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機械設計に欠かせない「荷重」と「応力」についてわかりやすく解説。

機電派遣コラム

荷重とは物体の2点間の接触面で発生する力のことです。機械部品に荷重の要素加われば、当然その部品は何かしらの影響を受けることになります。また、金属材料を幅広く扱う機械設計の分野において、応力が材料の破壊と密接に関わりがあることは自明であり、その応力は先にも述べた荷重の影響によるところが大きいです。材料力学において重要な要素である「荷重」と「応力」。今回はその種類と簡単な内容をご紹介します。

 

材料力学に大切な荷重と応力の関係

部品に引っ張りや圧縮などの負荷を加えると、材料の内部で変形を起こし、同時に抵抗力が発生します。この内部に生じる抵抗力を「応力」と呼んでいます。応力がある一定値を越えると材料のヒビ割れや破壊などが起こるため、荷重の定義から内部応力を導き出すことは、機械部品の設計者にとって重要な課題です。荷重の影響によりどの程度の応力が働いているかは、単位面積あたりの抵抗力で表し、kgf/cmやkgf/mmなどの単位を用います。

 

応力が発生する原因の1つ「荷重」の種類について

荷重はその作用やかけ方によって、次のように分類することができます。

①引張荷重

材料を引き伸ばす時に働く荷重。降伏点を通過すれば形状は元に戻りません。

②圧縮荷重

材料を押し縮める時に働く荷重。内部に応力が発生するため、ひび割れや亀裂が起こります。

③曲げ荷重

材料を曲げる時に働く荷重。材料の曲げや折れが起こります。

④せん断荷重

材料を挟みきる時に働く荷重。文字通りせん断破壊が起こります。

⑤ねじり荷重

材料をねじる時に働く荷重。ねじりによる切れや折れが起こります。

 

荷重のかかり方を示す「静荷重」と「動荷重」とは

荷重の加わり方には以下のような状態があります。作用の状況によって材料への影響が異なるため、CAEなどの解析作業を行う上で大切な予備知識となります。

①静荷重

一度加わった荷重がそのまま変わらない状態のことです。物体が静止した状態での荷重作用のため、応力などの計算による負荷は低いです。

②動荷重

動きを伴う荷重作用のため、計算が非常に難しいです。応力を導き出すには、コンピューターの力が必要です。
動荷重には3つの種類があります。

  • 繰り返し荷重
    1方向に対して断続的に加わる荷重。
  • 交番荷重
    荷重が引張りから圧縮へと変化する荷重。
  • 衝撃荷重
    瞬間的に加わる荷重。(ハンマーなどで叩くなど)

 

設計者として覚えておくべき「応力」の種類について

単純応力として以下の3つの種類があります。基本的にこの3つを最初に覚えおけば問題ありませんが、2つ以上の応力が組み合わさって発生する複合応力(例:曲げ応力、ねじの締め付けの際に発生する応力)などもあるので、状況によって応力の定義も変化する場合があります。

①引張応力

部品の引き伸ばしの際に生じる応力のことです。

②圧縮応力

部品を圧縮する力が加わった際に生じる応力のことです。

③せん断応力

部品を2方向から挟み切るような力が加わった際に生じる応力のことです。

 

設計に必ず活かされる材料力学の知識

材料力学に欠かせない、荷重と応力の種類とその内容。これらの知識が活かされれば、部品の材料選定から耐久性を考慮した形状まで幅広く応用できます。荷重や応力などの作用はどんな機械部品にも発生するため、部品の破壊や欠損を防ぐためにも、欠かせない知識として学習しておくべきでしょう。

 

 

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