企画してから売るまでがものづくり、いま営業力が求められている
「ものづくり」というと商品開発から作るまでの専門家と思われがちですが、最近は売るまでがものづくりの領域と認識されているようです。
ものづくりビジネス(製造業者)の人材には、顧客のニーズをしっかりとつかむ営業力が求められています。
こういった営業力は外回りの営業職だけのスキルではなく、ものづくり業界全体として考えていくことが必要です。
どうして営業力が求められるのか、どのような営業力が必要なのか、この記事で詳しくご紹介します。
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ものをつくる力、売る力のバランスが、売上につながる
「ものをつくる力」と「ものを売る力」の双方のバランスがあって初めて、ものづくりは売上につながっていきます。
どうして「ものを売る力」が重要になってきているのでしょうか。
それは、ものづくりの環境が変化していることが関係しています。ポイントは以下の3点です。
① Webにより情報化が促進
Webサイトでは日本だけでなく海外のものまでさまざまなものが販売されています。
消費者はわざわざ店に出向かなくてもWebサイト上で売れ筋の商品や欲しい商品を簡単に検索し、口コミや個人ブログからも情報を手に入れ、情報分析を容易に行えるようになってきています。
② 流通も発達
Webサイトで購入したものがユーザーに届くまでのスピードも速くなりました。
物流システムの効率化での差別化も難しくなっています。
③ 製品の性能に有意差が少ない
似たような機能やデザインの商品は少なくありません。
製品そのものでの差別化が難しくなっているので、市場では価格競争も厳しくなっています。
著作権や意匠権などの長所がない限り、そこで重要になってくるのは売る力である「営業力」です。
製品の性能に有意差が少なくなり、営業力は今までに増して必要とされています。
顧客のニーズを実現させるための営業力
「顧客のニーズをくみ取った製品をつくり、売りたい」という気持ちを実現させるには、営業力が必要となります。
まずは、顧客のニーズを把握することが第一歩です。
相手の話をよく聞き、事例紹介や話の整理などを繰り返して情報を引きだします。
そのニーズにあった製品を提案しなければなりません。
次に、実現可能か検討します。
納期やコストも含めて、瞬時に判断するには自社の製品や技術力、生産力をよく知ることが必要です。
さらに自社製品のある程度の規格、開発やバージョンアップが可能な範囲、各製品の一日の生産量などの理解があれば強みになります。
質問にしっかり回答できるように、自社製品のことを把握しておきましょう。
必要とされる営業力は、マーケティングに関わる全般といっても過言ではありません。
つくる力と売る力の連携で他社との差別化を図る
製品を売るために他社との差別化は大切です。
つくる力・生産力のみでの差別化が難しくなってきている現在。
売る力である「営業力」を強化することで、他社との差別化を図る方法をあげてみます。
まずは、提供方法での差別化を図ること。
納品までのスピードやお届け方法といった物流の強化だけでなく、保守・設置などのサービスといった付加価値での差別化も可能です。
これらを提案していくのは営業力であり、実現するのは生産力ですから連携が大切になってきます。
次に、顧客対応力での差別化を図ること。
会社や担当者の信頼関係を築くことは非常に大切です。
必要な情報の提供が十分か、顧客の気持ちに寄り添って製品を提供しているでしょうか。
製品そのものでの差別化が難しい場合ほど、ここでの営業力による差別化が重要になってきます。
営業力を気持ちでアップさせよう
営業力強化の必要性、ニーズ、差別化について紹介してきましたが、自分の仕事を振り返ってみて営業力の自己評価はいかがでしょうか?
営業職の方はもちろん、それをつくる側にも営業力は必要といえます。
売り込む営業力も肝心ですが、一番の営業力とは顧客の「欲しい」を現実にしようという情熱ではないでしょうか。
中小企業にとって、価格競争は大きな痛手になります。
中小製造業メーカーの経営者はしっかり戦略を立て、消費者との需要と供給を成り立たせることが必要不可欠です。
研究会なども開催されているので、参加するのも効果的かもしれません。