金融系システムのSEが心掛けるべきこととは?
金融系システムは高品質かつ大規模で工数が多く、開発に関わる人数も多くなりがちです。そのため、IT派遣として働く上で金融系システムに携わる可能性は少なくありません。今回はそんな金融系システムの開発業務に求められることを考えていきます。
求められる「高品質」
金融系システムに求められるのは何と言っても品質です。極端な例ですが、もし開発した金融系システムが、お客さんが振り込んだ100万円を10万円として処理してしまったら、それを開発したシステム会社、開発を依頼した金融機関が信頼を失うだけでなく、日本経済が麻痺してしまうと言っても過言ではありません。こうした致命的なリスクが存在するため、金融系システムで一番に求められるのは品質なのです。
その結果、金融系システムで働くSEには、とにかく高品質なシステムを構築されることが求められます。製造の細かい技術より、いかに品質を担保したテストを消化できるか、システム改変によって他に影響範囲が広がらないかなどが重視されます。
大規模なシステム開発は一見華があるように見えますが、そうした地道で精緻な検証力や、先回りして考える力が必要になってきます。
税制や金融関連法などの知識と、その改正に対応できる柔軟性
金融系、特に勘定系と呼ばれるシステムでは、税金を考慮してシステムを構築しなければなりません。要件定義やユーザとの打ち合わせなど、上流の早い段階で税金に関する幅広い知見が求められるので、そのような知識を持っていることは武器になります。
また、最近では反社会的勢力への融資防止やマネーロンダリング対策なども増えてきているため、法律にも精通していることが、他のIT派遣で働くSEに対する優位性を持つことにつながります。
近年、金融機関に求められる要求の高度化と共に、金融機関のできる業務を規制している法律の改正が毎年のように行われています。NISAの制度改正などはその良い例でしょう。こうした制度改正に柔軟に対応できる能力も、金融系SEには求められます。
当たり前のことを当たり前にできる
金融系システムを利用するお客さんの立場に立って考えてみると、100万円のものが10万円として振り込まれたら大変ですよね。また振り込みにかかる手数料が余計に取られていたらどうでしょうか。
結局のところ、金融系システムに携わるSEに求められることは、当たり前のことが当たり前にできる実行力です。全く問題のないシステムを開発できた時の達成感は、他のシステムより比べものにならないものを感じられるでしょう。
派遣先として金融系のシステム開発を選ぶメリットは、このような高品質で、変化の激しいシステムを開発した実績や経験にあります。他の派遣業務では得られない経験値は、今後のキャリアを充実させていく上でも役に立つことでしょう。