半導体設計の最終段階「レイアウト設計」は一体どんな仕事?
スマートフォンや時計など、電子機器の溢れる現代を生きていく上で、半導体はなくてはならない存在です。
大きさにしてわずか1mm角の小さな半導体が製品として世に出てくるまでには、10を超えるたくさんの工程を経る必要があります。そんな半導体設計開発、設計段階の最終工程である「レイアウト設計」とは一体どんな仕事なのでしょうか?
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レイアウト設計ってどんな仕事?
レイアウト設計は、回路設計者から降りてきた製品の回路図をパターン原版(フォトマスク)にしていく仕事です。
半導体はチップの回路図が出来ただけでは製品にならず、半導体はフォトマスクを作成した上で実際の製造に入る必要があります。
そのパターン原版の配置を考え、作成するのがレイアウト設計です。
レイアウト設計はP型半導体やN型半導体、メタル配線や容量・抵抗などを十何層にも重ねて実際の回路をブロック単位で作成していきます。
最終的には、作成したブロックをレイアウト上で繋ぎ合わせて、要求仕様を満たすフォトマスク作成用データとなります。
レイアウト設計の進め方や使用ツールは?
コンピュータが浸透する前は机上で手書きしていたレイアウト設計も、近年ではCadence社、Synopsys社、Mentor社等から提供されるCADツールを用いた作業が一般的です。
大概のことはマウス操作で行うことが出来ますが、より早いオペレーションを行うためには、ショートカットを駆使する必要があります。
ショートカットは種類も多く、覚えるまでには時間がかかりますが、覚えてしまえば作業スピードは格段に上がるので、少しずつでも覚えておくと効率的に作業できます。
作業だけでなく、知識も求められる仕事
指示通りに行う作業だけならCADの操作に慣れてしまえば誰でも出来るようになります。
しかし、作業者としてただ指示通り作るだけではレイアウト設計者とはいえません。
製品となった半導体の電気的挙動はレイアウトによって、寄生抵抗や寄生容量が付き、想定外の不具合が起こる可能性があります。
それを防ぐためにレイアウト設計者は、半導体の縦構造を理解し、回路設計者と対等に情報交換を行い、不具合の起こらないレイアウトを心がけていく必要があります。
レイアウト設計はスキルも知識も必須となる重要な工程
レイアウト設計はコンピュータを用いて回路図をパターン原版に起こしていく作業がメインとなります。
しかしながら作業だけではなく、半導体の実動作に関する幅広い知識を用いて製品の不具合を事前に防ぐ努力が必要となります。