CFRPによる自動車軽量化?その鍵を握るCFRP技術とは?
2010年にランボルギーニ社によって発表された999kgのフルカーボン車が当時話題となったことはまだ記憶に新しいのではないでしょうか。
他にも「第2回自動車部品加工EXPO」で、炭素繊維強化熱可塑性樹脂を使用した、ボディが47kgの試作品を発表。
そして、2018年3月には初めて量産車に本格採用された、と日経xTECHによって報じられました。
この構成部分には熱可塑性CFRPが使われています。
日経xTECHでは技術士取得支援サイトといった特設サイトや中国ロボット掃除機の記事も掲載しているのです。
産業技術総合開発機構のサイト内のニュースにも度々取り上げられる、CFRP技術。
まだ生産性に課題はありますが、今世界中の自動車メーカーで自動車の軽量化が進められているのです。
一体なぜ自動車を軽くする必要があるのでしょうか?
今回の記事では、その自動車軽量化の鍵を握る成形技術「CFRP技術」についてご紹介します。
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なぜ自動車を軽くする必要があるのか?
「なぜ、自動車は軽量化しなければならないのだろう?」自動車の軽量化と聞いて、このような疑問を持つ人は少なくないでしょう。
実は、自動車メーカー各社が軽量化を推進しているのには大きな理由があるのです。
それは燃費向上のためです。
単純な話ですが、車体は軽くなればなるほど少ない力で進めます。
そのため、同じエンジンでも車体が軽くなった方が燃費が良くなるのです。
さらに、燃費が良くなることで燃料も少なくすむため、環境負荷を軽減することにも繋がります。
2016年よりポスト新長期排出ガス規制よりさらに厳しい規制が導入されます。
燃費の良さは排出ガス低減にも繋がりますから、これを満足するためにも材料技術開発は進み、自動車各社は1gでも軽い自動車商品の開発を推進しているのです。
炭素繊維複合材料市場は、2030年には2016年の約4倍になると予想されています。
自動車軽量化の鍵を握るCFRP技術とは?
CFRPとはCarbon Fiber Reinforced Plasticsの略称で、炭素繊維強化プラスチックのことです。
炭素繊維と樹脂の複合材であり、鉄やアルミなどよりも軽く、なおかつ強い素材です。
今までは部品を削ったり、強度のいらない部品を樹脂化したりして軽量化を進めていましたが、このCFRPが自動車業界でも使われるようになり、今後自動車の軽量化が飛躍的に進む可能性があると言われています。
いわば、CFRPという成形加工技術が自動車軽量化の鍵を握っている、と言っても過言ではないかもしれません。
モータースポーツの分野においても、CFRP技術が使われています。
今後どのような部品にCFRP技術が使われるのか?
CFRP技術を取り入れた設計が進み、今後自動車の様々なものづくり(部品づくり)に応用されることが期待されています。
例えば、車のエンジンからの動力をタイヤに伝える重要な役割を担うプロペラシャフトなどにもCFRPが使えるのではないか、と考えられています。
なんと金属で作られていた従来品と比べ50%も軽量化できるのだそうです。
また、アルミや鉄などで作られている、車のボディ部分や強度的に樹脂化が難しかった部品も、CFRPを使えば強度的にも問題なく使えるのではないかと開発が自動車各社ですすめられているのです。
このようにCFRP技術は用途拡大し、これからもあらゆる部分で使用されることでしょう。
聞き慣れない技術についても知っておこう
普段聞き慣れないCFRP技術や軽量化の話も、排出ガス規制と同様に自動車業界では重要な話です。
材料技術先導性の観点からの本も発売、そして各地でセミナーも行われています。
もし、あなたが自動車会社の技術者や研究開発に携わろうとしているなら、CFRP技術について知ることは肝心です。
自動車会社就職をしようと考えているのであれば、開発に携わらなくても聞き慣れない最新技術について、簡単にでも知っておいた方がいいでしょう。
車向け安全技術と同様に、これらの最新技術は自動車産業を変える可能性があるのです。