITエンジニアの登竜門」として位置づけているほど、IT業界においてベーシックな資格と認識されています。

Unity認定技術者

世界で最も使用されているゲームエンジン「Unity」のスキルを証明できる資格です。「ユーザー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の4種類があり、プロフェッショナル以上はUnity関連の職務経験が必要です。

アソシエイトがあれば、即戦力として見てもらえる可能性が高まります。

TOEIC600点以上

外国人スタッフとのスムーズなコミュニケーションや、英語で発表される最新情報をいち早くキャッチアップするためには、英語力が必要になります。

C言語プログラミング能力検定試験1級

ほとんどのゲーム開発で使用されるC言語のスキルを証明できる資格です。

CGエンジニア検定

CG開発・設計スキルを証明できる資格です。アニメーションやVR・ARに関する知識の証明にもなるので、これらの分野に進みたい人は取得が検討されます。

ゲームエンジニアの年収

ゲームエンジニアの代表的な職種であるゲームプログラマーの平均年収相場から、人材市場での立ち位置を確認していきましょう。

転職情報サイト 平均年収
求人ボックス 473万円(派遣平均時給:2.247円)
転職会議 408万円

※2023年7月時点

なお、国税庁が調査している「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、平均給与所得は443万円です。上記2つの転職サイトが発表している平均年収を均すと、ゲームプログラマーの平均年収は440万円となり、国民の平均年収とおおむね同等の水準に位置します。

ゲームエンジニアの将来性とキャリアパス

結論からいうと、ゲームエンジニアは将来性の高い仕事です。その理由はスマホゲームの普及や、新型コロナウイルスによる生活様式の変化により、国内・国外問わずゲームの需要が伸びているからです。

経済産業省が発表した調査結果によると、国内・海外の市場規模は2015年と比較すると縮小傾向にありますが、2016年頃から国内企業の売上は右肩上がりになっていることからも、ゲームエンジニアは需要の伸びが見込まれる職業であることが予測できるでしょう。

拡大画像はこちら

画像引用元:経済産業省|活況を呈する国内ゲームソフト産業;ゲームソフト産業の今後の見通しは?

またゲームエンジニアとなった後にも、努力や経験次第でキャリアアップが期待できる点からも、将来性が高い職業と位置付けられます。

【ゲームエンジニアのキャリアパス】

● ゲームプランナー
ゲームエンジニアの上流工程にあたり、企画・提案・設計を行います。消費者のニーズを把握する能力が求められる職業です。

● リリースマネージャー
ゲームの企画出しから発売までの段取りを担います。ゲーム開発を円滑に進めるために企画の問題点を洗い出し、制作に反映させるポジションです。

● ゲームディレクター
スケジュール管理やメンバーのマネジメントなど、制作現場の統括を担います。現場の指揮をとる立場です。

● テクニカルサポート
エンジニアのサポート役。ゲーム開発時の課題に対してアドバイスを行う立ち位置となるため、開発における幅広い知識とスキルが必要です。複数の開発を行う企業の場合は、チーム同士の架け橋役を期待されることもあります。

未経験からゲームエンジニアを目指す方法

未経験からゲームエンジニアになることは簡単ではありませんが、スキルの習得等を積めば門戸は広く解放されています。未経験者がゲームエンジニアになるためのステップを押さえておきましょう。

  1. プログラムミング言語・スキルの習得:C++やC#などのプログラム言語を学びます
  2. ゲーム開発ツールの理解:Unityなどゲーム開発専用ツールを使いこなせるよう、公式ドキュメントやチュートリアルを活用して学習します
  3. 個人プロジェクトの経験:自分で小さなゲームを制作するなど、実践的な経験を積みます。GitHubなどに作品を公開し、ポートフォリオとして活用するとよいでしょう
  4. 実務経験の取得:ゲームエンジニアの職務経験を獲得します。ゲーム開発の企業でのインターンシップやエントリーレベルの求人に応募しジョブポジションを探すことが考えられます

これらの前提条件を理解したうえで、「これからゲームエンジニアになりたい」と思っている人は、下記の3つの選択肢を検討してみましょう。

  • 独学でスキルを身につけて案件に応募する
  • プログラミングスクールに通って案件に応募する
  • 派遣求人に応募する

独学でスキルを身につけて案件に応募する

1つ目は、ゲーム開発に必要な知識やスキルを独学で身に付けた後に、案件や求人に応募する方法です。YouTubeでの解説動画や学習サイト、参考書を利用して学ぶため、学習にかかる費用を抑えられる、また自分のペースで学習を進められる点がメリットとなるでしょう。

その反面、課題やエラーが頻発するうえに気軽に相談できる人もいないため、学習過程で躓きやすいという点がデメリットです。根気強く向き合う忍耐力や、問題に対してさまざまなアプローチ方法を思いつく発想力がない場合は、独学でゲームエンジニアを目指すのは難しくなるでしょう。

メリット デメリット
  • 学習コストを抑えられる
  • 自分のペースで学習できる
  • 学習が止まりやすく、習得までに時間がかかる
  • 質問できる環境がない

プログラミングスクールに通って案件に応募する

2つ目は、プログラミングスクールに通って案件や求人に応募する方法です。短期間での習得が期待できるうえに、現役エンジニアが講師を務めるスクールに通えば、実務レベルのスキル習得も期待できます。

一方で、コスト面の高さがデメリットです。またスクールに通ったからといって、絶対にスキルを習得できるとはなりません。独学よりは課題やエラーを解決しやすい環境に身を置けますが、本質的に理解できなければ学習した知識やスキルが身になることはありません。

さらに注意しておきたいのが、スクール選びです。講師にアルバイトを雇っているスクールや、教材としてPDFを渡すだけといった杜撰なスクールもあるので、スクールは慎重に選ぶ必要があります。

メリット デメリット
  • 短期間で習得出来る可能性がある
  • 実務レベルのスキル習得も可能
  • 費用が高い
  • スクールの見極めが難しい
  • 確実にスキルを習得できるとは限らない

派遣求人に応募する

3つ目は、派遣求人への応募です。正社員登用とは異なり、派遣社員の場合はゲーム単位、工程単位など、特定の案件に参画できるため、「このようなゲーム開発に携わりたい」「ゲームのグラフィック部分を請け負いたい」など、希望に応じて流動的にプロジェクトを選択できます。

ただし、派遣求人はジョブ型雇用であるため、ベースとなるスキルや知識のない、まったくの未経験者では採用されにくいでしょう。C++やC#など、ゲーム開発に求められる言語を習得しているなど、一定の能力が求められます。

メリット デメリット
  • 「このゲーム開発に携わりたい」など、特定の案件に参画できる
  • 流動的にプロジェクトを選択できる
  • C言語などベースとなるスキルや知識を活かせる
  • まったくの未経験者では採用は難しい

ゲーム系企業の求人特集

現在のゲーム業界では、開発・プランナー・デザイナーなど、さまざまなポジションの人材が求められており、なかでもソーシャルコンテンツ開発の領域が注力されています。有名ゲームタイトルに携わる派遣求人も豊富です。あなたの感性を存分に発揮できるゲーム系企業で働いてみませんか?

まとめ
  • ゲームエンジニアの仕事は、コンシューマーゲームやスマホ、ソーシャルゲームなどのゲームを開発することがメイン
  • 担当する分野・業務によってさまざまな種類がある
  • プログラミングスキルのほか、チームで仕事をするうえで欠かせないコミュニケーション能力なども求められる
  • ゲームエンジンのスタンダードである「Unity」を扱えるスキルを持っておくことが望ましい
  • ゲームエンジニアに「なるため」の資格はないが、「Unity認定技術者」「C言語プログラミング能力検定試験1級」など、スキルを証明する資格を取得しておくと有利
  • ゲームエンジニアは将来性の高い仕事であり、経験次第でキャリアアップも期待できる

 

 

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