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【比較】鉛バッテリー(鉛蓄電池)とリチウムイオンバッテリーの違いとは

機電派遣コラム

電気自動車(EV)の普及やポータブル電源の高性能化など、近年のバッテリー技術の進化には目覚ましいものがあります。

具体的には、従来から使われてきた鉛バッテリー、そして活用の幅が広がっているリチウムイオンバッテリーが活用されており、両者は異なる特性を持っていることから、用途に応じて適宜選ばれています。しかし、これらのバッテリーにはどのような違いがあるのでしょうか?

さらに、近年のバッテリーの小型化・軽量化の流れのなかで、「小型化が難しい鉛蓄電池に未来はあるのか」という論点も重要になってきています。本記事では、鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの違いを多角的に比較し、それぞれのメリット・デメリット、そして鉛バッテリーの将来性について考察します。

POINT

  • 鉛バッテリーは小型化が難しく、エネルギー密度が低いため、リチウムイオンバッテリーに置き換わる用途が増えている
  • リチウムイオンバッテリーは軽量・高エネルギー密度・長寿命であり、EVやポータブル機器の主流になっている
  • 技術革新によりリチウムイオンバッテリーの普及が進む一方で、鉛バッテリーの役割も変化していく可能性がある
  • 用途によってバッテリーの適性が異なるため、コストや性能を考慮した選択が重要

 

 

鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーの基本構造

鉛バッテリー(鉛蓄電池)は、鉛(Pb)を主成分とした電極と硫酸(H₂SO₄)を含む電解液で構成されています。19世紀から広く使われており、多様な製品のバッテリーとしてもっとも一般的といえる存在です。

【鉛バッテリーの特徴】

  • 長い歴史があり技術が成熟している
  • 比較的安価で、大容量の電力供給が可能
  • 重量が重いため持ち運びには不向き
  • 充放電の効率が低く、寿命が短め

一方、リチウムイオンバッテリーは、リチウムイオン(Li⁺)の移動を利用して充放電を行う二次電池(※充電可能な電池)です。スマートフォンやノートパソコンなど小型電子機器に広く採用され、近年ではEVにも使用されるようになりました。

【リチウムイオンバッテリー】

  • 高エネルギー密度で、小型・軽量
  • 充放電効率が高く、寿命が長い
  • 価格が高めだが、長期的にはコストメリットがある
  • 過充電・高温環境での安全性に注意が必要

両者の主な違いは、次の観点からまとめられます。

鉛バッテリー リチウムイオンバッテリー
エネルギー密度 低い(約30-50 Wh/kg) 高い(約150-250 Wh/kg)
重量 重い 軽い
サイズ 大きい 小型化可能
寿命(充放電回数) 短い(充放電回数が少ない) 長い(充放電回数が多い)
充電速度 遅い 速い
自己放電率 低い(5%/月) 非常に低い(1-3%/月)
価格 安価 高価
環境負荷 高い(鉛の影響) 低い(リサイクル可能)
安全性 安全だが過充電時に水素ガスが発生する 過充電や過熱による発火リスクがある

このように両者の特徴は大きく異なります。コストを抑えたい場合などでは鉛バッテリーが適している一方で、軽量化や長寿命が求められる場面ではリチウムイオンバッテリーが最適です。

 

鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーのメリット・デメリット

鉛蓄電池とリチウム電池の特性の比較からもわかる通り、両者はそれぞれ一長一短です。メリット・デメリットの観点からあらためて比較してみましょう。

鉛バッテリー リチウムイオンバッテリー
メリット
  • コストが安い
  • 長年の実績があり、信頼性が高い
  • 大電流を瞬時に供給できる
  • 軽量・コンパクト
  • 高エネルギー密度で長寿命
  • 充電が速く、効率が良い
デメリット
  • 重く、大きいため持ち運びに不向き
  • 充放電効率が低く、寿命が短い
  • 環境負荷が高い
  • 価格が高い
  • 高温や過充電による発火リスクがある
  • 過放電や過充電に弱い

 

用途における適性

実際の用途において、どちらのバッテリーが適しているのかを見ていきましょう。

  • 自動車のバッテリー
  • 電気自動車(EV)
  • UPS(無停電電源装置)
  • ポータブル電源・モバイルバッテリー

 

自動車のバッテリー

自動車の始動用バッテリー(スターターバッテリー)には、短時間に大電流を流せる鉛バッテリーが最適です。また、ハイブリッド車やEVの補助電源としても使用されています。

 

電気自動車(EV)

リチウムイオンバッテリーが適しています。高エネルギー密度を活かして航続距離を伸ばせるほか、充放電回数が多く、長寿命であることもメリットです。

 

UPS(無停電電源装置)

オフィスやデータセンターのバックアップ電源では、コストと安定性から鉛バッテリーが選ばれている傾向です。

 

ポータブル電源・モバイルバッテリー

軽量かつ高エネルギー密度で、携帯性が求められるため、リチウムイオンバッテリーが適しています。また、長寿命かつ充放電の効率も高いことから、太陽光発電の蓄電にも活用されています

 

小型化できない鉛蓄電池に未来はあるのか

鉛バッテリーは技術的に成熟しているものの、小型化の難しさが大きな課題となってきています。

しかし、鉛バッテリーが完全に淘汰されるわけではありません。鉛バッテリーは次のような点で依然として優れた特性を持っているためです。

  • コストが安い:コストを抑えたい用途では今後も需要が見込める
  • リサイクル技術の確立:鉛バッテリーは約95%がリサイクル可能であり、環境負荷の面では意外にも優れている
  • 短時間で大電流を供給できる:自動車のスターターバッテリーやUPSなど、瞬間的な大電流が必要な用途では鉛バッテリーが有利

また、カーボン鉛バッテリーなど、軽量化・高効率化を目指した新技術も登場しています。こうした進化に応じて、鉛バッテリーもまだまだ活躍の場を残していくでしょう。

 

まとめ
  • 鉛バッテリーは小型化が難しく、エネルギー密度が低いため、リチウムイオンバッテリーに置き換わる用途が増えている
  • 鉛バッテリーのリサイクル技術は確立されているが、環境負荷のさらなる低減が課題となっている
  • 鉛バッテリーは改良型(カーボン鉛バッテリーなど)の開発が進められており、軽量化や効率向上の可能性がある
  • リチウムイオンバッテリーは軽量・高エネルギー密度・長寿命であり、EVやポータブル機器の主流になっている
  • リチウムイオンバッテリーはコストが高く、発火リスクもあるため、安全性向上が求められている
  • 技術革新によりリチウムイオンバッテリーの普及が進む一方で、鉛バッテリーの役割も変化していく可能性がある
  • 用途によってバッテリーの適性が異なるため、コストや性能を考慮した選択が重要

 

 

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