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ITエンジニアはフリーランスに向いている?フリーランスと正社員のメリット比較

多様な働き方が広がっている現在、フリーランスとして働く周囲のITエンジニアを見て、「時間や場所に縛られず自分のペースで仕事ができるのはうらやましい」など、独立を考えるようになった方もいるでしょう。

一方で、「十分な収入につながる仕事が確保できるのか」といった不安もあるかと思われます。

 

この記事では、ITエンジニアの立場から、フリーランスと正社員の働き方やメリット、留意点を比較。

エンジニアのキャリア支援に力を入れるパーソルクロステクノロジーの担当者にも話を聞きながら、知っておきたいポイントをまとめました。

 

正社員とフリーランスの違いとは

契約のスタイルや働き方に大きな差が

まずは正社員として会社で働く場合とフリーランスとして働く場合の労働条件について、基本的な違いを押さえておきましょう。

 

担当する業務や働き方、責任や賃金の受け取り方などが、賃金の支払い先である会社と結ぶ契約」によって決まる点はいずれも同じですが、その「契約」の内容は大きく異なります。

「ITエンジニアであるか否かを問わず、正社員として働く場合、企業と『雇用契約』を結び、原則として会社のオフィスなど指定された場所に通いながら、会社に割り当てられた仕事を遂行していくことになります。多くの場合、月?金曜日の決まった時間に勤務することになりますが、繁忙期には休日出勤などの対応が必要になることもあるでしょう。これは残業についても同様です。

 

賃金は、毎月、会社によって決められた額が給料として支給されます。

残業代がどの程度まで支払われるか、また、ボーナスがどの程度支給されるかは会社の考え方や会社が置かれた状況によって異なるでしょう。

「一方、個人事業主であるフリーランスとして働く場合、原則として一つひとつの案件ごとに企業などと『委任契約』や『請負契約』などの業務委託契約を結んで仕事を受けることになります。『委任契約』では多くの場合、決められた作業をある時間こなすことでその期間を終えた後に報酬を受領し、『請負契約』では受けた仕事を完成させることで報酬を得るという違いがあるものの、プロとしての知識を備えた、委託先と同等の立場と見なされるのが原則です。」

 

なお、IT分野でも、契約先の企業に常駐して業務を進める「常駐型フリーランス」の案件は多く存在します。

「この場合、オフィスなどで決まった時間働く正社員に近いスタイルになりますが、基本的には定時で退社できるなど自分の時間が確保しやすくなっており、正社員と比べると自由度の高い働き方といえます。そして常駐型でないフリーランスの場合、仕事さえきちんとこなしていれば、働く場所や時間は自由。どんな条件の仕事を受けるかは自分次第と言えます」

 

日本のフリーランスの動向

内閣府はフリーランス人口を300万人超と推計

2019年8月に、内閣府はフリーランスとして働く人についての試算を発表しました。

その数は、どんな条件をもってフリーランスとするかによって差がありますが、およそ306万人?341万人程度

341万人としたあるケースでは、本業としてフリーランスの働き方をしている労働者は、全就労人口の3%程度にあたる約228万人となっており、米国の6.9%に比べ少なくなっています。

 

ただ、フリーランスを本業とする人に多い業種を見ると「学術研究、専門・技術サービス業」は、「建設業」「卸売・小売業」に続く第3位。

さらに民間の調査として、クラウドソーシングサービスを展開するランサーズ株式会社が実施した「フリーランス実態調査2019年版」によれば、スポットなど単発で業務を行う広義のフリーランスを含めればフリーランスの数は1000万人を超え5年前に比べて約19%もアップしている結果もあります。

 

「働き方改革」を掲げる政府は、多様な働き方の推進に向けて環境整備に力を入れており、2018年度の税制改正では、2020年以後の所得税に関して正社員が対象となる給与所得控除の控除額を引き下げる一方で、フリーランス・正社員を問わず対象となる基礎控除額を一律10万円引き上げました。

また、巨大IT企業対策の一環として、フリーランスとの契約条件の透明化などを盛り込んだ新法草案の準備も進めようとしています。

 

さらに、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)社会基盤センターが発行する「IT人材白書2019」によると、「IT企業のIT人材の“量”に対する不足感」に関する質問に対して、2018年度調査では「大幅に不足している」と「やや不足している」との回答の合計が92%

「大幅に不足している」との回答も前年度調査より2.4%増加しています。

これも、フリーランスで働くことを目指すITエンジニアにとっては明るい材料と言えるでしょう。

 

 

正社員とフリーランス、それぞれのメリット

定期収入は正社員の大きな魅力

ここで、正社員として働く場合と、フリーランスとして働く場合のメリットを改めて比較してみましょう。

「正社員として働く場合のメリットは、“定期収入があることでしょう。毎月決まった日に一定額の給与が振り込まれますから、特に意識しなくても生活設計はしやすいはずで、これは派遣社員にも共通する点です。また、社会保険がカバーされていることも、フリーランスと比較した際のメリット。ある程度の規模の会社であれば、福利厚生サービスも期待できるでしょう」

加えて自ら確定申告を行わなくて済む  こともメリットの一つに挙げられるかもしれません。

また、正社員として働いていると気付きにくいのですが、上司や同僚など周囲の人にアドバイスを求めやすいのも、経験の浅いうちは助かるはずです。

※ 副業による収入が年間20万円超の場合は確定申告が必要になるなど、一部例外あり。

 

自由度の高さや収入増のチャンスがフリーランスの魅力

それでは、フリーランスのメリットは何でしょうか。

「フリーランスの魅力として多くの人が挙げるのが、働き方の自由度の高さです。品質を保ち、納期さえ守れば、担当する案件をいつどこでどれだけ行うかは基本的に自分次第。役所などの手続きや急な用事がある場合も、有休などを使って休みを取る必要がなく、私生活とのバランスが取りやすいのが特徴です」

 

さらに、仕事の成果が収入につながりやすい点も、メリットとして見逃せません。

「自分のスキルが活きる案件を選び、多くの案件をこなすことによって、働けば働くほど収入を上げていけるのがフリーランス。正社員の時より収入がアップするといったことも珍しくありません。」

 

さらに変化の激しい今の時代で、ITエンジニアにとって大きな魅力となるのが、どんな仕事を行うのかを自分で選択できることです。

「ITの進化は日進月歩。そして終身雇用制が危うくなる中、日々の業務でいかに最新の知識・技術を身につけ、知識やスキルを磨いていけるかは、どんなエンジニアにとっても死活問題です。フリーランスであれば、契約は案件ごとになりますから、使用する開発言語やシステムなどを含め仕事の内容や環境を自分で決めることができます。これは派遣にも通じるメリットであると言えますが、会社の意向とのすりあわせが必要な正社員と比較して、将来の理想像に近づくためのスキルを磨きやすいフリーランスのメリットは、今後さらに大きな意味を持つことになるでしょう。」

 

フリーランスで求められる要素とは?

スキルと自己管理能力は大前提

働き方の自由度が大きく、能力次第で大きなチャンスを得られるフリーランスの仕事。

正社員との違いを知って、改めて独立への思いを強くした人もいるでしょう。

それでは、フリーランスとして働くためには、どんな要素が求められるでしょうか。

 

「大前提として欠かせないのは、自分が受けた仕事を確実にこなしていけること。しっかりスキルを磨き、自分が対応できる業務量を把握し、個々の仕事のクオリティとスケジュールを管理しながら、一つひとつしっかり仕事を仕上げていくことが必要です。」

 

また確定申告などの手続きも、自分で行う必要があります。

毎月決まった金額が給与として支給されるわけではありませんから、月々の収支や入金日もある程度は把握しておく必要があるでしょう。

働く時間や場所に縛られない分だけ、つい働きすぎにもなりますから、オンオフの管理や体調管理も、正社員時代に比べより重要になります。

さまざまな面で、誰に指示されることもなく自らやるべきことを見つけて実践していく、高い自己管理能力が求められることが分かるでしょう。

 

「仕事を得る」方法はさまざま

さらにフリーランスとして、「仕事をこなす」ためのさまざまな能力に加え、忘れてはいけないのが、「仕事を獲得していくための能力

会社員時代の知人から仕事を受けるケースはやはり多くはなっていますが、新規に仕事を獲得していく場合には、社会人としての常識をベースに、自分のスキルを見定めて市場価値を把握する力、能力を外部に知ってもらい、適性に交渉していく力などがあれば物事を有利に運べるでしょう。

 

 

「一つ、注意しておきたいのは、フリーランスは“確実に遂行できると思える仕事を選ぶ必要があることです。そこでもう一つ上のレベルに挑戦したいと考える時に、検討してみたいのが『派遣』の利用。派遣の場合、一定のスキルと意欲があれば、経験が十分でない仕事についても任せてもらえるフィールドがあります。パーソルクロステクノロジーでは週に数回や短期の派遣案件も増え、基本的にはフリーランスとして独り立ちしながら、興味のある案件を見つけたら派遣で働くエンジニアも多くなっています。また、仕事に空きができた際に派遣を活用して仕事を探すのもいいでしょう」

 

パーソルクロステクノロジーの派遣では、キャリアなどについても相談ができる制度があるのでその点も安心です。

 

IPAの「IT人材白書2019」では、IT人材の活動の場が広がっていることを記し、個人の能力を最大限に発揮できるよう、多様な働き方や能力を発揮する場を見つめ直そうとIT人材に伝えています。

これをきっかけに、働き方について改めて考えてみるのも良いかもしれません。

 

 

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