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CADオペレーターになるには?メリットと仕事内容から考える職種の将来性

機電派遣コラム この記事は約 10 分で読めます。

ものづくりの現場に欠かせない役割を担う「CADオペレーター」は、CADを操作してコンピューター上で設計図の製図を担う職種です。「建築業界で需要のある職種」といったイメージが強いですが、その仕事内容は多岐にわたり、機電関連エンジニアリングやインテリア業界、アパレル業界など、活躍の幅は拡大しています。

本記事では、CADオペレーターについて、仕事内容や向いている人の特徴、必要なスキルや資格などから、CADオペレーターになるメリットを考えていきます。

CADオペレーターとは

CADオペレーター(読み方:キャドオペレーター)は、CAD(Computer Aided Design)を操作して建物や製品の制作に用いる「製図」を作成する技術者のことです。

建築業界や製造業界で活躍しているイメージが強い仕事ですが、下記のような「ものづくり」業界全般での高い需要がある職種です。

  • 建築・土木業界
  • インテリア業界
  • 福祉業界
  • 自動車業界
  • 航空業界

なお、CADとは建物や製品など、あらゆるものの設計図・製図を描けるシステムであり、CADシステムは大きく次の2種類に分類できます。

種類 用途 特徴
2D CAD 2次元(平面図、立面図、断面図)
  • 手書きの製図と同じ要領で製図可能
  • 断面図なので作成した製図を別角度から見ることはできない
  • 製品全体の形状を把握する想像力や空間把握能力が求められる
3D CAD 3次元(立体図)
  • 立体図の製図が可能
  • 製図した図面を各方面から確認でき、視認性の高い製図が描ける
  • 曲線の多いデザインなど、2D CADでは描けない製図の作成も可能
  • 導入コストが高額

 

CADオペレーターの仕事内容

CADオペレーターの主な仕事は次の3つです。

  • CADを使用した製図
  • 図面修正
  • 製図データの管理

CADオペレーターの仕事は、製図および製図データの管理です。製図は1回で終わることはなく、必要に応じて修正を行いながら完成させます。この修正もCADオペレーターが担うため、製図データの適正な管理もCADオペレーターの仕事です。

 

CADを使用した製図

CADソフトを使い、設計士やデザイナーなどの指示に従って製図します。CADオペレーターのメイン業務であり、正確さとスピードの両立が求められる工程です。イチから製図をする場合もあれば、手書きの製図をCADでトレースすることもあります。

 

図面修正

製図の後工程では現場にて建物や製品の製作に入っていきますが、製作状況やクライアントの希望による仕様変更に応じて図面の修正作業が発生します。製作は図面に沿って行われるため、修正作業においても正確性とスピード感が求められます。

 

製図データの管理

設計図は一度の製図で完成するわけではありません。細かい修正を加えながら完成形を目指すため、製図データの適切な管理もCADオペレーターの重要な業務です。

製図データが適切に管理できておらず、紛失や破損してしまうとイチから作り直すことになりかねません。全体のスケジュールにも影響がおよぶため、適切な場所に、適切な仕様での保存が求められます。

また、近年ではCAD設計士やデザイナーが設計図を製図することも珍しくありません。その場合のCADオペレーターのメイン業務は設計図の修正・調整になります。

 

CADオペレーターとCAD設計士との違い

CADオペレーターと似たような言葉にCAD設計士がありますが、両者の主な違いは、CADを使用する目的にあります

目的 概要
CAD設計士 指示
  • 形状などの仕様を考え、設計図を描く指示のためにCADを使用する
  • 設計する分野の専門知識や法知識をはじめ、安全性、環境への負荷、製造コストなどを考慮する必要がある
CADオペレーター 製図
  • 設計士やデザイナーの指示に従い、CADを使用して製図を行う
  • 設計は行わず、設計士やデザイナーの補助的な業務を担う

簡単にいうと、CAD設計士はCADを使用して「指示」を出す役割なのに対し、CADオペレーターはその指示を受けてCADでの「製図」を担います。つまり、CAD設計士はCADオペレーターの上流工程にあたる仕事です。

 

CADオペレーターの年収

転職サイトdodaに公開されている求人から調査したところ、CADオペレーターの年収相場は約402.6万円となりました。国税庁が公表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は458万円なので、CADオペレーターの平均年収はそれほど高い傾向とはいえません。

ただし、就職する会社やその会社での役職、これまでの経験などにより、提示される年収には約300万円~900万円ほどの大きな開きが見られ、場合によっては年収1,000万円を超えるケースもありえます。

また、業界を問わず、CADオペレーターは実務経験が重要視される傾向です。そのため、経験年数が長くなればなるほど好待遇を提示される可能性が高まります。

 

CADオペレーターになるメリットと将来性

CADオペレーターの業務はものづくりには欠かせない仕事です。しかし、急速なイノベーションが進行するAIの実用化が本格化すれば、特別な創造性は求められないCADオペレーターの一部業務は代替される可能性も否定できません。

ただし、AIが苦手とするクリエイティビティやコミュニケーション、イレギュラーな対応などはまだまだ人の手が必要です。CADオペレーターの仕事がなくなることは考えにくいでしょう。

なにより、CADオペレーターは典型的な技術職であり、確かなやりがいを得られるメリットがある仕事です。

【CADオペレーターになるメリット】

  • 努力の結果が見えやすく、スキルや実務経験と評価が直結しやすい
  • 活躍できる業界が幅広い
  • 成果物が評価される達成感など、ものづくり特有の喜びがある

さらにキャリアパスとして、CADオペレーターの経験を活かしてCAD設計士やデザイナーにキャリアチェンジする、あるいは別分野に転職するケースも多々見られます。

なお、ものづくりの現場では3D CADが主流になりつつあります。特に3D CADオペレーターの将来性は明るいと評価できるでしょう。

 

CADオペレーターになるには

CADオペレーターになるには、次のような選択肢があります。

  • 正社員
  • 派遣
  • パート・アルバイト
  • フリーランス

CADオペレーターは技術職であるため、高いスキルをもっていれば長く働けます。特に2Dから3Dへの移行期である現在、3DCADオペレーターが大幅に不足しており、3D関係のCAD資格を持っている場合は好待遇で迎えられる可能性が高いでしょう。

また、CADオペレーターとしてある程度経験を積んだら、設計士やデザイナーへのキャリアアップも目指せます。上記のように働き方にも幅を持てるため、ライフステージにあわせて変化が起きやすい女性にとっても将来性の明るい仕事です。

 

CADオペレーターが「辛い」「やめとけ」と言われる理由

CADオペレーターのことを調べていると「辛い」「やめとけ」といった文言を目にすることがありますが、それはCADオペレーターの業務上、次のような特性があるからだと考えられます。

  • 納期に追われる
  • 正確性・スピードが求められる
  • 業界や分野の専門知識が必要
  • 担当者によって図面の描き方が変わる

後行程が控えているため、CADオペレーターは納期厳守で業務を遂行する必要があります。また、正確性やスピードを求められる仕事でもあるため、納期が重なった場合はプレッシャーとの戦いにもなるでしょう。

さらに、携わる分野の専門用語や知識のインプットも必須です。製図が完成したのちのチェック担当者によっては、図面の描き分けを求められることもあるなど、臨機応変に対応しなくてはいけない点は「辛い」と言えるでしょう。

ただし、上記で述べた内容はCADオペレーターに限定されるものではなく、どの業界・職種においても該当するものです。CADオペレーターが辛いかどうかは「適正による」ところが大きいでしょう。

 

CADオペレーターに向いている人の特徴

前述した「辛い」「やめておけ」と言われる理由をカバーできる、次のような適性を持つ人はCADオペレーターに向いています。

  • 想像力があり、物作りが好きな人
  • スピーディーに仕事をこなせる人
  • 几帳面で丁寧な人
  • 向上心がある人

繰り返しになりますが、CADオペレーターはデザイナーや設計士の考えるデザインを忠実に再現する必要があります。そのため、想像力があり、物作りが好きな人でなければ務まりません。

また、後行程にも影響するため、製図や修正作業にはスピード感を求められます。ただし、作業が早いだけで正確性に欠けてしまうと後に大きな損失などを招きかねないため、小さなミスも見逃さない几帳面さも重宝される要素です。

さらに、CADのソフトウェアや携わる業界の進化にあわせてスキルアップしていける向上心も、CADオペレーター向きの特性に数えられるでしょう。

 

CADオペレーターに必要なスキル・知識

CADオペレーターになるために、次のようなスキルや知識を身に付けておきましょう。

  • CADソフトに関するスキルや知識
  • 働く業界に関する専門知識
  • コミュニケーション能力

CADオペレーターは、CADソフトを扱えるのはもちろん、設計士やデザイナーから専門用語を使った指示を受けることもあるので、働く業界に関する知識は不可欠のものです。また、前工程では設計士やデザイナーと、後行程では現場の人と認識の擦り合わせや確認を行う場面もあるため、スムーズに業務を遂行するためのコミュニケーション能力も磨いておくとよいでしょう。

 

CADオペレーターに必要な資格

CADオペレーターになるために必須となる資格はありませんが、自身のスキルや知識の証明として機能するため、次のような資格を持っておくと就職や転職活動の際に有利に働くでしょう。

資格名 概要 主催団体
CAD利用技術者試験 設計において使用するCADの操作スキルを証明できる資格。2次元と3次元がある 一般社団法人コンピュータ教育振興協会
建築CAD検定試験 建築図面の製図に特化した試験。建築CADの知識・スキルが身につく。試験は4~準1級に区分される 一般社団法人全国建築CAD連盟
Vectorworks操作技能ベーシック認定試験 建築・住宅・インテリアなどの業界で使用されることが多いソフトウェア。基本の操作や知識が問われる。在宅受験可能で、合否がすぐにわかる エーアンドエー株式会社
CAD実務キャリア認定制度 TCADs、3次元CADトレーサー認定試験、3次元CADアドミニストレーター認定試験、CADアドミニストレーター認定試験の4種類があり、CADの実務的なスキルを図る 一般社団法人コステックエデュケーション

一生の仕事にしやすいCADオペレーターを目指すにあたっては、資格の取得などを通して必要なスキルや知識を取得していくとよいでしょう。

 

 

まとめ
  • CADオペレーターは、CADを操作して建物や製品の制作に用いる「製図」を作成する技術者
  • 建築業界や製造業界のイメージが強いが、インテリア業界やアパレル業界、CG業界などでも需要が増している
  • 特に3DCADオペレーターは大幅に不足しており、3D関係のCAD資格を持っている場合は好待遇で迎えられる可能性が高い
  • 実務経験が重要視される傾向が見られ、経験年数が長くなればなるほど好待遇や高年収が期待できる
  • CADオペレーターのメイン業務である製図では、正確さとスピードの両立が求められる
  • 納期のプレッシャーなどから「辛い」「やめとけ」と言われることもあるため、一定の適性が求められる
  • CADオペレーターになるために必須となる資格はない

 

 

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