ものづくり企業で働く文系の正社員が会社で活躍する場とは?
日本のモノ作り、電子工業の技術は世界に誇る技術です。
東京には株式会社から有限会社、大手から町工場のような小さなものまで様々。最近では「ものづくり日本大賞」(第6回は東海バネ工業などが受賞)も開催され、モノづくりの文化は日本経済に欠かせない文化と言っても過言ではありません。
そんなモノづくりの現場は、東京だけでなく日本全国にあります。
広大な北海道にもトヨタ自動車の北海道工場、王子製紙苫小牧工場があります。
鉄の町室蘭の室蘭工場。千歳工場(北海道千歳市工業団地)には、色んな企業の工場があります。
他にも、本社が京都にある半導体素子の京セミ株式会社は、北海道に2つの拠点(上砂川事業所・恵庭事業所)があります。
一般的にモノ(作品)づくりの会社・製造業では、新規製品を開発する技術職や研究職が花形と思われがちです。
ですが、実は文系の人材はモノづくり企業において、とても重要かつ幅広い業務で活躍しております。
では具体的にどの様な活躍の場があるか見ていきましょう。
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どの様なポジションも華麗にこなす文系社員
モノづくり企業における文系の主な職種としては、営業、経理、法務、調達、企画、物流、プロジェクト管理といった部署があります。
事業展開次第で、もっと色んな部署もあるかもしれません。
もちろん、会社や経営者によって、人員の構成は若干、異なるところもありますが、比較的、自社の営業の数が多く、その次に調達や経理、法務などが挙げられます。
例えば、自動車関連産業や建築産業の場合。まずニーズの調査です。
そして、実際にモノを作る前に、模型(建築模型)を作成。どれだけの材料、費用(広告といった印刷サービスも含む)が必要か検討します。
入社後、一貫して同じ職種で長年勤め上げる事もありますが、場合によっては3年に一度、職種が変わる事もあり、営業といった現場から調達、調達から法務など全く違う畑の仕事をする事もあります。
営業はモノづくりとは関係ないと思われますが、「弊社の製品は…」としっかりプレゼンする能力も肝心です。
作った素晴らしいモノが、誰かの手に渡るまでの業務は文系社員にしかできません。
文系の人が心がけた方がいい事は?
モノづくり企業に入社してまず困る事が、普段は聞き慣れない技術的用語(応力計算やキャビテーション発生による破損、圧損、加速度など)の理解だと思います。
株式会社サカタ製作所なら金具のこと、国際ディスプレイ工業株式会社なら特殊モーターのことを知る必要があります。
大学や高校の時の授業などでは聞く事がない理系ならではの用語をモノづくり企業では、当たり前の様に飛び交う事があり、入社したばかりの時は高い確率で混乱すると思われます。
分からない事がでたら、恥をかきすてて必ず分かる人に質問し、分からない事はそのままにしないのが重要です。
モノづくり企業でよくある文系の人の課題
自分の会社やお客様との会話で使用する技術用語が分からないまま知ったかぶりをして、技術者との会話についていけなくなったり、文系だからといって技術の事は設計者に一切任せるといった割り切りをして、いざ客先などの質問を受けた時、自分ではどうしようもなくなる時があります。
電子機器における場合、集積回路を作り方をマスターする必要はありませんが、どういったものなのかを理解する必要はあります。
表向きで知ったフリをして、相槌を打っていても会話をしていくうちに必ず知識がない事が相手に伝わりますし、その様な時、信頼関係がうまく築けなくなるときがあります。
レベルの高い文系社員を目指すためには?
文系社員には文系社員ならではの良さがあります。
技術系の社員の方は、比較的一つの事を追求したりする集中力や理論的な事を考えるには長けていると言われています。
一方、文系社員は全体を俯瞰する能力や世の中の流れ・潮流を感じ取る力、色んな物事を好き嫌いなく学びとり、それを活かす事ができると言われています。
一つの物事に特化する必要はありません。
業績や競争相手のデータといったものを参考にし、物事を円滑に進めるのです。
まとめ
モノづくりの企業だからといって、文系社員たちが活躍できない訳ではありません。文系ならではの活躍できる場所がたくさんあります。
研究する自然科学研究機構も、データを収集する独立行政法人労働政策研究も必要なのです。
中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が支援策を提示し、補助金を出し、中小企業を支援してくれている現代。あなたの発想が素晴らしいものをつくるかもしれません。
文系だからと割り切るのではなく、会社や客先で使用する用語などを自分から積極的に学習していき、技術屋と対等に会話ができるようにする事が重要です。