ITエンジニアが転職に失敗しないための心得とは──?
働き方に対する意識や環境の変革が進み、「転職」もキャリアを考える上で一般的な選択肢の1つとなりました。
自由度が高まった一方で「自分の強みがわからない」「事前のイメージとちがっていた」など、転職にまつわるさまざまな悩みやトラブルも増えています。
ITエンジニアが転職に失敗しないためのポイントはどこにあるのでしょうか。
パーソルクロステクノロジーのキャリアアドバイザーにヒントをもらいながら、その方法を考えていきます。
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転職を取り巻く環境の変化
誰にとっても「転職」は身近な選択肢に
日本が直面する「労働力人口の減少」をカバーするために、労働者一人ひとりの生産性を向上することが求められています。
持てる力を十分に発揮できる社会の構築を目指す「働き方改革」などの推進によって、ワークスタイルは今後いっそう多様化していくでしょう。
すでに働き方に対する世の中の意識や仕組みが大きく変わりつつある現在、より良い環境を求める人材の流動化はすでに活発になっています。
総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2019 年(令和元年)平均(速報)」によると、 2010年以降の転職者数は一貫して増加傾向。
19年は、前年比22万人増の351万人でした。
この中には、目まぐるしく変化するビジネス環境の影響で事業規模の縮小、さらには倒産を余儀なくされるといった外的要因によって、現在の勤務先から「転職せざるを得ない」状況に立たされた人も含まれています。
このように、いまや転職は誰にとっても検討しておく必要のある選択肢の一つになりました。
では、自分の能力や個性を最大限活かせるのは、どんな業界のどのような仕事なのでしょうか。
また、いかなる職場環境・勤務形態なら前向きに働き続けることができるのでしょうか。
特にITエンジニアが転職活動を進めるときに、気をつけるべきリスクについて考えてみましょう。
転職に失敗しないためのポイント①
「転職の目的を明確にして、優先順位をつける」
新しい技術が次々と登場し、トレンドの移り変わりが早いITエンジニア業界。
求められるスキルセットも常に変わります。
加えて現在、働き方の多様化によって週に数日、あるいは時短勤務を望む方も増えています。
スキルセットをアピールするだけでは、企業側としてもなかなか採用を決断できないのです。
パーソルクロステクノロジーキャリアアドバイザー
そのような業界において、ITエンジニア側が希望する転職の条件の中にも、実は自身では気づきにくい「矛盾」が含まれていることもあります。
たとえば、無理なくマイペースに働きたいが、ITエンジニアとして成長するために新しいチャレンジもしたい。
そんな迷いが生じた結果、少々業務負荷が高い職場を志望してしまうようなケースです。
ITエンジニアは、まずスキルアップできる環境かどうかを転職先選びの基準の一つにする傾向がありますから、新しい技術や知識を吸収しなければとの思いが強いあまり、そもそもなぜ転職するのか、働く上で何が一番大事なのかという軸があやふやになりがちです。
それどころか、とにかくさまざまな経験を重ねようと、転職そのものが目的化してしまっている求職者も少なくありません。
こうした点は自分のことだからこそ気づきにくいもの。
指摘されて、初めてハッとしたという方も多くいらっしゃいますね。
パーソルクロステクノロジーキャリアアドバイザー
失敗しない転職の一つ目のポイントは、「転職の目的」をはっきりさせ、整理しておくことでしょう。
そこが定まっていないと転職先の絞り込みもスムーズに進みませんし、いざ働き始めた後に「思い描いていた仕事や働き方じゃなかった」と不満を募らせてしまう結果になりかねません。
「もっと働きやすい職場があるかもしれない」
「なんとなく環境を変えたい」
などの漠然としたものではなく、
「次はこのスキルを身につけたい」
「数年後にはマネジメント業務へとシフトしたい」
「子育てと仕事を両立したい」
「プライベートをもっと充実させたい」
など、転職の目的を明確にした上で、それらに優先順位をつけておきましょう。
その軸に沿った活動で決まった転職先なら、想像と現実のギャップも最小限に抑えられるはずです。
転職に失敗しないためのポイント②
「新しい職場で働いている自分をイメージする」
二つ目のポイントは「新しい職場で働いている自分をイメージする」ことになります。
転職の目的や優先順位を明確にして転職したはずなのに、事前に聞いていた業務内容と実際の業務内容がちがっていて戸惑っている……。
このような事例も一定数あります。
その原因を分析してみると、事前の確認不足や、早まった決断にあることも多いと感じます。
パーソルクロステクノロジーキャリアアドバイザー
転職活動中は落ち着かず、早く決めて安心したいという気持ちが日に日に膨らんでいくもの。
そうした心理状態のときに企業からオファーが届けば、「自分の能力を評価してくれた」「断ると次のチャンスがいつくるかわからない」などの思いから、判断が鈍ってしまうことがあります。
まずは落ち着いて業務内容や採用条件について再度細かくチェックすることが大切です。
その際に、新しい職場で日々業務を行う自分の姿を具体的にイメージすると、自分のスキルや希望と異なる部分があることや、事前に解消しておくべき疑問などに気づける可能性も高まります。
また、業務内容だけでなく、その企業や業界を取り巻く状況がどのようなものか、面接時の対応やオフィスの雰囲気はどうだったかなど、総合的に検討した上で、冷静に見極めることを心がけましょう。
転職に失敗しないためのポイント③
「自分に合うワークライフバランスを把握する」
三つ目は、ワークライフバランスの改善が転職の大きな理由だったときに、「自分にとって仕事とプライベートの理想のバランスは何か」をきちんと把握しておくことです。
たとえば、長時間労働が常態化している、休暇をしっかり取得できないなどが転職を考える理由であったとします。
では、ほぼ定時に帰宅できれば、仕事としての物足りなさを感じたり、あるいは収入が減ることになったりしたとしても構わないのか──といった点について事前に検討しておくことが大事です。
パーソルクロステクノロジーキャリアアドバイザー
仕事が充実しているおかげで、いきいきとしたプライベートが送れるといった部分もあるはずです。
ワークライフバランスを意識しすぎるあまり、転職の可能性を狭めてしまったり、入社後に後悔してしまったりする方もいらっしゃいます。
残業も一律にNGとするのではなく、どこまでなら許容できるのか、ある程度柔軟に幅を設けておくとよいでしょう。
パーソルクロステクノロジーキャリアアドバイザー
転職希望者へのメッセージ
プロのサポートで失敗しない転職を
ここまで転職が一般的な選択肢として定着しつつあること、活動時の注意点などについて解説してきました。
「失敗しない転職」のためには、まず活動の指針となる自分の中の「軸」を定め、事前にしっかりと情報を収集しておくことが大切であることは、これまでに説明してきたとおりです。
ICTの浸透によって人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進などもあり、ITエンジニアを求めている企業、活躍できる舞台はさらに拡大しています。
その一方で、自分のスキルや得意分野を客観的に評価し、企業や業界の動向を正確につかんだりするには、自己流では限界があることも事実。
そこで有望なのが「派遣を利用した転職」という選択です。
最大のメリットは、企業や業界を深く理解している私たちキャリアドバイザーの支援をご活用いただける点です。
すでに就業している派遣スタッフのフォローなどを通じて、業務内容、社風、その職場に向いている人物像などをかなり具体的に把握しています。
入社しなければわからない就業環境や細かな条件なども、キャリアアドバイザーを通じて事前の確認が可能。
不安をできるかぎり解消し、納得した上で就業することができます。
パーソルクロステクノロジーキャリアアドバイザー
技術や知識などのスキルアップに対するアンテナは高くても、これからどのタイミングで、どんなキャリアを積めばいいのか、全体を俯瞰して見る機会はきっとそう多くはないでしょう。
「こんな経験しかないけど、仕事ある?」
「これからはどんなキャリアを歩んだらいいの? そのためにはどんなスキルを身につければいいの?」
「仕事と家庭を両立するためにはどうすればいいの?」
など、現在の悩みについてキャリアアドバイザーに相談しながら、「将来を見据えたキャリアパス」について一度じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。