【少子高齢化時代】技術者の少子高齢化を見据えた有望技術10選
日本は先進諸国の中でもっとも少子高齢化が進んでいる社会。
人口減少し続け、このままだと50年で人口が3分の2になってしまうのです。
日本が抱える課題は、近い将来、多くの国々が直面する課題であるという認識は、すでに各国に広がっており、日本がどう対応するか、世界から熱い視線が注がれています。
少子高齢化が進むということは、今まで当たり前にやっていたことができなくなってしまうのです。
例えば献血です。献血をする人は減少するのに、輸血を受ける人は多くなります。
労働力も低下し、働き手の年収も減少。
社会保障費も増え、経済にも影響を与えるなど、全てのバランスが崩れてしまうのです。
労働力がなくなれば、インフラ整備も進みません。
それに加え、高度成長期につくられたインフラ(建設構造物)はこれからいっそう老朽化してしまうのです。
産業構造の再構築も必要になります。
今回は、そんな少子高齢化社会を見据えた有望なIT部門の国産技術をピックアップしてみました。
避けがたい課題に対して、IT業界、テクノロジーはどのような解決策を導き出せるのか、エンジニアの思考力を養うためのヒントにしてみてはいかがでしょう?
農業支援
■ Akisai
Akisaiは、農業従者の高齢化対策や少子化による後継者不足の解消、さらに農業法人の競争力強化を目指す富士通のITソリューション。
センサ、スマートフォン、クラウド技術などを積極的に取り入れ、勘と経験が頼りだった農作業を大幅に効率化しました。
■ MS-06
日本におけるドローン研究の第一人者である千葉大学の野波健蔵特別教授が開発したMS-06シリーズは、危険が伴うエリアの調査のほか、防犯・警備、重量物の運搬のほか、農薬散布などの農業分野での活用も期待されている自律飛行型のドローンです。
医療
■ ゆめ病院
和歌山県の伊都医師会が運営する『ゆめ病院』は、医師不足と過疎化が進行する和歌山県の伊都医師会が運営する広域医療連携システム。
医師や看護師、薬剤師などの医療関係者がデータを共有し、患者にとってもっとも適した医療サービスを提供するために開発されました。
■ 注射薬払出システム
ひとつのミスが重大な医療事故につながりかねない投薬業務。
種類が多く間違いが許されない注射薬の管理を、的確かつ迅速に行うために開発されたのが注射薬の自動払出システムです。
薬剤師の負担を軽減することで、医療過誤のリスクを最小限に抑えることが期待されます。
遠隔地からの安否確認
■ みまも~る
自分の家族を養うため、仕事で精一杯の毎日。故郷の両親を気にかける時間もなかなかありません。
そこで「みまも~る」。高齢者宅のガス使用量を計測し、遠く離れて暮らす家族の生活状況を見守るサービスです。
カメラによる見守りサービスとは異なり、高齢者の心理的な負担になりがちな「監視されている」という意識を持たずにすむのが特徴。
遠隔介護のサポートシステムとして利用されています。
無線通信機器を組み込んだ電気ポットを使って高齢者の安否確認を行うこというユニークなサービス。
この機能は、対応するポットを高齢者宅に置くだけで、定期的に利用状況がメールが送られてくる仕組みとなっています。
モビリティ
■ WHILL
WHILLは一般的な電動車いすと比べ、段差や砂利道などもものともしない走破性が自慢のパーソナルモビリティ。
小回りの利く操作性と、古くからある福祉用機器のイメージとはかけ離れた未来的なデザインを採用したことで、利用者が外出を楽しめるよう設計されています。
問題になっている介護士の不足。しかし、WHILLなら後ろから介護士さんが押す必要もありません。
WHILLが普及することにより、人材不足の解消も期待できます。
■ MC-β
軽自動車よりコンパクトで、手軽な移動手段として利用されることを想定して企画された超小型の電気自動車。
2人乗りでエネルギー消費量も少なく手軽に利用できるため、公共交通機関が少ない過疎地や都会の狭い路地などでの活用が期待されています。
まとめ
いずれのサービスやプロダクトも、日本が誇る製造業の技術とクラウドや無線通信、センサなど、さまざまなテクノロジーを組み合わせて実現しています。
RPAエンジニアによって、少子高齢化対策のロボットが発明される日も、そう遠くないでしょう。
こうした要素技術の組み合わせを変えたり、新しいIT関連技術を導入すれば、新たな市場が開拓できるかもしれません。
少子化を食い止めるとともに、IT教育・IT人材育成もこれからの日本には必要になってきます。
IT企業はテクノロジーとスキルを使い、人材不足を補わなければならないのです。
しかし、市場の拡大とともにITエンジニア不足も危惧されています。
あなたならどんなアイデアが思い浮かびますか?